RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

富士山の浮世絵

2014-01-21 21:30:00 | 美術
見てきました

太田記念美術館

会期は2014年1月3日から2014年1月26日。

2013年6月、世界文化遺産に登録された富士山。
登山客が殺到し人気の高い富士山ですが、江戸時代も人気で多くの絵師によって描かれてきました。
今回は、広重を中心に、北斎や国貞、英泉、清親などの浮世絵師たちが描いた富士山が展示されています。

《Ⅰ-1 富士山の見える場所 ~江戸市中》
空気が綺麗で高い建物が少なかった江戸時代。
富士山は今より見えるものでした。
そして江戸の景色にかかせないものでもありました。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 東都浅草本願寺」
青が綺麗で印象的な作品。
東本願寺の屋根越しの富士山です。
その構図も面白い。
凧が上がっていますが、その高さにも驚きです。

歌川広重「江戸名所 日本橋」
橋を渡る人々が橋の上から遠く富士山を眺めています。
富士山の手前には江戸城もあります。
振り売りなどもいて橋上は賑やか。
空は上部が赤く、下に行くにつれ青に。
清々しいです。

歌川広重「東都名所 日本橋雪中之景」
辺り一面雪に覆われ真っ白。
富士山は白抜きで表現されています。
色彩も少なくシンプル。

歌川広重「冨士三十六景 東都両ごく」
川に架かる橋。
手前にいる女性はこれから舟に乗ろうかというところ。
涼をとるのかな。。
橋の向こうには富士山が描かれています。
舟から富士山を眺めて過ごすなんて、贅沢。
柳のそよぐ様子も爽やかです。

《Ⅰ-2 富士山の見える場所 ~東海道》
江戸市中以外にも富士山が見えるところ。
東海道。
道中に富士山を見ることは旅の醍醐味でした。

歌川広重「東海道五拾三次之内 原 朝之冨士」
早朝の富士山です。
女性2人が宿を発ったところでしょうか。
富士山を眺めています。
朝日に染まりほんのり赤い富士山。
江戸市中よりずっと大きく富士山が描かれています。
枠からはみ出るほどです。

歌川広重「冨士三十六景 東海道左り不二」
大きな松の木がある道を富士山を眺めながら歩く旅人。
奥には田植えをする地元の人も。
ここでは富士山は旅人の左側に描かれています。
江戸から京へ向かうとき、富士山は常に右側。
ですが、吉原あたりで道が大きく曲がるため、左側に来るときがあります。
それが"左富士"
東海道の名所の一つです。

《Ⅰ-3 富士山の見える場所 ~日本各地》
江戸市中、東海道以外にも富士山の見える場所はありました。
東は千葉、西は三重、北は長野。。
それらは実際のサイズより大きく描かれていることも。
日本の景色に富士山が浸透していたことが伺えます。

歌川広重「冨士三十六景 伊勢二見か浦」
二見ヶ浦の夫婦岩が手間に描かれ、そのはるか向こうに富士山が。
今回展示されている作品の中で一番遠いところにある富士山だそう。
実際にそこから富士山を見ることは可能だそうですが、実物より大きく描かれているとのこと。
それってかなり小さいぞ。。。

歌川広重「冨士三十六景 駿河三保之松原」
三保の松原は富士山とともに世界遺産に登録された場所。
天女の羽衣伝説の残る場所です。
手前に松林の砂浜があり、奥には大きな富士山。
空は薄い黄色。
三保の松原は先ほどの夫婦岩と違って富士山に近いので、大きく描かれていても何ら問題はありません。笑
雄大です。

《Ⅱ 富士山を描いた絵師たち 7人の絵師》
富士山は様々な絵師によって描かれてきましたが、ここでは7人の絵師の描いた富士山を取り上げています。
なんだか"七人の侍"みたいでかっこいいな。笑
刀を絵筆に代え、戦っているのです。(←何と!??)

葛飾北斎「東海道五十三次 金谷」
「東海道五十三次」といえば広重のシリーズ物が有名ですが、実は北斎は広重より30年近く早くにこの画材に取り組んでいました。
7種のシリーズを刊行していることから人気があったことが伺えます。
ただ、広重が景色を描いたことに対し、北斎は旅人をメインに描いたもの。
ピンクの雲に黄緑の草などなかなか色鮮やか。
この図では富士山が大きく、旅人は小さい。。
富士山の雄大さが伝わるようになっています。

渓斎英泉「江戸八景 芝浦の帰帆」
手前には大きな帆をはる舟。
その奥に富士山。
構図がおもしろいです。
何気ない日常にも富士山が景色としてあるんですね。
爽やかな印象。

歌川広重「冨士三十六景 駿河薩夕之海上」
葛飾北斎が亡くなった後、広重が初めて手がけた富士の連作。
波の合間から見える富士山という構図は「神奈川沖浪裏」に似ています。
手前の波は激しいけど奥には舟も見えるので穏やかな日なのかな。。
広重は”北斎の富士山は構図の面白さに偏り過ぎているが、自分の富士山は見たままの情景を描いている"と述べたことも。
これは亡くなった北斎への挑戦状か、追悼の意か。。
なかなかおもしろい作品です。

歌川国芳「東海道五拾三駅 三宿名所 原・吉原・蒲原」
国芳の風景画とは珍しい。
東海道の風景を題材としたシリーズもの。
原、吉原、蒲原の3つの宿を一枚の絵の中で俯瞰的に眺めています。
うーん、ちょっと無理があるような。笑
原と吉原は比較的近いけどなぁ。。
手前に旅人、富士山は中央奥に、そこに向かうかのように伸びる道。
おもしろい作品ではあります。

歌川国貞(三代歌川豊国)・歌川広景「東都冨士三十六景 永代橋」
5人目として紹介されていたのが歌川国貞。
ここで2人の連作だと、7人の絵師じゃなくて8人の絵師じゃん!!となってしまいますが。。。
歌川国貞だけが描いた作品だとなんとなくひっかからなくて。。
これは国貞が歌舞伎役者、広景が景色を描いたもの。
国貞、、富士山描いてない・・・。笑
艶やかな着物を着た男女が大きく手前に描かれ、遠くに富士山。
富士山は輪郭線なく描かれ、遠くにかすんでいる様子が伺えます。

