時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

尖閣諸島の関連史料が新たに発見される

2015-04-20 00:25:59 | 中国(反共批判)
安徽省合肥市で16日、甲午戦争(日本名:日清戦争)関連の史料展・学術報告会が開催され、
明治時代に総理大臣も務めた山縣有朋が自ら書いた「詩」に注目が集まった。中国新聞網が報じた。

同イベントは、合肥市関心下一代工作委員会と新四軍歴史研究会が共同で開催。
資料は、合肥市軍隊離退休幹部第一休養所の張興華教授が提供した。


張教授によると、同詩は山縣有朋が1886年に
琉球を視察した時に作ったもので、89年になり自ら書いた。
その内容は、「孤帆破浪向南州、又有辺防関客愁、島嶼茫茫三十六、青山一発是琉球」だ。

張教授は、「1885年、内務卿だった山縣有朋は、沖縄県令・西村捨三に対し、
釣魚島(日本名:尖閣諸島)を秘密裏に調査するよう指示した。

釣魚島は清朝に属し、無人島ではないというのが調査結果だった。

その調査が清朝の目にも留まり、山縣有朋は釣魚島を占領したかったものの、
軍力が不足していたため、頭を悩ましていた。

この詩は、山縣有朋が初めて釣魚島を秘密裏に調査した際のことを描写しており、
『有辺防(警備が施されている)』の言葉が、釣魚島は無人島ではなかったことを証明している」
と説明している。

(http://j.people.com.cn/n/2015/0417/c94475-8879924.html)


時間が経てば経つほど日本にとって不利な証拠が発見される。
再三、主張していることだが、歴史的に中国に帰属していたと認めることと、
それをもって「ただちに」中国領とすることとは別問題だ。

前者は歴史学の問題だが、後者は政治の問題である。
仮に今、尖閣諸島が日本領、あるいは中国領となったとしよう。

その場合、必ず相手の国から猛烈なバッシングが起き、
安全保障(という名の軍事)問題をはじめとした外交問題へと発展するだろう。


だから私はこの問題に関しては、歴史的には中国(台湾)領だが、
政治的にはどちらかの領土にすべきではないと考えている。


そのへんの区別をしないで、どちらの政府も証拠探し(日本の場合は証拠隠滅だが)
に奔走しているような印象を受けている。もう少しクールダウンしても良いのではと思う。

やっぱりソニーはワシントンと繋がりを持っていた(映画「ザ・インタビュー」問題の背景)

2015-04-18 00:45:36 | 北朝鮮
先日、ウィキリークスによって暴露された情報によると、
ソニーピクチャーエンターテインメント(SPE)は米政府と裏でつながりがあり、
法律や政策に影響を与え、米軍産複合体ともつながりがあることが示されている。

SPEと言えば、数ヶ月前に対北朝鮮プロパガンダ映画「ザ・インタビュー」を巡って
サイバーテロの首謀者が北朝鮮だと決めつけ、証拠もろくに見せずに同国を攻撃した企業だ。

そもそも、この映画自体、CIAや国務省と協力して製作されたもので、
ウィキリークスを読むまでも無く、政府と娯楽産業の共同犯罪がハッキリとわかるものである。



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内部告発サイト「ウィキリークス」は、2014年11月に流出した
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの内部文書をサイト上で公開した。 


「ウィキリークス」のプレスリリースによると、
ソニーは、インターネット政策、海賊行為、著作権などに関して
米ホワイトハウスに積極的に働きかけていたという。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、
サイバー攻撃は犯罪だと指摘し、流出した文書の公開を非難した。


「ウィキリークス」は、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの
2万200件以上の内部文書、約17万3000件の電子メール、約2200件のEメールを公開した。


「ウィキリークス」はプレスリリースで、
「世間に知られているソニーの活動は娯楽の制作だ。一方で
 内部文書は、大企業ソニーが舞台裏でホワイトハウスとつながりを持ち
(内部文書に米政府の1000件以上のEメールが含まれていた)、
 法律や政策に影響を与える可能性を持ち、米軍産複合体とも
 つながりを持っていることを示している」と指摘している。



サイトで報じられたところによると、ソニーはインターネット制作、
海賊行為、貿易協定および著作権に関して積極的にロビー活動していたという。


サイトで公開された文書は、同社の代表者たちがこれらのテーマについて
政治家たちと直接協議していたことを示している。

そのほかメールのやり取りなどは、ソニーと米民主党との緊密な関係を物語っているという。

その他にも、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの
マイケル・リントン代表取締役が、オバマ米大統領と一度ならず食事をしていたと指摘されている。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/us/20150417/207070.html#ixzz3Xa9QSaD9

