RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

大江戸と洛中  ~アジアのなかの都市景観~

2014-03-31 21:30:00 | 美術
見てきました

江戸東京博物館

会期は2014年3月18日から2014年5月11日。

見てきました

江戸東京博物館

会期は2014年3月18日から2014年5月11日。

江戸と京都
江戸時代の代表的な都市でしょう。
さて、この大都市を比較したとき、どのような特徴があるのでしょうか。
そして東アジアの大都市と比べたときは?
アジアには都城制とよばれる伝統的な都市づくりがありました。
回廊で囲まれた宮殿を中心に、東西の道を敷設し、周囲に城壁をめぐらす都市。
江戸そして京都はこのアジアの都市設計と関連をもっていました。
今回は江戸そして京都の都市設計を中心に、アジアそして世界を意識した視点で、江戸時代の都市を考えるというものです。

《プロローグ》
まずは江戸時代の列島の都市を見ていきます。
江戸時代は各地に都市が成立。
多くの都市は石垣や水堀で固められた城館を中心として、城下町は街道で結ばれ、城館と街が結びついていました。

「東海道五十三次図屏風」
6曲1双の屏風です。
右隻は江戸城から沼津までを上に、下には浜松から桑名までが描かれています。
左隻は富士山から袋井までを上に、下には三重川から大津まで。
右の上、左の上、右の下、左の下って流れかな。
こまかくその宿場の状況や名物が描かれています。

《1章 世界の都市》
ここには江戸時代に制作された世界地図、そして海外で制作された日本地図などが展示されています。
世界の都市をどのように見ていたか、また日本がどのように認識されていたか、などを見ていくことになります。

「十二都市図世界図」
6曲1双の屏風です。
中央と左右の4曲ずつに世界地図が描かれ、脇に10の都市の鳥瞰図が描かれています。
ストックホルム、アントワープ、プラハなどよく聞く都市があります。
ジェノバがきれいです。
世界地図の日本には富士山と江戸城が描かれていました。
日本のシンボルといえば、この2つ。
それはこの時代から変わらないのですね。
と、いうよりも富士山信仰がより一般的になったのが江戸時代ってかんじかなぁ。

「坤輿万国全図」
1602年に北京で刊行されたものを輸入したもの。
中国で宣教活動をし、明に仕えたマテオ・リッチの「漢訳版世界地図」がもとです。
地図の中央には中国。
そして中国の領土が黄色となっています。
あれ、、日本の近くの某半島が黄色い。。。
そして漢字で"日本海"
うん!!

「新訂万国全図」
文化7年刊行。
日本を中心として描いた最初の世界図だそう。
かなり正確です。
その技術に驚き。
"地中海"など地名も現在馴染みのあるものがけっこうありました。

「日本図」
ポルトガルの宣教師ルイス・ティセラが作図したもの。
ヨーロッパで初めて日本が本格的に1枚の図で紹介されたもの。
うーん、まぁまぁです。。

《2章 洛中への系譜 ~都市の中心と周辺~》
アジアの都市は中国の都市づくりの影響を受けています。
北京やソウル、日本では平城京や平安京。。
碁盤の目の京都はその系譜をひいています。
その歴史的な経緯から、江戸時代においても京都は国内の他の都市と趣が異なっていました。
中心には回廊で囲まれた広場。
建物側面の直線部分を正面とした平入りの宮殿。
そして宮殿の周囲には条坊とよばれる縦横に道が廻らされました。
宮殿と条坊の組み合わせは、アジアの各都市でも、いつの時代にも見ることができた共通事項。
現在残っている中国・朝鮮の都市図はとても少ないそうなので、貴重です。

「大明郡城図 全」
日本橋の須原屋茂兵衛版。
山や川、都市の細かいところまで描かれています。
素晴らしいの一言。

「北京図」
皇城・内城・外城で構成された、伝統的な都城制。
このあたりには似たようなものが続きます。

「箕城図」
城壁をめぐらす平壌の様子が描かれています。
これは本当に貴重だろうな。。。
現在の北朝鮮だって保管しているのだろうか。。。

「洛中洛外図屏風」
江戸初期の京都が描かれた6曲1双の屏風。
御所が中央にあり、右隻には豊臣秀吉ゆかりの方広寺、左隻には徳川の象徴、二条城。
街には歩く人、遊ぶ子供たち、物売。
登城する南蛮人なども。
その時代の様子も見えてきます。

「御椅子」
清涼殿大盤所にあったとされる螺鈿の椅子。
黒柿材で宝相華文様が螺鈿で施されています。
金銅製の金具がつき、かなり豪華。
奈良時代以降の伝統が見える宮廷調度品とのこと。
雅ですなぁ。

「賢聖障子 子・狛犬・負文亀」
紫宸殿内部正面に描かれた賢聖障子9面のうち中央部分となります。
上には亀と波模様。
ちょっと愛嬌のある顔をした狛犬がかわいらしい。

《3章 将軍の都市~霊廟と東照宮~》
ここでは江戸時代の都市計画について。
世界でも屈指の大都市であった江戸。
徳川秀忠、家光が行った拡張工事は大きな画期でした。
都市の中心に堀や石垣を普請し、御殿や天守を建てたことは、武家による都市づくりの特徴でもあります。
しかし、江戸にもアジアの都市に共通する面が。
都市を取り囲む堀を構えたり、東照宮や霊廟など徳川家にかかわる神社や墓域を造営していたり。
これらはアジアの都市づくりの系譜のなかで捉えることができます。
他方、違う点としては、中心に伝統的な宮殿を設けず、城館を据えたこと。
京都とは異なり、武家の本拠となった城館は武威を表現することによって、自らの身分を表現していました。
ここでは江戸という都市について、さまざまな資料が展示されています。

