時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

ようやく言及され始めたヨーロッパの難民問題 (現代のベルリンの壁)

2015-09-04 23:30:43 | ベルリンの壁2.1
かつて、ドイツのベルリンには壁があり(案外ショボい)、
そこを乗り越える者に厳しい罰が与えられた(見張りの兵が見逃すケースも多かった)。



今、その壁はヨーロッパと中東・アフリカの国境いにあるようで、
この無色透明の壁はNATO諸国の空爆や内乱誘発により住処を失った人間を阻んでいる。


フランス、イギリス、アメリカを中心とした欧米諸国の空爆、
反政府組織への支援活動が内戦を誘発し、結果、大量の難民が発生した。


今、彼らはそのツケを払わせられそうになっているが、
案の定、難民の受け入れを渋り、場合によっては自国への立ち入りを厳しく禁じている。


ベルリンの壁は労働者の確保のため、東ドイツが設けたものだが、
現代の壁は排外主義が蔓延した西側社会によって建てられた。


この独善的な振る舞いについて、イランラジオは的を射た見解を述べている。

-----------------------------------------------------------


アメリカが、中東・アフリカ難民の問題に対して見せ掛けの反応を示し、
ヨーロッパにはこの問題に真剣に取り組む責任があるとしました。


ドイツDPA通信によりますと、ホワイトハウスのアーネスト報道官は、
3日木曜、ヨーロッパは難民問題を単独で解決できるとし、

「アメリカは、2011年以来、シリアの難民に対して40億ドルの人道支援を行ってきた」

と主張しました。

アメリカ国務省のトナー副報道官も、記者会見で、
新会計年度の終わりまでにシリア難民1800人を受け入れる可能性を明らかにし、
「アメリカ政府は、シリア難民のすべての状況を検証するが、
 それには1年半ほどかかるだろう」と語りました。

アメリカは、中東諸国、特にシリアの難民問題について語っていますが、
彼ら自身が、テロリストを支援し、シリアの人々が現在の状況に陥る元凶となっています


http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/57770-
%E3%82%A2%E3%83%A1%E3%83%AA%E3%82%AB%E3%80%81%E3%83%
A8%E3%83%BC%E3%83%AD%E3%83%83%E3%83%91%E3%81%AE%E9%9B
%A3%E6%B0%91%E5%95%8F%E9%A1%8C%E3%81%AB%E8%A8%80%E5%8F%8A

-----------------------------------------------------------

NHKのニュースでは、難民の大量発生をシリア政府の責任に転嫁しているが、
おそらく、欧米のメディアも似たり寄ったりの見解を述べていると思われる。


こういう被害者側に罪を擦り付ける行為は、日本の差別主義者によく似ている。

統合幕僚長会談録

2015-09-04 23:20:04 | 軍拡
またもや共産党が手柄を立ててしまった。



--------------------------------------------------
陸海空自衛隊のトップである河野(かわの)克俊統合幕僚長が
昨年12月、米軍首脳との会談で、戦争法案の成立時期について
「来年夏まで」と伝えていたことが、統合幕僚監部作成の内部文書(会談録)で明らかになりました。



法案の作成はもちろん、そのための与党協議さえ始まっていない段階で
成立の見通しを米側に伝達していたもので、国民や国会を無視した自衛隊の許し難い暴走です。


こうした暴走を野放しにする安倍晋三政権の下で、
自衛隊を「海外で戦争する軍隊」へと変貌させる戦争法案の危険性はいよいよ明らかです。



法案の成立時期を「予断」


内部文書は、昨年12月の総選挙直後に訪米した河野氏が
米軍首脳らと行った会談でのやりとりを記録した報告書です。


日本共産党の仁比聡平議員が2日の参院安保法制特別委員会で暴露しました。


「取扱厳重注意」と記された同報告書によると、河野氏は
オディエルノ米陸軍参謀総長との会談で、戦争法案について「予定通りに進んでいるか」と問われ、
(総選挙での)与党の勝利により来年夏までには終了するものと考えている
との見通しを伝えました。



