視覚障害者である長谷川さんのお話を聞きました
その前に、職員向けにお話しいただいたのは、6月6日のブログでお伝えしたとおりです。
児童会役員がサポート体験
長谷川さんは、本校3年生のお父さんです。
人権教育部の職員が担当
「ぼくは、全く目の見えない人です。・・・」と始まりました
「・・・例えば、みなさんは、あいさつしますよね。いろいろなところで。目の見えない人は声が頼りです。声かけしてもらえたら、ここにいると分かるのでいいです。」
「声かけって、見える人にとっても大事ですよね。体調についても、声に出してもらえたら分かりますよね。ケガなら見て分かります。でも、お腹が痛いのは目に見えないから、言葉にしないと伝わらないです。」
「あいさつの大事さは、学校でも家でも教えてくれますよね。ぼくら視覚障害者にとってもあいさつはとても大事なんです。あいさつしてもらったら、助けてもらいたいとき言いやすいんです。声かけっていいんです。」
「道を歩いていたら、見かけたら、何か声かけしてしてください。みかん畑で働いている人がいたら、声かけるのもいいですね。つまり、視覚障害者でも、他の障害者でも、そうでない人でも、あいさつをしてもらうと気持ちがいいのは同じなんです。」
「『大丈夫ですか?』という声かけは、言いたいのに言えない人にとって助かります。『大丈夫ですか?』と声かけしてもらうと次の言葉が出やすいんです。言葉のキャッチボールって大事だと思います。」
「たまたま道を歩いて『こんにちは』『大丈夫?』と声かけられたら、ぼくは嬉しいです。声かけ、言葉の重要性を感じます。取り組みというか、中学校へ行くまでにできるようになってもらえたらと思います。」
「今、ぼくは、みんなの方を向いていますか?」「はい」
「そうやって、声を出してもらえると、安心します。そして、人がいる右端から左端までが分かり、どれだけ人がいるかも感じることができます。これは、声を出してもらえたから分かること。知らせるという意味でも。視覚障害者の人からのお願いです。」
ここで、お母さんが、少しお話しくださいました。
「今、何時ですか?」「2時45分!」
「ありがとう。例えば、こういうことも教えてくれたらいいなと思います。小さなことでも、言葉で教えてください。それが、視覚障害者の人にとって大切なことなんです。」
再びお父さんから
「視覚障害者にとって、どんなふうに見えているか、想像できる?実は、目の前が真っ暗というのではないんです。ぼくの場合は、灰色に感じます。 目を開けていてもつぶっていても灰色です。」
ここから、質問コーナー
Q「車の運転はどうしているんですか?」
A「目が見えないので、運転はできません。」
Q「いつから、目が見えなくなったんですか?」
A「24歳の時です。」
Q「歩くときはどうしますか?」
A「人の肩を借りたり、白杖を使ったりしています。」
1年生から、「白い杖で、どうやって?」と質問があったので、実際に白杖を使って歩いて見せてくださいました。
前に物がない場合とある場合とでどう違うのか・・・
まだまだ質問は続きます
Q「病院に行って、お医者様に、『もう目は治りません』と言われたときはどんな気持ちでしたか?」
A「ショックというより、何で?という感じだったかな。言い表すのは難しいです。」
Q「目が見えない感じって、どんなですか?」
Q「急に目が見えなくなったのですか?それとも、だんだん見えなくなったのですか?」
A「ぼくの場合は、朝起きたら急に目が見えなくなっていました。」
Q「目が見えなくなったとき、どう思いましたか?」
A「こわかったです。」
Q「一番不便なことは何ですか?」
A「いろいろありましたが、できないことに対して練習をしてできるようにしました。不便なことは、練習をします。」
あっという間に、25分間が過ぎてしまいました。
まだまだたくさんの子どもたちが手を挙げて質問をしたそうでしたが、終わりの時間になったので退場
拍手でお見送りしました
退場は、3年生の息子さんの肩を借りて
このあと教室に戻って感想やお手紙を書くことを担当から話しました
今年で、3回目
毎年、とてもいいお話を聞かせていただいています。
視覚障害者の方を理解する上で、そして、自分たちの生活をよりよくする上で、とても意味のある内容でした。
長谷川さん、どうもありがとうございました