「武州豊島郡江戸庄図」
"寛永図"とも呼ばれるもので江戸を描いた最古の地図。
都市の外縁部を城壁で囲い込む構想ですが、完成していない様子が描かれています。

「正保元年江戸図」
江戸時代初めの江戸の実測図。
かなり詳細が描き込まれています。
こうゆうのを見ると、自分の知っている地名がないか、探してじっくり見てしまいますね。。

「武州州学十二景図巻」
初日が江戸城の天守閣最上層に差し込む様子が描かれています。
赤い光があたり縁起のよさそうな雰囲気。
下層はぼかされ、天空の城のような幻想的さも。
これは焼失した江戸城の天守の姿がわかる唯一の資料とされているそう。

「四時勝景図」
"四時"は"四季"
江戸の名所と年中行事が描かれたもの。
年始の江戸城から始まります。
色もきれいですが、紙もきれい。

「擬宝珠」
江戸常盤橋の擬宝珠が2つ。
ここは江戸東京博物館。
キャラクターは擬宝珠をモチーフとしたギボちゃん。
もうギボちゃんしか浮かんできませんでした。。

このあたりには写真のガラス原板が並んでいました。
江戸の町や人が写され、なんだかとても不思議に感じます。

「江戸城御本丸惣地絵図」
天井に届くような大きな江戸城本丸御殿の平面図。
この御殿1860年に建てられた最後の本丸御殿で、文久3(1863)年に消失し、以後再建されていません
中の様子がわかる貴重なもの。
ただ大きすぎて見るのが大変!!

「武家諸法度」
寛永12年6月21日付のもの。
ということは3代将軍家光のときで参勤交代や500石以上の大船建造を禁止するなどの内容が書かれているのかな。。
読めないけど……
教科書に出てきたものが展示されているとなんだかちょっと楽しい。
あぁ、あれの本物だーって気持ちになって。

「徳川秀忠筆 和歌色紙「有明の」」
2代将軍秀忠直筆の色紙。
古今和歌集の壬生忠峯の歌
"有明の つれなく見えし 別れより あか月はかり うき物はなし"
秀忠は幼少より書道に親しんでいたそう。
藍色の雲紙に草葉を金泥で描いた色紙もきれいです。

「徳川秀忠筆 猿引図」
またまた2代将軍。
猿引きですが、なかなか上手。
これらは"悪魔祓い"、"厄病よけ"などの意味があったそうです。

「紺紙金泥経」
2代将軍秀忠の長女、千姫が父(秀忠)を追善供養した経典。
紺地に金泥の地が鮮やかで美しい。
この組み合わせはかなり好き。
平家納経など紺地に金は毎回目が釘付けです。

「徳川家斉葬列絵巻」
棺を運ぶ人々が描かれているのです。
が、、
うーん、下手。
特に表情が驚きの表現力。笑
絵師ではない人が記録用に描けと言われたのかな。。

「紅葉山東照宮御簾 付 由緒書」
江戸城内にあった紅葉山東照宮で、徳川家康のご神体の前に下げられていたという御簾。
この東照宮は大政奉還の際に撤去されたため、ご神体など由来の品はほとんど見つかっていないそうです。
"江戸城の聖域"を知る貴重な資料、とのこと。
御簾の上部に、中国のめでたい動物である"瑞獣"が。
可愛らしいのです。
そして豪華絢爛。

この先には鎧甲冑一式が展示されていました。
下着まで!!笑
その眺めはなかなか壮観。
鎧などがすごく好きというわけではありませんが、こういった光景を見るのは楽しい。
兜にカマキリのようなものがあしらわれていたり、鯱がいたり、昇り竜がいたり。
個性的です。

《エピローグ ~都市図屏風~》
日本の中心として巨大な都市となった江戸。
同時に列島には京都をはじめとして堺や博多などの大都市があり、大名の拠点となった都市もありました。
これら大名の構えた都市の多くは、江戸と同じように、中心に天守や御殿がありました。
ここでは各地の都市を描いた屏風が展示されています。
"高松"を描いたものは海の青さが眩しく、きれいに並んだ船が印象的でした。
"延岡"は桜咲く景色や舟、城に舞台のようなものまで描かれ、人々の様子までわかりました。
どこも特色があり、おもしろいものでした。

"江戸"という都市を、世界の都市と比較し、相違点を考えるという江戸博らしい展示でした。
今までに見たことのない資料も多く、美術ファンも歴史ファンも楽しめるのではないかと思います。



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ポーラ ミュージアム アネックス展2014 -光輝と陰影-

2014-03-30 21:30:00 | 美術
見てきました

POLA MUSEUM ANNEX

会期は2014年3月14日から2014年4月6日。

ポーラミュージアムアネックス展とは、過去に公益財団法人ポーラ美術振興財団での若手芸術家の在外研修に対する助成において、採択されたアーティストの作品を展示するグループ展。
今年で5回目となります。
"光輝と陰影"をテーマに選ばれた4名のアーティストの作品がずらり。
撮影可能でしたので写真とともにご紹介します。

まずは大成哲さん。

「both of the same」
ガラスで折鶴の工程を表現しています。
1つ折った状態を右に、その折り目を開いたものが左にあります。


すごくキレイ。


「Tha law of conservation of mass No.4」
こちらは紙飛行機、ならぬガラス飛行機。

続いて武居京子さん。

カラフル。


「color#2(Homage of Paul klee)」
たしかにパウル・クレーっぽい。
にぎやかな色彩で空間が明るくなっていました。

続いて米倉大五郎さん。

「A Piece of Waterfall 1」
「A Piece of Waterfall 2」
「A Piece of Waterfall 3」
なんだか、フランシス・ベーコンを思い出しました。


