‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

技魅せます!Mark & Paul 盛りだくさんリート・プログラムでした🎶。

2017-12-03 21:48:00 | More Mark Padmore
もうすっかり一週間がたってしまいました。身辺忙しく、ブログが遅れてしまいました

11月24日
王子ホールで、マーク・パドモア&ポール・ルイスのリート・コンサートへ行きました。


左からMark Padmore, me Akiko Sasayama and Paul Lewis


二夜に渡って王子ホールで、古典派から後期ロマン派までのリート公演で、私は第二夜ハイネとゲーテの詩によるロマン派歌曲から聴きました。第一夜から聴くのが良かったのでしょうが、日程的に厳しく、明くる日の静岡公演が第一夜と同じプログラムなので、東京に一泊するだけにとどめました。

第一部のハイネの詩による、シューマン「リーダー・クライス」Op24は、クリスティアン・ベザイデンホウトのフォルテピアノのCDで聴いていたので、モダン・ピアノとでは、どういう響きになるのだろう?と思っていました。
ピアノの蓋は全開でしたが、ポールのピアノは全くうるさくなく、しかもフォルテピアノ並の軽やかさと素早さ、音色の多彩さで勝負してくるではありませんか!どの曲も素敵なのですが、"Schöne Wiege meiner Leiden"わが苦しみの揺りかごよ、がとっても美しかったです
シューマンではがテーマ、ブラームスはハイネの詩による様々な歌曲でしたが、春~夏~月夜~死の世界へと、初めて聴く歌ばかりでしたが、とても綺麗なピアノと歌が多かったです。ブラームスはフォルクス・リーダーとリーベス・リーダーぐらいしか歌ったことがないので、ほぼ知りません(´-ω-`)。

第二部はゲーテの詩によるシューベルト歌曲から。"An den Mond"月に寄すD296、月だけが自分を見守ってくれる、ここから孤独な世界が描かれました。シューベルト歌曲は簡単なようで、実は一番難しいようにも思いました。勿論それはそれは繊細に上手に歌われていました
竪琴弾きの歌は、孤独とどん底の生活。シューベルト時代の絵に簡素なハープが描かれていたりしますが、ライエルマンと同様、路上で弾き歌いをする楽器でもあったようです。”アヴェ・マリア”などの「湖上の美人」のエレンの歌でも、老人のハープに乗せて歌いますので、ギターやリュートなどと、持ち運びやすい楽器はよく登場しますね。
”御者クロノスに”で、やけっぱちな活動的な歌になり、ヴォルフの歌曲に。

リートを勉強した人なら、ヴォルフも必ずやりますが、一般の人にはあまり馴染みのない作曲家だと思います。ほぼ歌曲しか書かなかった作曲家ではないかと…。歌の曲しか書かなかったって、カッチーニやモンテヴェルディ、ディンディア(イタリア初期バロックの作曲家)みたいですね。ピアノにウエィトを置いていて、歌は詩を語るというところは、シューマンにも言えます。文学的な作曲家で、自分の歌曲を歌う前に、詩の朗読を入れるのが理想だと言っていた作曲家です。
今回のヴォルフの選曲は、ポールがしたそうで、ピアノが超絶技巧の、しかもほぼ酒の歌。ポール自信はお酒は飲めないそうですが、その雰囲気を想像するのが面白いそうです。でもパドモアさんが酒飲みのおっちゃんに見えてくる~!しかも銀座という場所柄、似合い過ぎやん。私はお二人の音楽に酔いましたが…(^-^;。


パドモアさんのメッセージがプログラムに書かれていて、「私はリートが必要とする集中力を愛しています。~~~私にとって言葉は非常に大切です。~~~リートは結婚にもたとえられる、パートナーシップが必要です。~~~」云々。
確かにパドモアさんの魅力は、声が艶やかで美しいこともありますが、発音の明瞭さがあります。そこにまず惹かれるという人も多いのでは…。古楽を歌っていた時からのファンも多いのですが、リートはピアノと一対一の世界、言葉もたくさん入りますし、音程をピシっと取り綺麗に歌うだけでなく、それを超えた演劇的表現が強く出ていました。
ピアニストも常に言葉を共有しているという、自分ひとりだけの世界ではいけません。歌手はピアノが出してくる音楽に合わすように、言葉に色を細やかにつけていくという作業が必要です。共同作業で歩み寄りもあれば、自分について来い的にリードする部分もあり、その時の相手の状況を即座に感じていく、というアンサンブルに欠かせない協調、響き合い、大変だけれどもスリルがあって面白い世界ではあります。
この二人は多才な技で、その世界を大きく広げる力をお互い持っていて、知らない曲でも大胆に魅力を引き出して、聴かせてくれるのでした


連作歌曲のものも、抜粋を集めたものも色々、計31曲を演奏されましたが、物語風な流れがしっかりあり、まるで連作歌曲集を聴いたような、プログラム構成の素晴らしさも味わえました。やっぱり第一夜から聴くとより良かったんだろうな~と思いました。アンコールは、シューベルト「ギリシャの神々」

    
銀座のイルミネーションなど。


当日の新幹線から観た伊吹山は、うっすら雪化粧。


浜名湖は何かの養殖が。


少し雲がかかった、雪化粧も綺麗な富士山です。でも週末いいお天気になるのが久々です。10月中頃から大型台風など、雨の週末が多かったので、観れてラッキー!







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