時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

やっぱりソニーはワシントンと繋がりを持っていた(映画「ザ・インタビュー」問題の背景)

2015-04-18 00:45:36 | 北朝鮮
先日、ウィキリークスによって暴露された情報によると、
ソニーピクチャーエンターテインメント(SPE)は米政府と裏でつながりがあり、
法律や政策に影響を与え、米軍産複合体ともつながりがあることが示されている。

SPEと言えば、数ヶ月前に対北朝鮮プロパガンダ映画「ザ・インタビュー」を巡って
サイバーテロの首謀者が北朝鮮だと決めつけ、証拠もろくに見せずに同国を攻撃した企業だ。

そもそも、この映画自体、CIAや国務省と協力して製作されたもので、
ウィキリークスを読むまでも無く、政府と娯楽産業の共同犯罪がハッキリとわかるものである。



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内部告発サイト「ウィキリークス」は、2014年11月に流出した
ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの内部文書をサイト上で公開した。 


「ウィキリークス」のプレスリリースによると、
ソニーは、インターネット政策、海賊行為、著作権などに関して
米ホワイトハウスに積極的に働きかけていたという。


ソニー・ピクチャーズエンタテインメントは、
サイバー攻撃は犯罪だと指摘し、流出した文書の公開を非難した。


「ウィキリークス」は、ソニー・ピクチャーズエンタテインメントの
2万200件以上の内部文書、約17万3000件の電子メール、約2200件のEメールを公開した。


「ウィキリークス」はプレスリリースで、
「世間に知られているソニーの活動は娯楽の制作だ。一方で
 内部文書は、大企業ソニーが舞台裏でホワイトハウスとつながりを持ち
(内部文書に米政府の1000件以上のEメールが含まれていた)、
 法律や政策に影響を与える可能性を持ち、米軍産複合体とも
 つながりを持っていることを示している」と指摘している。



サイトで報じられたところによると、ソニーはインターネット制作、
海賊行為、貿易協定および著作権に関して積極的にロビー活動していたという。


サイトで公開された文書は、同社の代表者たちがこれらのテーマについて
政治家たちと直接協議していたことを示している。

そのほかメールのやり取りなどは、ソニーと米民主党との緊密な関係を物語っているという。

その他にも、ソニー・ピクチャーズ エンタテインメントの
マイケル・リントン代表取締役が、オバマ米大統領と一度ならず食事をしていたと指摘されている。

続きを読む http://jp.sputniknews.com/us/20150417/207070.html#ixzz3Xa9QSaD9

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あの時、私は「今回の事件はソニーによる炎上商法の一環だ」と指摘したが、実際に、
あの事件のおかげでアメリカ政府は新たな制裁を、SPEは莫大な黒字を上げることができた。



このように、民主主義国では政府と企業が協力して他国に政治・経済的圧力をかける。
この点を無視して、非西洋型国家を一方的に非難するのはお門違いだろう。


なお、映画「ザ・インタビュー」については、安倍政権の批判者が
ソニー・ワシントン合作プロパガンダ映画を支持したことを忘れてはいけない。

http://blogos.com/article/101738/


北朝鮮がサイバー攻撃をしたことを前提にして同国を非難しているが、
そもそもこのサイバー攻撃自体、内部犯行ではないかと思われる怪しい点があり、
少なくとも北朝鮮の犯罪だと断定できないものだと専門家が意見している。

http://rt.com/usa/217495-sony-hack-fbi-north-korea/(ここから読める)



私は、この手の北朝鮮が憎いあまりに簡単に
アメリカの戦術に引っかかるチョロいおじさんが大嫌いである。

こういう良識派(笑)が左翼の常識を形成する今、
日本では以前よりも増してレイシズム(人種民族差別)が市民権を得ている。

その背景としては、「アメリカさんの言うとおりやでぇ!」と言わんばかりに
リベラル(笑)や中道(笑)がアメリカの提示する北朝鮮像を配布していることが挙げられる。


「違う!これは安倍や橋下みたいな極右政治家のせいだ!」というかもしれない。

 しかし、実際に在日コリアンの方と知り合って、また彼らに対して日常的に寄せられる
 一方的かつ理不尽なメッセージを読む限り、極右が自らを正当化させる道具として
 良心的左翼(笑)が言いふらしている北朝鮮=悪魔の国論が利用されているのは事実だ。


このことを自省しない限り、人種差別が完全に撤廃される日は訪れないのではないだろうか?



徳光和夫氏が池上彰を批判

2015-04-18 00:16:13 | マスコミ批判
池上彰氏はジャーナリストを気取っているが、彼の主張自体は右翼と大差ない。


「靖国神社参拝の意義を他国の人間に理解してもらうことが重要だ」
「中国人に足りないのはモラル」
「北朝鮮は日本から金をふんだくる食い逃げ常習犯」



ガザ地区にまでわざわざ行って、
「役所の張り紙に日本に感謝する言葉が書かれていました!」と報告した時点で、
ジャーナリズムも何もあったもんじゃないと思うが、こういうのが絶賛されるのが日本の論壇だ。