「Forest in the Hole 1」
「Forest in the Hole 2」
雪崩をおこしているかのよう。

最後に柏原由佳さん。

「Flakstad」
幻想的。
そしてなんて私好みなんだ!!笑


「Thousand Years」
美しい。
絵本の世界みたい。


「Petrichor」
こんな景色あったら見てみたい。
どこか遠くにありそうで。。

以上になります。

人も少なくのんびり鑑賞できました。
夜8時までと仕事後でも行きやすい。

おすすめです。



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ネイル

2014-03-29 21:30:00 | ネイル
変えました。

前回変えた後に大掃除をしたため長く持たないだろうな、とは思っていましたが。。。
ぽろっと剥がれちゃうまでは想定内。
水を含んだスポンジでごしごししたからね。
爪に最悪ですよ。。
で、ぶつけて割れてしまったところも。
朝ぶつけてしまってそのまま予約して当日中に行ってきました。笑

春らしく、ピンクとグリーンと黄色を単色フレンチで。
中指と親指はホロでお花を作ってもらいました。

可愛くって春らしい
しかし、ネイリストさんはすごい。

春服欲しいなぁ。。。



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2014年 開幕戦

2014-03-28 23:30:00 | 好きなもの
行ってきました、東京ドーム
2014年シーズンも開幕です。

今年は球団創設80周年の節目。
開幕戦は豪華なセレモニーが!!!


OBらが200人集結。
これまでの裏方さんも今回は招待しているそうです。
なんだかいいなぁ。

OB入場でひときわ大きな歓声が上がったのはこの方。

もちろん長嶋終身名誉監督。
写真がぼけちゃっているのが悲しい。。。


元木と仁志!!
久しぶりに見たな~。
なんか嬉しい、特に仁志。


松井と二岡!!!!


これまでに巨人が手にしたトロフィーや楯を持って入場。
机に置いていきます。

槙原さんもいたし、工藤さんとか堀内さんとかは確認できた!!
ハリさんもいたよ。



みんなバックスクリーンに注目!!

80年の歴史を紹介する記念映画「THE GIANTS」の上演です。
約13分。
歴史のほか、王さん、長嶋さん、松井さんと原監督と阿部選手がそれぞれ語っています。
最後は長嶋名誉監督の「勝つ、勝つ、勝~つ」で締められていてなんだかぐっときた。
みんな、長生きしてね。。。。
なお、ナレーションはリリー・フランキー。
なぜ??と同時になんかすごいぞ、人選。


今年のローザンヌ国際バレエコンクールで優勝した二山さんのバレエとともに、これまでの優勝ペナントが少年たちの手によって入場。
その数22枚。
すごい。
二山さんは将来どこか海外のバレエカンパニーに入るのかな。。。
そしたら来日公演してね!!!!!
見に行きます。


阪神と巨人の選手が紹介され、いよいよ国歌斉唱。
なんとSMAP!!
数年前、中居くんが1人で歌った光景が甦ったのか、「SMAPです」の紹介で場内は軽くざわめき。笑

黒のスーツでびしっと決めた5人はかっこよかったよ。
そして上手でした。
想像していたのが過去の中居くんだったからかなぁ。笑


キャロライン・ケネディ駐日大使の始球式も無事終了。
ジャビット君と歩く豆みたいな生き物はアメリカ大使館のキャラクター"豆夢(トム)くん"
ジェリービーンズから生まれたそうで、アメリカ文学の主人公、トム・ソーヤからだそう。
最初びっくりしたけどなかなかかわいいよ。笑

試合は4点取られた時点でもうダメだーって思ったけど。
能見さんの大乱調もあり。
スタメン全員安打などで12-4で勝利。
ロペスがよく打ったし、新加入の片岡、アンダーソンもよかったなぁ。
いやー、開幕勝つと嬉しい。
というか、見に行った試合で勝つと嬉しい。


試合終盤には新人の小林選手もマスク被りました。
拡大してもイケメン

ヒーローインタビューは菅野と橋本。
橋本選手、回転寿司といわずもっともっと高価なものを大量におごってもらってください。笑
野球が始まって、やっと楽しい季節がやってきた



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ディズニー 夢と魔法の90年展 ミッキーマウスからピクサーまで

2014-03-27 21:30:00 | 美術
見てきました

松屋銀座

会期は2014年3月19日から2014年4月7日。

ウォルト・ディズニー(1901-1966)
言わずと知れたミッキーマウスの生みの親であり、数多くの長編アニメーションを世に送り出した人。
1923年に創業したウォルト・ディズニー・カンパニーは夢の世界を生み続けました。
ミッキーマウスの誕生からおよそ50年後。
ウォルト自身や会社に関する資料を収集・保存する「ウォルト・ディズニー・アーカイブス」が設立されます。
今回の展示はそのアーカイブスが監修。
ミッキーマウスから実写の「パイレーツ・オブ・カリビアン」、また「モンスターズ・インク」などのピクサー作品まで。
90年間に創り出されたアートや小道具類、コスチューム、模型のほか、セル画やフィギュアなどが展示されています。
その数なんと約800点。

混雑を予想して行ってきました。
そして混んでいました。

ディズニーってさ。
好きだよ、たぶん。
ディズニーランドも行くし。
(最後に行ったの3年ぐらい前だけど)
でもさ。
なんか気分が乗らなくて~。
目をキラキラさせている人がいる中、私の気持ちはどんどん冷めていく~。。。
なんででしょう。
セル画を見たりするのはおもしろいけど。
背景を知るのもおもしろいけど。
なんだかだんだんついていけなくなるのです。。。

というわけで、すごく早く出てきてしまいました。。。

うーん、思い返すと。。。
セル画や原画のみならず、貴重なグッズのほか、プリンセスの実際のドレスが展示されていたのはおもしろかったな。
ディズニーランドで使われているものだそう。
「美女と野獣」はミュージカルになっているんですね。
映画見たことないけど。
ミュージカルは見てみたい。
また、ディズニーの環境への取り組みなども紹介されていて、単なるディズニーの展示というより、その企業を知る、といった面が見えました。
東日本大震災で打撃を受けた自然にも協力してくれていて、ありがたい気持ちです。