戦争法案をめぐっては、統合幕僚監部が
今年8月成立を前提にした部隊編成計画などを示した内部文書を作成し、
自衛隊の指揮官らに説明していたことが大問題になっています。


中谷元・防衛相はこの文書について、
今年5月の法案の閣議決定を受け、中谷氏の指示に基づいて作成されたとし、
「国会における審議、法案の成立時期を予断しているものでは全くない」と弁明してきました。


しかし、今回の河野氏の発言はまさに法案の成立時期を「予断」したものであり、
しかも、それをいち早く米軍に伝えているという点で問題は極めて深刻です。

言い逃れは決して許されません。

報告書には他にも、自衛隊の暴走ぶりが随所に現れています。



例えば、
▽アフリカ・ジブチの「海賊対処」用の自衛隊基地について
中谷防衛相は「ジブチの自衛隊拠点の強化や
(その他の目的での)活用を念頭に置いて検討しているわけでない」と国会答弁しているのに、

河野氏は「今後の幅広い活動のためジブチの利用を拡大させたい」と表明
(デンプシー米統合参謀本部議長との会談)


▽政府の今年度予算でも海外調査費がついているだけなのに、
海上自衛隊においては水陸両用戦に供する艦を建造する予定」だと
強襲揚陸艦導入を示唆(ダンフォード米海兵隊司令官との会談)―などです。


沖縄県名護市辺野古の米軍新基地建設では「安倍政権は強力に推進するだろう」と述べ、
中谷防衛相が否定している自衛隊との共同使用も
辺野古への移転やキャンプハンセン、キャンプシュワブでの共同使用が実現すれば、
米海兵隊と陸上自衛隊との協力が一層深化する
」と語っています(同)。


首相と防衛相の責任重大

垂直離着陸機オスプレイの問題でも
(同機の)不安全性(ママ)を煽(あお)るのは一部の活動家だけ
(ワーク国防副長官との会談)と事実をねじ曲げ、言いたい放題です。


この間、統合幕僚監部の暴走をかばいだてしてきた安倍首相や中谷防衛相の責任は重大です。
国会での事実の究明は不可欠であり、自衛隊の暴走に拍車をかける戦争法案は廃案しかありません。


http://www.jcp.or.jp/akahata/aik15/2015-09-04/2015090401_05_1.html
--------------------------------------------------

この件については、リテラも言及している。

閣議決定の半年前に自衛隊統合幕僚長が米軍参謀総長に安保法制を約束!
日本はもはや軍部主導国家か



執筆者である宮島みつや氏の意見は傾聴に値すると思うので、一部抜粋したい。




本サイトでも既報のとおり、昨年1月から2月にかけて、
 陸上自衛隊が米陸軍と、中東を模したアメリカの砂漠地帯で、
 対テロ戦を想定した大規模な日米合同訓練を行っていた
ことが判明している。


 今年8月の沖縄ヘリ墜落事故でも、
 特殊作戦の訓練中とみられる米軍ヘリに日本の自衛隊員が搭乗していた。


 また、先日8月31日には防衛省が16年度予算の概算要求を
 過去最大の5兆911億円で計上することを決めている。


 集団的自衛権の行使容認を閣議決定する前から今日に至るまで、
 安倍政権下でのアメリカ軍との一体化、軍事国家化は着々と進行していたのだ。


 このように、今国会での安保法案をめぐる答弁や一部報道から、
 これまで国民が知ることのなかった安倍政権の危険極まりない本質が
 次々と明らかになっている。ところが、こうした状況を伝えるマスコミはほんの一部だ




今回のファイルで、集団的自衛権の容認が
そのまま米軍の軍事作戦への協力を意味することがハッキリわかったと思う。



私が主義・主張が若干異なるにも関わらず、
同党を評価しているのは、彼らが仕事をしているからである。

国会前でデモをやっている一部の人間には決して理解できないだろうが、
現代民主主義の基本は間接民主制、すなわち議員による審議である。

いくら国会議事堂の前で示威行為を行おうと有能な左派議員がいなければ意味が無い。



一体、この極秘であろうファイルを共産党はどこから仕入れてきたのだろう?
彼らの情報収集力には舌を巻くばかりだ。

ロシア、北方領土で戦勝記念式典を実施

2015-09-04 00:32:50 | ロシア・ウクライナ
ネット・リアルを問わず我が誇り高き愛国者たちは、
よく中国や韓国の反日行為(笑)に対して発狂しているが、
正直、反日の度合いで言ったらロシアのほうがよっぽど凄いと思う。



