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ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

ここがおかしい熊森協会5 まずは論証のやり方から覚えよう

2009-09-08 00:11:36 | 熊森
「ここがおかしい熊森協会」も今回でいったん終わりにします。次に書くときはドイツの外来生物対策や海外でのアライグマの被害などを調べてからです。今回は熊森に圧倒的に足りないもの、論証のやり方について書きます。
 論証とはなんでしょうか?論証というのは自分の意見の論理的な説得力を高めることです。まず、論証に必要なのは自分の意見を裏付ける根拠です。根拠を示さないままの意見というのは議論の場では通用しません。平たく言うとそんなこと言ってる人は相手にされなくなるということです。さらに言えば、意見を裏付ける根拠にもまた裏付けか必要です。捏造した根拠で裏付けられた意見を正しいと認める人はいないでしょう?ただし、この根拠の裏付けも論理的には延々と続けることになりますが、実際にはここら辺は合意できるよねといった部分までで裏付けは終わりとなります。この合意できる部分は公理などと呼ばれることもあります。
 根拠が示されているだけでは論証は終わるというわけではありません。他人を納得させるには、その論証が妥当であるという必要があります。妥当な論証とは反例を持たない論証のことです。反例とは根拠が正しいとしても主張が間違いになるケースのことです。例えば、「道が濡れているから雨が降った」という論証に対し「隣のAさんがさっき水をまいたけど」という論証は反例となります。
さらに気をつけなくてはならないことは、その論証の副作用についてです。論証の副作用とは、その論証を使用することで使用者が負う義務や論証に従った場合に生じる不利益などです。例えば、種が絶滅するのは好ましくないという立場をとりながらも複数の種を絶滅させる外来生物を侵入先で保護しようという論証は相矛盾し、自分の論証に従うという義務を放棄していると見なせます。論証というのは論理で人を従わせようという行為ですから自分が守れないものを人に押し付けることはできないわけですね。
僕がここで書いたことは論証のほんのさわりにすぎないので参考文献に挙げた本やネットにある議論の仕方サイトを見て勉強することを勧めます。

参考文献 論文の教室 戸田山和久


早稲田がこれでは困ります

2009-09-06 09:51:54 | 熊森
 熊森のHPを見ていたら10月に行われる彼らのシンポジウムの詳細が上がっていました。

第3回 くまもり東京シンポジウム

まあ記念講演を熊森の顧問がやるのは当然として橋本淳司って誰?どっかで見た気もするんだが。いや、それは別にいいんです。おいおいと思ったのはこれ↓

奥山保全・復元報告
村上 美和子 日本熊森協会滋賀県支部長
NPO法人奥山保全トラスト 四元 忠博 理事長
「一学一山運動」実行委員会 石原 光訓(早稲田大学)
川嵜 實 日本熊森協会群馬県支部長

熊森の連中がやるのはともかくなんで早稲田の学生まで発表するの?団体の中に熊森の会員がいるのでしょうか。少し調べると、早稲田にも農村活動を行う学生団体があるようです。

思惟の森育林

なんでよりにもよって熊森と組むんですか・・・・・・。おそらく農業メインでやってるので生物多様性保全の知識に乏しく熊森に感化されちゃったんだと思います。
後援の人たちにも突っ込みたい。
社団法人 倫理研究所 ←倫理を研究してるならまず熊森に突っ込んであげて。

NPO法人 銀座ミツバチプロジェクト←テレビなどのメディアに出る機会の多い団体が熊森のような環境破壊団体を後援するのは熊森をマトモと誤認させかねないのでやめてほしい。





ここがおかしい熊森協会4 口だけは立派だが・・・・・・

2009-08-25 11:12:41 | 熊森
 今回は熊森の論者としての態度にメスを入れます。・・・・・・正直、資料を熊森のHPであさっていたら、あまりにもあまりな彼らの言い草に目まいがしました。頑張って書きますので今少しお付き合いください。