「夢を求め続ける勇気さえあれば、すべての夢は必ず実現できる。」
かつてウォルトはこう言ったそうです。
まさにウォルトの夢物語の展示、といった様子。

展示のあとには開錠限定のグッズなども並んでいました。
ファンはこちらも必見ではないでしょうか。

展示は撮影禁止です。

これのみ撮影可能でした。



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SANDWICH

2014-03-26 21:30:00 | 食べ物
BLOSSOM&BOUQUETのサンドイッチ。
始まりは1967年と古く、日本初のサンドイッチ専門店だとか。

「海老カツと具だくさん」
なんかも気になったけど。
今回はイチゴとシナモン林檎。
シナモン林檎、空けた瞬間から香りがふわ~と広がります。
幸せの香り



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野口哲哉展 -野口哲哉の武者分類図鑑-

2014-03-25 21:30:00 | 美術
見てきました

練馬区立美術館

会期は2014年2月16日(18日)から2014年4月6日。

1980年生まれの野口哲哉氏の個展です。
"武者分類"と書いて"むしゃぶるい"と読むこの展示。
結論から言うとすごくおもしろかった。
その世界観は衝撃的で武者震いがとまらない展示です。
あんまり書いたものを読んでもおもしろくないでしょう。
ぜひぜひ行って実際に見て欲しい!!
そんな展示です。

さすがにここで終わるとちょっと、、なので印象に残った作品を何点か。
1980年生まれの野口さんはリアルなロボットや怪獣に夢中な幼少期を過ごします。
その後は絵を描くようになりリアルな油彩に夢中に。
それに歴史好きが合流し、このようになったそうです。
小学生のころは「プラモデルが製作できる」と映画監督を夢見たこともあったようですが、友達に「監督はプロデューサーから殴られる」と聞いて断念したそう。
いちいちエピソードがおもしろい。

「作者弐拾四歳寿像」
古めかしい掛け軸に描かれているのは鎧を着てメガネをかけた武士…
野口さんの自画像になります。
手には棒の付いた四角くて青い物体を持っていますが、ガリガリ君とのこと。
クスリと笑えます。

「侍がサントリーへ行く」
こちらも古めかしい、、、なにやら紙切れを持って踊るサムライ。
よく見ると紙切れには「KAZARI」と。。
2008年にサントリー美術館で開催された「KAZARI展」のチケットをもらい、その嬉しい気持ちを描いたそう。
野口さんは美術館や博物館で展示をみることが好きだそうで、その展示されているものの造形や背景から多くを学べるから、とのこと。
私、そこまで考えてないや。。。

「Sprinter」
チラシにも使われています。

このかんじ、、、ピクミン!??

「Rabbit Type」
メモに"おっさん"としか書いてないんだけど。。。
何だったんだろうか。。。

小堀鞆音「平治合戦図屏風」
ここには、野口さんの作品だけではなく、甲冑などを描いた他の作家の作品も展示されていました。
小堀鞆音は甲冑に魅せられ、甲冑の研究をし、描き、自ら甲冑を作り(!!)、それを着用していた(笑)、日本画家。
そんな人が描いた作品だもの、正確じゃないワケがない!!
この作品の近くには甲冑を着た小堀の写真のパネル、また「大鎧着初式併諸家所蔵大鎧之図」というアルバムも。
このアルバム、小堀を中心とした鎧コスプレーヤー達が甲冑に身を固めポーズをとっている記念写真。
みんなポーズ決まってます。
なんか、、、自由に生きていてうらやましいな。。。

今回、野口さんの作品以外に発想の原点となった古今の美術作品も展示されています。
東京国立博物館からも借りているという力の入れよう。
野口さんの作品は古びた雰囲気を出すなど巧妙に作られ、また背景の世界観もしっかりとあります。
侍や甲冑に対する知識も豊富で史実に基づいて世界が"でっちあげ"られているのです。
そのため、本当に実在したものを織り交ぜられて展示されると、野口さんの世界が実は本当なんじゃないかと錯覚してしまうのです。

「Chocolate Armour」
甲冑には腐食防止や美観向上のため漆が塗られたそう。
漆は経年により透明感があがるそうで、朱漆は鮮やかに、黒漆は茶色く変化する傾向だそう。
へー、勉強になるー。
そしてこれは黒漆が茶色く変化したところからチョコレートを発想したもの。
チョコレートの鎧を着たサムライとかファンタジーっぽい。

「Shoulder bag and Sneaker and SAMURAI」
スニーカーを履いてジャーナルスタンダードのショルダーバックを背負ったサムライ。
茶色に補色の緑を使ったスニーカー。
ショルダーバックはアイボリーにオレンジのライン。
色彩が似ているから時代が違っても合うのでは、と考えたとか。
確かに似合っています。

「誰モ喋ッテハイケナイ」
ヘッドフォンをし、目を閉じ、音に聞き入る武士。
このポーズで思い起こすのはあのSONYのCM.
なお鎧の胴具には"不言猿(いわざる)"が描かれています。
誰にも邪魔されない、自分だけの空間ができていました。
これは好きだー!!

