ペドロランド日記

スペインの国際村「ペドロランド」を中心にフランスとイギリスに発信地を移しながら、日々の出来事を綴っています。

フランス風ベトナム・タイ料理:ル・メコン

2008-06-25 19:04:16 | 食べ物
のち月曜日は夫の誕生日だったので、再び2軒隣のブライアンとメリルと一緒に食事に出かけた。この日の目的は4キロ離れたモンポン・メネステロルに新しくできた東洋料理の店、キム・ジアン(Kim Giang)を試すことであったのだが、着いてみたら閉まっていた。フランスの銀行は土曜日営業の代わり、月曜日は休みである。そのため、モンポンの町では月曜日は休みという店が多い。ほとんどのレストランも休みなのだが、メリルが下調べをしたときには、この店は年中無休ということで、さすがに外国人経営の店は違うと感心して、出かけて行ったのだった。が、店のドアには消えかけた張り紙があって、それには6月中は月曜日は休業と書かれている。

フランスの東洋(日本・中華・タイ)料理の店は、ベトナム人経営のところが多いが、ここも例外ではない。かつて植民地だったことを考えるとそれもうなずけるのだが、では、なぜスペインのペドロランド周辺にはあんなに中国人経営の店が多いのか?キム・ジョンも商売上手の中国人経営だったら、モンポン中のレストランが休みの月曜日に休むなんてことは絶対に考えなかっただろう。

がっかりして開いているレストランはあるだろうかと、もう1軒のベトナム・タイ料理店の前を通ると、ここは開いていた。フランス人不動産屋のファブリスいわく、フランス人は自分の国の料理が一番だと思っているから、外国料理が普及しないのだそうである。長いこと外国料理の店はなかったモンポンだが、できるとなると2軒も一度に開店した。ル・メコン(メコン川)はテイクアウト専門と思っていたのだが、テーブルがセットされていて、中で食事ができるようなので、入ってみることにした。

結果から言うと、ここは1度試せばそれでいいなという感じ。まずメニューが貧困。前菜など、フランスのスーパーで売っている市販のお惣菜(春巻き、海老のフリッター、サモサ、揚げワンタンなど)の域を出ていない。カエルの足がメニューにあるのは、いかにもフランスだと思った。ちなみにカエルの足は魚料理の部に含まれている。

次に、最後にコーヒーを頼んだら、ミルクがないということで、エスプレッソしか出てこなかった。月曜日のモンポンでちょっとひとっ走りしてミルクを買ってくるというわけには行かないのだろうが、コーヒー用のミルクくらい用意しておいてよって感じ。朝以外にカフェオレを飲むフランス人はいないってことなんだろうか?ベトナム人少年のウェイターも注文受けなどちょっと頼りない。

そして、なによりも閉口したのが、店内の暑さ。ウナギの寝床のような店内にはエアコンがない。かろうじて小さな扇風機が回っていたが、とても十分とは言えなかった。最初にドア近くのテーブルを勧められたとき、落ち着かないのではないかとちょっと不満だったのだが、後で考えるとこれはとてもいい選択だったのだ。開いたドアからときおり微風が入ってくるし、ドアから人が入ってくると、通り過ぎるときに空気が動いて心地よい。ベトナムもタイも暑い国なので、こういう日にはうってつけの料理なのだろうが、さすがにこう暑いとワインを飲む気にならなかった。メリルは途中で気分が悪くなった。

料理のほうはあまりにも普通なので、写真を撮る気も起きなかった(だから、写真は我が家の庭のバラ)。隣のテーブルのフランス人たちの頼んでいるもののほうが、もうちょっと見栄えがしたのだが。タイ・バジル風味の鴨というのを夫が頼んだら、バジルでもレモングラスでもコリアンダーでもなく、アニス風味であった。フランス風の味付けなのだろうか。

日本でもイギリスでもスペインでも、中華料理やタイ料理となると、何皿か異なった料理を注文し、取り皿にそれを少しずつ盛って食べるのが普通なのだが、ここでは取り皿が出てこなかった。で、ウェイターに頼んだらもってきてはくれたのが、怪訝そうな顔をされた。周りのフランス人を見ていると、メイン料理は1品だけを注文するか、ご飯を注文した場合には、カレーが入ってきた器の中にご飯を少しずつ入れて食べているのである。つまり、東洋料理をコース料理の要領で食べているのだ。一人が野菜炒めを注文したら、その人はそれだけをひたすら食べる。2人以上で複数の料理を分け合って食べるということをしないのである。そこが東洋料理のよさだと思うのだが。とても不思議だった。

隣のテーブルの若い男女が飲茶の前菜を食べ終わった後2人で出て行った後、10分しても戻って来ないので、食い逃げかと思っていたら、タバコを吸いに出て行ったのだった。フランスでは今年1月から公共の場での喫煙は法律で禁止されている。普通は店の前で吸ったりするのだが、この2人は店内からまったく見えないところに行って吸っていたようである。

また、ここから100メートルと離れていないラ・ショミエールでもそうだったのだが、ときどき停電が起こるのが笑えた。電子レンジを使うたびにブレーカーが落ちるとか?この電気状態だと、エアコン設置はあり得ないかもしれない。

フランスの田舎の食事状況をご紹介するために、こうしてときどき感想を書いているが、わたしは決してグルメではなくて、ましてやレストラン批評をするほど味にうるさくもない。出された食事には結構満足して食べるほうなのだが、ここの勘定書きがラ・ショミエールのより10ユーロ安かっただけ(しかも、ラ・ショミエールではワイン2本頼んだ)という事実にはあまり満足できなかった。最初の目的のキム・ジョンのほうに期待したい。

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