RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界 (その2)

2014-01-11 21:30:00 | 美術
見てきました

Bunkamura ザ・ミュージアム

会期は2014年1月2日から2014年3月9日。

19世紀フランスを代表する壁画家ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-1898)
日本初の個展です。
その1」では第1章と第2章を扱ったため、「その2」では残りの第3章、第4章を描いていきます。

《第3章:アルカディアの創造 リヨン美術館の壁画装飾へ 1870-80年代》
1870年の普仏戦争、続くパリ・コミューンにより、パリ市街は壊滅状態となります。
廃墟と化した光景を前にして、平和を切望したシャヴァンヌは理想郷である"アルカディア"を描き始めます。

「気球」「伝書鳩」
2つ並べられた同サイズの作品。
これらは普仏戦争時のプロイセン軍によるパリ包囲網に対するレジスタンスを描いたもの。
パリを救う努力を主題としています。
「気球」では銃を片手にした女性が遠ざかる気球を見送る後姿が描かれています。
「伝書鳩」では女性が伝書鳩を抱きかかえ、上空から襲ってくる鷹から守っています。
どちらの作品にも描かれた女性はパリの象徴とされています。
気球は内務大臣のガンベッタがパリを脱出する際に使ったもの。
そして自らの無事を伝書鳩に託してパリ市民に伝えたとか。
フレスコっぽい印象で人物が有元利夫っぽいです。
女性がたくましく見えます。

「プロ・パトリア・ルドゥス<祖国のための競技>」
この名で2つの作品が展示されています。
が、もともとこの作品は1つで、アミアンのピカルディ美術館の壁画の縮小版。
縮小版といっても大きなほうは横幅280cm、小さいほうも125cmで合わせて400cm越えの大きなもの。
実物は17mあるそうです。
農村での槍投げの様子が描かれています。
左側の作品から投げて右側の作品の木にその槍が刺さっています。
切り離された後、長らく行方不明となり、再び発見されたのはつい最近のこと。
2つは所有者が違うこともあり、並んで展示されるのは約100年ぶりとのこと。

「キリスト教の霊感」
「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」
「古代の光景」
この3つの作品はリヨン美術館の壁画の縮小版。
並んで展示されています。
そして後ろを振り返ると、あら。
リヨン美術館の壁画のかなり大きな写真が展示されています。
実際の壁画の様子が分かっちゃう。
こうゆう展示、いいなぁ。

まずは「キリスト教の霊感」
イタリア、ピサにあるカンポサントに壁画を描く修道士が描かれています。
これは芸術制作における宗教的な霊感を表しているそうです。芸術の要素としての感性。
カンポサントとは墓所のことで、キリスト教徒の芸術における心情の源とか。
凛として筆をとる修道士、見守る人々。
小さなドラマがあります。
静けさが漂うのですが、空の青さと奥に見える山々が明るくしています。

「諸芸術とミューズたちの集う聖なる森」
これはシャヴァンヌの壁画の最高傑作のひとつとされています。
建築、彫刻、絵画を擬人化した3人の女性と9人のミューズが月桂樹、松、樫の茂る森に集います。
背景には大きな山、手前には大きな池や門が立ち、不思議な景色を作り出しています。
淡い色でまとめられた美しい世界は柔らかくミューズたちの世界に相応しい。
ミュージアムの語源はミューズ。
まさに美術館に相応しいテーマです。

「古代の光景」
そのままですが、古代ギリシャをイメージしたかのような作品。
海辺の岩場にいる人々は彫刻のよう。
遠くに描かれた馬はパルテノン神殿の彫刻の馬だそう。

「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」
なんと島根県立美術館所蔵!!
シャヴァンヌの作品って日本にはほとんどなく今回も海外からの貸出品ばかり。
そんななか、大原美術館と島根県立美術館が素晴らしい作品所蔵していて驚きです。
この作品はパンテオンの壁画の縮小版。
聖ジュヌヴィエーヴはパリの守護聖人。
描かれているのはパリ郊外ナンテール。
少女ジュヌヴィエーヴが聖ゲルマヌスに見出され、聖人としての生涯を告げられる場面。
お告げに驚く両親や、彼らを見つめる人々など、全ての視線が聖人の2人に向くように描かれています。
背景には山が描かれ、前方には川が流れています。
時は朝。
爽やかな陽の光に満ち溢れた空気は、聖ジュヌヴィエーヴを見出す場面にぴったりです。

「聖人のフリーズ」
先ほどの「聖ジュヌヴィエーヴの幼少期」の上にあるフリーズの縮小版。
フランス各地の守護聖人たちを並べたもの。
金地の背景に聖人の行進とドラゴンや骸骨を持つ聖人も描かれています。
装飾的でビザンティン美術の雰囲気がある作品。

「夏(グワッシュ)」
1873年完成の「夏」「収穫」の習作か完成後の作とされるそう。
平和と豊饒への賛歌が描かれています。
普仏戦争やパリ・コミューンからの回復を祈る、、平和への思いが感じられる作品。

「海辺の乙女たち」
海辺の斜面でくつろぐ3人の半裸の女性。
一人はこちらを向き、もう一人は横を向いて、もう一人は後ろ向きに立っています。
全員ばらばら。
後ろ向きに立っている女性が特に目立つ。
長い髪を梳きながら経っているのです。
物語の一場面のような印象。
人魚が人間になってくつろぐ、とかいっても信じられる。

「美し国」
"喜びが溢れる場所"の典型的な表現とのこと。
ゴッホやスーラ、マティスやドニやピカソらに、理想郷としてのアルカディアのイメージを提供しました。
取っ組み合う子供、くつろぐ女性。
のどかな時間が流れています。

