mitakeつれづれなる抄

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高知県土佐郡大川村で、村議会を廃し町民総会設置を検討

2017年05月02日 | 地理・地名
 昨日のCBCラジオニュースで報じておりましたが、高知県土佐郡大川村で村議会を廃し、住民総会の設置を検討しているそうです。
 検索したら毎日新聞記事が見つかりました。
記事:高知・大川  村議会を廃止、「町村総会」設置検討を開始

 この大川村は、離島を除くと全国人口最少の村で、2016年10月1日現在の住民基本台帳人口では387人。
 かつての離島を除いた本土で全国最小の村が愛知県にあり、北設楽郡富山(とみやま)村が、村廃止時で約200人ほどいたのと比べると、人口は多いです。

 そもそも議会を廃し、住民総会で村の運営ができるのか、といえば出来ます。
 地方自治法に規定があり、第89条で地方自治体には議会を置く、の規定がある一方、第94条・第95条で議会を置かず、選挙権を有する者による町村総会を置くことができる、という規定があります。

 私が知る限り、かつて伊豆諸島の八丈島からさらに西へ離れた八丈小島にあった宇津木村で、戦後しばらくの間、八丈村に編入されるまで村議会を置かず、村民総会を置いて、これで村の決まり事など運営していたそうです。
 この宇津木村、人口が極めて少なく、八丈村に編入で廃止の時点で100人を超えておらず、90人程度ではなかったか、です。
 このような極めて小さな村では、他の地方公共団体と同じような制度をそのまま当てはめるのは不合理な点があり、そこで村民総会(総代会)による運営も認められています。
 ちなみに宇津木村、江戸時代の村がそのまま明治維新を迎え、地方制度である町村制の対象にならず、名主制度のまま、戦後を迎えました。戦後、島嶼町村制施行により地方公共団体たる宇津木村が発足しましたが、名主制度がそのまま村民総会に移行して、議会が置かれることは一度もありませんでした。

 このような村民総会による村政が平成の御世に登場するとは意外です。
 この大川村、かつてはもっと人口が多かったのですが、渇水時期にニュースでよく登場する、早明浦ダムのある村で、ダム建設により、村の多くが水没することになり、離村などで、人口がここまで少なくなってしまいました。
 愛知県北設楽郡富山村も同じ様にダム建設で、村の多くが湖底に沈むことで人口が大幅に減ってしまったという点でも共通です。

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2 コメント

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私も興味があります (しんきち)
2017-05-02 19:18:10
私もこのニュースには興味があります。

もう25年近く前になりますが、今より若く、まだ元気だった頃、1992年に、原付で四国本島の全市町村踏破を目指す途中、この大川村にも立ち寄りました。ネット上の画像などでも分かりますが、ダム湖の沿岸にへばりつくように集落のある、まさに山の合間の村でした。例の富山村にも通じる、なかなか風光明媚な所とも言えますが、でもこの場所での生活はやはり不便だろうなと、そう感じました。
当時に比べても、人口はさらに相当減っているようです。

あと、八丈小島の旧宇津木村。ウイッキぺディアでは、1950年の国勢調査での人口が66人とのこと。5年ほどで急に人口が増える要素はほとんどないので、この数字が正しいのではないでしょうか。それにしても、人口が二桁の村が、当時はあったんですね。

私は、東京都の島嶼の町村で、八丈町だけは1984年に行ったことがあるんですが、海岸からこの八丈小島を眺めたのをはっきり覚えています。あの島に昔はふたつも村があったんですね。しかし、やはり生活には相当不便だったのでは。
僻地の僻地 (kisomitake)
2017-05-03 00:50:03
コメント、ありがとうございます。
旧宇津木村、66人なのですね。
この話題、どこかのテレビ番組でもやっており、戦後まで続いた例として宇津木村を出していました。
その時の数字が私が記憶していた数字よりもずっと少なかったです。
うろ覚えで、たしか88人くらいかと思っていました。
ゾロ目だったのを覚えていましたので。

鳥も通わぬ八丈島、とも言いました。
そこから更に離れた小島の八丈小島。
あんな小さな島に、村が二つありました。
しかし僻地中の僻地、暮らしには不便で、移住政策の結果、今は無人島です。

戦前の地方自治法施行前の町村制施行下では、議会を置かず町村総会でまわしていた自治体は、本土にもいくつかありました。
その研究成果があり、kisomitakeの隣村、王滝村が、木曽町編入を断られ、議会を廃し、村民総会移行を検討したものの、結局は従来通りの村議会制のまま現在に至っています。
王滝村は人口が800人程度ながら、スキー場開発がたたって、村債務が巨大です。

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