いじめについての6年生道徳授業をお届けするのは、今回で2回目
5時間計画のうちの、今日は3時間目の内容です。
前時のふり返りの一部を紹介することから授業に入っていきます。
今日の学習内容について
詳しい説明や指示はしません 電子黒板に示しているからです。
学習メニューにしたがって子どもたちは学習していきます
真剣にワークシートを読んで考えを書き込む姿
班で意見を交流する姿
それを発表する姿
これらをくり返し、授業は進んでいきます
それにしても、全員が考えを書き始めるのが早い そしてそのスピードも速い
その点では、すべての学年の中で1番です(そう言えば、算数などで問題を解くはやさとできる問題数の多さも1番)
以下のように、しっかりと感想を書ける児童がたくさんいる学年です
裏にまで書く子が何人も
今日の資料で一番注目した資料はこれです。
いじめが起きるのは
私がゴミを捨てたいと思い、教室の隅にゴミを放り投げたとしましょう。正義の味方がしかってくれれば、私はそれ以上捨てません。正義の味方がいなくても、みんなに非難の目で見られれば、それ以上ゴミを捨てないでしょう。
ところが、みんなが「見て見ぬふり」をしたとしましょう。私は、2個目のゴミも捨てます。3個目のゴミも捨てます。すると、調子に乗る人たちが出てきて、その人たちもゴミを捨て始めます。しだいに、教室がゴミだらけになっていきます。そうすると、普通の人もゴミを教室に捨てるようになります。
そうして、ほとんどの人がゴミを放り投げるようになれば、まじめにゴミ箱までゴミを持って行くと、変な目で見られるようになります。みんなに仲間はずれにされないようにと思えば、悪いと思いながらも、ゴミを放り投げるようになるでしょう。こうして、ゴミを放り投げてもよいというふんい気できあがります(ゴミ捨て許容空間)。
いじめを見て見ぬふりする大勢の傍観者によって、いじめをゆるすふんい気(いじめ許容空間)ができあがります。いじめたいという思いと、いじめ許容空間によって、いじめは起きるのです。
これは、碓井真史(新潟青陵大学大学院教授)の文章です。少々難しい言葉が出てきますが、子どもたちに分かりやすい例を挙げて、説明してくれています。
何人もの子どもが、私と同じようにこの文章に注目してまとめの感想を書いていました(一部抜粋)。
「今日は、いじめ許容空間という言葉を知った。いじめはする人に問題があると思っていたけど、その場の空気にも問題があると分かった。」
「いじめ許容空間という言葉を初めて知った。いじめはいけないことだと、今日改めて知ることができた。いじめをさせない空間をつくればよいのかなと思った。」
最後に、碓井教授の文章をもう少し続けます
いじめは悪いこと
今までも、全国の学校で「いじめ0宣言(撲滅(ぼくめつ)宣言)」や「いじめ0運動(撲滅運動)」などが行われてきました。子どもたちが、様々な工夫をして、いじめ問題に取り組んでいます。学校みんなで取り組むことによって、いじめはだめだ、いじめは許されないという雰囲気がつくられていきます。
もちろん、それでいじめが0になるわけではありません。けれども、このような取り組みによって、いじめ許容空間を広げないことはとても大切です。
この一連の授業案は高学年用です。5年生でも実施する予定です