時事解説「ディストピア」

ロシア、イラン、中国等の海外ニュースサイトの記事を紹介します。国内政治、メディア批判の記事もあります。

フランス軍、イラクの小学校を空爆

2015-11-26 22:13:55 | 中東
フランス軍の戦闘機が、イラク北部モスルの東部にある小学校を空爆し、生徒28人が死亡しました。

ドイツのDPA通信が、イラク軍の将校の話として伝えたところによりますと、
フランス軍の戦闘機は、25日水曜、モスル東部の小学校を爆撃し、
これにより、生徒28人が死亡、5人が負傷しました。

テロ組織ISISが犯行を認めたパリでの同時テロの後、
フランスは、イラクとシリアにあるISISの拠点への空爆を拡大しました。

フランス国防省の発表によりますと、フランスの戦闘機は、24日火曜、
モスルの西45キロの場所にあるISISの訓練キャンプと司令部を爆撃しました。

フランスとその同盟国は、
シリア、さらに国連の許可すら得ずに、
シリアのISISに対して空爆を行っています。


(http://japanese.irib.ir/iraq/item/60114-%E3%83%95%E3%83%A9%E3%83%B3%E3%82%B9%E8%BB%8D%E3%81%AE%E7%A9%BA%E7%88%86%E3%81%A7%E3%82%A4%E3%83%A9%E3%82%
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案の定である。

世間では、ロシア軍とトルコ軍のいざこざが注目されているが、
見えないところで、フランス軍は罪のない子どもを殺している。


ロシア軍、トルコの救援車列を空爆か

↑ロイター通信の記事、よく読むとロシア軍が空爆した証拠はないらしい。
 情報源はトルコの過激派と「人権団体」。

もちろん、ロシア軍がやっていない証拠もないのだが、
このような不確かな情報がすぐさま報道される一方で仏軍の小学校爆撃は取り上げられない。

看過されるサウジアラビアのジェノサイド

2015-11-26 21:54:56 | 中東
サウジアラビアのジェノサイドが終わらない。

イエメンの国営サバ通信によると、24日火曜、サウジ軍の戦闘機がジャウフ州の住宅地を攻撃し、
落下地点にあった家屋に住む一家(10人)が全員死亡した。同時刻、サウジ軍はサヌア州でも空爆。
前日には、イエメン北西部のハッジャ州のラジオ局を攻撃した。

イランラジオによれば、11月24日時点で、サウジと同盟国の攻撃で、
一般市民数千人が死傷、数万人が難民となり、医療等の重要施設の80%が破壊されている。


これは、どこかに潜伏しているテロが行ったものではない。
サウジアラビアという国家の軍隊が堂々と行っていることだ。


フランスのテロ事件はあれほど大々的に報道されたのに、
なぜ、サウジアラビアのジェノサイドはこうまで無視されるのだろう?

私の知る限り、きちんと特集を組んで報道したのはイランラジオとスプートニクのみ。
まぁ、探せばロシア・トゥデイやシリアタイムスあたりも書いていそうだが、
少なくとも日本の主要新聞では、そんなことは起きていないかのようにスルーされている。

イエメンに住む人間は何人死のうがどうでもいいかのようだ。

こういう事態に対して、国際人権団体アムネスティ・インターナショナルは、
さすがに少しは取り上げているのだが、いわゆる喧嘩両成敗手法を用いており、
よく読むとサウジの虐殺は直接書かれず、国内の武装組織の非難に集中している。

アムネスティは、きちんと調査を行っていると書いているが、
調査をしているのであれば、どうしてサウジの連日の空爆に無頓着なのだろう?

例えば、イランラジオはサウジの空爆でインフラが破壊されたことに触れているが、
アムネスティの場合、「紛争によって」破壊されたと書いている。

主語がぼかされている。

イエメン:サウジアラビアらがクラスター爆弾を使用か

上の記事も一件、サウジを非難しているように思われる。
しかし、冷静に考えれば、冒頭に挙げた事件のように、サウジは今も空爆を続けており、
クラスター爆弾を使おうと使うまいと、現地で人は殺されている。

空爆ではなく、クラスター爆弾使用を責めているこの記事は、
あたかも、ある殺人事件の裁判で、殺人そのものではなく、
凶器が非合法のナイフだったことに検察側が憤っているようなものだ。

仮にクラスター爆弾でなければアムネスティはどう動いたのだろうか?
どういう爆弾を使ったかではなく、数ヶ月以上に続く空爆そのものを非難して欲しい。

この一見、サウジの空爆に触れているようで、実のところ、それほど触れていなかったり、
敵対勢力も同時に非難することで相対的に同国の責任を軽減する手法。どうなのだろう?

韓国でもパククネ政権が警察を動員させてデモ参加者に放水・催涙液を発射し、
29人が負傷、26人が連行され、デモを扇動したとの疑いで国内の労組の家宅捜索が強行された。

話によると、この13万人が参加したデモでは民衆による暴力もまたあったらしく、
パク政権や政府よりの新聞は、これを理由にパク政権の弾圧を看過している。

アムネスティの「どっちもどっち」の姿勢もまた、それと同じ匂いを感じる。
被害側を加害側と同列に置くことで、加害者の行動を事実上、認可している。
事実、ここ8ヶ月におけるイエメンに関する記事は、わずか4~5件のみ。

一言、二言ふれて「いけませんよー」と言うぐらいなら誰でも出来る。
左翼や人権団体に求められているのは、もっと強いNoの意思だろう。

アムネスティばかり責めてしまったが、実際はどこも似たり寄ったりだ。
知ったところでどうにもならないことも確かにあるし、
調べようとしても限界があり、どうしても非英語圏の話には疎くなるものだが、
イエメンへの侵攻はわりと簡単に手に入れられる情報。無視して良いはずがない。
仮にも人権や平和というものを尊重しているのなら、一言ぐらいは触れてもいいはずだ。