ならなしとり

外来生物問題を主に扱います。ときどきその他のことも。このブログでは基本的に名無しさんは相手にしませんのであしからず。

ここがおかしい熊森協会2

2009-08-11 18:42:35 | 熊森
 第2回です。どういうわけか一部の人からは期待されているようで、梨はプレッシャーで潰れ、果汁がぐちゃっと染みだしそうです。そんなことになったら部屋が汚れるので頑張って耐えますが(笑。
そんなどうでもいいことは置いといて本題です。熊森の外来生物対策に対する批判を見てみましょう。

【外来動物根絶派の主張のまやかし】

>× アライグマは天敵がいないから、このまま放置しておくと日本中アライグマだらけになる?
 外来種根絶派の研究者の中には、上のように言う人がします。

 とりあえず、どこの誰がそんなこといったの?まあ、全国的にアライグマが生息するようになるということをアライグマだらけになると言うのであれば、間違いではないでしょう。各地でアライグマの分布域は拡大していますから。あと「言う人がします」ってのは好意的に考えて「います」の間違いですよね。もしも「言う人がいる気がします」とかだったらシャレにならんし。

>確かにアライグマは、日本では人間以外に天敵はいません。しかし日本で明治時代に生態系の頂点にあったオオカミを絶滅させた後、キツネやタヌキが爆発的に増えたりしていません。自然界の中で、天敵がいないからと、動物がいつまでも無限に増え続けることはあり得ません。

 基本的な指摘から。オオカミの獲物って主にシカやイノシシですからキツネやタヌキにそれほど強力な淘汰圧として働くとは考えにくいのですが。ちなみにシカはオオカミが絶滅したあと人間の狩猟で一時期激減しました。北海道のエゾシカの事例が有名です。また、確かに資源が有限である以上、無制限に増え続けるのは不可能なわけですが、増えていく過程で在来生物を減少させることも問題なわけでして。ここで熊森は有名なオオヤマネコとカンジキウサギのグラフを持ってきていますが、これって在来生物同士の関係ですよね。外来生物問題では何が起こるか予想できない(しにくい)というフランケンシュタイン効果が危惧されているために“予防の観点から持ち込まない”ということが推奨されているわけですけど、何のつもりでこのグラフを持ってきたのでしょう?まさかいずれ落ち着くから問題ないとでもいうつもりでしょうか。だとするなら熊森は予防という概念を理解していません。外来生物問題では在来生物同士のような関係になるかどうかわからないからこそ持ち込まないという選択肢が推奨されているのに、いずれ落ち着くなら問題なしという立場をとるならそもそも外来生物を持ち込むことに積極的に反対する理由がないです。つまり熊森の言動は予防原則を形だけなぞっただけのポーズということになります。

>外来種は生物なので、当然生態系に何らかの影響を与えます。しかし人間による自然破壊、環境汚染に比べれば、はるかに軽微なものがほとんどです。人間による自然の乱開発を止められない環境省が、外来種をスケープゴートにして責任逃れしようとしているとしか思えません。

軽微というなら根拠を示してください。また外来生物が開発のスケープゴートになっているといいますが、逆説的なことを言えば熊森も外来生物の害から目をそらすために開発をスケープゴートに持ってきているわけでして、非常に不毛で非生産的な責任のなすりつけ合いをマッチポンプで行っているように見えます。どちらも問題でそれぞれ対処が必要という視点になぜ立てないのか。

>研究者・捕獲業者の中には、自分たちの利益になるからという理由で、外来種根絶を声高に叫んでいる人たちが多くいます。自治体の外来種捕殺事業では、研究者・業者に多くの税金が流れています。

 税金が流れているから何なのでしょう。問題はそれが有効に使われているか、費用対効果にみあうのか具体的な批判をすべきであって、具体例も出さずあたかも金目当てであるかのように批判するのは陰謀論者と同レベルに自らの言論を堕とすだけかと。批判事例にしても情報が少なすぎて判断しかねます。まず、600万円がどのように使われたのか全く情報がありません。猫などが混獲されたようですが、それらがその後どうなったのか述べられていません。正直なところ断片的な事実の羅列だけであり、これだけで批判をするというのが無茶です。

根拠なき意見は言論の場で無責任な放言にしかならないことを自覚してください。これで批判したつもりというのは片腹痛く、熊森がまるでピエロに見えます。

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