小林清親「江戸橋夕暮冨士」
大好き、清親!!
って清親作品のときに必ず書いている気が。。
江戸橋のたもとから富士山を望んだ光景。
日が落ち始め辺りは薄暗くなっています。
富士山はシルエットで確認できます。
手前の人物もシルエット。
ガス灯の灯りが近くの松の木を明るく照らし、光と影が美しい作品です。
夜の迫る微妙な明かりを絶妙な感覚で表現。
やはり清親は素晴らしいと惚れ惚れする作品です。

尾形月耕「富士見西行」
この人の作品、多分、初めて見ました。
生涯、師に付かず、谷文晃や菊池容斎などに私淑。
作画期は明治から大正。
この作品は道に座り込む西行。
向かいには富士山、、ってほとんど見えません。
少しだけ輪郭が描かれているだけ。
富士山の大きさを感じます。

尾形月耕「松に猿」
松の木で遊ぶ猿たち。
背景に大きく白い富士。
胡粉でも塗り重ねてあるのかな、、富士山は膨らんで立体的になっています。
とても日本画的。
これらの作品は明治36(1903)年ごろの作品だそう。
少ない色彩で描かれていますが、とても的確で美しい作品です。
ちょっと興味持ちました。
今後、この作家に注目したい。

以上です。
展示数は少なめでしたが、大好きな清親も見れたし、何より新しく興味ある作家を発見できたことが嬉しい。
今後の展示も楽しみです。



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DANCE TO THE ONE

2014-01-20 21:30:00 | 日常
見てきました

Bunkamura オーチャードホール

久しぶりに舞台見てきました!!!!!
母親の希望でタップダンス。
何年か前から「タップダンスを見てみたい」と言われていたのですが、なかなかいい公演がなく。
正月に帰省した際に「こんなのあるんだって」と母親に言われすぐにチケット購入。
タップダンス、見たことないので楽しみにして行ってきました。

今回は熊谷和徳さんという方の公演。
私は初めて知ったのですが、母はテレビなどで知っていた模様。
仙台生まれで15歳でタップを始め、19歳で渡米。
NYではダンス雑誌などでも取り上げられ、「観るべきダンサー25人」のうちの1人に選ばれたり、「日本のグレゴリー・ハインズ」と評されたりなどなど。。

ステージはおしゃれな雰囲気でした。
もうどきどき。
始まったときの胸の高鳴る感じはどんな公演でもありますが、いいですね~。
あれを常に感じられる人生を送りたい。

シンプルでした。
とても。
タップの音が響く響く。
あれだけ大きなところでやるってことは音響どうなのかな。。
マイクとか靴にしていたのかな。。
それぐらい大きくはっきり聞こえたので。

ステージの雰囲気、よかったな~。
NYの様子が感じられる現代的な部分があり。
幻想的な部分もあり。

一緒に出ていた女性ダンサーMichelle Dorranceさんも素敵でした。
そしてパワフル。
女性のタップダンサーであそこまでできるのか、とびっくり。
かっこよすぎて彼女のファンになりました。

映像も素敵だな~と思っていたらカヒミ・カリィさんがアートディレクションに参加。
2人が夫婦ということ、初めて知りました。。
というか、ほとんどまったく2人のことを知らなかった。。。。。笑

音楽も生演奏ですっごくすっごく良かった。
すべてのプロフェッショナルが力を注いでいる、ということがシンプルに力強く伝わってきて、とてもいい公演でした。
タップダンス、面白い!!
誘ってくれた母親に感謝です。

もらったチラシを見ていたら。
KAZ TAP STUDIOって中目黒にあるそうです。
近い!!
仕事帰りに行けるじゃん!!
休日にも行ける!!
この公演を見た人は無料で1回レッスン受けられるそう。。
ちょっと行ってみたいな。。
でも、、、
おもしろそうだな。
でも、、、、、
人見知りはこうゆう時に困る!!!!!
期限は2月末までなので迷い続けるのでしょう。。。

母親からは
「前から見たかったので夢が叶いました」
「次はどんなのがいいかしら」
とのメール。
うん、、、いろいろ観ていきたい!!!



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江戸土産

2014-01-19 21:30:00 | ミュージアムショップのお菓子たち
さて、江戸博「大浮世絵展」のお土産です。
今回は写真の2つを購入しました。


菱川師宣「見返り美人図」の美人さんの着物の柄のティッシュケース。
ポケット付きですので、私は絆創膏入れてます。
今まで使っていたのが薄汚れてきていたので。。
華やかで可愛らしいです。
680円ぐらいでした。
この模様の巾着に入った金平糖も販売されていました。
こちらも可愛らしかったです。
(買わなかったけど。)




創業文化元年(1804年)の銀座松煎餅さんの瓦せんべい。
なんと、浮世絵のイラスト入り。
歌川国芳の猫に「相馬の古内裏」の骸骨。
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」から「神奈川沖浪裏」と「凱風快晴」
東洲斎写楽の市川蝦蔵に広重の雁など。

食べるの、もったいない気がする。
気がするだけですが。
瓦せんべい好きなので。笑
1575円でした。
お土産で買って、一緒に行った人とお家で展示を思い出しながら食べても楽しいかもしれません。
私は一人で行き、一人で食べますが。笑



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東海道五拾三次-江戸の旅事情 お伊勢参りと物見遊山-

2014-01-18 21:30:00 | 美術
見てきました

江戸東京博物館

会期は2014年1月2日から2014年2月2日。

常設展示室での特集展示になります。
新年でおめでたい感じに飾られていました。
今回は「東海道五拾三次」
江戸時代に本格的な整備が行われた東海道。
江戸と京都を結ぶ街道沿いに53の宿場が置かれ、最も重要な交通路となっていきました。
江戸時代後期には武士や町人、農民など様々な人が、老若男女を問わず伊勢参りなどで東海道を旅するようになります。
こうした旅の流行をうけ、地誌的な関心も高まって、「都名所図絵」や「東海道名所図絵」といった、ガイドブックの役目を果たした名所図絵等が版行されていきます。
また、十返舎一九の書いた「東海道中膝栗毛」は、弥次さん喜多さんの珍道中もあってか、ブームの火付け役に。
東海道を描いた浮世絵も次々と出版され、なかでも歌川広重の保永堂版「東海道五拾三次」は大ベストセラーに。
今回はこの、保永堂版「東海道五拾三次」のほか、葛飾北斎が描いた東海道の俯瞰図をはじめ、風景・宿場・自社・一里塚など街道情報満載の「東海道絵図」や当時の旅道具、伊勢参りに関する資料などもあわせて展示されています。

