‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

コロナ禍でアンサンブル・シュシュ第50回コンサートでした⑧

2021-03-07 16:07:03 | My Consert
なんか時間が無くて、ブログが超遅れてしまっています('◇')ゞ。
大阪は兵庫、京都とともに3月からやっと緊急事態が解除されました。
ワクチンはあまり足りていない様子。非常勤の勤務医や街医者の方には、全く通知もないそうです。


ペストでヨーロッパの人口の3分の1が減ったそうで、とくに貿易港で貨物船の中にいたネズミによって、媒介されたようですね。17世紀ベネツィアでペストが流行ったのは当然で、随分音楽家も亡くなったようですが、クラウディオ・モンテヴェルディはペストにかかったという話は聞きませんし、76歳まで長生きしてベネツィアのサン・マルコ寺院の音楽総監督として大活躍しましたから、後世の私たちにとってもラッキーだったのですね。


40歳代でベネツィアのサン・マルコ寺院に迎えられてから書いた、イタリア語やラテン語による宗教曲を晩年に集大成したものが、「倫理的・宗教的な森」といわれる曲集です。その中から有名なソロと通奏低音によるモテット「主を讃えよ」を演奏しました。

モンテヴェルディ(1567-1643)は、ルネッサンス期からバロック期に時代をまたいで生きたので、作風も初期のものはルネッサンスのポリフォニー様式で書かれており、それを第1作法(prima pratica)といい、バロック期に入り通奏低音と歌もしくは旋律楽器によるモノディー(メロディーがあって、低音と数字が書かれていて和音楽器は和音をつけて弾く)というスタイルが生まれてからは、第2作法(seconda pratica)で作曲するようになってきます。


「主を讃えよ」はまさに第2作法の曲で、しかも宗教曲といってもとても楽しい音楽作りがされています。
通奏低音は和音楽器なら、チェンバロ一台でもリュート属一本でも伴奏が可能で、何の楽器にするかは時の状況により自由です。今回はアンサンブル・シュシュの大所帯ならではの、ヴィオラ・ダ・ガンバ、オルガン、チェンバロ、テオルボによる贅沢な通奏低音で歌わせてただきました。

でもどんな楽器との組み合わせでもいいような、歌の方にも通底の方にも、歌詞に合った多彩な表現が施されています。歌詞は詩編150編より取られていますが「その力の現れる大空」という所では歌のロングトーンに、低音が下降しながら魅力ある動きで幅広さを表現します。たくさんの楽器が登場し、それぞれの楽器の音の表現もバスの動きや、声の様々な動きで表現され、踊りが出てくると、当時大流行したチャッコーナに変わっていきます。小さなシンバルの音を声楽のリバットゥータ・ディ・ゴーラ(喉で同音を細かく刻む)で表現されていたり、声楽のテクニックも聴きどころです。最後に「生きとし生きるもの全ては主を讃えよ」という歌詞でたっぷりと声を伸ばしたり、ティラータ(上行音階の装飾)やカスカータ(下降音階の装飾)、アッチェント(符点音符)やリバットゥータ・ディ・ゴーラ、一人エコーなど、あらゆる声楽のテクニックが出てきて、本当にエキサイティングな歌です。

C.モンテヴェルディ「主を讃えよ」 Claudio Monteverdi " Laudate Dominum " <倫理的宗教的な森・ Selva Morale et Spirituale>

左から、ヴィオラ・ダ・ガンバの上田さん、チェンバロの岡本さん、ソプラノの私笹山晶子、テオルボの久保田さん、奥が手ふいごオルガンの黒田さんです。


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