その後にスケッチたちが。
武士のイラストや設計図っぽいものなど構想の一端が見え面白い。
そんななか、中央にあるイラスト。
"ぜんぶ雪のせいだ"
"野口哲哉の武者分類図鑑 18日Open"
と。
周りを囲む武士はさわやかな笑顔を浮かべていたり、険しい顔を浮かべていたり。
ちょっとかっこいい。笑
さて。
"ぜんぶ雪のせいだ"
"18日オープン"
この展示、チラシを見ると2月16日から。
しかしその日は都内を大雪が襲った日。
雪のために18日からの開催に変更になったのです。
なるほどなるほど~。
こういったものも描けちゃうユーモアがいいよね!!
私は大雪の日にも「雪ニモマケズ」と謎の根性を出して美術館をまわっていましたが、練馬区立美術館に行ったら鑑賞できなかったんですね。笑

「Flying Humanoid」
「Rain Man」
「Interesting Cloud」
全部好き。
大好き。
それしか書いてない。。笑
とにかく好みだったようです。

「着甲武人自転車乗車出陣影」
こちらは自転車に乗る武士。
うーん、シュール。

「Traveler ~旅する侍~」
「after the rain」
黄色い傘をさして世界を旅する武士。
背景はピエロ・デ・ラ・フランチェスカ「フェデリーコ2世の凱旋」
ヨハネス・フェルメール「デルフトの眺望」
武士、世界を見る。

「Rocket Man」
背中にブースターを背負って空を飛ぶ(正確にはぶっ飛ぶ)サムライ。
見よ、この表情。

このような発想がどこから出てくるのか知りたい。

「武人浮遊図屏風」
頭にタケコプターのようなものを付け空を飛ぶサムライ。
これはいい!!
すごくいい。
表情もあまりないサムライたちが連なって空を飛ぶ図。
欲しい。

「シャネル侍着甲座像」
シャネル紋入りの甲冑を着たサムライ。
チラシにも使われています。

シャネル。
そう、あのシャネル。
シャネルのギャラリーに若手の作品を展示したいとのことで作られたものだそう。
似合うな、シャネルのロゴ。
軍旗とか特に。
シャネル家は紗練家と書くのだそう。
こうゆう細かい設定も面白い。

「着甲武人猫散歩逍遙図」
ネコ好きサムライがネコ耳兜をかぶり、鎧着たネコを散歩させている図。
なんて可愛らしいんだ!!
ネコに魅了されたサムライというテーマも面白い。

「SAMURAI BOX」
小さな木製の箱の中にサムライが入っています。
覗き込んだとき、目があってびっくりしました。
"箱の中に何があるのか気になって覗いてみると、箱の中の物も外に何があるのか気になってこちらを覗き込んでいた、ということはあり得るのでしょうか"
とのこと。
おもしろい。
そして箱にはこんな張り紙も。
"刺激ヲ与ヘナイデ下サイ"
びっくりしちゃうからね。

いや~。
おもしろかった!!
大満足!!
サムライの立ち振る舞いはかっこいいのに、どこかまぬけな印象と哀愁漂う感じが親しみを感じさせるのかも。
最後にお土産も購入です。

"極上鉛人型合金"
ホバリングマンとロケットマンがあるのですが、ホバリングマンは売り切れ。
ロケットマンを購入です。


鉛なのでずっしり重い。


ちゃんと背負っています。
800円。

これ、野口さん自身が彩色したVer.も売っています。
そっちが欲しかったけど、売り切れ&入荷日未定。。。
残念。
そちらは1,500円でした。
"多大な犠牲を顧みず"と書いてありました。笑
たしかに1つずつ作業するのは大変だよね。
なおさら欲しかったー!!!!!

なおこの展示、京都へ巡回します。
アサヒビール大山崎山荘美術館で4月19日から7月27日まで。
関西の人も、ロケットマン、買うチャンスです!!!!!
私も買いに行きたい!!!!!



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MEDIA AMBITION TOKYO 2014

2014-03-24 21:30:00 | 美術
見てきました

東京シティビュー

会期は2014年2月7日から2014年3月30日。

MEDIA AMBITION TOKYO
テクノロジーアートのショーケースです。
アート、映像、音楽、パフォーマンス。。。
16作家による全18作品の展示。
展望台がアートでおしゃれな空間に変わっていました。

まずは入口。

出迎えてくれたのは
IMG SRC/NON-GRID「MAT Flipdots Wall」
ぱたぱたと動いて様々な表情を見せてくれます。
なんだか可愛らしい。
ちょうど"Welcome"と言われ嬉しくなったのでパチリ。


小松宏誠「Lifelog_シャンデリア_2.2」
魔法の美術館」などでも見ていますが、夜の暗さに美しく映えます。
ガチョウの羽で作られたこの作品。
軽やかで動きがあって美しくて。
ずっと見ていられます。


teamLab「世界は、均質化されつつ、変容し続ける」
"通り抜けられます"といわれたけど。。
どう通り抜ければいいの??
大きな大きな球体を押しのけ通ります。

左下に写真撮る私。
かばん持ってスマホ構えております。笑
これぐらい大きいのです。


RHIZOMATIKS「physical presence」
500台限定生産されたレクサスLFA。
その中でも50台のみがサーキット走行用に「ニュルンブルクリンク・パッケージ」としてチューン。
光を残してそのまま進んで行ってしまいそう。
とにかく眩しい、そして音が大きい。
びっくりします。


森脇裕之「光の波紋」
こちらも「魔法の美術館」で鑑賞しています。

手をかざすとそれぞれの基盤に取り付けられたセンサーが反応。
光が広がっていきます。


吉田成朗「扇情的な鏡」
疑似的に表情が変化したように表示するシステムだそう。
覗き込んだらなんだかすごく疲れているように見えました。。。。。
いや、仕事後だから仕方ないんだけどさ。。。

以上になります。
夜の展望台が驚くべき空間となっていました。
スタイリッシュでかっこいい。


たまには東京タワーを撮ってみたり。



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アンディ・ウォーホル展 永遠の15分 (その2)

2014-03-23 21:30:00 | 美術
見てきました

森美術館

会期は2014年2月1日から2014年5月6日。

ミスターポップアート、アンディ・ウォーホルの大回顧展。
日本では約20年ぶり。
アンディ・ウォーホル美術館の所蔵品約400点、ウォーホルの私的な書簡、雑誌の切り抜き、写真など約300点。
主要シリーズを網羅しつつ日本初公開の作品も含む盛りだくさんな展示です。
森美術館、いつも展示量が多いので気合いを入れていくのですが、今回もかなりのボリューム。
その1」を書いたので、今日は「その2」です。