以前に保永堂版はサントリー美術館でも見ています。
(殿様も犬も旅した 広重・東海道五拾三次 -保永堂版・隷書版を中心に-)

撮影可能でしたので写真掲載していきます。
さっそく日本橋から出発です。




「東海道五拾三次之内 日本橋 朝之景」「日本橋 行烈振出」
こちらは複製です。


「東海道五拾三次之内 三島 朝霧」
あっというまに静岡県。笑
この作品、メイン以外の背景がシルエットで表現されているところが好き。


「東海道五拾三次之内 吉原 左冨士」
わ~お、実家が近くなってきた。笑
海沿いを西に向かう東海道で富士山は右手に望むが、吉原宿の手前では左側に見える。
馬上の子供たちがそれを見ようと顔を左に向けています。




「東海道五拾三次之内 蒲原 雪之夜」
こちらも複製。
蒲原大好きってことは以前にも書いているので省略。
上が初刷りです。


「東海道五拾三次之内 鞠子 名物茶店」
鞠子名物、とろろ汁。
「東海道中膝栗毛」の中で、弥次さん喜多さんは食べ逃してしまいましたが、ここに描かれている男性はかきこんでいます。


「東海道五拾三次之内 御油 旅人留女」
辺りが暗くなり始めた宿場で自分の旅籠に旅人を泊めようと必死で客引きをする女。
荷物ごと引っ張るその様子は必死というか犯罪レベル。。。笑


「東海道五拾三次之内 鳴海 名物有松絞」
鳴海宿の中心から一里半ほど手前。
街道沿いにある有松絞りのお店を描いています。
江戸時代には尾張藩の特産品として保護されました。
店先にはたくさんの反物が詰まれていますが、気になるのは手前のお店。
暖簾をよくよく見てみると。

四角のなかにカタカナで「ヒ」
広重の「ヒロ」をデザイン化したもの。
なんか、かっこいい!!!


「東海道五拾三次之内 四日市 三重川」
この図は有名かな。
風で飛ばされ勢いよく転がる笠を追いかける男性。
三重川沿いの突風の瞬間を切り取った作品。


「東海道五拾三次之内 関 本陣早立」
大名や身分の高い人が宿泊する本陣の朝早い出立の様子を描いています。
ここで気になるのは提灯や幔幕。
よーく見ると。

なんだこれ。。
広重の父方の実家は「田中さん」
そう、「田中」をデザインしているのです。
かっこいいぞ!!!!!


「東海道五拾三次之内 京都 三條大橋」
京都へ到着です。
橋の向こうに見えるのは京の町。
長い長い旅も終わりです。

他には東海道関連で葛飾北斎による「東海道名所一覧」も。

細かい。。

また、もう一つ、注目の作品がこちら。

「三保松原図」
伝歌川広重(安藤徳太郎)
広重が10歳のときに描いたとされる作品。
初公開です。
幼少期から絵を描くことが好きだった広重は15歳で歌川豊広門下に入ります。
それよりも前の作品ということですから、かなり興味深い。。

広重の遺言書なんかも展示されていて、小さいながらにおもしろい展示でした。

江戸博の企画展示室入り口付近にありました。
企画展示は「大浮世絵展」です。
どちらもおすすめですが、一緒の日に見たときの疲労はかなりのものでした。。笑



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大浮世絵展 (その2)

2014-01-17 21:30:00 | 美術
見てきました

江戸東京博物館

会期は2014年1月2日から2014年3月2日。

その1」で第1章から第3章までを書いたので、今日は残りの第4章から第6章を書いていきます。

《4章 浮世絵の黄金期》
浮世絵の黄金期は18世紀の後期を中心とした頃。
この時代に制作された浮世絵は、江戸の長い風俗画の歴史の中でもひときわ目立ちます。
優れた絵師が続々と輩出され、錦絵版画全盛の浮世絵の黄金期となりました。
この時期、美人画や役者絵は大型化し、さらに浮世絵の人気を高めました。
美人画の鳥居清長、青楼の絵師と謳われた喜多川歌麿、短期間の活躍で役者を残した東洲斎写楽、浮世絵界を席巻する歌川派を主導した歌川豊国、その門人たち。。
これらが展示されています。

鳥居清長「雛形若菜の初模様 あふきや内 遠路 里次 浦次」
早期の本格的な大判錦絵シリーズ。
雛形とは見本帳で、若菜初模様は正月に初めて着る着物の柄。
これは新作着物を描いたもの。
ファッション雑誌的なものなのです。
すらりとした遊女と禿2人。
着物が艶やかで新年に相応しいです。

鳥居清長「美南見十二候 六月」
品川は吉原よりも気楽ということでくつろいだ様子が見て取れます。
海を見渡せる室内で男女が様々なポーズをし、のんびりしています。
全体的に青く爽やかな印象です。

鳥居清長「大川端夕涼」
八頭身のスタイルのいい美人たちが大川端で夕涼みをしています。
清長は部屋の中に描かれていた女性たちを外に登場させました。
川からの涼しい風を感じられる作品。

鳥居清長「吾妻橋下の涼船」
大判3枚の作品。
納涼楽しむ男女の姿が描かれています。
手前の料理舟では江戸っ子の大好物、かつおが捌かれています。
船で納涼しながらかつお食べるとか楽しそうでいいなぁ。。
私も夏にやってみたい。。気がする。。。
左の女性の着物の袖が風でなびく様に季節を感じます。

喜多川歌麿「難波屋おきた」
これ、大注目の1枚。
両面に刷られている大変珍しい作品なのです。
私も初めて見たよ。
描かれているのは寛政三美人の一人、難波屋おきた。
有名ですな。
彼女の全身の姿の正面が片面に、その反対側に後姿が刷られています。
前と後ろで寸分違わぬ刷りの技術はため息もの。
前を見て、後ろを見て。
ぐるぐる何度も見てしまいます。

