‘Tis Nature's Voice~それは自然の声~Ⅱ

みらくる・あっこの気ままブログ

コバケンは歌う、炎の7番。

2013-06-14 08:49:37 | Music
暑い、暑い、暑い~!急に真夏のような日々。
梅雨なのに雨が降らない~\(~o~)/

6月12日
知り合いの方からお誘いがあり、オービック主催の「コバケンの炎の7番」という、指揮者の
小林研一郎氏と大阪フィルハーモニーのコンサートに行ってきました(ザ・シンフォニーホール)。


 この日くらいから大阪は、30°を超える真夏の暑さに…。
シンフォニーホールの森の木はかなり大きくなって、けっこう涼しい。鳥も見っけ~♪

   
プログラムはロッシーニの歌劇「セヴィリアの理髪師」序曲から始まりましたが、コバケンの指揮は想像どおり熱い、そして管楽器パートは歌う歌う。このテンションの高さと熱さで、おそらく最後までいくのだろう…。

チャイコフスキーの「ピアノ協奏曲第1番・変ロ短調」娘・小林亜矢乃さんのピアノと。
娘さんのピアノもかなり情熱的、というかこの曲だから当然ですが…。
親子共演ってうらやましい~、父娘のあつ~い愛情が伝わってくる~

ベートーヴェンのシンフォニーへ入る前に、ピアノが残されていて、コバケンのピアノを弾きながらの解説がありました。ベートーヴェンの9つの交響曲にはナンバーに隠された、というかコバケンが発見した調性の秘密が…。家に帰ってスコアを見てみると、なるほど…また後ほど書くとして。

ベートーヴェンの「交響曲第7番」は、第4楽章が「のだめカンタービレ」で超有名になりましたが、第1楽章のテーマが7つの音で出来ている、というのは音階なので7つの音ですよね。
ベートーヴェンがナンバーと音を因縁付けたかは不明ですが、おもしろい解釈です。
演奏の方は、メロディーにくる全てのセクションが、非常にカンタービレ(歌うような)であったので、解り易い情熱的な演奏で、歌をやってる者には気持ちよかったです。

コバケンは力強い音の時に、よく唸っているのですが、喋り声や歌声がおそろしく美声で(ハイ・テノール)、歌う指揮者としても有名ですが、原点は子供の時に、お父さんの歌う童謡「月の砂漠」を聴いて、音楽家になりたいと思ったそうです。原点が暑い砂漠だったんですね…。
コバケンの不思議は、何故声が潰れないで美声を保てるのか?大抵の指揮者は広い音域の音を聴き、声帯を動かすので、声が潰れている。
ご高齢であると推測されるのに、歩くのも異常に速い、髪の毛もありそんなに白髪ではない、指揮台の前の方に立って落ちそうなくらいなのに、大丈夫である。
指揮者というのは、よっぽど大病をしない限り、すごく元気で長生きな人が多いですが、身体も動かし、脳も使い、人を束ねて行く責任感、そしてお客さんからの拍手で、細胞が活性化するのでしょうね!

最後にまたピアノが運ばれてきて、コバケンの伴奏に合わせて、観客が「ふるさと」を歌うというのが、オービック・コンサートの毎年の恒例なのだそうです。キーが高いとぼやいてる人が結構いましたが、3番がさらに転調して高くなっていました(^_^;)。
”歌うコバケン、燃えるコバケン”いつまでもお元気で、日本のオーケストラを元気にして下さいね!
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音楽文化論のコンサート

2013-05-22 21:55:13 | Music
5月19日
京都産業大学の竹内教授の「音楽文化論」の授業の一環として、イタリア初期バロックばかり演奏するグループ「パッサメッツォ・アンティコ」さんの演奏会が、同大学の講堂「神山ホール」でありました。
ご縁があり、来年共演することになっていますし、京都一いい響きとおっしゃる竹内先生の勧めもあり、片道3時間とかなり遠かったのですが、聴きに行くことにしました。