----------------------------------------------------
ロシア軍が、プーチン大統領の直接的な指示により、
北方領土で戦勝記念式典を行いました。


ロイター通信によりますと、ロシアは2日水曜、
北方領土の占領記念日に際して、戦勝記念式典を行い、軍事パレードを行いました。

この報告によりますと、この式典に
700人の兵士と14の航空機、ヘリコプターが参加しました。
ロシアの軍報道官は、このような式典が行われたのは初めてだとしています。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/
57734-%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E8%BB%8D%E3%
80%81%E5%8C%97%E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E3%8
1%A7%E6%88%A6%E5%8B%9D%E8%A8%98%E5%BF%B5%E5%BC%
8F%E5%85%B8%E3%82%92%E5%AE%9F%E6%96%BD


----------------------------------------------------


イランラジオのホセイニー解説員は、
この軍事パレードが日露関係の悪化を誘発するものだとみなし、危惧している。


普通に考えれば、その通りなのだが、
今のところ、中国の記念式典のほうばかり取り上げられている。


これは、別に日本がロシアに頭が上がらないわけではなく、
単純に中国→反日、韓国→反日という差別思想がベットリこびりついていて、
連中の基準で言えばそれ以上のことをその他の国がしていても気にならない
のだろう。





「ロシアのモルグロフ外務次官が、
 北方領土問題に関する日本側とのあらゆる交渉を拒否しました。


ロシアの新聞コメルサントによりますと、モルグロフ次官は、
3日木曜、「ロシアは平和条約問題について日本との協議を再開する用意はあるが、
クリル諸島の領有権に関して交渉するつもりはない」と語りました。


また、北方領土問題に関するあらゆる交渉を否定し、
「この問題は70年前に解決しており、第二次世界大戦の結果、
法的に我々の側に移った。そのことに疑いの余地はない」としました。


モルグロフ次官は、「ロシア政府は、日本と平和条約に関して
建設的な協議を行う用意があるが、納得のいく解決法を見出すために
両国が努力すべきであり、我々はあらゆる分野でのロシアと日本の
協力を拡大する用意がある」と語りました。


日本の政府関係者は、この数週間、ロシアのメドベージェフ首相が
北方領土を訪問したことに抗議し、この行動は容認できないとしています。


ロシアのロゴジン副首相は、最近、これについて、ツイッターで、
「男ならハラキリしておとなしくすべき」などと発言しました。


ロシアと日本は、戦後70年が経った今も平和条約を締結していません。
日本政府は、北方領土問題が解決した後での平和条約の締結を主張しています。

北方領土問題は、日本とロシアの関係に問題を生じさせています。



http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/5
7753-%E3%83%AD%E3%82%B7%E3%82%A2%E3%80%81%E5%8C%97%
E6%96%B9%E9%A0%98%E5%9C%9F%E3%81%AB%E9%96%A2%E3%81%9
9%E3%82%8B%E6%97%A5%E6%9C%AC%E3%81%A8%E3%81%AE%E4%BA%
A4%E6%B8%89%E3%82%92%E6%8B%92%E5%90%A6



発言だけを読めば、韓国や中国よりロシアのほうがより高圧的だ。
にも関わらず、なぜか中国の脅威が騒がれる一方でロシアは無視されている


こーいうところが私が右翼を信用しない理由の一つだったりする。
本当に怖い相手とは戦おうとしないところが嫌い



私自身は、ロシアの行動は全く反日的でない(欧米への威嚇が目的)と
受け取っているが、誇り高き愛国者は当然キレるべきだろう。


やっぱりロシア人相手だと怖いのか?という訳でもあるまい。

やはりここには中国→反日、韓国→反日という信仰が存在し、
そのため眼前のより強烈な反日行為(連中基準)に気づけないのだと思う。

中国で軍縮の動き

2015-09-04 00:24:20 | 中国(反共批判)
中国の習近平国家主席は
「中国は、自国軍隊の兵員数を30万人削減する考えだ。
 中国は、平和的発展の道に沿った前進のみを目指すだろう」と述べた。