熊森のドングリ運びについての見解
>過去数年間ドングリ運びを実施・検証して来た限り、指摘を受けたような問題は起きていません

だったらそれを論文にして査読付の雑誌に投稿すればいいじゃないか。もっとも、ご自身のHPですら自前のドングリ運びについて調査したデータを見たことがありませんけど。ほんとに検証してるんですか?おかしいと言っている側は実際にドングリを水につけて発芽率やドングリ内の虫の生存率を調べて論文として発表しているんですけど。どうして熊森側は同様のデータを出さないんですか?
また、外来生物問題では専門家と討論したいといいつつも専門誌に自らの見解を投稿したことはありませんでしたよね。ほかの部分も読む限り熊森は自身をトップレベルのプロと認識しているようですが、それならなんで専門家と直接向き合って対等なフィールドに上がってこないのでしょうか。リングに上がっても来ないやつをプロボクサーとして認める人がいると思いますか?
ちなみに僕が目まいをおこした文章が熊森が岐阜県に対して行ったつぎの主張です。全文引用はしないので気になった人は元記事をあたってください。

>熊森:ヒャー。乱暴、乱暴。場所によって生息密度はぜんぜん違いますよ。まして、ヘアートラップにはハチミツが仕掛けられているのでしょう。クマを寄せ集めておいて、その場所で生息密度を出して面積でかけたら、実際よりかなり多い数になりますよ。そんなので、生息推定数なんて出ませんよ。実は、ヘアートラップ法で、生息推定数など出ない。業者にお金がいくだけだというのを知った上で、きいてみたんです。

そのわりには自分のHPでヘアートラップのどこがどうおかしいのか見解を披露なさったことがありませんが・・・・・・。顧問の門崎允昭氏がヘアートラップはおかしいというご意見をお持ちのはずなのでそれを出せばいいだけに思えますが・・・・・・。

>県庁:この方法がだめというのなら、どうしたら生息数が分かるのか、批判するなら代案を出すべきだ。
熊森:生息推定数を正確に出す方法などありません。猟友会でクマに詳しい人に、この辺で何頭ぐらいクマがいるかきいたら、とてもおおまかでよかったらわかるかもしれません。
県庁:岐阜県には、クマの顔を見分けられる猟友会がいるって聞いたことがない。ヘアートラップ法がだめなら、何で生息推定数を出すのか。
熊森:生息推定数の正確に近い数など、逆立ちしても出ません。それが自然というものなのです。
県庁:そうしたら、保護管理が出来ないじゃないか。何頭いるか分からないと、何頭殺してもいいとか数字が出せなくなるじゃないか。

(゜∇゜ ;)エッ!?おいおい本気で言ってるの!?
重要なのでもう一度引用します。

>生息推定数の正確に近い数など、逆立ちしても出ません。それが自然というものなのです。

・・・・・・おい、ちょっと待て。限りなく正確な生息数の把握の必要性はワイルドライフマネジメントの本なら基本中の基本として書かれている部分でしょうが。生息数を把握した上でどの程度までなら捕獲などをしても個体群が存続できるか方針を立てるんですけど。生息数が把握できないということはどういう対策をすればいいのかわからないに直結するんですよ。熊森もこの程度のことは認識しているはずですよね?
岐阜県の担当者のまっとうな言い分に「それが自然だ」と言ってなんら具体案をださずに逃げる熊森。乱暴なのはどちらでしょうか。自称実践自然保護団体はその実ただのクレーマーでした。これで獣害問題に口を出してもどこも取り合いたくないのは確かでしょう。
熊森の辞書に情報精度を高めるという言葉は存在しないのでしょうか。一瞬この記事にデスノートのAAを貼ろうかと思いました。
リングに上がれ。まずはそれからだ。