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あの時、私は「今回の事件はソニーによる炎上商法の一環だ」と指摘したが、実際に、
あの事件のおかげでアメリカ政府は新たな制裁を、SPEは莫大な黒字を上げることができた。



このように、民主主義国では政府と企業が協力して他国に政治・経済的圧力をかける。
この点を無視して、非西洋型国家を一方的に非難するのはお門違いだろう。


なお、映画「ザ・インタビュー」については、安倍政権の批判者が
ソニー・ワシントン合作プロパガンダ映画を支持したことを忘れてはいけない。

http://blogos.com/article/101738/


北朝鮮がサイバー攻撃をしたことを前提にして同国を非難しているが、
そもそもこのサイバー攻撃自体、内部犯行ではないかと思われる怪しい点があり、
少なくとも北朝鮮の犯罪だと断定できないものだと専門家が意見している。

http://rt.com/usa/217495-sony-hack-fbi-north-korea/(ここから読める)



私は、この手の北朝鮮が憎いあまりに簡単に
アメリカの戦術に引っかかるチョロいおじさんが大嫌いである。

こういう良識派(笑)が左翼の常識を形成する今、
日本では以前よりも増してレイシズム(人種民族差別)が市民権を得ている。

その背景としては、「アメリカさんの言うとおりやでぇ!」と言わんばかりに
リベラル(笑)や中道(笑)がアメリカの提示する北朝鮮像を配布していることが挙げられる。


「違う!これは安倍や橋下みたいな極右政治家のせいだ!」というかもしれない。

 しかし、実際に在日コリアンの方と知り合って、また彼らに対して日常的に寄せられる
 一方的かつ理不尽なメッセージを読む限り、極右が自らを正当化させる道具として
 良心的左翼(笑)が言いふらしている北朝鮮=悪魔の国論が利用されているのは事実だ。


このことを自省しない限り、人種差別が完全に撤廃される日は訪れないのではないだろうか?



徳光和夫氏が池上彰を批判

2015-04-18 00:16:13 | マスコミ批判
池上彰氏はジャーナリストを気取っているが、彼の主張自体は右翼と大差ない。


「靖国神社参拝の意義を他国の人間に理解してもらうことが重要だ」
「中国人に足りないのはモラル」
「北朝鮮は日本から金をふんだくる食い逃げ常習犯」



ガザ地区にまでわざわざ行って、
「役所の張り紙に日本に感謝する言葉が書かれていました!」と報告した時点で、
ジャーナリズムも何もあったもんじゃないと思うが、こういうのが絶賛されるのが日本の論壇だ。



池上氏の何が凄いかと言うと、反対意見に対して
そういう意見もありますね」で済ませてしまうところだろう。


彼が「中国の住宅バブルがはじける」と主張し、
現地の状況をよく知る人間から反対意見を発言された時にも
そういう意見もあります」と軽くスルーしていた。


前述の靖国神社の参拝問題も同様の姿勢で、
靖国神社は神である天皇のために聖戦で殉死した人間を弔う神社であり、
正義の戦争のために戦い散った戦士を称えるという解釈が前提にある建造物である
ことを
知りながら、その辺を瑣末なことと軽視し、右翼の言説を真似ながら参拝を正当化させている。



私の知る限り、池上氏を真っ向から批判しているメディアは無い。
視聴率が取れ、売れる本を書ける彼にメディアは頭が上がらないんじゃないかと思っている。



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16日放送の「ケンミンSHOW ダウンタウンDX 春の豪華リレーSP」(日本テレビ系)で、
フリーアナウンサーの徳光和夫が、池上彰氏を批判する一幕があった。

番組では、「ウワサの芸能人!衝撃告白SP」と題し、
ニュースキャスターの辛坊治郎氏が自身の知られざる活動について明かした。


辛坊氏は2013年、ヨットで太平洋横断中に遭難し、
海上自衛隊に救助されたことで世間を大きく騒がせた。

しかし一方で、世界70ヵ国以上を取材している凄腕のフリージャーナリストの顔を持ち、
直近では、2014年5月のタイ軍事クーデター、10月の香港民主化デモなどを現地まで追いかけている。


辛抱氏は自分が取材してきた写真を紹介し、「なかなか取材許可が下りない」という、
沖縄・嘉手納基地にある戦闘機「F-15」の撮影にも成功したことを報告。
数々の貴重な写真に、スタジオの出演者たちは驚きの声をあげた。

辛坊氏と徳光は、1979年開始の情報番組「ズームイン!!朝!」
(日本テレビ系)で共演して以来の付き合いだという。徳光は、
辛坊氏が自費で各地を取材して回っていることを明かし、その取材姿勢を称賛した。


