令和4年1月14日(金)
行く者の悲しみ
残る者のうらみ
隻鳧(せきふ)の
隻鳧(せきふ)の
別れて雪に
迷ふがごとし
「隻鳧の別れ」とは何か。
「隻鳧の別れ」とは何か。
鳧とは「ケリ」という鳥で、
鳩に似ているが、
脚が長いと辞書にある。
二羽連れだって旅をするうち、
二羽連れだって旅をするうち、
一羽が別れて帰り、
もう一羽は留まることとある。
蘇武という武帝に仕えていた人が、
蘇武という武帝に仕えていた人が、
匈奴に捕まり、十九年の抑留生活の末、
匈奴との和解が成立して、長安に帰る。
この和解の成立には、
蘇武が雁の脚に結んで置いた手紙が
天子の射止めた雁であり、
匈奴との和解ができたそうだ。
雁の代わりに鳧に見立てられた蘇武が、
友人一人残して長安に帰る。
長年一緒に抑留されていた人が、
別れていくのを、
芭蕉が曽良との別れに擬した
という訳である。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます