ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

ここがおかしい熊森協会5 まずは論証のやり方から覚えよう

2009-09-08 00:11:36 | 熊森
「ここがおかしい熊森協会」も今回でいったん終わりにします。次に書くときはドイツの外来生物対策や海外でのアライグマの被害などを調べてからです。今回は熊森に圧倒的に足りないもの、論証のやり方について書きます。
 論証とはなんでしょうか?論証というのは自分の意見の論理的な説得力を高めることです。まず、論証に必要なのは自分の意見を裏付ける根拠です。根拠を示さないままの意見というのは議論の場では通用しません。平たく言うとそんなこと言ってる人は相手にされなくなるということです。さらに言えば、意見を裏付ける根拠にもまた裏付けか必要です。捏造した根拠で裏付けられた意見を正しいと認める人はいないでしょう?ただし、この根拠の裏付けも論理的には延々と続けることになりますが、実際にはここら辺は合意できるよねといった部分までで裏付けは終わりとなります。この合意できる部分は公理などと呼ばれることもあります。
 根拠が示されているだけでは論証は終わるというわけではありません。他人を納得させるには、その論証が妥当であるという必要があります。妥当な論証とは反例を持たない論証のことです。反例とは根拠が正しいとしても主張が間違いになるケースのことです。例えば、「道が濡れているから雨が降った」という論証に対し「隣のAさんがさっき水をまいたけど」という論証は反例となります。
さらに気をつけなくてはならないことは、その論証の副作用についてです。論証の副作用とは、その論証を使用することで使用者が負う義務や論証に従った場合に生じる不利益などです。例えば、種が絶滅するのは好ましくないという立場をとりながらも複数の種を絶滅させる外来生物を侵入先で保護しようという論証は相矛盾し、自分の論証に従うという義務を放棄していると見なせます。論証というのは論理で人を従わせようという行為ですから自分が守れないものを人に押し付けることはできないわけですね。
僕がここで書いたことは論証のほんのさわりにすぎないので参考文献に挙げた本やネットにある議論の仕方サイトを見て勉強することを勧めます。

参考文献 論文の教室 戸田山和久


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