《第4章:アルカディアの広がり パリ市庁舎の装飾と日本への影響 1890年代》
1891年、シャヴァンヌは国民美術協会の会長に就任します。
パリ・コミューンで焼失した、パリ市庁舎の壁画。
他にも、ルーアン美術館、パンテオンの最終作、アメリカのボストン公共図書館などの壁画装飾の依頼が舞い込み、名実ともに画壇のトップとなりました
1895年には、シャヴァンヌを讃える大祝宴がオーギュスト・ロダン主宰で開催され、600人もの画家、作家、美術行政官ら、フランスを代表する人々が集いました。
シャヴァンヌの名声は、フランスのみならず、各国より依頼や来訪が。
そこには、日本近代洋画を確立することとなる画家・黒田清輝も。
黒田のシャヴァンヌへの傾倒は、帰国後日本で広まります。
1898年、シャヴァンヌは74歳の生涯を閉じました。

「メロンや桃などの果物と白い皿のある静物」
シャヴァンヌ作品の中で珍しい静物画。
無造作に置かれた果物たちが逆に日常の感じを演出しています。
壁画と違って新鮮な印象。
色使いも穏やかです。

「りんごの収穫」
りんごの果樹園で半裸の女性が収穫したりんごの入ったかごに手を置いています。
その近くにはりんごを食べる幼児。
灰色がかった柔らかな色彩で、装飾的に描かれています。

黒田清輝「昔語り下絵(構図Ⅱ)」
黒田はフランス滞在中にシャヴァンヌに助言を受けたこともあり、その影響が見て取れます。
この作品は平家物語の一説をテーマにした住友家の壁画のための習作。
下絵も一緒に並んでいましたが、シャヴァンヌ同様に細かいマス目が描かれていたことに驚きです。
黒田も細かい部分まで考えてから制作をしていたことが分かります。
シャヴァンヌは古代神話的なモチーフを扱っていましたが、黒田は日本の神話や昔の話に置き換える。。
シャヴァンヌが日本の洋画に与えた影響も大きそうです。

今までほとんど知らなかったシャヴァンヌ。
なんて、なんて素晴らしいんだ!!!!!
とっても満足のいく展示でした。
まだ1月だけど。。年末に選ぶ美術展大賞狙えると思う。笑
おすすめです。
ぜひぜひ見に行ってほしい。
とてもいい展示だったのに人が少なくで嬉しいような、悲しいような。
もっと色々な人に知ってもらえたらもっと展示が見れるかもしれないのに。。
また見たい。
大原美術館で展示されている状態の「幻想」も見たいし、この展示の巡回を追って島根にも行きたい。
この展示、構想から15年越しの実現だそう。
島根県立美術館の蔦谷氏の熱意から始まったそうです。
今から15年前、この展示の監修をしている美術史家エメ・ブラウン・プライス氏をフランスに訪ねたことから全ては始まったそう。
これ、島根県立美術館で見たらもっともっと感動するんじゃないかな。
どんな展示方法をとるのか見てみたい。
今年は西方へ旅行かな。。



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シャヴァンヌ展 水辺のアルカディア ピュヴィス・ド・シャヴァンヌの神話世界 (その1)

2014-01-10 21:30:00 | 美術
見てきました

Bunkamura ザ・ミュージアム

会期は2014年1月2日から2014年3月9日。

19世紀フランスを代表する画家、ピエール・ピュヴィス・ド・シャヴァンヌ(1824-1898)
私だって「貧しき漁夫」ぐらいしか知らない。
(現在、国立西洋美術館の「モネ展」で展示中です。)
日本での知名度はとっても低いのですが、彼から影響を受けた画家ならご存知のはず。
セザンヌにゴーギャン、スーラ、ドニ、ピカソ、マティス。
日本人なら黒田清輝、藤島武二、青木繁などなどなど。。。
なんだかブリヂストン美術館でおなじみのメンツです。笑
同年代の画家には、エドゥアール・マネ、ギュスターヴ・クールベ、ギュスターヴ・モローらがいます。
その3人は知名度あって、日本でも何度も見れるのに、シャヴァンヌ……
特にモローはシャヴァンヌと同じ年に亡くなっています。
モローは昨年、汐留ミュージアムで展示もあったのに、シャヴァンヌ……

イタリアのフレスコ画を思わせる落ち着いた色調で描かれた作品は、桃源郷と謳われたアルカディアを彷彿とさせます。
それらの含意に満ちた奥深い世界は、象徴主義の先駆的作例と言われています。
古典的様式を維持しながら築き上げられたシャヴァンヌの芸術は、新しい世代の画家のみならず、日本近代画にも影響を与えました。

さて、現代日本での評価はさておき。
フランスでは知らぬ者はいない、偉大な芸術家でした。
ソシエテ・ナショナル・デ・ボザール(国民美術協会)の会長を努めていました。
黒田清輝はラファエル・コランの紹介状を持って、シャヴァンヌに会いに行っています。

そんな偉大な芸術家、シャヴァンヌ。
大きな仕事の依頼がたくさんありました。
当時のパリはナポレオン3世によるパリ大改造計画中。
多くの公共の建物が建造され、そこに壁画を依頼されるようになります。
そう、これが展示が開催されなかった理由。
作品の多くが壁画となっているため【持ち運びできない=展示がなかなか出来ない】のです。
作品が見れないのなら知名度低いのは仕方ない。
シャヴァンヌは壁画として制作した作品を手元に残す目的で縮小版を自ら制作していました。
今回の展示はそういった縮小版と単体の油彩画を世界中の美術館から集め開催されています。
日本初の「シャヴァンヌ展」です。
いや~、チラシ見てからうきうきでしたが、さらに期待が高まります。
今回、2回に分けて書いていきます。