鳥居清長「駿河町越後屋正月風景図」
日本橋、駿河町の通りの景色。
道の両側には呉服商の越後屋。
大きな門松が飾られ正月のめでたい雰囲気が出ています。
道の向こうには富士山が真正面に。
この作品は越後屋の依頼で描かれたものと推測されているようです。
所蔵は三井記念美術館。
ですよね~。

喜多川歌麿「青楼十二時 続 子ノ刻」
吉原の遊女の生活を描いたシリーズ物。
フランスの個人所有だったものですが、最近日本が買い戻しました。
着物、髪飾りの鮮やかさが見事です。
保管状態の良さもうかがい知れます。
遠い国で大切にされていたんだね。。。

喜多川歌麿「画本虫撰 下」
版元は蔦谷重三郎。
歌麿のほかにも写楽を手がけるなど、江戸時代の名プロデューサーです。
(蔦谷重三郎についてはこちらの記事もどうぞ→「歌麿・写楽の仕掛け人 その名は蔦屋重三郎」サントリー美術館)
これは虫を描いた作品ばかりが並んでいる本。
珍しい。。
非常に細やかで歌麿の観察眼と画力に驚きです。

喜多川歌麿「当時三美人 冨本豊ひな 難波屋きた 高しまひさ」
先ほど、おきたさんだけの作品がありましたが、寛政三美人が揃った作品です。
浮世絵の女性ってどれも同一人物なんじゃないかってぐらい同じ顔に見えますが、これを見ると3人とも描き分けられています。
目の形や眉、鼻筋なんかは分かりやすいかも。
うーん、、難しい。。。

喜多川歌麿「錦織歌麿形新模様 白打掛」
墨の線を極力なくそうとし、色の面だけで表現された作品。
黄つぶしの地、淡い紅色と緑色の組み合わせがとても美しい。
優美な印象です。

東洲斎写楽「3代目市川高麗蔵の志賀大七」
写楽デビュー作28枚のうちの1枚。
刀の柄を握る手に力がこもっています。
これまでの作品と違い、上半身だけを大きく取り扱ったことにより表情の迫力が増した気がします。

東洲斎写楽「市川蝦蔵の竹村定之進」
この作品、江戸博的には重要な作品でしょう。
江戸博のロゴマーク。
これはこの作品の左目をもとにデザインされたもの。

うん、下にこの作品があるけれどそっくり!!
大げさに表現された表情もおもしろい。

175勝川春英「2代目中村野塩の腰元お軽」
無背景のねずみつぶしに立ち姿。
ピンク色の着物に内側の緑が映えます。
可愛らしい印象です。

《5章 浮世絵のさらなる展開》
19世紀に入ると多くの浮世絵師が登場。
制作される数も増えます。
そして美人画、役者絵という2大分野に風景画が加わります。
色彩はさらに豊かになり、構図も誇張、強調されたものが増えるなどさらなる進化を見せます。
ここでは葛飾北斎が革新し、歌川広重がそれに続いた風景画および花鳥画、また歌川国芳の発想の豊かな作品が展示されています。

渓斎英泉「仮宅の遊女」
仮宅とは吉原が火事で焼けた際の仮営業所。
目の覚めるような青一色の作品。
これはベロ青(化学染料のベロ)を使用したもの。
青一色の濃淡で表現した世界は幻想的でもあります。

菊川英山「両国涼之図」
歌麿より現実的なプロポーションの人物。
料亭の2階で涼む人。
遊女の華やかさがまさに目立ちます。

渓斎英泉「江戸日本橋ヨリ富士ヲ見ル図」
周りをアルファベットのような文字で囲んだ不思議なもの。
日本橋を北西から見下ろした光景です。
江戸城とが見え、遠くには富士山も。
周りの文字の印象からかオリエンタルな感じがします。

葛飾北斎「紫陽花に燕」
紫陽花の花の色の微妙なグラデーションがとっても美しい。
燕は勢いよく描かれ動きを感じます。
こういった作品は新鮮。
でもとっても好き。

葛飾北斎「百物語 さらやしき」
有名なシリーズもの。
これは番長更屋敷から。
井戸から首を出すお菊さん。
その表情はこの世への未練と悔しさでいっぱい、、、、
ということはなく。
なんだか笑っているようなふっとぬけたような表情に見えます。
これは怖くなくなんとなく楽しい作品。

葛飾北斎「百物語 しうねん」
「しうねん」は「執念」
ぐるりと蛇が描かれています。
よく見ると卒塔婆の梵字は顔になっています。
恐ろしい情景は描かれていないけど、静かな恐怖が漂っています。

葛飾北斎「百物語 お岩さん」
お岩さんとは日本で最も有名な幽霊の一人、四谷怪談のお岩さんです。
こちらも恐ろしい感じはなく、全体的にこのシリーズは親しみやすさがあるかと。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 凱風快晴」
これも知らぬ人はいないというぐらいの有名なもの。
朝焼けで真っ赤にそまる富士山です。
シンプルながらに力強さを感じる名作です。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 神奈川沖浪裏」
これも有名かと。
大きな波と船。
その向こうに見える富士山。
ゴッホはこれを見て"あの波は爪だ。船がその爪につかまれているのだ"と言ったとか。
海外にも影響を与えた偉大な1枚です。

葛飾北斎「冨嶽三十六景 甲州三嶌越」
でも、このシリーズなら私はこれが好き。
三島越は甲州から籠坂峠を越え、三島へ抜ける道のこと。
中央には大きな木。
旅人が手を繋いでその木の周りを囲んでいます。
その向こうに見えるは富士山。
優しい色使いでほのぼのとした印象です。

葛飾北斎「墨堤三美人」
墨田川に涼を求めた女性3人。
1人は水に入り、他の2人は縁台に座っています。
水の表現のなんと素晴らしいことか。
まったりとした空気が流れています。

葛飾北斎「端午の節句」
兜に花菖蒲。
艶やかな色使いで細密に描かれています。
北斎が85歳のときの作品。
この歳でもこれほどの作品を作り上げるのか、進化していくのかと驚かされる作品です。

