RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

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大浮世絵展 (その1)

2014-01-16 21:30:00 | 美術
見てきました

江戸東京博物館

会期は2014年1月2日から2014年3月2日。

江戸博の2014年初めは浮世絵!!
「大」浮世絵展です。

江戸時代の初期に始まった浮世絵。
世界でも「ukiyoe」で通じるなど幅広い人気を見せています。
歌麿、写楽、北斎、広重などのスター絵師の活躍や、強烈なインパクトを放つ国芳らの登場を経て、小林清親や橋口五葉などの近代の画家に引き継がれました。
今回は、浮世絵研究の成果を世界に発信している「国際浮世絵学会」の創立50周年を記念して、浮世絵の名品を日本国内、そして世界各地から一堂に集めるもの。
誰もが見たことあるような代表的な作品約430点の展示とかなりのボリューム。
(東京会場は約350点の展示)
浮世絵の全史をみれるような、まさに浮世絵の教科書のような展示、とのこと。

"浮世"を初めて絵画の題材として取り込んだ江戸時代初期の風俗図屏風を始めとし、菱川師宣の初期浮世絵から、歌麿・写楽が登場した「黄金期」、北斎・広重・国芳が活躍した「展開期」、そして文明開化に沸く明治時代の新聞錦絵、橋口五葉が描いたモダンな女性まで、時代を追って展示されています。
全部で6章。
1回で書ききれないので2回に分けて書いていきます。
今日は1章から3章まで。
「その2」で4章から6章までを取り上げていきます。

《1章 浮世絵前夜》
浮世絵は近世初期風俗画を母胎として、寛文年間(1661~73)を中心に流行した一人立ち形式の寛文美人図を経て生まれます。
ここでは浮世絵の誕生に至るまでに描かれた肉筆画が展示されていました。

「風俗図(彦根屏風)」
国宝です。
近世初期風俗画の傑作とされています。
六曲一双の屏風。
金地に遊里で遊ぶ男女の姿が描かれています。
着物なども丁寧に描かれていますが、そのデザインは当時の最新のものだったそう。
彦根藩井伊家伝来にちなみ「彦根屏風」と通称されるそうです。

「婦女遊楽図屏風」
こちらは二曲一隻の屏風。
松や大きな池のある庭でくつろぐ遊女たちが描かれています。
人物はちょっと硬いというか、自然ではない感じ。

「微笑む美人図・若衆図」
こちらは双幅。
相思相愛の男女を描いたものだとか。
左幅に女性、右幅に男性。
女性の着物は白、男性は黒。
対になるようになっています。
なんだかほほえましくかわいらしい。

《2章 浮世絵のあけぼの》
「浮世絵」という言葉は、延宝9(1681)年刊行の俳諧書『それぞれ草』の句の中に見出せるのが早い例。
その頃には一般化しつつあったと思われます。
最新の流行を描いた浮世絵は肉筆画のみならず、本や一枚ものの版画のかたちでも刊行され始め、地位を築いていきます。
版画は、庶民でも手に入れることのできる身近な絵画。
新興都市"江戸"が生んだ新たなエネルギーでもありました。

菱川師宣「戯れへのいざない」
浮世絵派を確立したとも言える師宣。
この作品は12枚組みの枕絵のうちの1枚。
扇子のような変わった形の紙に描かれています。
若い男性が女性の腰に手を伸ばしている作品。
妖しさとけだるさが漂う作品。
脇には軒に花瓶があり秋の風情を感じさせます。

鳥居清長「上村吉三郎の女三の宮」
歌舞伎に取材したもの。
描かれているのはタイトルどおりになってしまいますが。
描かれている女性と猫が妖しい感じ。
一緒に描かれている柳もしなやかで雰囲気を出しています。

杉村治兵衛「大和風流絵鑑」
風俗絵本。
四季の風俗を描いた墨摺絵に彩色を施しています。
描かれているのは上層町人の風俗。
故事古典を現代風俗にやつして描いています。