《第1章:最初の壁画装飾と初期作品 1850年代》
リヨンの裕福な家庭に生まれたシャヴァンヌ。
22歳のときにイタリアを訪れたことがきっかけで、画家を志します。
37歳のときに壁画装飾のための油彩画が国家買い上げに。
ここから彼に壁画の仕事が次々と舞い込んできます。
公共建築の壁画を手がけたことで名を馳せるようになりました。

「自画像」
33歳の時の自画像です。
少し横を向いており、顔の右半分は影に吸い込まれ見えません。
口元もひげに覆われ、見えるのは左目と鼻ぐらい。
厳しい表情のように見えます。

「アレゴリー」
異なる服装の3人の男性が描かれています。
それぞれ、建築、宗教、文学という文化の寓意です。
建物の中で会談しているようにも見えます。
色も描き方も綺麗なのですが、のっぺりとした印象。

「ルイ・ド・ヴォージュラの肖像」
描かれているのはシャヴァンヌの甥。
10歳のときの肖像です。
穏やかにまっすぐこちらを見つめています。
人物画は多いのですが、肖像画は少ないため、静かな作品なのに目立っていました。

「漁夫」
モデルのようなポーズで花咲く野に腰掛ける裸の男性。
片足だけ水に使っています。
この澄んだ表現が美しい。
ですが、空は雲が多く荒れ模様。
向こうに見える木は枯れ木。
なんだか不穏な様子が漂っています。

1854-55年、シャヴァンヌは私邸の食堂に壁画を描きます。
これが壁画の初仕事。
聖書に基づく労働の場面を四季になぞらえています。
「奇跡の漁り(習作)」
これは春。
ルカの福音書の場面です。
有名なガリラヤ湖での場面。
魚がいっぱい獲れ、猟師がびっくりしている顔が印象的です。
「ルツとボアズ(習作)」
夏です。
ルツ記から穀物。
穀物からパンが作られますから。
人物に顔は描かれず、その場面のみ象徴的に描かれています。
「葡萄酒造り(習作)」
秋です。
ノアの物語からで秋のワイン造り。
真ん中の大きな樽の上で葡萄を踏むのはノアの息子ハムと思われる人物。
少し見える空は青く明るく、たくさんの収穫を祝うかのよう。
「放浪息子の帰還(習作)」
これだけ少し違うのですが。。
ルカ福音書に基づく話で、この場面を描くとき、大体は懺悔する息子に焦点が当てられるのですが、ここでは画面左上、階段の上に小さく描かれています。
大きく描かれているのは帰還のパーティーの準備の場面。
食堂に相応しい明るいテーマです。
色彩は落ち着いていて馴染みやすい。

《第2章:公共建築の壁画装飾へ アミアン・ピカルディ美術館 1860年代》
1861年、シャヴァンヌはサロンに「コンコルディア(平和)」と「ベルム(戦争)」を出品。
前者が国家買上げとなりました。
この2つは、対となる「労働」と「休息」とともに、ピカルディ美術館に設置されます。
それぞれの詳細は下記に記していきます。
(「戦争」は展示がありませんでした。)
シャヴァンヌが壁画を描くとき、油彩のカンヴァスをマルフラージュという方法で建築の壁面に設置していたそうです。

「平和」
これは国家買い上げとなった作品。
ラテン語で「CONCORDIA(平和)」という題です。
「BELLUM(戦争)」と共にサロンに出展されました。
ヤギのミルクを絞る人、会話する人、物を運ぶ人。。
日常が描かれています。

「労働(習作)」
火をおこす人、丸太を切る人、、海辺で様々な労働をする男たちと、右下に授乳する母親。
何度も修正を加えた跡が見られ、全体的にはぼんやりとしています。

「休息」
労働後の休息を表現したもの。
座り込む人や老人の周りに集まり話を聞く人などくつろいだ様子が見られます。
もう一つそっくりな「休息」があるのですが、こちらのほうが習作のようです。

「休息」
そのもう一つのほう。
こちらのほうが色彩がはっきりし、人々の表情も読み取れます。
またこちらの作品のほうが、人々が服を着ている率が高い。
左にいる女性は鎌を持っていますが、この女性、もう一つの「休息」では糸巻きを持っていました。
またこちらの作品では左の奥に家族連れらしき一団も見えます。
やわらかくフレスコ画らしい雰囲気のある作品。

「労働」
先ほどの習作とは違い、はっきりと描かれています。
壁画完成後の縮小版です。
習作とほぼ同じ、海辺で労働する男性と授乳する女性が描かれていますが、牛を使い農作業に勤しむ姿も見られます。
全体的にはっきりとしています。
まわりに装飾的な額が描かれていますが、それは壁画に基づいたもの。
糸巻き棒など主題とかかわりのあるものが描かれていました。

「水浴(<アヴェ・ピカルディア・ヌトリクス>関連作)」
この地方の繁栄、豊饒、伝統を祝福する壁画との関連作品とのこと。
明るい景色の中、裸婦たちが水浴びしています。
色彩も穏やかで優しい印象。

「ギリシアの植民地、マッシリア」
この作品の目立つ点はマス目が描かれていることでしょうか。
輪郭線など構想の跡が残っている習作です。
シャヴァンヌがどのように構図を考えていたのかが分かる作品。
マッシリアとは現在のマルセイユのことだそうです。

「眠り(習作)」
主題は叙事詩「アエネイス」のトロイア戦争の描写です。
ギリシャ人が去った後、トロイア人たちの最初の眠りを描いたもの。
水平線に沈みゆく陽がつくりだすまどろんだ空気が漂います。

「裸婦(<アヴェ・ピカルディア・ヌトリクス>のための習作)」
こちらもマス目が目立ちます。
人物よりマス目。
□だけではなく、斜めの線も入れられています。
このあたりの習作はみんなマス目が細かく入っていました。