《Secction5; THE 1970s AND THE 1980s Ⅰ:BUSINESS ART AND CELEBRITY》
ウォーホルは1968年、彼の映画にも出演したことのあるフェミニズム活動家ヴァレリー・ソラナスに銃撃され瀕死の重傷を負いました。
この事件でウォーホルは制作から遠のくのではと噂されましたが、そうはならず、活動の方向転換にとどまりました。
1972年には本格的に活動を再開しました。
ウォーホルは"アートの次にビジネスアートの時代がくる"と言っていたそうですが、実際に70年代はビジネスアートの幕開けとなりました。
ここではセレブリティからの注文肖像画たちが展示されています。

注文肖像画は1m四方のパネル1点で25,000ドル。
2点につき30,000ドルで制作されました。
当時市場に出ていたウォーホルの同サイズの作品を買うよりも安価だったそう。
1,000点を超える作品が制作されました。
アメリカン・ポップアートでも見たキミコ・パワーズもありました。
ミック・ジャガーやマイケル・ジャクソン、モナコのカロリーヌ王女のほか坂本龍一なんかもありました。
なかなかおもしろかったし並んでいる様子は壮観でしたが、アメリカン・ポップアート展で見たように、「キミコ・パワーズ」だけがたくさん並ぶっていった方がおもしろかったかな。。
色が違っていくところを見るのが面白いので。。 
「モハメド・アリ」はかっこよかったなー。

《Secction6; THE 1970s AND THE 1980s Ⅱ:DIVERSIFICATION AND REPRISE》
1970-71年にかけて、大回顧展が美術館を巡回するなど、ウォーホルは世界的な名声を得ていきます。
1975年には本の出版、1980年にはテレビCMへの出演などより広範囲な活動を行います。

「絶滅危惧種」
売上利益の一部を野生動物保護団体へ寄付したそうです。
アメリカ自然史博物館に展示されました。
ハクトウワシの背景の青さが美しくて見惚れます。

そしてウォーホル、日本のCMにも出演しています。
TDKのビデオテープのCM.
1983年から1984年にかけて、とのことなので私が生まれる前。。。
「イマ人を刺激する」として、右肩にカラーバーを持ちながら
「アカァ、ミドォリ、アオゥ、グンジョウイロゥ、、キデェイィ」
(赤、緑、青、群青色、きれい)
かなりたどたどしい日本語。。
そして時代を感じるなぁ。。

この近くには「神奈川沖浪裏(北斎にならって)」といった作品やヤマモトカンサイのニューヨークのファッションショーの映像など日本との関わりを見てとれるものがありました。
また1983-1984年には大回顧展が日本でも開催され、その展示のために作られた「Kiku」といった作品も。
日本的モチーフを使用して作品を作ってほしい、との依頼で桜と菊が用意されたそうですが、ウォーホルは菊を選んだそう。

"なぜオリジナルである必要があるのだろうか。
人と同じじゃいけないのかい?"

「人体図」
こちらは日本初公開のもの。
大きな作品です。
左側に腸、右側に心臓が描かれています。

また子供向けの作品も制作していたそうです。
それらの作品は1983年12月にスイスで発表されました。
オウムやヘリコプター、列車や舟などを描いています。
それらが発表されたとき同様に魚の壁紙を背景に展示されています。
子ども目線とのことで、作品も低い位置に展示されていました。

このあたりには時代の寵児ジャン=ミシェル・バスキアとのコラボ作品もありました。
「ドル記号、私を踏みつけるな」
$マークをウォーホルが印刷、バスキアがその上に「私を踏みつけるな」と書いたそう。
アメリカ海軍旗からの引用だそうですが、なかなか理解は難しい。。。

「ハンマーと鎌」
「頭蓋骨」
「ナイフ」
西洋画で扱われる"ヴァニタス"を踏まえた作品。
シルバーの背景に黒で描かれたナイフは鋭さを感じます。

"画家になりたいなんて思ったことはない。
タップダンサーになりたかったんだ。"

《Secction7; EXPEROMENTAL FILM AND VIDEO》
1963年、16mmフィルムのカメラを入手したウォーホルは1960年代後半までに実験的映画を制作します。
暗い室内には約15面のスクリーンがあり、かなりの迫力。
それぞれ作品が流れていました。
気になるのは「イート」
「LOVE」の作品でおなじみのロバート・インディアナがマッシュルームをもくもくと食べ続けるだけという作品。
本物、初めて見ました。
また、夕暮れから深夜までエンパイアステートビルを撮影した「エンパイア」
1秒24コマで撮影したものを1秒16コマでゆっくり上演していたそうですが、それもあります。
ずーっっとエンパイアステートビル。
何が変わっているのか分からないぐらい。。
難しいね。。。

"僕は1964年にテープレコーダーと出会って、ようやく結婚したんだ。
そう、テープレコーダーは僕の奥さんさ。"

ウォーホルは1965年からはしばらく映画に集中していて"画家は廃業"とまで言っていたようです。

《Secction8; TIME CAPSULES》
ウォーホルは1974年頃から所有物を段ボールに入れて保管していました。
書類や手紙、雑誌や新聞、プレゼントなど様々です。
それらは「タイム・カプセル」と称し600箱以上もあるそうです。
今回は300点の展示。
来日時にウォーホルが集めた資料などもふくまれていました。
浮世絵の図録や富士山の本、足袋なんかもありましたし、長嶋茂雄が表紙の報知グラフなんかもありました。
どういったものを集めていたのか、なかなかわかりません。笑

"人が死ぬなんて思えない。ちょっとデパートに行くだけだ。"

死を"隣の部屋へ行くようなもの"と表現したのはジョセフ・コーネルでしたね。。

"僕が時間切れになるとき。それは死ぬときのことだけど。
僕は何も残したくない。そして残り物にもなりたくない。"