その流れで、徳光は「一方、池上さんはNHKのカネで行ってたわけですよ!」と、
辛抱氏と比較する形で池上氏を批判したのだ。


司会を務めるダウンタウン浜田雅功は徳光の肩に手を回して、
それ以上発言しないよう止めに入り、相方の松本人志も
「なかなかいないですよ。池上さんディスる人!」と驚いていた。


なお、辛坊氏は池上氏を「いい人」と評し、
テレビ局で会った際にツーショット写真を撮ってもらったと語っている。

http://news.livedoor.com/article/detail/10017927/
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別にテレビ局の予算で取材した記事が自費で取材したそれより内容が劣るわけではない。



そういう意味では、徳光氏の主張は珍文漢文(ちんぷんかんぷん)なのだが、
問題は、浜田氏や松本氏が徳光氏の発言を遮ろうとしたことだ。




池上は前にも、コラム記事の掲載をめぐって朝日新聞社と対決し、勝利したことがある。
実は内容自体は、そこまで大した内容ではなく、むしろ産経と大差ないレベルなのだが、
この事件を池上は最大限に利用して、権力と戦うジャーナリストという虚像を演出した。


実際に、あの事件は相当な脅しになったと思う。
「池上に逆らえば、こうなるのだぞ」と編集部に強く訴えることが出来た。


その昔、ジョセフ・マッカーシーという人物がアメリカ全土の知識人を弾圧したことがある。
マッカーシズムあるいは赤狩りと呼ばれるものだ。これはマッカーシーという無名の政治家が
巻き起こした現代の魔女狩りで、共産主義らしい人間は次々と解雇され、その発言が封じられた。


実際は、マッカーシーを利用した保守派が大暴れしたわけだが、
池上もまた、第二のマッカーシーになるのではないかと私は危惧している。


つまり、池上が押したスイッチによって、日本の右傾化が進むのではないかと。

実際、そうなっている部分はある。例えば、竹島問題だ。
竹島は戦後、マッカーサーラインと呼ばれる境界線によって、韓国領の島になっていた。
これが同ライン消滅後、李承晩によって新たに李承晩ラインの内側の島にされて今に至る。


つまり、戦後から一貫して、竹島は韓国領になっているのだが、
池上の『そうだったのか!日本現代史』では、あたかもマッカーサーラインが有効だった時は
竹島が日本領であったかのような書かれ方がされている。これは明らかな詐欺だ。



本などろくに読まずに、まとめサイトだけを読み勉強している人間は正直怖くない。
危険なのは「問題のある啓蒙書を読み、保守的な言説が常識だと誤認している良心派」だ。


こういう連中は、自分が右翼と対決する立場にあると勘違いしている分、人の話を利かない。
今、「竹島は歴史的には韓国領だが、このタイミングで韓国領と認めては
   激しい混乱が生じるだろう。政治的にはお互いが権利を放棄し未開発地域にすべきだ」
という意見を聞いて、耳を傾ける人間がどれだけいるか、大いに疑問である。




自分が左翼だと思っている右翼ほど恐ろしい敵はいない。
重ねて主張するが、今の日本は左翼が右傾化しているのであり、
左翼が右翼と簡単につるんで、権力者の支持者あるいは共犯者となっている。


この状況に、池上氏のプロパガンダ的言説が一役買っているのは言うまでもない。
中立を装った保守的発言ほど危険なものは無いのだ。

日本の左翼はイランやキューバを守れるか

2015-04-16 00:09:09 | 反共左翼
先日の「世界」(岩波書店の雑誌)の内容を読んでも、
どうも日本の左翼は平和や人権をうたっておきながら、
眼前の大国による侵略行為に対して批判をするどころか積極的に支持さえしてしまうような気がする。


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イランとロシアの国防大臣が、ロシアの対空ミサイルシステムS300の
イランへの供与に関する対立を解消することで合意しました。


ファールス通信によりますと、
イランのデフガーン国防軍需大臣とロシアのショイグ国防大臣は、
20日火曜朝、テヘランで、軍事問題に関する合意を締結しました。


この合意では、テロや分離独立派、過激派への対策、両国の利益、
地域の平和と治安の確保に向けた協力の拡大が強調されています。


デフガーン大臣は、現状において、有力なロシアと独立したイランは、
地域や世界の安定の重要な柱になっているとし、

「イランは、テロ対策において責任ある役割を果たし、
 地域の政府や国民を守り、地域の治安と安定の強化に向けて
 責任を持って行動するつもりだ」と語りました。


さらに、レバノンのシーア派組織ヒズボッラーの戦士多数が殉教した、
最近のシオニスト政権イスラエルによるシリア南部での攻撃を非難し、
「シオニストや覇権主義者が過激派テロリストを全面的に支援しているのは、
 地域や世界の安全を乱すためだ」と語りました。