「瞑想」
これはヴィニョン邸の壁画の原型となった作品。
背景は深い森。
白い古代風の服を着た女性が左手を木に、右手を額にあて目を瞑っている作品。
装飾的です。
古典的なミューズとのことですが、家にこんなミューズがいたらとても嬉しい。
幻想的な雰囲気があり美しいです。

「幻想」
こちらは個人蔵の作品。
次に書く、大原美術館所蔵品の約20年後の作品。
シャヴァンヌは自身が描いたものを再度描くということが度々あったそうです。
鮮やかな色彩で描かれています。
家に飾るならこのサイズでこの色彩は明るくていいなぁ。

「幻想」
大原美術館所蔵の作品。
この作品もヴィニョン邸の壁画の一つ。
森の中の岩に腰掛けた裸のニンフが、葡萄の蔓を使ってペガサスを捕らえようと投げたところ。
手前には裸の子供が座りこんで花で首飾りを作っています。
かわいい。
先ほどの「幻想」と比べ全体的に青みがかった色調でますます幻想的な雰囲気を高めています。

「警戒」
こちらもヴィニョン邸の壁画の一つ。
すごいぞ、ヴィニョン邸。
海辺の岩の上で火のついたランプを掲げる姿は自由の女神っぽい。。

ここまでが第2章になります。
かなりの時間を要して見てきましたが、作品はこの先のほうが多く、また代表作が並んでいます。
「その2」でじっくり記したいと思います。
書くのに時間がかかる。。。



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モバイルバッテリー

2014-01-09 21:30:00 | 好きなもの
我らがダンボーくんに新しい仲間が増えました

モバイルバッテリーです。
cheero Power Plus DANBOARD version -mini


なにがいいってかわいいです。
それだけ。
可愛ければ何でも許される

なお、iphoneは約2.5回、フル充電できるそう。
かわいい顔してなかなか出来る子なんです。
もう一つ、約5回充電できちゃう
cheero Power Plus 10400mAh DANBOARD Version
もあるのですが、そんなにしなくてもいいかな~と、私はminiで。

miniのほうが優れている点。
それは実物がよりダンボーっぽいこと。
大きなほうは薄いため、ダンボーっぽい厚みがないのです。
持ち歩くならスリムなほうがいいんだろうけど、見た目重視ですから!!

袋も付属だから、ケーブルもしまえちゃう。

そして目が光る。

かわいい
充電しているときに光るのです。
赤は残容量が少ないとき。
黄色はまあまあ。
目は残容量インジケーターなのです。
かわいい顔してなかなかやるのです。
こういった細かい芸が好き
あと、口がスイッチです。
かわいい

2口あるっていうのもなかなか嬉しいポイント。
使う予定ないけど。

なぜモバイルバッテリーを購入したのか。
それはiphoneにしたから。
なんとな~く電池不安なんだもん。
モバイルバッテリーを探してたら、発売されたころのニュースを思い出して。
そのときはいらないからスルーしていたけど。。
仕事中のお昼休憩中にAmazonでポチっとな。

あぁ、かわいい
すっごくかわいい
ダンボーのフィギュア持ち歩いていたら、ちょっとあれな人だけど、これなら持ち歩いてもおかしな目で見られない!!
癒しも兼ね備えた完璧な存在です。



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楽茶碗と新春の「雪松図」

2014-01-08 21:30:00 | 美術
見てきました

三井記念美術館

会期は2013年12月4日から2014年1月25日。

今回は楽茶碗と「雪松図」
昨年末にも見に行っていますが、年始は円山応挙「雪松図」の展示ということで、ほぼ、これだけを見る目的でいってきました。
入れ替えがあったのはこの応挙の作品のみ。
ですので、今回はこの1作品だけを取り上げたいと思います。

六曲一双の屏風です。

輪郭線を使わない没骨技法で描かれた松は、右隻はごつごつとし、力強い老松。
左隻は2本の若い松が柔らかに描かれています。
特に右隻の老松は墨の濃淡や筆使いで表現された質感や立体感が見事です。
触ったら硬そうな感じがよく出ています。
松に降り積もる雪は和紙の地肌の色を生かしています。
中央は大きく余白があり、奥行きを感じます。
松の葉は針のように細やか。
背景に金泥が塗られ、華やか。
よく見ると松ぼっくりも描かれています。
のんびり見ていて飽きない作品です。
ここだけゆっくりじっくり見ていく方が多いのも納得です。

つい先日、テレビ東京の「美の巨人たち」でも取り上げられたばかりからか、混雑していました。
これ見るだけでもいいじゃないか。
華やかで力強い松は新春にぴったり。



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初もうでランチ

2014-01-07 21:30:00 | 日常
先日、初もうでで愛宕神社に行ってきました
ここで有名なのが「出世の階段」

時は江戸時代、1634年2月25日(寛永11年1月28日)。
父・徳川秀忠の三回忌として増上寺参拝の帰り道、徳川家光が山の上にある梅が咲いているのを見てしまいます。
「梅の枝を馬で取ってくる者はいないか」
と言い出すのです。
家臣たちが
「え、、お前行けよ。。」
「どーするよ。。。」
などと思っている間にすーっと1人。なんと馬に乗ったまま登っていくではありませんか。
讃岐丸亀藩の家臣、曲垣平九郎。
見事、馬で石段を駆け上がり、梅を取ってくることに成功。
馬術の名人として全国にその名を轟かせました。
以降、出世の階段を馬で登った成功例は今までに3例存在するそうです。
すごい。

で、すっごく急な階段なのです。

知らない方が写ってしまったので消させていただきました。
あれ、あんまり急な感じが伝わらない……。
でもさ、これ見て思ったのです。
なんで、私はヒールなんだろう。笑

登るのは大変でした。
"勤め先は年功序列なんだー。出世なんて関係ないんだー。"
って思いながら登りました。
(何のために登ったのか…。)