葛飾応為「夜桜図」
暗闇が広がり星が輝く夜。
灯篭の灯りを頼りに一種思案の女性。
灯りに照らされた着物の鮮やかなこと。
紫陽花の花の可憐なこと。
おぼろげに浮かぶ桜の儚げなこと。
明暗、色使いなど全てにおいて美しい。
細かいところまで丁寧でその仕事っぷりに惚れ惚れです。
応為は北斎の三女。
北斎が「美人画は自分より上手い」と言ったほど。
この人の作品、覚えている中では今までに1つしか見たことがありません。
作品数が世界でも数点しか確認されていないという絵師。
太田記念美術館で見た「吉原格子先之図」
光と影の表現が素晴らしかったのです。
驚きしかなかった。
もっと見たいと思っていたから今回見れて嬉しい。
そして、その太田記念美術館で応為の「吉原格子先之図」が再び見れます。
「葛飾応為「吉原格子先之図」-光と影の美」
楽しみじゃ~!!!!!

歌川広重「木曽海道六拾九次之内 三拾弐 洗馬」
空には丸い月。
川には舟が浮かび人影も。
川岸の柳、葦がそよいでいます。
夕暮れが迫っていることをひしひしと、、冷たい風も感じられるような作品。
情緒あります。

歌川広重「名所江戸八景 大はしあたけの夕立」
ゴッホが油彩で模写したことでも有名な作品でこのシリーズの中でも傑作と言われるもの。
降りだした夕立に、傘や蓑をつけて足早に急ぐ人々の姿が描かれています。
橋の向こうはぼやけた景色。
雨の激しさを物語っています。
夕立の一瞬を描きとめる、広重の才能と発想が素晴らしいです。

歌川広重「近江八景之内 比良暮雪」
描かれているのは琵琶湖とその周辺、そして彼方の山。
山が比良山で雪景色です。
濃淡のみで描かれていますが、唯一、琵琶湖だけが青く描かれ美しい。
旅人などはシルエットで描かれ幻想的な感じです。

歌川国芳「八犬伝之内芳流閣」
滝沢馬琴(曲亭馬琴)の「南総里見八犬伝」の大物獲りの場面です。
舞台は利根川に面する3層の物見櫓芳流閣。
ですが、一番上の屋根だけを大きく描いています。
これだけでいかに高所であるか、などを伝えてくる構図は素晴らしい。
迫力があり国芳らしさ満点の作品。

歌川国芳「讃岐院眷属をして為朝をすくふ図」
三枚続きの作品。
画面いっぱいに描かれているのは鰐鮫という想像上の生き物。
うろこの描写が生々しくまた丁寧に描かれています。
こちらの作品も滝沢馬琴(曲亭馬琴)の「椿説弓張月」に取材したもの。
画面下方には白抜きの天狗。
行く手を阻まれた為朝一行を救うべく、讃岐院(崇徳上皇)が遣わしたもの。
白抜き天狗が目立ちます。

春好斎北洲「3代目坂東三津五郎の大判事清澄 4代目嵐小六の久我之助 3代目中村松江の娘ひな鳥 3代目中村歌右衛門の後室狭高」
歌舞伎役者が3人描かれている作品。
なぜこれを撰んだか。
目です。
なんだか不安感があるのです。
怖いのです。。。

《6章 新たなステージへ》
幕末から明治維新。
混乱の時代の中、浮世絵師も描く主題を模索し、迷走しました。
が、素晴らしい絵師は生まれています。
歌川国芳の門人である月岡芳年や西洋画を学んで独習したと伝えられる小林清親。
また大正から昭和にかけて、版元渡辺庄三郎による新版画の試みが登場。
橋口五葉や伊東深水、川瀬巴水などが活躍し、時代とともに変化していきます。

落合芳幾「東京両国川開之図」
花火が上がりそれを眺める人々。
「東京」と書かれた提灯。
「江戸」から「東京」に変わったときの様子です。
にぎやかで華やかで艶やか。
色使い多くて目が疲れる気もしますが。。笑

月岡芳年「東京名勝高輪 蒸気車鉄道之全図」
明治5年、新橋・横浜間に鉄道が開通するのに先んじて描かれたもの。
なので若干突っ込まずにはいられないのですが。。
橋の上から汽車を眺める人も汽車に乗る人洋装で華やかに着飾った人々が眩しいくらい。
たくさんの色で華やかです。

月岡芳年「奥州安達がはらひとつ家の図」
猿轡を噛まされ、半裸で逆さ吊りにされた妊婦とその下で刃物を研ぐ老婆。
恐ろしいこの作品、過去にも見ていてストーリーはそちらに詳細を書いているのでご参照下さい。
あ、手抜きじゃないよ!!
(記事はこちら→「没後120年記念 月岡芳年 (後期)」太田記念美術館)
なんど見ても恐ろしいのですが、平然と咲く夕顔が怖さを増しているようにも感じます。

小林清親「日本橋夜」
大好き、清親。
ガス灯の明かりでぼんやりと夜に浮かぶ日本橋。
そこを歩く人々はシルエット。
レトロな明かりが作り出す幻想的な光景です。
いいね、清親。
この作品、何度も見たことあるけれど、何度見ても好きだ。

楊州周延「千代田の大奥」
カルタに興じる女性たちが描かれています。
江戸城、、別名、千代田城。
その大奥の年中行事やそこで暮らす女性たちの姿を描いたシリーズもの。
こちらにも新しい時代が忍び寄っている様子が見えます。

楊州周延「欧州管弦楽器合奏之図」
洋装の男女が部屋の中で合奏をしています。
中央には楽器を引く人々、左端に歌う人々が描かれています。
部屋のなかの絨毯や幕など細かなところまで描かれ、その流行を知れます。
皆、洋装でその色使いは華やかです。
月と桜が見えるところに日本的な情緒を感じます。

橋口五葉「化粧の女」
ここまで来ると浮世絵というより大正モダンに入ってきます。
地は雲母潰し。
鏡を見ながら白粉をつける女性が色っぽいです。
雰囲気あります。

伊藤深水「対鏡」
鏡を見ながら髪を整える女性が描かれています。
白い肌に黒い髪。
なにより目立つ赤い襦袢。
背景には馬簾の跡を残しているのですが、逆におもしろく素敵です。