また、地域の問題は、地域諸国の努力によって解決すべきだとし、
「地域の出来事に対する外部からの干渉は、状況を複雑にすると共に、
 危機を増大させるだろう。世界的な決意により、過激派、暴力、テロを根絶すべきだ」と述べました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/5
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ロシア下院のプシコフ外交委員長が、
「S300ミサイルシステムのイランへの移送は、戦争の勃発を防ぐ」と語りました。


フランス24が15日水曜伝えたところによりますと、
プシコフ委員長はイランに対するミサイルシステムS300の移送に関するロシアの決定について、

「ローザンヌで核協議が行われ、6カ国が参加した。
 この協議でのイランの発言は、信頼に値すると判断された。
 現在、われわれはイランの核計画に関する最終合意書を作成中である」と語りました。


プシコフ委員長また、「極度に緊張した段階を経て、
現在、政治的な協議の段階に入っており、国連安保理による軍事的な制裁は、
今年末までに解除されるだろう。このような状況において、
国連安保理の制裁の解除後、イランに対するロシアの武器移送は、違反行為とはならない」
と述べました。



さらに、「S300ミサイルシステムの移送は、政治的な協議と矛盾しない。
アメリカや中東諸国の一部の党派には、常にイランに対する
軍事攻撃の脅迫を提示しようとする人が存在する。
もしイランに対する軍事攻撃が行われれば、それはローザンヌの枠組み合意と、
政治的な話し合いの終わりを意味する」としました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/53871
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外国のインターネット・ユーザー達は、
イランに対するS-300ミサイル供与禁止をロシアが解除したことについて、
積極的に自分達の意見を書きこんでいる。

彼らは、プーチン大統領は、
今回の決定によりイランに対する軍事行動を阻止したと指摘している。



新聞「Washington Post」の読者らは
「イランはロシアの武器を購入する権利を有している。
 なぜなら、この国は、米国そしてイスラエルの脅威にさらされているからだ」との考えを示した。

あるユーザーは
「イランは、このシステムを必要としている。なぜならイスラエルは、
中東の近隣諸国を爆撃し急襲するため定期的に飛行機を飛ばしているからだ」と書いた。


又多くの読者が「プーチン大統領は、その行動によって、
地域の軍事紛争を阻止し、地域の軍事バランスを維持している」と評価した。



新聞「The Wall Street Journal.」のコメントの中で、
ユーザーのJohn Geddie氏は「そうすることでプーチン大統領は、
イランに対する軍事行動の可能性を葬った。S-300は、
世界最良の地対空、対ミサイル・システムの一つである」と書いている。



さらにCNBCの読者は、米国の対外政策のレトリックのダブルスタンダードを指摘して
「ロシアあるいは中国が他国に武器を売ろうとするといつも、
ホワイトハウスはあらゆる悪意を持って妨害するが、
自分達が他国に武器を売るときは『すべて合法的だ』と済ましている」と指摘した。



ユーザー達は、自主的で米国に依存しない
外交政策実施を恐れないプーチン大統領の個人的資質を高く買っている。


例えばAFPのある読者などは
「プーチンだけが、オバマの鎖を締めている。それはなぜか?
 彼はオバマを恐れていないからだ」と書きこんだ。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150415/198627.html#ixzz3XOK8x4gt

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恐らく、上の対空ミサイルに関する一連の動きについて、
岩波系の知識人は「軍拡競争が始まった!」と騒ぎ立てる一方で、
イランに対するアメリカ・サウジ・イスラエルの封じ込め運動については触れないだろう。


あるいは、アメリカやイスラエルの威嚇行為を指摘する声に対しても
「イランの全体主義体制を正当化させる方便」とみなして聞き流すだろう。



今回のキューバに関する岩波のそれは、まさにそうなっている。
2015年3月・4月号のキューバに関する記事は、まさにそういう内容だった。



既存のフィデル・カストロ体制を全否定した上で、
ラウル政権を幾分、褒め、アメリカの言うことを聞いて「民主化」することを願う。


雪解けやペレストロイカ、冷戦終結時の態度と全く同じ。



非西欧型社会を散々にこき下ろし、頑迷な全体主義国家が
民主化してくれることを喜ばしく思うという「こちら側」の問題を省みない態度。


非西洋国家の「自省」と「変革」を喜ぶこの態度。


どことなく、南米・アフリカ大陸の先住民を野蛮と決め付け差別し、
現地の有力者により西洋化すると「文明化した」と大喜びする侵略者を思い出させる。



『はだかのソ連』という本が1961年に毎日出版社から出版されたことがある。

スターリン政権を地獄の日々と形容し、ソ連の民衆を被害者として美化したのち、
フルシチョフ政権のソ連は今までと違う新しい社会を築くだろうと評価している。



これと同じことが世界の先月号で書かれていていた。
いわく、フィデルカストロの政権は頑迷に社会主義政権を固持していたが、
柔和なラウルが音頭を取るようになったことで、キューバも新しい社会になるのだとか。