西川祐信「衣通姫図」
衣通姫とは日本書紀に登場する絶世の美女。
その美しさは衣を透かして輝いていたとか。
縁先に下がるのは蜘蛛の糸。
これで寵愛を受けていた允恭帝の来訪を衣通姫は知ったそう。
これが絶世の美女か。。
現代感覚で美しいかは分からないけど。。
そういった雰囲気を感じさせます。

奥村政信「武者絵尽」
12枚セットの墨摺絵の1枚。
展示されていたのは「碁盤忠信」
義経の家臣で寝ているところを襲われた際に、碁盤で防いだことからこの名前だそう。
効果線とかはないシンプルな画面ですが、躍動感があります。

奥村政信「新吉原大門口中之町浮絵根元」
吉原の引手茶屋が描かれています。
茶屋の室内は透視遠近法、屋外は伝統技法で描かれているため、なんだか変な感じが。
茶屋の賑わいとその外の静けさが現実的です。

鳥居清長「枕相撲」
吉原の正月かと思われる作品。
3人の遊女が枕をもたれて立てさせ、倒れたほうが負けという枕相撲をしています。
室内は盆栽などもあり華やかです。

《3章 錦絵の誕生》
明和・安永期(1764-81)は、錦絵と呼ばれる段階にまで達した木版多色摺技法の発達により、浮世絵版画が急速に表現の可能性を広げました。
多いときには10色以上の色を重ねる事も可能となり、これまでのイメージとは全く違った浮世絵を展開します。
ここでは、錦絵創始期の第一人者となった鈴木春信、安永期を代表する美人画家である礒田湖龍斎、役者絵界の一筆斎文調、勝川春章などが展示されています。

鈴木春信「見立為朝」
「保元物語」に取材した作品。
柔らかな色が美しい。
源為朝が片手で持つ大きな弓を島民2人にひかせたというエピソードを当世風俗風に描いています。

鈴木春信「雪中相合傘」
これが素晴らしかった!!
すごくよかった!!
多分今まで見た中で一番。
春信の恋の図の最高傑作と言われていますが、その言葉に間違いはない!!
雪の降る中、柳の木の下を相合傘で歩く男女。
傘の柄に添えられた互いの手。
女性を見つめる男性と、目を伏せ男性に寄り添う女性。
きゅんきゅんする~!!!
反則や~。
惚れてまうやろ~。(誰に!!??)
男性は黒い着物、女性は白い着物と対比も美しい。
袖からチラリと見える着物の内側の色もいい。
そして、これ、技術的にも素晴らしいもの。
刷りと彫りのテクニック。
着物の模様は空刷り、傘の上の雪はきめ出し。
全体的にやわらかい印象です。

一筆斎文調「3代目松本幸四郎の曽我五郎」
竹林を背景に片手に刀を持ち、挑むような姿の松本幸四郎。
色の対比も美しいです。
第3章あたりからは色彩が豊かになってきました。

北尾政美「江戸両国橋夕涼之景」
両国橋の夕涼みといったら花火。
空に浮かぶ花火は「ひょろり」といった表現が相応しいちょっとひょろっとにょろっとした花火。
多くの人で賑わう岸は花火を楽しむ様子が伝わってきます。
川に舟を浮かべ楽しむ人も。

北尾重政「桜川の茶屋」
桜川は、芝愛宕下薬師堂の茶屋。
パイプを吸う女性客と、茶を汲む茶汲み女の2人が描かれます。
落ちついたえんじ色の着物がいい色です。
全体的に同系色でまとめてあります。

93勝川春章「遊女と燕」
描かれているのは引手茶屋に客を迎えに来た遊女。
そこを飛ぶ2羽の燕。
着物の柄の表現がすごいです。
繊細。
吉原の春が情緒豊かに描かれています。

「その1」はここまで。
なかなかボリューム多く、また人も多いため時間がかかります。
「その2」も注目の作品ばかり。
頑張って書いていきます。



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