ここがおかしい熊森協会3 そもそもこれじゃ話にならないよね

2009-08-17 20:36:49 | 熊森
 ただいま獣害などについての情報も集め始めた管理人です。正直、あまりに熊森が独善的で嫌気もさしていますが、たぶん僕以外はだれもこんなことをやってくれないと思うので自己満足のために頑張ります(笑。
 第三回目は熊森のアライグマ等に対する言説を見ていきましょう。これまでで一番熊森が欺瞞的に見える個所かもしれません。皆様はあきれない、怒らないための心の準備はできましたか?では始めます。

現実的、無意味な「アライグマ根絶」

>私たちは、以下の理由から環境省や一部の研究者がすすめる外来種殺処分は、大問題だと考えています。
 一度野に出た外来動物を根絶したり、一定の数に維持し続けることは不可能です。莫大な税金を毎年使えば一時期数を減らすことはできるかも知れませんが、手を緩めればまた元に戻ってしまいます。国内・海外では、ごく小さな島を除いて外来種根絶策は失敗しています。結局、無用の殺生・税金の無駄遣いとなってしまいます。
動物達に負担をかけない方法での解決策を

 無用の殺生なんてことを言い出したら、そもそも外来生物に在来生物が食われたりすること自体が無用の殺生です。なぜなら、本来そこにいないはずの生物に食われる予定なんてありませんから。さらに熊森は動物たちに負担をかけない解決策を希望しているようですが、それならば何故、アライグマなどへの対策は新しい生態系が出来上がるのを待てというのでしょうか。対策が遅れればその分、在来生物が食われたりするわけですが。在来生物にかかる負担は無視ですか?命を大切にってのは在来生物は適応範囲外なの?
倫理を持ち出すならこういうことにも目を向けてしかるべきではないでしょうか。ここで勝手に外来生物駆除=莫大な税金を投入するもの→継続的に続けられはしない→無意味という前提の三段論法が展開されているのも個人的には腹が立ちます。
さて、つぎはものすごい問題発言かもしれません。

>また、外来動物を殺さなければならないという考えは、外国人に対する偏見・差別につながっていく
おそれがあります。

すごいですねえ。熊森の中では外国人=外来生物の図式が出来上がっているのでしょうか。そもそも外来生物の定義上、本来の生息域から人為的に(つまり、本来ありえないその生物が持っていない移動方法で)持ち込まれた生物が外来生物となります。人間の輸送手段という人間が開発した方法で来ている外国人の場合、外国人=外来生物の図式にはならないんですが。あ、いやこういうことを言うのは別に珍しくもないですよ。古くは池田清彦が「環境問題のウソ」などで言っていたのでそれをぱくった、もとい参考にしただけでしょうし。ただ倫理に踏み込んだ話をしておきながら人種差別的な発言が出てくるとは想像の斜め上をいきました。

また、熊森が言うところの外来種殺処分派のシンポジウムとセミナーの感想で、  

>公的な機関が、このような一方的な考えの人ばかりを壇上に挙げて、公的な場所で、公的な資金で、一方的なセミナーを開催することに、大きな問題を感じました。

と言いつつも、

>兵庫県立人と自然の博物館田中哲夫主任研究員は、「法律は新たな移入種には有効だが、既に定着している種については効果薄」と指摘しています。やっと、熊森の主張と同じ人が研究者の中に出てきました。

というのは、もはや自分たちに都合の良いとこしか見ない(というか見えない?)ものとして解釈すべきでしょうかね。ちなみにこの熊森の主張と同じ研究者が処分派のシンポジウムでアライグマについて講演したわけですが。

>半分は反対意見の人をも壇上に上げて、討論するべきです。外来種殺処分派の主張には問題点がいっぱいあるのに、殺処分に反対するわたしたちには、指摘する時間さえ保障されません。

問題点をきちんと指摘できるなら是非やってもらいたいところですが、少なくとも熊森では無理でしょうね。とりあえず自分の論理矛盾を直すところから始めないと研究者と議論することはおろか大学生、高校生レベルのディベートにすら発展しないでしょう。だって自己矛盾や事実誤認なんて議論としては論外だもの。
さて、個人的に一番呆れた・・・・・・というか嗤ったのが以下の文章です。