ペレストロイカの時も、それまでのソ連の行為をこれでもかと非難して、
これからはゴルバチョフが何とかしてくれるから大丈夫だという意見が結構あった。



彼らは冷戦終結後、やはりソ連の今までの努力を全否定し、
これからは新しいロシアになるであろうというお決まりのパターンを取った。



要するに、彼らがしていることは支持の仮面をかぶった糾弾なのである。
一見、支持しているように見えるが、実は敵国の批判がメインになっている。


こういう見解は、実のところ、現地の国民にとっては大変な侮辱である。


「雪解け」という小説を1954年に書いたソ連作家イリヤ・エレンブルグは
 大祖国戦争(第二次世界大戦)が終わったとたんに、手のひらを返した
 西ヨーロッパの役人、知識人に対する恨みつらみを手記に書いている。


彼はスターリンの死後にスターリンを批判し始めた最初の人間の一人だが、
スターリン政権時のいくつかの過ちを認めても、それを根拠に
自分たちが今まで参加した活動すべてを否定されることに対しては激しく怒っているのだ。


というのも、彼はソ連の芸術派遣員でもあったため、海外の文化人や政治家と接触し、
あるいは海外のメディアが自国を甚だしく攻撃する様子を熟知していたからだ。


スターリン政権時にソ連を訪れ、ソ連への礼賛者から批判者へと転向した
アンドレ・ジイドに対する彼の口調は非常に厳しい。こういう感情は、
まるで壊れた玩具をゴミ箱へ投げ捨てるような真似をする他国の反共左翼には理解できないだろう。


東ドイツの元国民の中にも、東ドイツ全否定論に対して、
「いや、不自由な面もあったが、それなりに幸福な暮らしが送れた」と反論する人間がいる。

東ドイツの政権に対して不満はあったものの、それでも東ドイツならではの
生活や文化を楽しんでいた人々も大勢いたのである。それが西ドイツに吸収された途端、
東側の価値を否定して生きていかなければならなくなった。このアイデンティティの喪失を
取り上げ、西ドイツのあり方を批判した人間の一人が先日亡くなったギュンター・グラスだった。


要するに、彼らは彼らなりに国づくりに参加していたわけだ。
現在の日本も、不完全な選挙制度や投票率の低さから、必ずしも民意が反映された
結果にはなっていないわけだが、それを理由に戦後日本および戦後左翼の軌跡が全否定され、
アメリカに首を垂れ、アメリカ型の経済方式に改造するのが正義だと言われたら腹を立てるだろう。


不思議なことにキューバがアメリカに頭を下げ、市場化するのを喜ぶ連中は、
自国がアメリカに頭を下げ、市場化することに対しては断固反対の姿勢をとっている。


これは実に奇妙なことだ。アメリカが80年代以降、日本に強いているのは
国営企業の民営化と規制緩和だ。要求は同じなのに、なぜ日本は駄目でキューバは良いのだろう?


「これまでは最悪の地獄の国だったが、これからは天国になるぞ」という言い方は
 既存の国家の全否定(それはアメリカやヨーロッパのプロパガンダの全肯定でもある)
 を前提にした発言で、相対的あるいは絶対的に欧米型国家が非欧米型国家に勝る、
 非欧米型国家は野蛮な全体主義国家であるという蔑視に基づいた発言である。

 この種の蔑視が誰にとって都合が良いかは言うまでもない。


ついでに言うと、この手の意見はイランやキューバ、ロシア、中国、北朝鮮などの
非欧米型国家については、十分なページ数をかけて執拗に攻撃した後、
申し訳程度にアメリカやEU、NATOについてチョロっとたしなめて中立を気取る。



こういう老人に冷水をかけた後、マッチ一本をよこすような行為が
本当にアメリカやヨーロッパの帝国主義を抑止するのだろうか?