習国家主席は、中国人民の抗日戦争勝利及び第二次世界大戦終結70周年を記念する
軍事パレードで演説し「我が国は、自国の軍隊の兵員を30万人削減するだろう」と述べた。


その一方で習国家主席は「我が国は、平和を目指しており、
平和的発展の道に沿って進むだろう。中国は決して覇権を求めないし、膨張に取り組むこともない。」

様々なデータを総合すると、中国軍の兵員数は、現在、230万人程度と見られている。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/asia/20150903/841369.html#ixzz3kgg0lQ00




どこぞの国の談話とは違い、非常に具体的な演説。


全文はここで読むことができる。


一部を抜粋すると、


あの戦争において、中国人民は大きな民族的犠牲によって
世界反ファシズム戦争のアジアの主戦場を支え、
世界反ファシズム戦争の勝利に重大な貢献を果たしました。

中国人民抗日戦争は国際社会の広範な支持も得ました。
中国人民は中国抗日戦争の勝利への各国の人々の貢献を永遠に銘記します。


戦争を体験した人々は、平和の貴さをなおさらに理解しています。
私たちが中国人民抗日戦争ならびに世界反ファシズム戦争勝利70周を記念するのは、
歴史を銘記し、烈士を偲び、平和を大切にし、未来を切り開くものです。


あの戦争の戦火はアジア、欧州、アフリカ、オセアニアにまで及び、
軍隊と民衆の死傷者数は1億人を超えました。

このうち中国の死傷者数は3500万人を超え、ソ連の死亡者数は2700万人を超えました。
歴史の悲劇を決して繰り返させない。


これは私たちが当時人類の自由、正義、平和を守るために命を捧げた英霊、
痛ましくも殺戮された無辜の霊に対する最良の記念です。


戦争は、平和の貴さをより良く人々に認識させる鏡です。
今日、平和と発展がすでに時代の基調となっています。

しかし世界はなお太平には遠く、戦争のダモクレスの剣が
依然として人類の頭上に吊されています。私たちは歴史を鑑として、
平和を維持する決意を揺るぎないものにしなければなりません。


平和のために、私たちは人類運命共同体意識をしっかりと確立しなければなりません。
偏見と差別、恨みと戦争は惨禍と苦しみをもたらすだけです。

相互尊重、平等な付き合い、平和的発展、共同繁栄こそがこの世界の正しい道です。

世界各国は国連憲章の趣旨と原則を中核とする国際秩序と国際体制を共同で守り、
協力・ウィンウィンを中核とする新型の国際関係を積極的に構築し、
世界平和・発展という崇高な事業を共同で推進するべきです。





気になった点として、ソ連との協力を強調する内容になったこと、
そして、国連憲章の遵守を各国政府に呼びかけたこと、
二カ国あるいは多国間同士の相互利益を基調とする路線を重視したことがある。



いずれも、最近の中国の外交姿勢を強く反映したものと思う。

特に、ウィンウィンを強調するレトリックは、
10年ほど前から一貫して続けられているものであり、
基本的には、中国はこちらが誠意を見せればそれに応えてくれる。


これは、抗日戦争勝利を祝うだけで反日認定する日本の論者にはピンと来ないかもしれない。

しかし、あの尖閣諸島においてすら、中国は当初、この問題について
棚上げすることを強く求めていた。それが段々と話を聞いてもらえないと
気づいたあたりから、つまり尖閣の国有化が決定されてから態度が変化したのである。




別に中国に限った話ではなく、ロシアにしても
北方領土について、共同開発を呼びかけたり、二島返還を提案したり、
それなりに譲歩しているのだが、それらを一蹴しているのが某国家だ。



いい加減、話し合うという当たり前のことが出来るようにならないと
いつまで経ってもアジアで除け者にされてしまうのではないかと不安で仕方がない。