上から。

落ちそう……
落ちたら出世どころか転落人生です。


桜田門外の変で井伊直弼を襲った水戸藩の浪士たちもここで成功を祈願してから江戸城へ向かったそうです。
見事、願いは叶ったんですね。

私も無事お参りを済ませてほっと一息。

お守りではなく、こんなもの買いました。
(一緒に行った人が。)

枡です。
商売ますます繁盛、とか、ますますお金が入りますように、といった意味で、年始のみ販売されているのだそう。
この枡で日本酒も頂いてきました。
縁起物


大きな鯉がいっぱい泳いでいました。

その後は丸の内でランチ。
新丸ビル7階、ムスムスというお店で食べてきました
休日ランチのせいろご飯セット。
1,000円。

まず、小鉢が2品。

ピリ辛こんにゃくとお豆。
こんにゃくは山椒の香りがしてとっても爽やかでおいしかった~。


せいろご飯。
私は豚しぐれ煮とひじきのご飯にしました。
ご飯は白米と玄米から選べます。
お味噌汁は麹入りでまろやか~。

これで1,000円は大満足。

心も体も満たされた年初となりました
いいこといっぱいあるといいな~



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クリスチャン・ボヌフォワ展

2014-01-06 21:30:00 | 美術
見てきました

メゾンエルメス

会期は2013年12月13日から2014年2月28日。

今回は1948年生まれのフランスを代表するアーティスト、クリスチャン・ボヌフォワの日本における初個展。
元々は美術史家だったそうですが、1970年にアンリ・マティスの彫刻「Dos(背中)」を見たときの衝撃をきっかけに自らもアーティストとしての道に進んだそう。
今回は初期の作品から最新作まで、これまでの制作活動が展示されています。

入るといつもと雰囲気違う。
建築家・中山英之氏が手掛けたそうです。
いつもはない壁があるので展示作品数がいつもより多い。
そして作品に導かれるような構成となっていました。
今回、メモをとっていないので、気に入った作品を簡単に。

「バベル XXI」
かなり大きな作品です。
薄地モスリンのカンヴァスに鉛筆、グラファイト、白のアクリル絵の具などを使った作品。
これが一番好き。
ずーっと見ていられます。
カンヴァスはとっても薄くて向こう側が透けて見えます。
両側から見れるのです。
とても不思議。
光などの具合によっても見え方が変わってきます。

「グラン・ブルー」
鮮やかな青が眩しい。
マティスの「ブルーヌード」をイメージさせる作品です。

「銀座の上空の黄道十二宮の星座」
新作だそう。
この作品は壁一面にコラージュ作品を貼っていったもの。
ある種のインスタレーションです。
メゾンエルメスの高い天井近くまで貼られている様は壮観。
圧倒的な存在感です。
しばしそこから動けなくなります。
これ、寝転がって見たかったな~。
そんなことできないけど。

このほかにも作品はいっぱいあるのですが、どれも色彩が美しいです。
そして使われている素材が珍しい。
カンヴァスなんかは注目です。

うぅ、、外は寒い。
現在のウィンドウディスプレイはクリスティーナ・キムによる「雪国」

こちらは1月21日までです。



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博物館に初もうで

2014-01-05 21:30:00 | 食べ物
見てきました

東京国立博物館

会期は2014年1月2日から2014年1月26日。

やっぱり年の初めはここへ行かねば!!
都内戻って一番最初はここ。
なんとなく、そう決めているんだよね。

毎年恒例「博物館に初もうで」
今回は国宝、長谷川等伯の「松林図屏風」をはじめとし、干支の午の特集など新年らしい展示です。


入って真正面、階段のところ。
今年も立派です。

まずは「午年によせて」
干支の午がいっぱいいました。

「埴輪 馬」
かわいい。
乗馬のための装具が付いています。
古墳時代から馬に乗っていたんですね。


「土馬」
古墳時代から平安時代に作られた馬をかたどった土製品。
溝や井戸などから見つかることが多く、水に関わる祭祀に使われたと考えられているそうです。


「ヴァージィムカ立像」
すっとしていてかっこいい。
ヒンドゥー教の神様であるヴィシュヌはカメやライオンなど様々な動物に変身し、そのたびに名前が変わります。
これは馬の頭を持っています。
同じく馬の頭を持つ魔王ハヤグリーヴァが盗んだ聖典を取り戻すためにこの姿になりました。
ファンタジーです。。


「十二神将立像 午神」
興福寺仏頭展」でも十二神将像を見ましたが頭の上に午がちょこんとのっています。
かわいい。


「十六羅漢像(第五尊者)」
"西遊記"のモデルとされる玄奘三蔵になぞらえたと見られます。
現存する羅漢像の中でも乗馬姿は珍しいとのこと。
国宝です。


「聖徳太子絵伝断簡」
聖徳太子の事跡を描いたもので、聖徳太子と愛馬黒駒の物語が描かれています。
あるとき、太子を驚かせてしまった黒駒が思い悩み、飲食をしなくなります。
太子は使者を送り慰めの言葉をかけたところ、黒駒は元気になったとか。
すごいな。。
主人思いの馬。。。
描かれている黒駒はなんだかしょぼーんとして見えます。


「馬冠」
鬼神の顔の馬飾り。
古代中国では高貴な人は馬車に乗ったそうですが、その際、馬にこのようなものをかぶせたそう。
恐ろしい形相の馬冠を馬にかぶせることで邪気を払うという目的だったとか。
恐ろしいには恐ろしいけど。。
笑っているようにも見えます。