私はそう思わない。


少なくとも私は、国交正常すらネタにして、これまでのキューバの軌跡を
全否定し、「社会主義の失敗」と断定し、市場主義の部分的導入を小躍りするような行為は
左翼というよりは、現地の資本を収奪しようとするハゲタカ連中と同類に見える。

最近の東ウクライナの情勢について

2015-04-15 00:12:48 | リビア・ウクライナ・南米・中東
スプートニクで、フランスのフランスのインターネットニュースサイト
「アゴラヴォックス」のケヴィン・カーラル評論員の意見文が寄せられていた。


最近の東ウクライナ情勢を知るためにも、特にノヴォロシア側が一方的に
停戦協定を破っているかのような誤解を解くためにも、一読の価値があると思う。


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『両当時者は紛争ゾーンから外国の限定兵力を引き離す義務を負う』とした
 ミンスク合意の基本的項目について言えば、キエフ当局は、
 これを犯し、米国人や英国人、彼らに続いてカナダ人も匿っている




またミンスク合意の『ドネツク及びルガンスク両州に特別の地位と部分的自治を分与する』
という項目に注意を向けるならば、ウクライナ議会は非中央集権化あるいは
東部地域への部分的自治権付与という考えに少しも譲歩していない。




さらにもう一つ、キエフ当局がひどく違反している項目がある。
それはリストに追加されているもので、
ドネツク及びルガンスク人民共和国との社会的経済的絆の復活である。

キエフ当局は、これを拒否している。


ウクライナは、ウクライナ南部東部住民に対する
社会手当・年金その他の補助金の支払いを復活させず、
銀行システムも回復させず、経済封鎖の解除も急いでいない。




なぜ西側マスコミは、キエフ当局によるミンスク合意違反に対し、頑固に沈黙し続けるのか? 
そしてロシアばかりを激しく執拗に非難し続けるのだろうか?」

続きを読む http://jp.sputniknews.com/politics/20150414/194417.html#ixzz3XIUBJzju

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ロシアにせよ、キューバにせよ、ウクライナにせよ、北朝鮮にせよ、イランにせよ、
NATOの敵であるというだけで、一方的な制裁措置を受け、サウジアラビアのような
戦争犯罪国家(これは文字通りだ)は親米であるというだけで免罪される。


このようなイビツな構造に世界も金曜日も抗議すべきだ。
果たして来週号、あるいは来月号に批判記事が掲載されるのか。少々不安である。

さらばグルジア、悲しき国よ

2015-04-15 00:12:01 | リビア・ウクライナ・南米・中東
グルジアの国名がジョージアになるらしい。

日本 国名表記をグルジアから公式に「ジョージア」に
(続きを読む http://jp.sputniknews.com/japan/20150414/195316.html#ixzz3XIRmabvo)


業平橋が東京スカイツリー前駅に改名された時の様な気分。


グルジアは典型的な親米国家で、日本では「グルジア侵攻」と呼ばれる事件も、
アメリカの大学に留学し、アメリカの高官と懇意の仲になった大統領が、
アブハジア共和国を軍事侵攻した
ことに端を発する。


何でもかんでもアメリカ式にすれば良いというものではないだろう。

サウジアラビアによるイェメン爆撃

2015-04-14 23:34:40 | リビア・ウクライナ・南米・中東
あまり話題に上がってこないが、今、中東ではサウジアラビアがアメリカの支援の下、
イェメンの住宅地域に爆撃を繰り返し、数千の人間が被害にあっている。



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サウジアラビアが、イエメンの住宅地やインフラに対する攻撃を続けています。

ファールス通信によりますと、サウジアラビアの戦闘機は、
13日月曜、イエメン・マリブ州の女子校を攻撃し、生徒数人が死傷しました。


サウジアラビアと一部のアラブ諸国は、イエメンの人々に恐怖を抱かせ、
彼らの士気を弱めるために、住宅や公共の場所、病院を攻撃しています。



イエメンのニュースサイトによりますと、治安筋は、13日、
「サウジアラビアのトルキ王子が、イエメンの国境近くの軍施設で、
 2日前に迫撃砲を受けて死亡した」と報告しました。サウジアラビア政府は、
 トルキ王子の側近3名の死を明らかにしましたが、これまでのところ、
 王子の死亡に関して正式な発表はありません。


サウジアラビアの戦闘機は、13日、首都サヌアのテレビ・ラジオ局を4回に渡って爆撃しました。
イエメンの情報筋は、この攻撃で、サヌアの一部地域の水道施設が破壊されたとしました。


こうした中、イエメンのテレビ局によりますと、西部のフダイダで、人々が大規模なデモを行い、
2000人のイエメン人の死亡につながったサウジアラビアのテロを非難しました。


