2018年のロイヤルコペンハーゲン・イヤープレートは、たぶんデン
マークのコペンハーゲンかどこかの町の広場で、クリスマスツリー
を選んでいる図柄です。雪の積もった広場、北欧らしいがっしりし
た建物の屋根にも雪があります。このメーカーのイヤープレートは
毎年ほとんど北欧の冬の風景がモチーフです。デンマークはアンデ
ルセンの祖国。人魚姫のデザインの年もありました。このブログの
テンプレートも、アンデルセンの童話「雪の女王」のようですね。
今、ムーミンが世間をにぎわしていますね。センター試験で、ムーミン
は北欧のどこの国にいますかという問題が出て、答えはフィンランドで
したが、「いや別にどこということもない、架空の場所だ」とか、「そ
もそも作者のトーベ・ヤンソンは物語をスエーデン語で書いている」等。
目くじらを立てるほどのこともないような話ですが、それで試験の点数
がつくとすれば、受験生には大問題ですものね。ムーミングッズはわが
家でも人気で、このカップなどもう十数年愛用しています。昔テレビで
やっていたアニメの主題歌「ねえ、ムーミン」は今でも全部歌えます。
小さなバイキングビッケ (評論社の児童図書館・文学の部屋) | |
エーヴェット カールソン,Runer Jonsson,Ewert Karlsson,石渡 利康 | |
評論社 |
長くつ下のピッピ (岩波少年文庫 (014)) | |
桜井 誠,大塚 勇三 | |
岩波書店 |
そもそも北欧って児童文学の宝庫なんです。ルーネル・ヨンソンの
ビッケやリンドグレンのピッピや「やかまし村の子どもたち」「小
さなロッタちゃん」など、きっとみんな、小さい時どこかで読んで
いると思います。お話に出てくる子どもたちが、本当に愛らしくて
しかも自由で、子どものころ、こんな国に生まれたかったと憧れて
いたのを思い出します。
星のひとみ (昭和40年) (岩波おはなしの本) | |
丸木 俊,万沢 まき | |
岩波書店 |
そんな北欧の童話のうちで、私が小さいころから愛してやまないのは、ザ
クリス・トペリウスの童話、特に「星のひとみ」です。フィンランドのア
ンデルセンともいわれるトペリウスは、フィンランド大学総長だった偉い
学者さんですが、珠玉のような数々の童話を書きました。お話の舞台は、
ほとんどがスカンジナビア半島北部、ノルウエー、フィンランド、スエー
デンにまたがる、そうサンタクロースが住んでいるといわれる地域ラップ
ランドです。実際には少数民族のサーミ人が住んでいて、かつてはかなり
差別された歴史があるようです。 そのサーミ人の男の子のお話「サンポ
ー・ラッペリル」も私の大好きな小さなお話です。トペリウスはフィンラ
ンド人ですが、この人もスエーデン語で書いています。してみると、今の
地図区分、国の境界にこだわることは、あまり意味がないような気がしま
す。それがどこの国なんていう無粋な問題は、子どもたちみんなの宝物で
ある童話を貶めるものだというのは言い過ぎでしょうか?