>早稲田大学教授池田清彦著、「環境問題のウソ」3 外来種問題のウソとホント 
(2005年12月出版 ちくまプリマー新書、760円)を、読まれたある顧問が、外来動物は皆殺しにしなければならないというウソが、はっきりわかったと言われていました。みなさんも、是非お読み下さい。

生命の尊厳がわからなくなった研究者に洗脳されて、行政のみなさんが決められたことは、哀れなアライグマたちの皆殺し。熊森は、人間の考えつくことが空恐ろしくなります。

そうか、池田清彦で開眼しちゃうレベルなのか熊森の顧問とやらは。たいして論理的思考できないのね。
さらに負け犬の遠吠えレベルのご発言。

>熊森はマスコミに、熊森の外来種観を取り上げて国民のみなさんに問うてほしい、どっちの言っていることがまっとうか外来種根絶派の学者と紙上討論させてほしいと、何度か頼みましたが、どこも取り上げてくれませんでした。

紙上討論ねえ。あんな歪んだ生命観、外来種観で研究者あいてに討論できると思ってるんですね。そもそも研究者に相手として見られていない現実があるわけですが。うちでよければやってみます?

熊森で外来生物のことを書いてる人を見つけました

2009-08-15 00:15:35 | 熊森
 ネットでドイツの外来生物対策について調べていたら、こんな記事を見つけました。

【好評連載】小山直美のドイツ報告
第3回 ドイツの野生動物 その2 外来種


ふむ、どっかで見たことあるような・・・・・・と思ったらなんと熊森のサイトで見たものでした。

ドイツの外来種事情

この二つの記事をよく見てみると文章のスタイルが似通っているだけでなく、使っている写真まで同じなんですね。最初の記事に使われているものは熊森で使われている写真を拡大したものです。
もしかすると熊森の外来生物問題に関する記述の大半はこの人が書いているのかも。
 熊森が言っているドイツの外来生物事情についても個人的には違和感ありまくりなので現在調べている最中です。ただ、日本語で読めるよい資料が見つからず、英語圏のサイトを調べないといけないので「ここがおかしい熊森協会」には組み込めないかもしれません。たぶん半年か1年先にはまとめを発表・・・・・・できるといいなぁ~。気長にお待ちください。

ここがおかしい熊森協会2

2009-08-11 18:42:35 | 熊森
 第2回です。どういうわけか一部の人からは期待されているようで、梨はプレッシャーで潰れ、果汁がぐちゃっと染みだしそうです。そんなことになったら部屋が汚れるので頑張って耐えますが(笑。
そんなどうでもいいことは置いといて本題です。熊森の外来生物対策に対する批判を見てみましょう。

【外来動物根絶派の主張のまやかし】

>× アライグマは天敵がいないから、このまま放置しておくと日本中アライグマだらけになる?
 外来種根絶派の研究者の中には、上のように言う人がします。

 とりあえず、どこの誰がそんなこといったの?まあ、全国的にアライグマが生息するようになるということをアライグマだらけになると言うのであれば、間違いではないでしょう。各地でアライグマの分布域は拡大していますから。あと「言う人がします」ってのは好意的に考えて「います」の間違いですよね。もしも「言う人がいる気がします」とかだったらシャレにならんし。

>確かにアライグマは、日本では人間以外に天敵はいません。しかし日本で明治時代に生態系の頂点にあったオオカミを絶滅させた後、キツネやタヌキが爆発的に増えたりしていません。自然界の中で、天敵がいないからと、動物がいつまでも無限に増え続けることはあり得ません。