イエメンの情報筋は、
「13日、イエメン南部ラハジにあるフーシ派の拠点で爆発があり、
 民間人5名を含む少なくとも15名が死亡した」としました。

この攻撃について、アルカイダがSNS上で犯行を認めました。


イエメン軍の報道官は、13日、
「サウジアラビアの戦闘機によるイエメンへの空爆が始まった先月26日以来、
 イエメンの民間人2500人が死亡、およそ3900人が負傷した。
 死者の中には多数の女性や子供が含まれている」と発表しました。

http://japanese.irib.ir/news/latest-news/item/53831-%
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イェメンについての基本知識は、ここから取得できる。
(時間があれば、要約文を書くつもり。あくまでも「つもり」だが)


次のスプートニクの図表を先に読んだほうがわかりやすいだろう。








(http://jp.sputniknews.com/multimedia/20150328/104338.htmlより)


人口25.4万人しかいない国で数千規模の被害を生んでいる。このことの意味はわかるはずだ。
国連によると、すでに12万(つまり半数)が難民となっているらしい(少々怪しい情報だが)。


サウジアラビアは中東国家にとって最大の脅威になっている。
この国を支援しているのがどこの国なのか。言うまでもない。

酒井啓子氏をはじめ、日本の有名な中東研究者は、
この国に対して、特に強烈な批判をすることなく、受け入れている。
(この辺が、私が日本の国際政治学者を非常に怪しんでいる理由の一つ)



冷静に考えれば、国民の半数に何らかの影響を与えている
この他国による空爆行為こそ、正真正銘の戦争犯罪だろう。


EUやNATOはロシアよりも先に自分のお仲間に対して怒りを露にするべきだ。

地方議員選挙を終えて

2015-04-14 00:47:59 | 日本政治
史上初の全都道府県議席獲得だったらしい。
社民党が消えた今、民主党に不信感を抱いている人間が共産党に投票したようだ。

都議選、衆院選に続いて、今回も議席を多く増やすことが出来た。
共産党の候補者に投票していたので、正直、この結果は嬉しい。

結果を見ると、自民は与党ではあるものの過半数を超えていない県も結構あることに気づかされる。
公明党が自民の腰ぎんちゃくにならなけば、自民の横暴は阻止できるのではないだろうか。


議席を増やせたのは良かったが、まだ数の上では少数者だ。
民主党や公明党が部分的あるいは全面的に自民の走狗となっている今、どれだけ結果を出せるか。

勝負はこれからである。

ギュンター・グラスが死んだ

2015-04-14 00:24:58 | 文学
20世紀ドイツ文学の金字塔、『ブリキの太鼓』の著者、ギュンター・グラス氏が亡くなった。
数少ないドイツの良心が他界したことを実に残念に思う。


グラス氏は東西ドイツ統合に反対していた数少ない人間の一人だ。

我が国の知識人を含め、ほとんどの人間は「統合」を素晴らしい出来事だと思っている。

しかし、これは実際には西ドイツによる東ドイツの「併合」であり、
実際に、東ドイツの大学で既存の教授が解雇され西の学者が就任したり、
これまで公務員として勤務していた労働者が解雇され、大量の失業者が発生したりと、
自由が与えられた代わりに生活が破壊されたのだった(これが東部におけるネオナチ台頭へと繋がる)


そういうわけで、単純にこの統一を喜んでいるのはそうはいないということ、
特に東ドイツの住民に至っては自国がボロクソに叩かれることを
面白く思わない人間も少なからずいたわけだ。グラスは西ドイツの作家だが、
この空気に敏感に察知し、大作『はてしなき荒野』を世に送り出した。


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テオ・ヴトケは同郷で誕生日も同じ小説家の「不滅の人」
(作中では名は出されていないがテオドール・フォンターネのこと)に入れ込んでいて、
周りから「フォンティ」と呼ばれている。


そんな彼には、若い頃当局をあてこするような発言をしたことや息子たちが西側にいることから、
秘密警察官ホーフタラーが「つきまとう影」のように寄り添っている。

その年、「ベルリンの壁」が崩壊した。
娘マルタは西側から来た不動産会社社長と結婚し、シュヴェリーンに住む。
しかし地上げ屋同然に公社の仕事をし、家庭を顧みない夫にいつしか離婚を口にするようになる。


ホーフタラーは、フォンティが戦時中フランスにいたときの恋人が産んだ
娘の子・マドレーヌを連れてくる。まだ見ぬ祖父を思ってかフォンターネの研究をしていた。


そしてあれよあれよと言う間に東西ドイツが一つになった。
ウンター・デン・リンデンの大通りのあたりは、
東西ドイツ統一の悲願達成を祝う群集で溢れかえり、夜空には花火がはじけ、
この世紀の大事業をなしとげた喜びは「歓喜の歌」の大合唱となってベルリンの空を震わせていた。


