見てきました
ニューオータニ美術館
会期は2014年1月1日から2014年1月19日。
展示タイトルはずばり「新春展」
ホテルの中にあるとあってか1月1日からです。
会期が短いので急いでスケジュールあけて行ってきました。
ジャン=フランソワ・ミレー「田園に沈む夕陽」
沈みゆく太陽の柔らかな光が、雲の合間から草原に漏れ落ちています。
太陽の光が雲の隙間から虹色のように輝く不思議な現象をとらえた作品。不思議な現象
モーリス・ド・ヴラマンク「雪景色」
荒れた空に輝く月、冬枯れの木、わだちに汚れた道。
白く輝くような雪景色ではありません。
勢いある大胆な筆使いが印象的です。
モイズ・キスリング「ハンモックの婦人」
鮮やかな色彩、滑らかな筆使い。
森の中に吊るされたハンモックに体を委ねる婦人は服の赤が印象的です。
モーリス・ユトリロ「オニヴァルのムーラン・ド・ピエール、ソンム」
爽やかな青空に緑に囲まれた建物。
ユトリロといえば白く無機質な建物を思い出しますが、これは色彩に溢れ、暖かい感じがします。
ベルナール・ビュフェ「カフェの男」
ビュフェらしく縦に長い人物。
縦の線で描かれたカフェは日常の場所のはずなのに、非日常感が漂い、冷たい印象。
アンリ・リヴィエール「エッフェル塔三十六景」
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」のオマージュとし、エッフェル塔の三十六の景色を描いたもの。
ジャポニズムの影響といいますと、モネやゴッホが思い出されますが、こんなところにもあるんですね。
以前にニューオータニ美術館で開催された「北斎とリヴィエール 三十六景の競演」という展示を見ていますが、今回も三十六全て出ていました。
「エッフェル塔三十六景より 建造中のエッフェル塔、トロカデロからの眺め」
これは北斎より広重の「東海道五十三次」の「蒲原」に似た印象の作品。
大きな広場の雪降る景色。
置くには建設中のエッフェル塔。
人々は身を屈め、静かな道を急ぎます。
うん、「蒲原」
でもこの作品、さらに「蒲原」っぽいんです。
「蒲原」はもともと雪のほとんど降らない地。
それなのに広重は雪景色を描きました。
そして広重が訪れたのは夏。
なぜ、夏に訪れた蒲原を雪景色で描いたのか、と謎が残る作品なのです。
ではリヴィエールの作品。
工事中のエッフェル塔、第一テラスまでしか完成していません。
これは1888年6月のこと。
なぜ、6月の景色を雪景色で描いたのか。
リヴィエールが"蒲原に雪は降らないのに広重は雪景色を描いた"などということは知らなかったと思いますが。
偶然ってすごいものです。
「エッフェル塔三十六景より ノートル・ダム寺院より」
ガーゴイル越しに見えるエッフェル塔。
手前にノートル・ダム寺院のガーゴイルが大きく描かれ、エッフェル塔ははるか遠くなのですが。
パリの景色としてエッフェル塔が馴染んでいます。
「エッフェル塔三十六景より セーヌ川のパリ祭り、7月14日」
7月14日、フランス革命記念日のお祭りの日。
この日は花火が打ち上げられるのですが、描かれているのは花火ではなく、エッフェル塔の頂上を囲む強い光。
下を流れるセーヌ川にはたくさんの舟が浮かび、人影が描かれています。
そこには日本式の提灯も吊るされ、光を放っています。
なんだか隅田川の花火を舟から見上げる人を描いた浮世絵に似ています。
にぎやかで楽しそうな雰囲気です。
原在中「一品富朝図」
並みの上を飛ぶ鶴、背景に大きな赤い太陽。
なんともめでたい雰囲気満載の作品。
唐の最高位の文官(一品)の装束は仙鶴の模様を織物にしたもの。
鶴は最高官史の意味なのです。
そして朝は朝廷のこと。
音読みが"潮"と一緒のため波が描かれたそう。
波と鶴は政務の要職に就くということを意味するそうです。
とってもおめでたい、出世の絵ですね。
菱田春草「亀」
とっても小さな亀がびっしり描かれた作品。
かわいいような怖いような。。
淡い色使いで丁寧に描かれ、これまた正月に見るに相応しいめでたい作品。
その隣にあったのが、横山大観「寿老人」と下村観山「鶴」
春草の夭折を悼み、春草の遺墨に合わせて描いたそう。
どこの3つが揃うとめでたさがあがります。
鳥居清長「詠歌弾琴図」
無背景の中に描かれるのは2人の女性。
一人は薄い灰色の地の着物に淡いピンクの桜が施された着物を着る琴弾く女性。
もう一人は短冊を手に思案する、えんじ色に菊模様の着物を着た女性。
肉筆美人画の代表作です。
無背景なのに華やかな空気が漂うっていて幻想的な雰囲気もあります。
といった感じです。
日本画、洋画と様々なものが展示されていました。
若干まとまりがない気が……。
ニューオータニ美術館の自慢のコレクションが並んでいることがおめでたいって感じでしょうか。
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ニューオータニ美術館