 基本的な指摘から。オオカミの獲物って主にシカやイノシシですからキツネやタヌキにそれほど強力な淘汰圧として働くとは考えにくいのですが。ちなみにシカはオオカミが絶滅したあと人間の狩猟で一時期激減しました。北海道のエゾシカの事例が有名です。また、確かに資源が有限である以上、無制限に増え続けるのは不可能なわけですが、増えていく過程で在来生物を減少させることも問題なわけでして。ここで熊森は有名なオオヤマネコとカンジキウサギのグラフを持ってきていますが、これって在来生物同士の関係ですよね。外来生物問題では何が起こるか予想できない(しにくい)というフランケンシュタイン効果が危惧されているために“予防の観点から持ち込まない”ということが推奨されているわけですけど、何のつもりでこのグラフを持ってきたのでしょう?まさかいずれ落ち着くから問題ないとでもいうつもりでしょうか。だとするなら熊森は予防という概念を理解していません。外来生物問題では在来生物同士のような関係になるかどうかわからないからこそ持ち込まないという選択肢が推奨されているのに、いずれ落ち着くなら問題なしという立場をとるならそもそも外来生物を持ち込むことに積極的に反対する理由がないです。つまり熊森の言動は予防原則を形だけなぞっただけのポーズということになります。

>外来種は生物なので、当然生態系に何らかの影響を与えます。しかし人間による自然破壊、環境汚染に比べれば、はるかに軽微なものがほとんどです。人間による自然の乱開発を止められない環境省が、外来種をスケープゴートにして責任逃れしようとしているとしか思えません。

軽微というなら根拠を示してください。また外来生物が開発のスケープゴートになっているといいますが、逆説的なことを言えば熊森も外来生物の害から目をそらすために開発をスケープゴートに持ってきているわけでして、非常に不毛で非生産的な責任のなすりつけ合いをマッチポンプで行っているように見えます。どちらも問題でそれぞれ対処が必要という視点になぜ立てないのか。

>研究者・捕獲業者の中には、自分たちの利益になるからという理由で、外来種根絶を声高に叫んでいる人たちが多くいます。自治体の外来種捕殺事業では、研究者・業者に多くの税金が流れています。

 税金が流れているから何なのでしょう。問題はそれが有効に使われているか、費用対効果にみあうのか具体的な批判をすべきであって、具体例も出さずあたかも金目当てであるかのように批判するのは陰謀論者と同レベルに自らの言論を堕とすだけかと。批判事例にしても情報が少なすぎて判断しかねます。まず、600万円がどのように使われたのか全く情報がありません。猫などが混獲されたようですが、それらがその後どうなったのか述べられていません。正直なところ断片的な事実の羅列だけであり、これだけで批判をするというのが無茶です。

根拠なき意見は言論の場で無責任な放言にしかならないことを自覚してください。これで批判したつもりというのは片腹痛く、熊森がまるでピエロに見えます。

ここがおかしい熊森協会1

2009-08-09 00:45:00 | 熊森
さて、8月にやると言っていた日本熊森協会のおかしな所を指摘する「ここがおかしい熊森協会」を始めていきます。第一回目は外来生物に対する熊森の見解を見てみましょう。

【外来種問題に対する熊森見解】

ここにある熊森の主張を一部引用します。

>(熊森の主張 )
 在来生態系からの全頭排除が可能なもの
 ⇒捕獲して飼育
 在来生態系からの全頭排除が不可能なもの
 ⇒世界的に見ても根絶殺害は不可能。
 新生態系が形成され、落ち着くのを待つしかない。
 ただし、そのうち
 (1)人間への被害が大きいもの 
 →被害防止、被害補償を中心とした対策を実施すべき
 (2)在来希少種を絶滅させる恐れがあるもの
 →在来希少種の方を、囲い込み等により保護すべき

 できもしない根絶駆除を目指して外来動物を殺害し続けることは、生命軽視思想以外のなにものでもない。手を緩めると、また元の生息数にもどるので、無用の殺生、税金の無駄遣いである。