山村耕花「踊り 上海ニューカルトン所見」
上海ニューカルトンはレストラン、映画館、ダンスホールなどを備えた娯楽施設。
華やかな服装でカクテルを飲む女性が描かれています。
これぞ「モダン」といった感じです。

川瀬巴水「日本橋(夜明)」
夜明けのピンク色に染まる雲が印象的。
石造りの日本橋。
水面に映りこむ橋もまた素敵です。

以上、第6章まで見てきました。
とても疲れました。
そして人が多くてびっくり。
本当に有名な作品だらけでまだまだ書きたりないぐらいです。
浮世絵は品質管理などのため展示期間が短いのは知っていましたが。
今回、なんと、8つの期間に分かれています。
見たいものがある方は、HPなどでしっかり確認してから行ったほうがいいかと。
ぜひぜひ見に行ってください。
とってもおすすめです。



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大浮世絵展 (その1)

2014-01-16 21:30:00 | 美術
見てきました

江戸東京博物館

会期は2014年1月2日から2014年3月2日。

江戸博の2014年初めは浮世絵!!
「大」浮世絵展です。

江戸時代の初期に始まった浮世絵。
世界でも「ukiyoe」で通じるなど幅広い人気を見せています。
歌麿、写楽、北斎、広重などのスター絵師の活躍や、強烈なインパクトを放つ国芳らの登場を経て、小林清親や橋口五葉などの近代の画家に引き継がれました。
今回は、浮世絵研究の成果を世界に発信している「国際浮世絵学会」の創立50周年を記念して、浮世絵の名品を日本国内、そして世界各地から一堂に集めるもの。
誰もが見たことあるような代表的な作品約430点の展示とかなりのボリューム。
(東京会場は約350点の展示)
浮世絵の全史をみれるような、まさに浮世絵の教科書のような展示、とのこと。

"浮世"を初めて絵画の題材として取り込んだ江戸時代初期の風俗図屏風を始めとし、菱川師宣の初期浮世絵から、歌麿・写楽が登場した「黄金期」、北斎・広重・国芳が活躍した「展開期」、そして文明開化に沸く明治時代の新聞錦絵、橋口五葉が描いたモダンな女性まで、時代を追って展示されています。
全部で6章。
1回で書ききれないので2回に分けて書いていきます。
今日は1章から3章まで。
「その2」で4章から6章までを取り上げていきます。

《1章 浮世絵前夜》
浮世絵は近世初期風俗画を母胎として、寛文年間(1661~73)を中心に流行した一人立ち形式の寛文美人図を経て生まれます。
ここでは浮世絵の誕生に至るまでに描かれた肉筆画が展示されていました。

「風俗図(彦根屏風)」
国宝です。
近世初期風俗画の傑作とされています。
六曲一双の屏風。
金地に遊里で遊ぶ男女の姿が描かれています。
着物なども丁寧に描かれていますが、そのデザインは当時の最新のものだったそう。
彦根藩井伊家伝来にちなみ「彦根屏風」と通称されるそうです。

「婦女遊楽図屏風」
こちらは二曲一隻の屏風。
松や大きな池のある庭でくつろぐ遊女たちが描かれています。
人物はちょっと硬いというか、自然ではない感じ。

「微笑む美人図・若衆図」
こちらは双幅。
相思相愛の男女を描いたものだとか。
左幅に女性、右幅に男性。
女性の着物は白、男性は黒。
対になるようになっています。
なんだかほほえましくかわいらしい。

《2章 浮世絵のあけぼの》
「浮世絵」という言葉は、延宝9(1681)年刊行の俳諧書『それぞれ草』の句の中に見出せるのが早い例。
その頃には一般化しつつあったと思われます。
最新の流行を描いた浮世絵は肉筆画のみならず、本や一枚ものの版画のかたちでも刊行され始め、地位を築いていきます。
版画は、庶民でも手に入れることのできる身近な絵画。
新興都市"江戸"が生んだ新たなエネルギーでもありました。

菱川師宣「戯れへのいざない」
浮世絵派を確立したとも言える師宣。
この作品は12枚組みの枕絵のうちの1枚。
扇子のような変わった形の紙に描かれています。
若い男性が女性の腰に手を伸ばしている作品。
妖しさとけだるさが漂う作品。
脇には軒に花瓶があり秋の風情を感じさせます。

鳥居清長「上村吉三郎の女三の宮」
歌舞伎に取材したもの。
描かれているのはタイトルどおりになってしまいますが。
描かれている女性と猫が妖しい感じ。
一緒に描かれている柳もしなやかで雰囲気を出しています。

杉村治兵衛「大和風流絵鑑」
風俗絵本。
四季の風俗を描いた墨摺絵に彩色を施しています。
描かれているのは上層町人の風俗。
故事古典を現代風俗にやつして描いています。

西川祐信「衣通姫図」
衣通姫とは日本書紀に登場する絶世の美女。
その美しさは衣を透かして輝いていたとか。
縁先に下がるのは蜘蛛の糸。
これで寵愛を受けていた允恭帝の来訪を衣通姫は知ったそう。
これが絶世の美女か。。
現代感覚で美しいかは分からないけど。。
そういった雰囲気を感じさせます。

奥村政信「武者絵尽」
12枚セットの墨摺絵の1枚。
展示されていたのは「碁盤忠信」
義経の家臣で寝ているところを襲われた際に、碁盤で防いだことからこの名前だそう。
効果線とかはないシンプルな画面ですが、躍動感があります。

奥村政信「新吉原大門口中之町浮絵根元」
吉原の引手茶屋が描かれています。
茶屋の室内は透視遠近法、屋外は伝統技法で描かれているため、なんだか変な感じが。
茶屋の賑わいとその外の静けさが現実的です。