竹内先生を除いて、他の出演者はみな「アンサンブル・シュシュ」のメンバーでもあります。

  
ほとんど学生さんがお客でもありましたが、普段は式典などを行う講堂で広すぎるので、舞台上に客席を置いてのコンサートでした。

  
楽器紹介をするバロック・ヴァイオリンの上田さん。リコーダーの竹内先生。バロック・チェロの吉健さん。
チェンバロをはじめ、それぞれの楽器製作者の方も招かれていました。
おそらく学生さんにとっては、初めて聴くような聞いたこともない作曲家のものだったと思いますが…。一曲一曲の解説も詳しく、解るような解らないような…。約一年間かけて練習したという、息の合ったアンサンブルでした。やっぱりアンサンブルは練習ですよ!練習、練習!
ホールの響きは確かに良かったです。でも地下鉄烏丸線の終点、そこからまたバスで終点と、山の麓にあり、雨も降ってくるし、本当にここで演奏会があるのかと不安でした…
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春らしい音色のバロック・コンサート♪

2013-03-23 23:05:11 | Music
3月23日
泉北・新桧尾台の文化喫茶「結」で、バロック・コンサート・シリーズ Vol.2~艶やかなるフレンチ・バロックの午後~が開催されました。

    
リコーダー・デュオ・シャンテ財前奈緒子さん、木戸麻衣子さん、バロック・ヴァイオリン&ヴィオラ・ダ・ガンバ上田浩之さん、スピネット山下佐智子さんによる編成のフランス・バロックの世界でした。
鶯などの野鳥も多い泉北ニュータウンですが、リコーダーとヴァイオリンの音は、鳥のような春らしい響きでした。
もともと小鳥の調教のための楽器だったリコーダー(Re繰り返す、Record記録する、という語源かな?)は、まさに鳥の声、クラヴサン・ソロ曲で有名なクープランの「恋のうぐいす」が、リコーダーで演奏されて、とてもチャーミングでした
フランスの宮廷で愛好されたヴィオラ・ダ・ガンバ、低音楽器も高音楽器も弾きこなすドクターには驚きです。この方の本業はどっちなんだ? でも昔の音楽家は数学者だったり、知識人や王侯貴族が音楽をたしなむのは常識だったので、別におかしいことではありません。


可愛いヴァイオリンや音符の形の手作りクッキーは、フランボワーズの甘酸っぱい味で、美味しかったです。

 
演奏後は、簡易チェンバロの可愛いスピネットを観に集まる。
小さな商店街のアーケードには、桜のぼんぼりが。外からはわずかに音楽が流れていたり、商店街らしい雑音も入ってきますが、それもライヴ感があって面白い「結」さんです(^_^;)。
夏は8月31日(土)、私、笹山晶子(ソプラノ)の参加するイタリア・バロックの世界です。前後二週間は娘・坂ノ咲由平の絵画展示もさせていただきます