馬についてはこのぐらいです。


「遮光器土偶」
土偶界(!?)でもかなりの有名人ではないでしょうか。
メガネをかけているかのような土偶。
ぼてっとしている割にはくびれています。笑


長谷川等伯 「松林図屏風」右隻


長谷川等伯 「松林図屏風」左隻

トーハクでとーはくを見る。
なんちゃって。。。
美術ファンなら一度は考えるギャグでしょう。
いやー、大好きなこれが見れるなんて。
新春特別公開、最高です。
一双で写真撮りたかったのですが、さすがに人が多かったので。。
心に沁みるような景色。
そこに漂う空気は臨場感に溢れています。
空気といえば私はコローなんかが好きですが、それよりもずっと前に墨の濃淡だけで表現した絵師がいたんです。
国宝に恥じぬ、、というか、これが国宝でなかったら日本画で何が国宝になるのか。
素晴らしい体験が年始からできました。


「二河白道図」
煩悩にとらわれることなく、清い心を持てば往生できると説く説話画。
火の河と水の河の間、白い細い道を渡った先に阿弥陀浄土が見えるのです。
クリーブランド美術館にも近い構図のものがあるようです。
クリーブランド美術館……
「クリーブランド美術館展 名画でたどる日本の美」が東京国立博物館で1月15日から開催です。
これも来日するのかな。。
今からとても楽しみで、いつ会社休もうか、考え中。笑


「白糸威富士山形兜」
なんともめでたい、日本一の山、富士山をかたどった兜です。
ぴかぴかです。


池大雅「楼閣山水図屏風」右隻


池大雅「楼閣山水図屏風」左隻

右隻は岳陽楼、左隻は酔翁亭。
中国の有名な景勝地です。
金地に描かれそれだけでめでたい雰囲気が出ています。
煌びやか。
群青色の鮮やかさも目をひきます。
国宝です。


円山応挙「青松白鶴図」
少ない線で描かれたシンプルな作品ですが、素晴らしい表現力です。
まわりに国宝や目立つ作品が多い中、こういったシンプルなものもいいですなぁ。


立原杏所「葡萄図」
これが今回見た中で一番好きかもしれません。
勢いよく描かれた幹や蔓は複雑。
信任厚かった主君斉昭の御前で酔いにまかせて描いたもの、だそう。
絵がうまい人は酔っていても上手なんですね。

といった感じです。
さらっと見るつもりでしたが、長時間滞在してしまいました。。
お正月らしい雰囲気もあって、やっぱり年始はトーハクだな、としみじみ。
会期は短めですので、お早めに。



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鑑賞後のお茶

2014-01-04 21:30:00 | ミュージアムショップのお菓子たち
ふぅぅ~。
美術展見ると疲れますね。
そして喉が渇きますね。
お茶、飲みたいですね

今日は静岡市美術館のカフェ。
カフェといってもロビーのところになるのですが。


緑茶×柚子 (ホット・アイス) 400円
お茶のチョコレートも付いてきます。
少し甘いもの食べて、お茶飲んでリラックス~。
柚子の香りがすーっと入ってきて爽やかです。
お茶チョコも甘すぎずおいしい。
器も素敵です。
見た目が可愛すぎる
もちろん、モチーフは富士山。
この器と木のお皿が私好み過ぎて、欲しくて欲しくてたまらない。笑


テーブルも台形になっていて、山を連想させる形。
こういったところも素敵。

また、ミュージアムショップの袋になるのですが。

静岡市美術館のロゴマーク。
上の丸い部分がちょうど持ち手になるようになっているんですね。
こういったデザイン、好きだー。

以前にも、静岡市美術館のデザインがいい、と書きましたが。
(記事はこちら→「グッドデザインな茶」)
館内は白を基調とし明るく清潔感のある、そしてデザイン性のある空間となっています。
静岡に行くことってあんまりないかもしれませんが、おすすめです。
静岡市美術館大使(自称・今後の活動未定)としては、ぜひぜひ一度行っていただきたいところです。



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シャガール展 (その2)

2014-01-03 21:30:00 | 美術
見てきました

静岡市美術館

会期は2014年1月2日から2014年3月30日。

今回はシャガール。
シャガールの仕事に焦点をあて、日本初公開作品163点を含む計236点とボリュームある展示です。
その1」を書いたので今日は「その2」
第2章、第3章を書いていきます。

《第2章 精神の光-祈りの造形》
シャガールは1950年代から壁画やステンドグラスなどの宗教建築のための制作を始めます。
シャガールは東欧系ユダヤ人。
それらの制作は自らのアイデンティティーを確認する機会ともなりました。
おもに旧約聖書の主題が描かれています。
ここにはそういった施設のための秀作や最終試作品、また宗教主題の油彩などが並んでいます。

2-087「主との契約で正義の治世が訪れすべての創造物は和解するとイザヤによって知らされた(イザヤ書第11章5-9節)」
キリストと動物たちが描かれています。
蛇に羊、ヤギにクマにライオンまで。。
蛇や羊、ヤギあたりはそのころもいたんだろうな、と想像できますが、さすがにライオンは。。笑
強そうだから受難から守ってもらえそうですが。
にぎやかな印象があり、また動物も可愛らしいのです。
宗教っぽさをあまり感じませんでした。

2-082「エジプト空の上を死の天使が通っているとき、ユダヤの人々は過越のいけにえである子羊を食べる(出エジプト記第12章11-14節)」
小屋の中で子羊を食べる7人の人。
上空には神が飛んでいますがなんだか悪そうな顔。
"過越"とは古代エジプトで起こったとされる出来事とそれに起源を持つとするユダヤ教の行事。
イスラエル人は、エジプトに避難したヨセフの時代以降の長い期間の間に、奴隷として虐げられるようになっていました。
神は、モーセを民の指導者に任命してエジプトを脱出。
が、ファラオはこれを妨害しようとします。
そこで神は、エジプトに対して十の災いを臨ませるのです。
その十番目の災いは、人間から家畜に至るまで、エジプトの「すべての初子を撃つ」というもの。
が、子羊の血を入口に塗った家だけは過ぎ越した、という故事に由来します。
ここで7人が食べているのは子羊。
血は入口に塗り、肉は食べるのです。
なかなかおもしろい話ですが、描かれている人の表情が豊かで、特に神様は見逃せません。