会期は2014年1月1日から2014年1月19日。
展示タイトルはずばり「新春展」
ホテルの中にあるとあってか1月1日からです。
会期が短いので急いでスケジュールあけて行ってきました。
ジャン=フランソワ・ミレー「田園に沈む夕陽」
沈みゆく太陽の柔らかな光が、雲の合間から草原に漏れ落ちています。
太陽の光が雲の隙間から虹色のように輝く不思議な現象をとらえた作品。不思議な現象
モーリス・ド・ヴラマンク「雪景色」
荒れた空に輝く月、冬枯れの木、わだちに汚れた道。
白く輝くような雪景色ではありません。
勢いある大胆な筆使いが印象的です。
モイズ・キスリング「ハンモックの婦人」
鮮やかな色彩、滑らかな筆使い。
森の中に吊るされたハンモックに体を委ねる婦人は服の赤が印象的です。
モーリス・ユトリロ「オニヴァルのムーラン・ド・ピエール、ソンム」
爽やかな青空に緑に囲まれた建物。
ユトリロといえば白く無機質な建物を思い出しますが、これは色彩に溢れ、暖かい感じがします。
ベルナール・ビュフェ「カフェの男」
ビュフェらしく縦に長い人物。
縦の線で描かれたカフェは日常の場所のはずなのに、非日常感が漂い、冷たい印象。
アンリ・リヴィエール「エッフェル塔三十六景」
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」のオマージュとし、エッフェル塔の三十六の景色を描いたもの。
ジャポニズムの影響といいますと、モネやゴッホが思い出されますが、こんなところにもあるんですね。
以前にニューオータニ美術館で開催された「北斎とリヴィエール 三十六景の競演」という展示を見ていますが、今回も三十六全て出ていました。
「エッフェル塔三十六景より 建造中のエッフェル塔、トロカデロからの眺め」
これは北斎より広重の「東海道五十三次」の「蒲原」に似た印象の作品。
大きな広場の雪降る景色。
置くには建設中のエッフェル塔。
人々は身を屈め、静かな道を急ぎます。
うん、「蒲原」
でもこの作品、さらに「蒲原」っぽいんです。
「蒲原」はもともと雪のほとんど降らない地。
それなのに広重は雪景色を描きました。
そして広重が訪れたのは夏。
なぜ、夏に訪れた蒲原を雪景色で描いたのか、と謎が残る作品なのです。
ではリヴィエールの作品。
工事中のエッフェル塔、第一テラスまでしか完成していません。
これは1888年6月のこと。
なぜ、6月の景色を雪景色で描いたのか。
リヴィエールが"蒲原に雪は降らないのに広重は雪景色を描いた"などということは知らなかったと思いますが。
偶然ってすごいものです。
「エッフェル塔三十六景より ノートル・ダム寺院より」
ガーゴイル越しに見えるエッフェル塔。
手前にノートル・ダム寺院のガーゴイルが大きく描かれ、エッフェル塔ははるか遠くなのですが。
パリの景色としてエッフェル塔が馴染んでいます。
「エッフェル塔三十六景より セーヌ川のパリ祭り、7月14日」
7月14日、フランス革命記念日のお祭りの日。
この日は花火が打ち上げられるのですが、描かれているのは花火ではなく、エッフェル塔の頂上を囲む強い光。
下を流れるセーヌ川にはたくさんの舟が浮かび、人影が描かれています。
そこには日本式の提灯も吊るされ、光を放っています。
なんだか隅田川の花火を舟から見上げる人を描いた浮世絵に似ています。
にぎやかで楽しそうな雰囲気です。
原在中「一品富朝図」
並みの上を飛ぶ鶴、背景に大きな赤い太陽。
なんともめでたい雰囲気満載の作品。
唐の最高位の文官(一品)の装束は仙鶴の模様を織物にしたもの。
鶴は最高官史の意味なのです。
そして朝は朝廷のこと。
音読みが"潮"と一緒のため波が描かれたそう。
波と鶴は政務の要職に就くということを意味するそうです。
とってもおめでたい、出世の絵ですね。
菱田春草「亀」
とっても小さな亀がびっしり描かれた作品。
かわいいような怖いような。。
淡い色使いで丁寧に描かれ、これまた正月に見るに相応しいめでたい作品。
その隣にあったのが、横山大観「寿老人」と下村観山「鶴」
春草の夭折を悼み、春草の遺墨に合わせて描いたそう。
どこの3つが揃うとめでたさがあがります。
鳥居清長「詠歌弾琴図」
無背景の中に描かれるのは2人の女性。
一人は薄い灰色の地の着物に淡いピンクの桜が施された着物を着る琴弾く女性。
もう一人は短冊を手に思案する、えんじ色に菊模様の着物を着た女性。
肉筆美人画の代表作です。
無背景なのに華やかな空気が漂うっていて幻想的な雰囲気もあります。
といった感じです。
日本画、洋画と様々なものが展示されていました。
若干まとまりがない気が……。
ニューオータニ美術館の自慢のコレクションが並んでいることがおめでたいって感じでしょうか。
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