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やわらかいヴィオラ・ダ・ガンバの響き

2013-03-11 08:52:27 | Music
震災からまる二年が経ちましたが、昨日は演奏会も追悼的な内容ものが多かったのではないでしょうか。

3月10日
母親が合唱で長く参加している、河内長野のラブリーホールで宗教曲を歌う、年一のコンサートがあり、演目はJ.S.バッハの「ヨハネ受難曲」でした。
ある年から、大阪交響楽団(もと大阪シンフォニカー)がずっと契約しているみたいですが、モダン・オケに交じって、ヴィオラ・ダ・ガンバがどうしても要るコンティヌオ・アリアがあるので、チェンバロをのぞいて唯一の古楽器で入っていました。奏者は関西の古楽先駆者であるベテランの西村喜子先生でした。
「マタイ受難曲」でも一曲だけガンバのコンティヌオ・アリアがありますが、最近はチェロに代わってガンバで演奏されるアリアが、もう一曲追加されることが多くなりました。
この日の「ヨハネ」では、テノールの一番美しいアリア”Erwäge,wie sein blutgefärber Rücken”でも通奏低音にチェロではなく、ガンバを使用していて、たいへん美しく柔らかな響きでした。ただテンポが速すぎで、歌の方はがっかりの演奏でしたが…。
もう一曲は勿論、アルトのアリア”Es ist vollbracht!”のコンティヌオ・アリアで、こちらは、高音のメロディーも奏でる本格的なガンバの曲で、大きなホールでしたが、とても綺麗に響いていました
ラブリー・ホール、古楽器いいじゃんと思いましたが、西村喜子先生の実力かな~とも思いました。最後の方はほぼオケと一緒に低音を弾いておられました。ガンバも長大な曲の中で、一曲だけ弾くのは辛いと思いますので、オケと一弾いておくのはいいと思います。
ヒマ過ぎてしんどそうだったのは、アリアのみを歌うソプラノとアルトのソリストでした。
たった2曲しか歌わないのに、じーっと座ってるのは身体も固まってくると思います。最近の古楽演奏では、コーラスも歌いソロも歌うというパターンが、当たり前になっています。古楽器の音量が小さいのので、合唱も少人数でより親密なアンサンブルが出来るからです。


演奏前に指揮者の舟橋洋介氏による解説があり、これは珍しいことだなと思いました。
終曲の合唱”Ruht wohl~”で、どうも男性のコーラスの入りの同じところが、いつもずれていたと思うのですが、なんか帳尻を合わしてしまうテクニックは指揮者の実力かな~(^_^;)。


あまり知られていないのですが、河内長野から近鉄線で一駅の「汐の宮」にヴィオラ・ダ・ガンバやリュートなど古楽器を制作する工房があり、あちこちから古楽愛好家が集まってアンサンブルを楽しんでいます。密かに独りでやってたような人達が、結構潜伏していて、少しづつ現れてきました

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「LICはびきの」のパイプオルガン

2013-02-25 00:18:54 | Music
2月24日
知り合いの鍵盤奏者の方達が、LICはびきのホールパイプ・オルガンの講座を受講されていて、修了演奏会があり、行って来ました。


スイス製ヤマハが管理をしているそうですが、ホールの規模も「いずみホール」のような雰囲気。大阪の南の方では、パイプ・オルガン付きのホールはここぐらいではないでしょうか。


ピアノ伴奏でお世話になっている黒田千賀子さんは、J.S.バッハの「わが愛する神に」を演奏。
足鍵盤の練習に、神いや紙鍵盤を描いて練習したそうです(^_^;)。三声部の音色が綺麗に色分けされていて、静かな祈りの雰囲気の曲でした


アンサンブル・シュシュのチェンバロでお世話になっている岡本裕美さんは、メンデルスゾーンの「プレリュードとフーガ ハ短調」を演奏。
ロマン派のオルガン曲となると、かなりの大迫力になってきます。やはり足鍵盤に苦労されたとか…、でもすごく足が動く情熱的な曲でした
他にも宗教曲で有名なC.フランクや、M.レーガーなどの、やはり教会オルガニストだった作曲家の曲も聴けて良かったです

  
外環状線(170号線)沿いにあるホールで、鐘のようなものが見えます。公民館的な役割もしてるみたいで、図書館も入ってました。
パイプ・オルガンがあるといえば、東京の「武蔵野市民会館」のような雰囲気。あそこは都心でするコンサートと同じ内容のものを、役所なので格安で行っていて、海外の一流アーティストの演奏会もありますが、ここもそんな感じで、都心へ平日の夜行くのはちょっと…というお客のために、そういうコンサートをすればいいのではとも思います
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音楽もイタリアン

2013-02-13 08:23:17 | Music
2月11日
イタリアンな名前の車を乗り換えてから、近所のチェンバリストの方のお家へ。
イタリア初期バロックを専門に演奏する「パッサメッツォ・アンティコ」さんの練習を聴かせていただきました♪

  