鳥居清長「枕相撲」
吉原の正月かと思われる作品。
3人の遊女が枕をもたれて立てさせ、倒れたほうが負けという枕相撲をしています。
室内は盆栽などもあり華やかです。

《3章 錦絵の誕生》
明和・安永期(1764-81)は、錦絵と呼ばれる段階にまで達した木版多色摺技法の発達により、浮世絵版画が急速に表現の可能性を広げました。
多いときには10色以上の色を重ねる事も可能となり、これまでのイメージとは全く違った浮世絵を展開します。
ここでは、錦絵創始期の第一人者となった鈴木春信、安永期を代表する美人画家である礒田湖龍斎、役者絵界の一筆斎文調、勝川春章などが展示されています。

鈴木春信「見立為朝」
「保元物語」に取材した作品。
柔らかな色が美しい。
源為朝が片手で持つ大きな弓を島民2人にひかせたというエピソードを当世風俗風に描いています。

鈴木春信「雪中相合傘」
これが素晴らしかった!!
すごくよかった!!
多分今まで見た中で一番。
春信の恋の図の最高傑作と言われていますが、その言葉に間違いはない!!
雪の降る中、柳の木の下を相合傘で歩く男女。
傘の柄に添えられた互いの手。
女性を見つめる男性と、目を伏せ男性に寄り添う女性。
きゅんきゅんする~!!!
反則や~。
惚れてまうやろ~。(誰に!!??)
男性は黒い着物、女性は白い着物と対比も美しい。
袖からチラリと見える着物の内側の色もいい。
そして、これ、技術的にも素晴らしいもの。
刷りと彫りのテクニック。
着物の模様は空刷り、傘の上の雪はきめ出し。
全体的にやわらかい印象です。

一筆斎文調「3代目松本幸四郎の曽我五郎」
竹林を背景に片手に刀を持ち、挑むような姿の松本幸四郎。
色の対比も美しいです。
第3章あたりからは色彩が豊かになってきました。

北尾政美「江戸両国橋夕涼之景」
両国橋の夕涼みといったら花火。
空に浮かぶ花火は「ひょろり」といった表現が相応しいちょっとひょろっとにょろっとした花火。
多くの人で賑わう岸は花火を楽しむ様子が伝わってきます。
川に舟を浮かべ楽しむ人も。

北尾重政「桜川の茶屋」
桜川は、芝愛宕下薬師堂の茶屋。
パイプを吸う女性客と、茶を汲む茶汲み女の2人が描かれます。
落ちついたえんじ色の着物がいい色です。
全体的に同系色でまとめてあります。

93勝川春章「遊女と燕」
描かれているのは引手茶屋に客を迎えに来た遊女。
そこを飛ぶ2羽の燕。
着物の柄の表現がすごいです。
繊細。
吉原の春が情緒豊かに描かれています。

「その1」はここまで。
なかなかボリューム多く、また人も多いため時間がかかります。
「その2」も注目の作品ばかり。
頑張って書いていきます。



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2014-01-15 21:30:00 | 好きなもの
「maruko好みだと思った」
ともらいました。
えぇ、好みです
こういった感じ大好きです




包みを開けたら中にいっぱい。
チョコレートクランチでした。

「1人にしては多くないか」
と聞いたところ、
「この包装のものはこのサイズしかなかった」
とのこと。
ありがたや~、ありがたや~。


チョコレートクランチ、花の形になっているの。
これまたかわいい!!!!!

大事に大事に食べてます



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新春展

2014-01-14 21:30:00 | 美術
見てきました

ニューオータニ美術館

会期は2014年1月1日から2014年1月19日。

展示タイトルはずばり「新春展」
ホテルの中にあるとあってか1月1日からです。
会期が短いので急いでスケジュールあけて行ってきました。

ジャン=フランソワ・ミレー「田園に沈む夕陽」
沈みゆく太陽の柔らかな光が、雲の合間から草原に漏れ落ちています。
太陽の光が雲の隙間から虹色のように輝く不思議な現象をとらえた作品。不思議な現象

モーリス・ド・ヴラマンク「雪景色」
荒れた空に輝く月、冬枯れの木、わだちに汚れた道。
白く輝くような雪景色ではありません。
勢いある大胆な筆使いが印象的です。

モイズ・キスリング「ハンモックの婦人」
鮮やかな色彩、滑らかな筆使い。
森の中に吊るされたハンモックに体を委ねる婦人は服の赤が印象的です。

モーリス・ユトリロ「オニヴァルのムーラン・ド・ピエール、ソンム」
爽やかな青空に緑に囲まれた建物。
ユトリロといえば白く無機質な建物を思い出しますが、これは色彩に溢れ、暖かい感じがします。

ベルナール・ビュフェ「カフェの男」
ビュフェらしく縦に長い人物。
縦の線で描かれたカフェは日常の場所のはずなのに、非日常感が漂い、冷たい印象。

アンリ・リヴィエール「エッフェル塔三十六景」
葛飾北斎の「冨嶽三十六景」のオマージュとし、エッフェル塔の三十六の景色を描いたもの。
ジャポニズムの影響といいますと、モネやゴッホが思い出されますが、こんなところにもあるんですね。
以前にニューオータニ美術館で開催された「北斎とリヴィエール 三十六景の競演」という展示を見ていますが、今回も三十六全て出ていました。
「エッフェル塔三十六景より 建造中のエッフェル塔、トロカデロからの眺め」
これは北斎より広重の「東海道五十三次」の「蒲原」に似た印象の作品。
大きな広場の雪降る景色。
置くには建設中のエッフェル塔。
人々は身を屈め、静かな道を急ぎます。
うん、「蒲原」
でもこの作品、さらに「蒲原」っぽいんです。
「蒲原」はもともと雪のほとんど降らない地。
それなのに広重は雪景色を描きました。
そして広重が訪れたのは夏。
なぜ、夏に訪れた蒲原を雪景色で描いたのか、と謎が残る作品なのです。
ではリヴィエールの作品。
工事中のエッフェル塔、第一テラスまでしか完成していません。
これは1888年6月のこと。
なぜ、6月の景色を雪景色で描いたのか。
リヴィエールが"蒲原に雪は降らないのに広重は雪景色を描いた"などということは知らなかったと思いますが。
偶然ってすごいものです。