池上氏の何が凄いかと言うと、反対意見に対して
そういう意見もありますね」で済ませてしまうところだろう。


彼が「中国の住宅バブルがはじける」と主張し、
現地の状況をよく知る人間から反対意見を発言された時にも
そういう意見もあります」と軽くスルーしていた。


前述の靖国神社の参拝問題も同様の姿勢で、
靖国神社は神である天皇のために聖戦で殉死した人間を弔う神社であり、
正義の戦争のために戦い散った戦士を称えるという解釈が前提にある建造物である
ことを
知りながら、その辺を瑣末なことと軽視し、右翼の言説を真似ながら参拝を正当化させている。



私の知る限り、池上氏を真っ向から批判しているメディアは無い。
視聴率が取れ、売れる本を書ける彼にメディアは頭が上がらないんじゃないかと思っている。



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16日放送の「ケンミンSHOW ダウンタウンDX 春の豪華リレーSP」(日本テレビ系)で、
フリーアナウンサーの徳光和夫が、池上彰氏を批判する一幕があった。

番組では、「ウワサの芸能人!衝撃告白SP」と題し、
ニュースキャスターの辛坊治郎氏が自身の知られざる活動について明かした。


辛坊氏は2013年、ヨットで太平洋横断中に遭難し、
海上自衛隊に救助されたことで世間を大きく騒がせた。

しかし一方で、世界70ヵ国以上を取材している凄腕のフリージャーナリストの顔を持ち、
直近では、2014年5月のタイ軍事クーデター、10月の香港民主化デモなどを現地まで追いかけている。


辛抱氏は自分が取材してきた写真を紹介し、「なかなか取材許可が下りない」という、
沖縄・嘉手納基地にある戦闘機「F-15」の撮影にも成功したことを報告。
数々の貴重な写真に、スタジオの出演者たちは驚きの声をあげた。

辛坊氏と徳光は、1979年開始の情報番組「ズームイン!!朝!」
(日本テレビ系)で共演して以来の付き合いだという。徳光は、
辛坊氏が自費で各地を取材して回っていることを明かし、その取材姿勢を称賛した。


その流れで、徳光は「一方、池上さんはNHKのカネで行ってたわけですよ!」と、
辛抱氏と比較する形で池上氏を批判したのだ。


司会を務めるダウンタウン浜田雅功は徳光の肩に手を回して、
それ以上発言しないよう止めに入り、相方の松本人志も
「なかなかいないですよ。池上さんディスる人!」と驚いていた。


なお、辛坊氏は池上氏を「いい人」と評し、
テレビ局で会った際にツーショット写真を撮ってもらったと語っている。

http://news.livedoor.com/article/detail/10017927/
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別にテレビ局の予算で取材した記事が自費で取材したそれより内容が劣るわけではない。



そういう意味では、徳光氏の主張は珍文漢文(ちんぷんかんぷん)なのだが、
問題は、浜田氏や松本氏が徳光氏の発言を遮ろうとしたことだ。




池上は前にも、コラム記事の掲載をめぐって朝日新聞社と対決し、勝利したことがある。
実は内容自体は、そこまで大した内容ではなく、むしろ産経と大差ないレベルなのだが、
この事件を池上は最大限に利用して、権力と戦うジャーナリストという虚像を演出した。


実際に、あの事件は相当な脅しになったと思う。
「池上に逆らえば、こうなるのだぞ」と編集部に強く訴えることが出来た。


その昔、ジョセフ・マッカーシーという人物がアメリカ全土の知識人を弾圧したことがある。
マッカーシズムあるいは赤狩りと呼ばれるものだ。これはマッカーシーという無名の政治家が
巻き起こした現代の魔女狩りで、共産主義らしい人間は次々と解雇され、その発言が封じられた。


実際は、マッカーシーを利用した保守派が大暴れしたわけだが、
池上もまた、第二のマッカーシーになるのではないかと私は危惧している。


つまり、池上が押したスイッチによって、日本の右傾化が進むのではないかと。

実際、そうなっている部分はある。例えば、竹島問題だ。
竹島は戦後、マッカーサーラインと呼ばれる境界線によって、韓国領の島になっていた。
これが同ライン消滅後、李承晩によって新たに李承晩ラインの内側の島にされて今に至る。


つまり、戦後から一貫して、竹島は韓国領になっているのだが、
池上の『そうだったのか!日本現代史』では、あたかもマッカーサーラインが有効だった時は
竹島が日本領であったかのような書かれ方がされている。これは明らかな詐欺だ。



本などろくに読まずに、まとめサイトだけを読み勉強している人間は正直怖くない。
危険なのは「問題のある啓蒙書を読み、保守的な言説が常識だと誤認している良心派」だ。


こういう連中は、自分が右翼と対決する立場にあると勘違いしている分、人の話を利かない。
今、「竹島は歴史的には韓国領だが、このタイミングで韓国領と認めては
   激しい混乱が生じるだろう。政治的にはお互いが権利を放棄し未開発地域にすべきだ」
という意見を聞いて、耳を傾ける人間がどれだけいるか、大いに疑問である。




自分が左翼だと思っている右翼ほど恐ろしい敵はいない。
重ねて主張するが、今の日本は左翼が右傾化しているのであり、
左翼が右翼と簡単につるんで、権力者の支持者あるいは共犯者となっている。


この状況に、池上氏のプロパガンダ的言説が一役買っているのは言うまでもない。
中立を装った保守的発言ほど危険なものは無いのだ。