そしてシャガールが手がけた作品の映像がありました。
なんと天井にもスクリーンが。
パリ・オペラ座の天井画は上のスクリーンに投影されているのです。
臨場感ある~。
母親は「酔ってしまった」というレベル。笑
他にはランス大聖堂のステンドグラス、ハダサー医療センターのステンドグラス、ニース大学のモザイク画。
ハダサー医療センターはエルサレムにある中東最大の医療施設。
これが見れるって貴重。
ニース大学のモザイク画も初めて知りました。
もう1ヶ所、サールブール教会のステンドグラス「平和」
赤い花束がハートの形になっていて、その上に恋人達がいるという構図。
シャガールらしい美しいものでした。

2-101「楽園」
アダムとイブの物語です。
中央には大きな木があり、大きな蛇が絡みついています。
少し妖しい雰囲気があり、この後の受難が想像できます。

2-005「メッス大聖堂内陣北側薔薇窓:シンボルに囲まれたキリスト」
メッス大聖堂の16窓のステンドグラスです。
穏やかな表情のキリストが印象的。
シャガールの色彩は鮮やかでありながら、厳かな印象もあり、ステンドグラスはどれもステキでした。
(ほとんどは映像だったけど。。。)

2-042「預言者エレミヤ」
エレミヤとはイスラエルの預言者の1人。
黒い背景の中、座っているところが描かれています。
手には開かれた本。
聡明な印象を受けました。

2-040「青いダヴィデ王」
空を浮遊し、琴を弾くダヴィデ。
ダヴィデは琴の名手だったそうです。
月下の明かりに照らされて、画面下には街並みが描かれています。

《第3章 南仏での安息-晩年の境地》
南仏コート・ダジュールに移住したシャガールは、その地を終の棲家としました。
戦争などの激動の時代をくぐり抜けてきた画家にとって、そこは大いなる安息をもたらします。
ここでは晩年に手がけた陶芸やレリーフなど多用な技法の作品に焦点が当てられています。

3-045「天使と顔」
これはガラス絵。
青がベースでそこに穏やかな表情の顔と天使が描かれています。
かわいらしいし、雰囲気、色に癒される作品。

3-032「空想の動物(ロバ/空想の馬)」
陶芸作品です。
ロバのおなかにシャガールの絵画ではおなじみの浮遊する恋人たちがくっついています。
絵の世界がそのまま作品に。
なんだかとても不思議です。

3-009「サン=ポールの上の恋人たち」
赤い街並みに緑が立ち並びお馴染みの青いロバ。
恋人と思われる男女が描かれています。
シャガールの世界そのまま。

3-011「花」
白いユリが咲き誇っています。
その下には街が描かれています。
花がとにかく美しい。
これはかなり好きな感じ。

3-007「サン=ポールのアトリエ」
テーブルの上に緑色の花瓶、そこにはピンク、黄色、青、白などの花々がぎっしり。
幻想的な作品ではなく、普通に室内を描いたものとなっています。
こういった作品をあまり見ないので新鮮。

3-017「シャガールの手」
手形が展示されていました。
意外と小さい。
この手が様々な仕事を生み出していたのか、とちょっと感慨深い。
自分の手と見比べたりしてね。笑

かなり盛りだくさんで見終えた後はぐったり。
私としては陶芸作品を初めて見れたことがおもしろかったな~。
まだまだ始まったばかり。
ぜひぜひ静岡行って、幻想的な世界に浸ってみて下さい。



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シャガール展 (その1)

2014-01-02 21:30:00 | 美術
見てきました

静岡市美術館

会期は2014年1月2日から2014年3月30日。

2014年、美術初めです
シャガールです。
昨年、北海道美術館から始まったこの展示。
仙台へ行き、広島へ行き、静岡に来て最後に名古屋。
なんと、東京近郊へは来ません!!
えぇぇぇぇ!!見たいのに。
と思ったら巡回で静岡へ行くタイミングが年始。
ちょうど実家にいるときじゃないか!!
「年始に静岡(市)行く??」と母親に聞いたところ。
(実家は静岡まで電車利用)
「行きたいんだよね~。美術館。」
なんて意見が合うんだ!!!!!(笑)
うきうきで初展示。

エコール・ド・パリの画家として、20世紀を代表する画家として。
今なお高い人気を誇るマルク・シャガール(1887-1985)
ここ数年で何度も展示を見ています。
故郷の風景や愛の象徴などの油彩で有名ですが、教会のステンドグラスやバレエなどの舞台装飾、タピスリーやパリ・オペラ座の天井画など様々な分野で活躍しました。
今回は、シャガール家およびニースのマルク・シャガール国立美術館の協力を得て、"総合芸術家"としてのシャガールの姿を、晩年の作品中心に展示されています。

今回、メモをとったのですが、親と行ったため長々と滞在できず。。
私がゆっくりすぎるのは分かっているけど…。
親はニースのマルク・シャガール美術館に行っているので、そちらを思い出して楽しかったようです。笑
展示は全部で3章。
なんとか色々メモしてきたので、2回に分けて書きたいと思います。

《第1章 祝祭の空間ー色彩の交響ー》
ここではシャガールが手がけたパリ・オペラ座の天井画をメインにシャガールが手がけたプロジェクトの習作たちが展示されています。
パリ・オペラ座の天井画は1963年、時の文化大臣、アンドレ・マルローが依頼した大プロジェクトでした。
音楽史を彩る舞台作品をテーマに約1年の歳月を費やし完成。
制作中に生まれた多くの習作などを元に、シャガールの手法や制作過程が紹介されています。

