mitakeつれづれなる抄

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東京湾の中央防波堤埋立地帰属区は江東区86%

2017年10月17日 | 地理・地名
 東京湾の埋立地で中央防波堤というところがあります。場所はここ。


 この画像の下の端が羽田空港で、13号地お台場の沖合に位置する人口島です。
 この人工島はゴミ埋め立てによって成立した人工島で、今は一般の人は立ち入れられないです。
 ただ島の中を幹線道路が通り、通り抜けだけなら入れます。

 この人工島を知ったのは、昭和も末期。
 都営バス路線図で、13号地お台場の東京テレポート駅から出ている、波01系統が陸地を超えて海の方へまっすぐ伸びて、島だけで何も無い所が、中防合同庁舎停留所。
 後で知ったのは、この中防合同庁舎は、都環境局の庁舎で、中央防波堤という新しい陸地にあり、13号地お台場からは海底トンネルを通り至る、ということ。
 さらにこの中防合同庁舎へは都の関係車両でなければ行けない、ということで、路線バス愛好者の間では、不思議なところで割と知られれているところでした。都バスは誰でも乗れますので、バスではこの中防合同庁舎まで行けたわけです。

 で、この中央防波堤、元々は海で所属する区はありませんでした。当然ですが。その地が陸地化すれば帰属問題が生じ、陸地となって約40年、帰属区未定のまま現在に至っていました。理由は至極簡単、だれも利用しなかったですし、だれも利用できませんでした。埋め立て用地ばかりで他に使いようが無かったです。
 しかしここにきて帰属問題が出てきたのは2020年東京オリンピック。ここでカヌー競技が行われることとなり、それを機に街づくりをしようとする動きが、帰属を主張する江東区と大田区双方から出されました。
 とすると、この中央防波堤はどこの区に属するのか、更に言えば江東区と大田区の境界は・ということになります。

 江東区としては、東京ゴミ戦争の問題から、東京が巨大化する過程で江東区の沖合にごみ埋め立て地が設けられ、ゴミ収集車が頻繁に通ってきた結果故、中央防波堤も江東区のものだ、という主張。
 大田区としては、大田区在住の漁民が代々東京湾でノリ養殖を行ってきた範囲に、この中央防波堤ができたので、大田区のものだという主張。
 江東区のゴミ問題は、たしかに頷けます。夢の島が出来て、それがいっぱいになると更に沖合に新埋立地ができ、それが若洲となり、いっぱいになると、沖合に中央防波堤となる新しい埋立地と進んできました。

 そしてこの中央防波堤の帰属は、江東区86%、大田区14%という東京都の裁定が出ました。
ANNニュース(画像クリック)


 14%とされた大田区からは異議が出され、調停に持ち込まれる見込みであるとのことです。

***
 東京都民でもない私は、どうでもいい話でありますが、この中央防波堤が江東区というのはどうも違和感を覚えます。
そもそもフジテレビなどがある13号地お台場が江東区なのも、これを知った時は意外な感じがしました。
臨海部は港区や中央区の持ち場だと思っていました。
江東区も、豊洲(新市場ではないところ)や辰巳の臨海埋立地に新しい住宅地が出来ていますが、その延長線上のような感じなのでしょうか。

 東京都特別区内では、中央区と千代田区の間でも境界未定地があります。
 旧江戸城外堀を埋めた場所に高速道路が通り、その下部が商業利用地となると、土地の帰属問題が発生しますが、元が水路でしたので、帰属問題は確定せず、今もそのままになっています。

 こういうのは地理的に関心がある事柄です。

 中央防波堤、個人的には大田区であってほしいと願う気持ちではありますが。


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