その割には残っていますが、、とは言ってはいけないのでしょう。
なかなかウォーホルらしい言葉なのです。

"東京でいちばん美しいものはマクドナルド。
ストックホルムでいちばん美しいものはマクドナルド。
フィレンツェでいちばん美しいものはマクドナルド。
北京とモスクワはまだ美しいものがない。"

東京にも、ストックホルムにも、フィレンツェにもマクドナルドはあります。
均質なものが大量生産される世界。
それを美しいというのは皮肉でしょうか。

"スープ缶を描くアイディアは友人から50ドルで買った"
え、まじかよ。

"将来、誰でも15分は有名になれるだろう。
ぼくは60年前にそう予言したけれど、それは現実になった。
この言葉にはもう飽き飽きした。二度と言わない。
僕の新しい言葉はこれだ。
-誰でも15分以内に有名人になれる。"

この予言は現実のものとなりました。
YoutubeやTwitter、Facebookなどで誰でも有名人になる可能性があるのです。

最後にあったのは「十字架」
熱心なカトリックの信者でもあったウォーホル。
晩年は宗教を主体にしたシリーズものに取り組んでいたようです。
黒い画面に黄色の十字架が浮かぶとても大きな作品です。

「カモフラージュ」
「自画像」
迷彩柄の作品2つに挟まれた形で展示されている自画像。
自画像も迷彩柄に染まっています。

"アンディ・ウォーホルについてすべて知りたいなら、僕の絵と映画、そして僕の表面を見るだけでいい。
そこに僕がいる。裏にはなにもない。"
そう言ったウォーホル。
でも最後は「カモフラージュ」
分かりそうで分からない。


ミュージアムショップはカラフルでかわいらしかったです。
ポップアートって楽しくていいな。
買わなかったけど……。


森美術館へ向かうエスカレーターの下、52階のセンターアトリウムにあります。
ウォーホル本人がペインティングを施したBMWアート・カーです。
展示は撮影禁止ですが、これは撮影可能です。
入口から出口までまるまるアンディ・ウォーホルです!!

また、1970年大阪万博のアメリカ館で発表された大作「レイン・マシン」
劣化により万博に展示されたものは廃棄されましたが、その後新たに制作された改良版「レイン・マシン」も東京シティビュー内に展示されています。
大阪万博以降初めて日本で展示だそう。

盛りだくさんで鑑賞にはかなりのパワーを要しました。笑
大回顧展ということで、現在、アンディ・ウォーホルに関する書籍もたくさん出ています。

CASAのきゃりーぱみゅぱみゅのキャンベルスープワンピースはかわいい!!
私も着てみたい。

森美術館は夜10時まで開館しています。
展示は代表作から未公開作品まで幅広く、ウォーホル初心者も、ウォーホルファンも、誰が見てもその世界を楽しめるかと思います。
今年見逃せない展示の一つです。



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アンディ・ウォーホル展 永遠の15分 (その1)

2014-03-22 21:30:00 | 美術
見てきました

森美術館

会期は2014年2月1日から2014年5月6日。

ミスターポップアート、アンディ・ウォーホルの大回顧展です。
日本では約20年ぶり。
アンディ・ウォーホル美術館の所蔵品約400点、ウォーホルの私的な書簡、雑誌の切り抜き、写真など約300点。
主要シリーズを網羅しつつ日本初公開の作品も含む盛りだくさんな展示です。
森美術館、いつも展示量が多いので気合いを入れていくのですが、今回もかなりのボリューム。
2回に分けて書いていきたいと思います。
今日は「その1」

まず出迎えてくれたのは
「自画像」
1986年のもの。
赤と黒をベースにし、逆立った髪。
奇抜ともいえるその姿。
今回の展示、最初と最後はウォーホルの自画像。
それは"ウォーホルとは何者なのか"がこの展示の深いところにあるから。
性格は内向的で容姿にコンプレックスを持っていたともいわれるウォーホル。
マルチに活躍した彼の姿をこの展示で少しでも知れたらな、と思います。

また展示には作品、資料のほか、彼の言葉も紹介されていました。

"将来、誰でも15分は世界的な有名人になれるだろう。"
今回の展示のタイトルの由来です。
こういった発言がなかなか面白かったので気になったものを一緒に書いていきたいと思います。

展示は時系列でした。

まずは《Secction1; PORTRAITO OF ANDY WARHOL:WHO IS WARHOL?》
ウォーホルは1928年生まれ、本名はアンドリュー・ウォーホラ。
両親はスロヴァキアからの移民です。
体が弱く内向的だった少年はアートを学ぶ学生から商業デザイナー、そしてアーティストへと変わっていきます。
"アンディ・ウォーホルについてすべて知りたいなら、僕の絵と映画、そして僕の表面を見るだけでいい。
そこに僕がいる。裏にはなにもない。"
表面だけでいいのか。。
人って、"自分の内面を見てほしい!!"っていうのがあるかと思うんだけど。
そういったことを言ってこないあたりがウォーホルらしくていいな。
1950年代は商業デザイナー
1960年代に銀のかつら、黒いサングラスといったおなじみの恰好で美術・映画関連の仕事へ転身
1970-80年代にはニューヨーク社交界のスターとなります。
ここでは作品もですが、ウォーホルを写した写真がけっこうありました。
商業デザイナーとしてニューヨークのクライアントを訪問するときの写真はスタイリッシュ。
よく知られた姿とは違いおしゃれな青年といった雰囲気です。
自画像や女装をした自画像など見たことある作品も。
また幼少期の写真や家族と撮ったものなど貴重なものが。
目を引いたのは東京観光写真かな。。
おそらくはとバスに乗ったのでしょう。
皇居前でガイドさんも一緒に写真に収まっています。

