‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

レアなLPレコードを聴く♪

2013-01-24 14:29:49 | Music
昨年のコンサートで、よく聴きにいらして下さるお客さん(お爺さん)から、それぞれに古いレコード、といってもかなりレベルの高い、名演奏のいい録音のものを頂いてしまいました。
私には、故中山悌一先生の師事したという、ゲルハルト・ヒュッシュ(バリトン)のシューベルト「冬の旅」。ピアノの黒田千賀子さんには、シューベルトの連弾曲集で、シュナーベル父子のもの。そして、ホルンの橋本久美子さんには、デニス・ブレインの演奏でした。久美子さんは、実家でLPは聴けるからと持って帰られましたので、何の曲集かは忘れました。
今や、レコードを聴ける環境設備の備わった家はめったにないので、富田林の須賀の住宅にある「サワダ・オーディオ」さんへ、連弾ペアを組んでらっしゃる黒田さん、飯塚幸穂さんと一緒に、聴きに行きました。




アルトゥール&カール・ウルリヒ・シュナーベルの1937年の録音のもの。
懐かしい!赤く半透明のレコードって、昔よくあったんですよ!
スカーレットちゃん着せ替え人形に付いていた、スカーレットちゃんの歌の入った、ちっちゃい赤いレコードを思い出しました

   

ヒュッシュさんのは解説書も失われていましたが、このクラスの古いレコードは、普通のレコード・プレイヤーで聴くことは難しいらしい。
サワダ・オーディオへ持って行くと、CDからレコードまで、時代に沿ったプレイヤーとスピーカーで、聴かせてくれます。 

シュナーベルのお父さんの方か、息子さんの方か忘れましたが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音があるらしい。リートにしても、シューベルトをよく理解しようと思えば、ベートーヴェン・ソナタを経験するのが良いように思います。
親子ならではか、大変息のあった繊細な表現のシューベルト連弾でした

ベートーヴェンの死を受けて、シューベルトが自分の死も意識し始め、その年に作曲したのが「冬の旅」です。
晩年シューベルトを中心に、毎週のように貴族の館などで開催された「シューベルティアーデ」で、冬の旅が発表された時(シューベルトは、少年の頃はボーイ・ソプラノでしたが、声変わりしてからは、控えめなバリトンになり、「冬の旅」は自ら弾き歌いをして聴かせた)、明るく人懐こかったシューベルトのイメージが、がらっと変わり、あまりの暗さに皆唖然としたという…。
友人のショーバーが、あえて気に入ったのは「菩提樹」だけだったという。でもシューベルトは、この連作歌曲が、自分は一番気に入っていて、今にみんなも気に入るよと語ったそうです。
そのとおり、今ではシューベルトの代表作で、世界中に好きな人が多い。男性リート歌手なら、誰しもがレパートリーにして発表する曲集である。
ヒュッシュさんの声や歌い方は、まず中山悌一先生にそっくり!と思いました。現役の声は録音でしか知りませんが、ハイ・バリトンで、しかも奥行きのあるリリックな歌声です。転調する所や言葉によって、かなりアゴーギッグに歌っていますが、ピアニストがよく合わせている


シューベルトがバリトンの声で歌ったことや、暗いイメージから、バリトンの曲というイメージが強いですが、当時シューベルトの歌曲を、公に素晴らしく歌って広めていたのは、テノールのフォーグルで、「冬の旅」もフォーグルがきちんと歌った時には、随分受け入れられたそうです。



シュパウン邸で開かれた「シューベルティアーデ」の様子を描いた、モーリッツ・フォン・シュヴィントの有名な絵。
シューベルトの交友関係がよく解る。フォーグルさんは大柄でバリトンのような風貌ですが、テノールだったんですね。
元はオペラ歌手だったそうですが、引退してからはひたすら、シューベルトの歌曲を歌って広めたそうですよ

  
富田林の藤沢台にあるYAMAOのケーキに、お庭の白い万両の実を添えてある。
お天気は”冬の旅”モードで空が曇っていましたが、ロウバイの花もほころび始めていました。









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