「エッフェル塔三十六景より ノートル・ダム寺院より」
ガーゴイル越しに見えるエッフェル塔。
手前にノートル・ダム寺院のガーゴイルが大きく描かれ、エッフェル塔ははるか遠くなのですが。
パリの景色としてエッフェル塔が馴染んでいます。

「エッフェル塔三十六景より セーヌ川のパリ祭り、7月14日」
7月14日、フランス革命記念日のお祭りの日。
この日は花火が打ち上げられるのですが、描かれているのは花火ではなく、エッフェル塔の頂上を囲む強い光。
下を流れるセーヌ川にはたくさんの舟が浮かび、人影が描かれています。
そこには日本式の提灯も吊るされ、光を放っています。
なんだか隅田川の花火を舟から見上げる人を描いた浮世絵に似ています。
にぎやかで楽しそうな雰囲気です。

原在中「一品富朝図」
並みの上を飛ぶ鶴、背景に大きな赤い太陽。
なんともめでたい雰囲気満載の作品。
唐の最高位の文官(一品)の装束は仙鶴の模様を織物にしたもの。
鶴は最高官史の意味なのです。
そして朝は朝廷のこと。
音読みが"潮"と一緒のため波が描かれたそう。
波と鶴は政務の要職に就くということを意味するそうです。
とってもおめでたい、出世の絵ですね。

菱田春草「亀」
とっても小さな亀がびっしり描かれた作品。
かわいいような怖いような。。
淡い色使いで丁寧に描かれ、これまた正月に見るに相応しいめでたい作品。

その隣にあったのが、横山大観「寿老人」と下村観山「鶴」
春草の夭折を悼み、春草の遺墨に合わせて描いたそう。
どこの3つが揃うとめでたさがあがります。

鳥居清長「詠歌弾琴図」
無背景の中に描かれるのは2人の女性。
一人は薄い灰色の地の着物に淡いピンクの桜が施された着物を着る琴弾く女性。
もう一人は短冊を手に思案する、えんじ色に菊模様の着物を着た女性。
肉筆美人画の代表作です。
無背景なのに華やかな空気が漂うっていて幻想的な雰囲気もあります。

といった感じです。
日本画、洋画と様々なものが展示されていました。
若干まとまりがない気が……。
ニューオータニ美術館の自慢のコレクションが並んでいることがおめでたいって感じでしょうか。



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16th DOMANI・明日展 未来を担う美術家たち 文化庁芸術家在外研修の成果

2014-01-13 21:30:00 | 美術
見てきました

国立新美術館

会期は2013年12月14日から2014年1月26日。

何回目かな、Domani・明日展。
文化庁が若手芸術家を海外に派遣し、その専門とする分野について研修の機会を提供する「新進芸術家海外研修制度」
その研修の成果発表の場が、この「Domani・明日展」
これまで、様々なジャンルから選出された作家がその時々の日本の美術の在り様を提示してきました。
16回目の今回は、初めて、「建築」というジャンルを取り込みました。
初の試みとして「未来の家」というテーマで、43名の建築家たちが一つの作品を作り上げるとともに、他ジャンルのアーティスト8名と競演。
撮影可能でしたので、写真とともにご紹介します。

まずは大栗恵さんの写真から。
ここは撮影不可でしたので写真はありません。
でもとっても美しく幻想的な世界が広がっていました。
「Le temps/時」という作品が私は好き。
セピアの窓辺の景色です。
時が止まったかのような、本当に一瞬を切り取った作品。
でも、いまにも動き出しそうなカーテンのはためき。
おとぎ話の中のようでした。

そんな世界にうっとりしつつ次へ行くと。。

な、なんだこれ!??
徳丸鏡子さんの作品たちです。

壁にはこちら。

「鳳凰」
なんて、なんてかっこいいんだ!!!!!
繊細で美しくでも凛とした佇まい。


いい。
よく分からない感じがすごくいい。
私好みです。
これのフィギュア、発売してください。。

続いて。


小笠原美環「Bildung/学」


小笠原美環「Living/生」

この2つがとにかく私好み!!!!!
光の存在感と無機質な感じを受けつつも誰かいるような、そんな感じが大好き。
ただただステキです。
今後も作品を見に行きたい。


こちらは川上りえ「Zero Gravity」
金属の線が無数に垂れ下がる世界。
頭上注意で進みます。

この先は建築家スペース。
全部で28名の出展ですが、気に入ったものを何点か。


松田達
これは可愛らしい。
おもちゃみたいです。
実際の建物でも使われているらしく、行ってみたい。


瀬下淳子
こちら、花みたいに広がるのはよく見かける紙皿。
それをホッチキスで組み合わせているのです。


伊藤廉
コルクの家です。
においがちょっと…笑
暖かい感じはします。

再びアーティストの展示へ。
大野由美子「home」

床に置かれたのはパズル。
なんと靴を脱いで上を歩くことも出来ます。
(裸足不可)
この日、ブーツで行ったから脱がなかったけど。。
てか、パズルの上歩けない。。

こういった形が変わっているところを潰してしまいそうで。。笑

榊原澄人「E in Motion No.2」「E in Motion No.7 -Native Dancer-」「E in Motion No.5 -Webomalogy-」
こちらは映像。
2つの大きなスクリーンに異なったストーリが流れているのですが、おもしろいです。
話の内容はよく分からないけど。。
色彩の強さも絵の感じにあっていてとても美しい。


吉本直子「白の棺」
白いシャツで作られたもの。
不思議です。

ぎっしりと固められています。


土橋素子「Shells」「Fence」
最後です。


上をのぞくとこんな感じ。

といった感じです。
なかなかおもしろく、また気に入った作家さんも発見できました。
ここで未来の大芸術家を発見するのも楽しいかと思います。



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富士山せんべい

2014-01-12 21:30:00 | 日常
実家に帰ったときに購入しました。
富士山せんべい
かわいい

世界遺産にも登録された富士山ですが、その後からやたらグッズが増えた気がします。


前にはこんなのもらったよ。
クリアファイルと付箋。
クリアファイルはよく見ると上から富士山、鷹、なすが描かれています。
一富士二鷹三なすび、と縁起のいいものを並べてあるのです。
かわいい

ちなみに富士山の形の箱に入った大きなサイズもありました
さすがにそんなにいらないから買わなかったけど。。。


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