ホーフタラーはフォンティに、信託公社での書類運びの仕事を見つけてくる。
信託公社とは旧東ドイツの国営企業の民営化及び「解体」をする組織で、
まるで資本主義が旧東ドイツを食い物にしているかのような事態を、フォンティは憂慮していた。


公社(かつての帝国空軍省)のパタノスタ(旧式のエレベータ)の中で、
フォンティは信託公社の総裁と知り合う。二人は文学談義に花を咲かせるが、総裁は暗殺される。


新しい女性の総裁が来て、フォンティもお払い箱にされる。
追い討ちをかけるように親友フロイントリヒ教授が自殺。
フォンティは失踪を企てるが、ホーフタラーに阻止される。


そのことと妻エミーの自殺未遂のダブルショックで寝付いてしまう。
実家に駆けつけたマルタも鬱病を発し、ホーフタラーが一家の面倒を見るはめになってしまった。


夫の事故死の知らせを聞いて、マルタは突然正気に戻り、
入れ違いに来たマドレーヌにフォンティの世話を任せ、母を連れてシュヴェリーンに帰る。


孫娘の顔を見たとたんみるみる回復したフォンティは、
ホーフタラーがお膳立てした講演会で熱弁をふるう。
信託公社についての話で会場が最高潮に達したときに、ホーフタラーが叫ぶ。


「信託公社が火事だ!」

それ以後、フォンティは孫娘ともに行方不明になる。
懇意にしていたフォンターネ資料館あてに絵葉書が届いた。

「とにかく、荒野には終わりがあるってことが、このわしには分かるんですよ・・・。」

http://doitsugo-mode.cocolog-nifty.com/blog/2011/07/post-ad5b.html
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グラスは英米によるアフガン侵略戦争に対しても批判していたらしい。

みんながハッピーでいる時に、そのハッピーは誰かを食い物にしたものだと告発するのは
実に勇気がいることだ。彼は自身がナチスの兵隊であったことも晩年、告白した。

非常に潔い、知識人らしい知識人だったと思う。本当に惜しい人を亡くした。

ウクライナで赤狩りが開始される

2015-04-13 01:24:02 | リビア・ウクライナ・南米・中東
ウクライナ市民は、「誤った」観点をもつ不逞市民を排斥せよ、
とのアジテーションを受けている。ウクライナ紙「Vesti」が伝えた。


それによれば、「ウクライナ保安庁の地方または中央のホットラインで謎の活動家が、
ウクライナ現政権がいやでロシアが好きだという不届きな市民がいたら通報するよう呼びかけている。
こうした人々は「身近な分離主義者」と呼ばれている。
南部・東部諸都市では既に親露派探しに関する手引書が配られている」。


街には既に看板が出現している。それによれば、
「身近な分離主義者」とは、国民的シンボルを侮辱し、「ロシア世界」の到来を夢見、
 動員反対を喧伝し、ロシア語に対する脅威に関する噂を拡散させ、
 恐怖を植え付け、退廃的な気運を広げるような人たちのことであるらしい。
「身近な分離主義者」は7年から12年の自由剥奪刑を科せられる、とも書かれている。


医療センター・オデッサ支部の代表が「Vesti」に語ったところによれば、
法案が内閣レベルで承認され、地方当局が広告の場を提供した」という。




既に魔女狩りが触発されている、と同紙。
不逞分子探しが大学やSNS上でも始まっている。

「非愛国的」というリポストでドネツクやルガンスクを支持する人を特定し、糾弾できる。
SNSのVkontakteには特定ユーザーの個人情報や写真を集めるグループまであるという。


続きを読む http://jp.sputniknews.com/life/20150410/179366.html#ixzz3X742aXQK

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ネオナチが軍事顧問になったりと、最近になっても依然、ネオナチを要職に採用するキエフ政権。

これだけ暴れていても、一切、糾弾されない。
これこそが私がオーウェル風の全体主義国家像を否定する理由に他ならない。


朝日にせよ読売にせよ岩波にせよ、
これらのメディアは日本政府による妨害は受けていないはずだ。


現に、週刊金曜日ではキエフ政権を糾弾する記事も多少ある。
(もっとも、書き手が例の反共左翼の塩原俊也氏なのだが・・・)


つまり、アメリカ政府や日本政府による直接・間接の妨害や弾圧を受けていないにも関わらず、
西側にとって都合の良い報道を積極的に、かつ自発的に大量生産してしまう。これが問題なのだ。


私は、これらメディアが帝国主義国家に都合の良い報道をしてしまうのは、
根本的な所に反共(反共産主義国家)主義があるためだと考えている。


ロシアや中国のやることはすべからく悪なのだという不信感によるものだと思う。