捕獲して飼育はいいとして誰が飼育設備や資金を捻出するんでしょう?熊森さん自身がやるなら別にいいかもしれませんが。
それよりも僕が環境保全として問題と考える熊森さんの主張があります。
>(2)在来希少種を絶滅させる恐れがあるもの
 →在来希少種の方を、囲い込み等により保護すべき

孤島に生息する希少種の場合どうするんですか?また、囲い込みを外来生物が突破してきた場合は?これらの事例はあり得ないことではありません。世界でも外来生物の被害を受けやすいのは大陸から離れた島々ですし、日本でも小笠原諸島でグリーンアノールなどが固有種を絶滅に追いやっています。とくに疑問に思うのですがアノールのように小さい外来生物に突破されない隔離ってどうやるの?飼育するという手もありますけど、一般に飼育できる数には限界がありますし、そもそも飼育方法が確立されていない種や飼育下での遺伝的劣化はどうするのでしょう。
また、前提への質問になりますが、命を脅かされているのは外来生物の侵略を受ける在来生物も同じなのにどうして在来生物だけが一方的に生息域を狭められなくてはならないのでしょう。希少種の場合、生息域が狭まるのは絶滅を促進させる要因にもなるのですが。
次に今後の熊森の方針について見てみましょう。

>熊森の外来種問題に対する今後の方針
  「特定外来生物法」に対して
1、外来野生動物の輸入規制をさらに進め、原則全種輸入禁止とする。
2、その動物が外来種だからという理由だけで殺害される平成の残虐法「特定外来生物法」を改め、外来動物の生命も在来種並みに尊重されるように変える。
3、外来動物の飼育者に対する飼育規制が常軌を逸した厳しいものであるため、生きものとして飼えなくなって捨てる人が続出している。善意の飼育者が、飼育している外来動物の寿命を全うさせるまで飼い続けられるように、規制を緩和していただくよう動く。行政や地元に対して無用の殺生を回避し、被害防止、被害補償を中心とした対策の推進をお願いする。

2の主張が全く謎です。そもそも外来生物法は外来生物というだけですぐさま駆除を許可するという法律ではありません。外来生物のなかでも特定の条件を満たした一部の外来生物の対策をするというのが外来生物法です。法律の趣旨を勘違いしているとしか思えない主張です。また、外来生物の命を在来生物と同等に扱わなくてはならない理由もここでは述べられていません。
3では飼育者に対する規制が常軌を逸した厳しいものと主張していますが、具体的な例が全く挙がっていません。飼育の許可というのは基本的にその外来生物が逃げ出さなければいいはずです。
とくに放逐が心配されている水棲外来生物や昆虫類を飼うのに使われることの多い水槽に関する環境省の記述を見てみましたが、僕が見る限りでは特に厳しいものとは判断できませんでした。記述を見る限りでは室内で飼う場合は壊れていない水槽にちょっとしたショックで外れない蓋をしていれば問題ないように僕には思えます。
そもそも、すぐに飼っている動物が逃げ出すような設備で飼育している人を一般にまともな飼い主とはみなさないでしょう。これ以上規制を緩和しろということは逃げ出すような設備で飼うような飼育者にもOKを出せということでしょうか。それでは外来生物がいままで以上に拡散する温床になってしまうと考えますがいかがでしょうか。

ここがおかしい熊森協会0 熊森とは

2009-08-07 22:40:38 | 熊森
 前から言っていた熊森の言動、論理を批判的に検証することを始めたいと思います。その前に熊森って何ぞや?という人のために簡単に熊森の紹介をします。
熊森とは正式名を日本熊森協会といいます。もともとは兵庫県の中学生がえさ場がなくなり、狩猟や有害鳥獣駆除に会う動物を助けたいということから始まったようです。
いわゆる善意からできた団体であり出自からして動物愛護の色が強い団体といえましょう。
その後、欧米型の実践型の環境保護団体が日本に必要ということで1997年に日本熊森協会が設立しました。団体の方針としては熊をシンボルに自然を守ろうとしており、現在では熊のみでなく獣害問題全般や外来生物問題にも取り組んでいるようです。
2004年に熊森が一躍有名となる事件が起きました。えさが足りなくなっている奥山の熊を助けるという名目で熊森が全国からドングリを集め、山にまくという行為をしました。多くの生態系の保全に関わる人から遺伝子撹乱につながる、そもそも餌付けは好ましくないといった批判がきましたが、熊森の見解は問題はないというものでした。外来生物問題に首を突っ込みだしたのもこのころからだと思われます。次回からは熊森の主張について検討していきます。