1-003「オペラ座」
全体的に赤。
下部にオペラ座が描かれ、上空を青と緑の人が3人、浮遊しています。
右側には恋人かな、2人組。
さっそくシャガールっぽい作品でテンション上がります。

1-141「オペラ座」
こちらは平べったい陶器。
オペラ座と咲き誇る花、白い服を着た女性、浮遊する3人。
先ほどの作品とよく似ています。
こういった作品は初めて。
陶器にもシャガールの世界観がよく出ています。

1-001「《オペラ座》のための下絵」
こちらも今までのものと似ています。
右側にいた恋人たちが白い服の女性に変わった程度の違い。
3人は相変わらず浮遊しています。

1-002「パリのオペラ座」
こちらが完成作。
右側にいた恋人たちは白い服を着た女性1人になり、浮遊する3人の表情は読み取れず。
黄色い花に囲まれています。
華やかで幻想的。

1-030「リンカーン・センター内、メトロポリタン・オペラハウス壁画のための下絵:音楽の勝利」
パリ・オペラ座の仕事後、シャガールのもとには公共建築の依頼が増えたそうです。
時は冷戦時代、アメリカ音楽とロシア音楽に対する礼賛を描き、平和への思いを託しました。
楽器を奏でる人、踊る人、明るいオレンジをベースに描かれた世界は楽しそうで賑やかな印象を与えます。

1-007「オペラ座天井画のための下絵」
オペラ座の天井画は17世紀から19世紀のオペラ、19世紀から20世紀初頭のバレエをモチーフにしているそうです。
“上部にちょうど鏡を置いたように役者や音楽家たちの夢や世界が花束のようになって反射したらな、と思いました”
とはシャガールの言葉。
羽の生えた人や楽器を奏でる人、踊る男女。
凱旋門やエッフェル塔などのパリを象徴する建物も描かれています。
華やかな印象を与えます。

1-010、1-011、1-012「オペラ座天井画のための下絵」
色の配置を確認するための下絵です。
緑や赤、青に紫など7つの色が円形に配されています。
オペラ座天井画を手がけるにあたって、シャガールはまず配色や構図のバランスを検討したそうです。

1-005、1-006「オペラ座天井画のための最終下絵」
2枚はそっくりで違い配色ぐらいでしょうか。
実物の10分の1のサイズだそうで、時の大統領、ド・ゴールがここから選んだそうです。

この後、何枚か写真がありました。
写真家のイジスはシャガールがオペラ座天井画制作中に唯一撮影を許された人物。
ここでは、描いているシャガールや考え込むシャガールなどさまざまな表情が見て取れます。

1-126「「魔笛」の思い出」
シャガールはオペラ「魔笛」の衣装デザイン・ 舞台装置・ポスターを手がけました。
これは浮遊する人の中に、ピアノを弾く人、バイオリンを奏でる悪魔、恋人などが描かれ不思議な雰囲気の作品です。

1-085「バレエ「ダフニスとクロエ」の衣装デザイン:三人の戦士たち」
「ダフニスとクロエ」は2~3世紀頃、ロンゴスというギリシャ人によって書かれた物語。
若い二人が主人公のラブストーリーです。
モーリス・ラヴェルのバレエ音楽として、知っている方が多いかも。
シャガールはこのバレエの衣装デザインや舞台装飾を手がけます。
ここに描かれた3人はそれぞれ赤と緑と紫の衣装を身にまとい躍動感あります。
あと、黄色とピンクがいたらももクロになったのにね。笑

1-094「バレエ「ダフニスとクロエ」の衣装デザイン:羊飼い」
茶色をベースとした衣装を着た優しそうな男性が描かれています。
背景には緑が描かれていて、羊飼いのイメージとよく合っています。
衣装デザインには衣装だけではなく、背景も描かれていて、それぞれの役柄をイメージしたものか、とても合っていました。

1-104「バレエ「ダフニスとクロエ」の舞台背景画の下絵:第3幕」
描かれているのは三日月の夜に鳥の背にのり、浮遊する恋人たち。
「ダフニスとクロエ」のストーリーをよく知らないのですが、シャガールのイメージにぴったりだったのかな。
幻想的です。

1-107「バレエ「ダフニスとクロエ」の舞台背景の下絵:第4幕」
赤い背景で中央には黄色く輝く太陽。
青い鳥が飛び、浮遊する人、楽器を奏でる人などが描かれています。
明るい印象です。

そしてここには実際の衣装が展示されていました。
また、小さなモニターで実際にその衣装でバレエをしているようすも流れていました。
幻想的でかわいらしいです。
これ、実際にバレエを見てみたい。

また、この「ダフニスとクロエ」に関しては版画集も出版しています。
シャガールは物語の舞台であるギリシャに2度訪れ、地中海の風景や季節の移ろいを、変化する色彩で表現しました。

1-120「バレエ「火の鳥」の衣装デザイン:薄紫のマスクをした怪物」
こちらもバレエの衣装デザイン。
青いズボンに緑色の上着。
紫のショールを羽織り、黒っぽい仮面をつけたような生き物が描かれています。
怪物、とのことですが、愛嬌のある顔をしていて可愛らしい。

1-131「《道化師と緑の山羊》のための下絵」
黒い背景にカラフルな服の道化師と緑色の山羊が描かれています。
オレンジの太陽も目立ちます。
このあたりの作品はさすがシャガールといったような色使いの作品が多く、見ていて楽しいです。

また、タピスリー作品も展示されています。
シャガールが信頼していたタピスリー作家、イヴェット・コキール=プランスによるもの。
これらの作品は2012年に渋谷区立松濤美術館で開催された
シャガールのタピスリー展 二つの才能が織りなすシンフォニー
で見ているため、今回、書きません。

今日は第1章まで。
明日、第2章と第3章を書いていきます。
ますます幻想的な作品もあり、映像もありでおすすめです。



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