貢蕉の瞑想

青梅庵に住む貢蕉の日々のつぶやきです。

三島市富士見平「富士を見ぬ日そ 面白き!」

2023-07-20 10:22:00 | 日記
令和5年7月20日(木)
三島市: 富士見平                    
 富士見平ドライブインの駐車場。

 そこの道路沿いに、
松尾芭蕉のどでかい句碑がある。

 詠まれたのは、
貞享元年(1684)の8月。 
 『野ざらし紀行
〈甲(かつ)子(し)吟行』
における箱根越えの時。
 この『野ざらし紀行』は、
芭蕉が41歳にして
最初の文学の旅。
 句の詞(ことば)書(がき)には、
「関越ゆる日は
  雨降りて山みな
    雲にかくれたり」 
とあり。 
 この日の箱根は
雨で視界が悪かったようだ。
<芭蕉句碑>

 句は、
「霧しくれ 
  富士を見ぬ日そ 
     面白き」
 季語は「霧」で秋。
 旧暦の8月は現在の9月後半に
あたり、ちょうど秋雨前線が
活発な時期。
 霧時雨で見えない富士を
心の中に見立て、
「面白き」と興ずるところに
芭蕉俳諧の真髄が窺える。
                     
 前回訪れてから
3年という月日が流れているが、
句碑の文字が少し薄れている。

 箱根の厳しい環境も覗える。