基本編成は、リコーダー(竹内茂夫さん)、バロック・ヴァイオリン(上田浩之さん)、バロック・チェロ(吉田健さん)、チェンバロ(山下佐智子さん)で、この日はパーカッション杉本寿久さんが加わっていました。
杉本さんは、前日の「アンサンブル・シュシュ」の練習でも大きな太鼓を持ってこられていましたが、基本笛を吹く人です。
笛と打楽器って祭りのイメージ、楽しい舞曲に色んな打楽器の音を入れて、雰囲気を盛り上げておられました!(^^)!。

イタリア初期バロックって、宗教曲も多いですが、世俗曲との境目もはっきりしていなくて、というか、南米などから入って来たラテン的なストリート・ミュージックを作曲家が宗教曲にも取り入れているという感じ。
モンテヴェルディは、声楽とオルガン以外の楽器を教会に初めて入れて、教会音楽の大改革をしました。
バロック(形の丸くない、自然に出来た真珠の意)音楽の幕開けを先駆けたイタリアですが、テクニカルな旋律楽器、ときにはチェロも凄い動きをする。チェンバロは低音の音からハーモニーを付けて、きらびやかな装飾を入れで盛り上げます。声楽も楽器に負けずテクニカルで、これも境目があまり無く、自由な装飾変奏(ディミニューション)がとても面白い。

音楽用語がだいたいイタリア語なのは、イタリアが音楽の先進国だったからです。
オペラの始まりもモンテヴェルディですが、ヴィヴァルディ、ロマン派時代に入ってもベッリーニドニゼッティロッシーニなどの凄いコロラトゥーラの曲が産まれる背景には、初期バロックがあったからではと考えます。
ドイツやフランスの作曲家も、まず留学するのはイタリアでした(ヘンデルモーツァルトなど)。バッハはドイツを出ることはありませんでしたが、ひたすらヴィヴァルディの曲を研究していたそうですし、フランスから来た演奏家達からフランス・バロックのスタイルなど影響を受けているそうです。
ショパンがベッリーニ好きで、ショパンのピアノの美しい装飾的な動きは、ベッリーニのオペラ・アリアをピアノに取り入れたと言われています

ローマは一日にしてならず、音楽も一日にしてならず、一人の作曲家が突然変異のように、新しいスタイルを生み出したのではなく、長い長い歴史を経て、過去の作曲家や当時の流行りの音楽に影響を受けて、努力の末に生み出されていることが解ります

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レアなLPレコードを聴く♪

2013-01-24 14:29:49 | Music
昨年のコンサートで、よく聴きにいらして下さるお客さん(お爺さん)から、それぞれに古いレコード、といってもかなりレベルの高い、名演奏のいい録音のものを頂いてしまいました。
私には、故中山悌一先生の師事したという、ゲルハルト・ヒュッシュ(バリトン)のシューベルト「冬の旅」。ピアノの黒田千賀子さんには、シューベルトの連弾曲集で、シュナーベル父子のもの。そして、ホルンの橋本久美子さんには、デニス・ブレインの演奏でした。久美子さんは、実家でLPは聴けるからと持って帰られましたので、何の曲集かは忘れました。
今や、レコードを聴ける環境設備の備わった家はめったにないので、富田林の須賀の住宅にある「サワダ・オーディオ」さんへ、連弾ペアを組んでらっしゃる黒田さん、飯塚幸穂さんと一緒に、聴きに行きました。




アルトゥール&カール・ウルリヒ・シュナーベルの1937年の録音のもの。
懐かしい!赤く半透明のレコードって、昔よくあったんですよ!
スカーレットちゃん着せ替え人形に付いていた、スカーレットちゃんの歌の入った、ちっちゃい赤いレコードを思い出しました

   

ヒュッシュさんのは解説書も失われていましたが、このクラスの古いレコードは、普通のレコード・プレイヤーで聴くことは難しいらしい。
サワダ・オーディオへ持って行くと、CDからレコードまで、時代に沿ったプレイヤーとスピーカーで、聴かせてくれます。 

シュナーベルのお父さんの方か、息子さんの方か忘れましたが、ベートーヴェンのピアノ・ソナタの全曲録音があるらしい。リートにしても、シューベルトをよく理解しようと思えば、ベートーヴェン・ソナタを経験するのが良いように思います。
親子ならではか、大変息のあった繊細な表現のシューベルト連弾でした

ベートーヴェンの死を受けて、シューベルトが自分の死も意識し始め、その年に作曲したのが「冬の旅」です。
晩年シューベルトを中心に、毎週のように貴族の館などで開催された「シューベルティアーデ」で、冬の旅が発表された時(シューベルトは、少年の頃はボーイ・ソプラノでしたが、声変わりしてからは、控えめなバリトンになり、「冬の旅」は自ら弾き歌いをして聴かせた)、明るく人懐こかったシューベルトのイメージが、がらっと変わり、あまりの暗さに皆唖然としたという…。
友人のショーバーが、あえて気に入ったのは「菩提樹」だけだったという。でもシューベルトは、この連作歌曲が、自分は一番気に入っていて、今にみんなも気に入るよと語ったそうです。
そのとおり、今ではシューベルトの代表作で、世界中に好きな人が多い。男性リート歌手なら、誰しもがレパートリーにして発表する曲集である。
ヒュッシュさんの声や歌い方は、まず中山悌一先生にそっくり!と思いました。現役の声は録音でしか知りませんが、ハイ・バリトンで、しかも奥行きのあるリリックな歌声です。転調する所や言葉によって、かなりアゴーギッグに歌っていますが、ピアニストがよく合わせている


シューベルトがバリトンの声で歌ったことや、暗いイメージから、バリトンの曲というイメージが強いですが、当時シューベルトの歌曲を、公に素晴らしく歌って広めていたのは、テノールのフォーグルで、「冬の旅」もフォーグルがきちんと歌った時には、随分受け入れられたそうです。



シュパウン邸で開かれた「シューベルティアーデ」の様子を描いた、モーリッツ・フォン・シュヴィントの有名な絵。
シューベルトの交友関係がよく解る。フォーグルさんは大柄でバリトンのような風貌ですが、テノールだったんですね。
元はオペラ歌手だったそうですが、引退してからはひたすら、シューベルトの歌曲を歌って広めたそうですよ

  
富田林の藤沢台にあるYAMAOのケーキに、お庭の白い万両の実を添えてある。
お天気は”冬の旅”モードで空が曇っていましたが、ロウバイの花もほころび始めていました。









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♪今年の目標曲「ワルトシュタイン」

2013-01-12 21:20:05 | Music
今年はベートーヴェンピアノ・ソナタを、なるべく一日に一回は弾こうと思います。
何故か私の場合、初稿譜の方が easy に弾けるので、ベートーヴェンの生きた時代に思いを馳せながら、ピアノのファンタジーを感じるという、オタクな趣味に興じようと思います
歌の場合、演奏会が入るので、半分は義務感も伴って練習をするのですが、ピアノの大曲を人前で弾くことなどとんでもなく、なんの義務感もないのですが、ベートーヴェン・ソナタに宇宙を感じるのは何故でしょう? 
耳が聴こえない状態で、ベートーヴェンは頭の中に音のファンタジーを創造していったのでしょうか…。
バッハ「ロ短調ミサ」にも宇宙を感じるのと、似たところがあります
構築がしっかりしているところに、夢も描いている、職人技と理想を求めて登っていく姿が感じられるからでしょうか…。

特に目標にしてるのは「ワルトシュタイン」を弾くことです。
ベートーヴェンの力強さ、明るさ、気難しさ、美しさ、苦悩、色んな要素が詰まっていて、
適度な難しさが、克服する目標となるからでもあります。でもなんといっても、いい曲だからです



初稿譜の「ワルトシュタイン」タイトル表紙。

  
第二楽章のトリル、トリル、トリル~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~
が美しい~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~~。