参考
日本熊森協会の歩み

日本熊森協会の基本理念

ドングリ運びについての日本熊森協会の見解
(2004年11月)


追記 8月8日
タイトルを変えました。

独善的で嫌になる(五月蠅いハエに我慢が出来なくなった)

2009-06-21 23:47:58 | 熊森
 環境省の獣害パブコメに対する熊森の見解を見ながら。相変わらずの内容。ついに頭の中で何かが切れました。
ええ、もう熊森なんぞにしたり顔で環境問題に首を突っ込んで欲しくありません。生命尊重を掲げながら在来生物の命はまるでないものとして扱うこんな連中に環境保全を語ってほしくないので一度集中的に熊森のおかしなロジックを批判します。
内容としては外来生物をメインに余力があれば獣害その他も入れるつもりです。やるとしたら8月あたりからを予定しています。あまり期待しないでお待ちください。

どの口でいってるんだ!?

2009-06-07 00:28:44 | 熊森
 熊森の二枚舌もいい加減にしてほしいと思う今日この頃。
 
6月7日「鳥獣害対策マイスター育成スクール」学習会  熊森の傍聴拒否

熊森が県の鳥獣対策の学習会への傍聴を断られたそうです。まあ行政としてはいつでもどこでも自分たちの主張しかしない最近の言葉でいえばKYな熊森の参加なんてやめてほしいのが本音でしょうねえ。以下は熊森の外見を取り繕うとする言い訳とそれに対する突っ込み。

>マスコミの参加は認めて、なぜ自然保護団体には見せていただけないのか、これはきっと熊森が、傍聴と言いながら何かするのではと誤解されているのではないかと考え、安心していただこうと、森山会長は、すぐ本庁に出向きました。

誤解ではなくきわめてまっとうな事実判断かと。最近でも外来生物のシンポで的外れな主張を繰り返したようですし。

>熊森青年スタッフが何回も傍聴させてもらってきたが、皆おとなしく聞いて勉強しているだけで何ひとつ問題になったことはないという事実を、西川所長に伝えていただけるようにお願いしました。

え~とこれはジョークとしてとるべきでしょうか?ここあそこで起こったことを覚えていないとでも?

本庁責任者:熊森さんの傍聴希望を許すと、われもわれもと大挙して人々がつめかけて大変なことになる恐れがありますのでお受けできません。

森山会長 :傍聴希望は熊森以外になかったそうですから、ありえない恐れを出されるのはどうかとおもいます。熊森は、本庁で何度も傍聴させてもらっているのですから、豊岡農林でもさせてください。

同じく熊森のHPのここを見るとありえないと言って笑い飛ばせそうにないんですけど。

>名古屋といえば、日本熊森協会の愛知県支部です。会員数もかなりになっています。「CBD市民ネット」に入ったからといって何ができるのかわかりませんが、参加を検討してもらいましょうか。

こんな数に任せたごり押しする気満々な文章を見た後で熊森が大挙して押し寄せないなんてとてもじゃないけど怖くて言えません。

しかし向こうの責任者と思われる人の直通電話番号をわざわざ載せるって文句言ってこいって会員を煽ってるようなもんでしょ。クレームが大量にくるであろう相手の迷惑考えろよ。ほんとに人のことはどうでもいいとしか思っていないような団体ですね。