ローマには古代遺跡の残る丘が7つありますが、そのうちパラティーノは
伝説の建国の父ロムルスがまず紀元前750年頃に住み、その後貴族や
歴代皇帝の住居となったところだそうで、パラッツオ、パレス(宮殿)とい
う呼び名はこの丘の名前に由来するとのこと。
初代皇帝アウグスツスの住居跡というのもあります。とても質素です。
カエサルに倣い、豪華な屋敷を建てることや、私腹を肥やすことには
全く無関心だったとか。偉い人です。
パラティーノの丘を降りたところに広がっているのが、フォロ・ロマーノ。
紀元前6世紀から紀元4世紀頃までローマ帝国の政治経済の中心だっ
たところです。その後異民族に侵略され、打ち捨てられ、19世紀になっ
て発掘が始まり、今ではローマに行けば、だれもが訪れる観光地です。
数十年前に、フォロ・ローマのを訪れたのは猛烈に暑い8月でした。
ほとんど暑さの記憶しか残っていなかったのですが、このヴェスタ
の神殿跡を見て、数十年前の若かった自分を思い出し、それはこ
の遺跡の数千年の歴史に比べれば、ほんの一瞬でしかないんだ
なあ、なんて思うと不思議な感動が湧いて来ました。「夏草や兵ど
もが夢の跡」というところでしょうか。
紀元前の遺跡の向こうに、中世や近世の建物が見渡せるのもローマの
面白いところです。どこを掘っても、どこかの時代の遺跡が出てくるの
で、地下も地上も駐車場が作れないので、道に2重駐車は当たり前と
いうジレンマもあるようです。世界遺産の中で暮らすのもある意味大変。
フォロ・ロマーノの横に、かの有名なコロッセオがあります。大変な
人出で、入るには何時間も並ぶのですが、パラティーノの丘、フォロ・
ロマーノ、コロッセオの入場券は共通で、他の入り口から入れば、
なんてこともないと知っていれば、並ばずに入れます。
ここで、グラディエーター同士が死闘を繰り広げたり、キリスト教
徒が猛獣の餌食になったりするのを見て、ローマ市民が熱狂した
んだなんて考えると妙な気分になります。その数百年後にはバチ
カンが作られ、キリスト教が隆盛を極めることになるのですから。
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