昨年、大阪シンフォニーホールで聴いた、アンドリュー・フォン・オーエンの東京でのコンサート、全く同じプログラムのラジオ放送が15日、FM-NHK「ベスト・オブ・クラシック」であります
「ワルトシュタイン」が印象的だったので、感動をもう一度聴けるのが楽しみです
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バッハで送る家族葬

2013-01-11 09:51:54 | Music
1月8日に、音楽をする従兄弟が亡くなりました。
葬儀は10日で、少しの親戚と友人に囲まれての無宗教の家族葬でという、本人の遺言で質素に、
そしてバッハの音楽をずっと流してほしいということでした。

 

8代続く書道用品店を営みながら、好きな音楽も続けていた(そうとう深く)二足の草鞋を履いた人生でした。
バロック以前の音楽、とりわけJ.S.バッハを尊敬、愛していましたので、選曲もしていたようです。
一世代前の人だったので、モダン・ギターを弾いていましたが、晩年は作曲家としても色んな場所に曲を提供していたようです。
もう少し世代が後ならば、きっと古楽もやっていただろうなという人です。
BGMでは古楽器や歌による色んなバッハの曲が流れていて、実に美しい雰囲気を最後まで演出してくれました
私も同様ですが、多くの音楽愛好家達に、自分の知ってること、音楽の良さを伝えることが好きだった人で、影響を受けた人は数知れずです。
喪主の息子さんが「これからも、皆さんの側にいつもいます。」と言ってくれたので、そんな気がしています。バッハを聴く度に、音楽のことを考える度に、寄り添って見守ってくれていると思います。
ヒロっちゃん、ありがとう…

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オピッツ先生、入魂のアパッショナータ

2012-12-05 23:24:06 | Music
師走に入って、一気に冬がやってきました。
先日、12月2日「大阪シンフォニーホール」で、ゲルハルト・オピッツベートーヴェン三大ピアノソナタ「悲愴」「月光」「熱情」&「テンペスト」を聴きました♪。


シンフォニーホールの大きなツリー。クリスマス・ムードが高まります

   

NHKのテレビ講座「ベートーヴェンを弾く」で講師をしておられて、何故か本が家にあるので(ベートーヴェンをやはり上手く弾きたかったのだと思う)、勝手に先生と呼び、親しみをもっていました。
楽譜によってけっこう指使いが違っていたりするのですが、この本はオピッツ先生の指使いが細かに書かれています。
シンフォニーの座席は、指などが見やすい正面のオルガン横の席をとっていました。
左の横のバルコニーや、左側の普通の席はほぼ一杯。皆考えることは同じみたいで、ピアノ学習者などで埋まっていましたが、右側の席はえらく空いていました。
指使いだけでなく、ペダルまでバッチリ見える席でしたが、オピッツさんは弱音ペダルを随所に踏み、多彩な音色を出しておられました。

プログラム一部、「悲愴」はけっこう柔らかな音使いで、やはりウォーミングアップ的。
「月光」は一楽章の静かな湖面のさざ波や、美しい月の光のような表現は、年輪を感じさせました。二楽章は多声のラインが歌うようで、だんだんと乗ってくる感じでした
二部は「テンペスト」「熱情」でしたが、オピッツ・ワールド全開の演奏で、アラ環なのに指の速さに驚き、しかも年齢からくる深い表現が、物語性にあふれていました。
「テンペスト」はファンタジー的な感じで、ピアノが語り、歌い、嵐が爆発する
最後の「熱情(アパッショナータ)」は、あんなに感動的な二楽章は、今まで聴いたことが無いような、天国への高みが感じられ、ベートーヴェンの苦悩に満ちた人生との戦いと、希望を感じました(ToT)


この時期だからなのか、小太りで白いお髭の優しそうな雰囲気は、サンタさんみたいで可愛い
12月の終わりごろまで、日本公演が続くようですが、東京ではシューベルト・チクルスや、北海道では今日のアンコールで弾かれた「トロイメライ」の入った、シューマン「子供の情景」も入っているようです。ぶれないドイツ的なプログラムだ



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