《Secction2; 1950s:SUCCESS AS A COMMERCIAL DESIGNER》
1949年カーネギー工科大学絵画デザイン科を卒業したウォーホル。
ニューヨークへと向かいます。
雑誌「グラマー」や「ヴォーグ」のイラスト、商品広告などを手がけます。
この時期の作品で多用されたのが"ブロッテド・ライン(染みつきの線)"という技法。
ペンで紙にイメージを描き、それを別の神に押し当ててインクを転写する、というもの。
また1952年から母親と同居。
母親手書きの文字を使うこともありました。
そして新聞や雑誌をコラージュしたり、ゴム印を使って反復させた技法も確立。
これらは後にウォーホルが多用するシルクスクリーンにも通じているのかもしれません。

「僕の庭の奥で」
1950年代に発表した作品集。
猫や靴など身近なものが描かれています。
妖精やキューピッドなども描かれていてびっくり。
色彩もPOPでカラフル。
そのなかでも「カクテルアワー」などはおしゃれで好き。

このころからもキャンベル・スープを描いていますし、コカ・コーラなどもありました。
おしゃれな広告デザイナーでありながら、後への道は続いています。

そして面白い言葉が。
"以前、雑誌の仕事をしていたことがあった。
自分ではいつも独創的だと思っていたけれど、そんなもの誰も相手にしてくれない。
その時から僕は想像力を働かせたりするのはよそうと心に決めた。"

《Secction3; 1960s:TRANSFORMATION INTO A "ARTEST"》
1950年代末から1960年代初めのころは独自の表現を模索した期間でした。
そのころ出てきたポップアートと同調してコカ・コーラやテレビなどの商品、広告を主題として製作していきます。
アーティストとしてのデビューは1962年の個展。
32個のキャンベル・スープ缶を描いた作品を発表しました。
また通信社が配信する衝撃的で恐ろしい写真をもとにした「死と惨事」シリーズを製作するなど今日よく知られた作品が生み出されていきます。

「電気椅子」
こちらは昨年、国立新美術館で開催された「アメリカン・ポップアート展」でも見ています。
薄暗い部屋にポツンと置かれている電気椅子。
さまざまな色で制作されていますが、紫に黒が一番ぐっとくるかな。
「死と惨事」シリーズのものです。

「リステリン瓶」
知っているものが出てくるとちょっとうれしい。
薄い緑に茶色の瓶。
♪お口くちゅくちゅ……は違うのかっ!!

「ジャッキー」
第35代アメリカ大統領ケネディの妻、ジャクリーン・ケネディを描いたもの。
ケネディ大統領暗殺という衝撃的な事件ののちに描かれたそう。
悲しい顔と笑顔とがありますが、笑顔さえも悲しみをこらえているかのように見えます。

「エルヴィス」
これかっこいいなぁ。。
往年のスターというものはいつ見てもかっこいいんですね。

「二つのマリリン」
これはちょっと小さめな作品。
2つの顔が並んでいますが、左側の顔はピンク色で塗り潰されていました。
この作品はウォーホラ家の所蔵とのことで一般公開はまれだそう。
このあとには「マリリン」がずらりと並んでいます。

「シルバー・リズ」
エリザベス・テイラーの美しさにうっとり。
すごいわ、スターだわ。。
ビビッドな色彩で彩られてもすべてが美しいわ。。

「花」
これはかわいらしい作品。
緑の中に白い花とピンクの花。
奇抜な色彩が多い中、こういった作品があると逆に目を引きます。

「キャンベル・スープⅠ:ブラック・ビーン」
「キャンベル・スープⅠ:チキン・ヌードル」
「キャンベル・スープⅠ:トマト」
「キャンベル・スープⅠ:オニオン」
「キャンベル・スープⅠ:ベジタブル」
「キャンベル・スープⅠ:ビーフ」
「キャンベル・スープⅠ:グリーン・ピース」
「キャンベル・スープⅠ:ペッパー・ポット」
「キャンベル・スープⅠ:コンソメ」
「キャンベル・スープⅠ:マッシュルーム・クリーム」
おなじみのキャンベルスープ。
やっぱり楽しい。
いっぱい並んでいるのがいいな。
これは缶の縁がシルバーに輝いていました。

"キャンベル・スープをいつも飲んでいたからね。
毎日20年間、同じランチで食べたものさ。
いつもいつも同じものをね。"

「牛の壁紙(黄色にピンク)」
ニューヨークのレオ・キャステリの画廊で2度目の個展をします。
蛍光の黄色に蛍光のピンクの牛が描かれた牛の壁紙を張った部屋が再現されていました。
眩しい色彩。
1972年に蛍光ベースの色が発表されたとのことで、ウォーホルはその新しい素材をすぐに試したことになります。

そしてその先の小さな部屋では「銀の雲」
ヘリウムガスの入った銀色の風船のようなものがふわふわと飛んでいます。
これは楽しい。
美しい。
このあたりから、ウォーホルの表現は新たな展開へ向かいます。
絵画への興味も薄れていきました。

《Secction4; SILVER FACTORY》
ウォーホルは自らのアトリエを「ファクトリー」と呼び、作業を分業化。
まさしく工場で生産するかのようにアートを生み出しました。
「スターの肖像」シリーズなどウォーホルの代表作が生み出された場所でもあり、当時のアンダーグラウンド・カルチャー・シーンの拠点でもありました。
特に1963年-1968年、ニューヨークの東47丁目231番地に構えたスタジオは内部が銀色のアルミホイルで装飾されていたため「シルバー・ファクトリー」と呼ばれました。
銀色で覆うアイディアはビリー・ネームによって考案されました。
ビリー・ネームはここに住み、ウォーホルの制作風景やファクトリー訪問者を撮影しました。
その撮影した写真をもとに、その「シルバー・ファクトリー」がほぼ原寸大で再現されています。

……シルバーじゃない!!!!!
灰色や!!!
壁にファクトリー内部の写真が貼られ、床には段ボールの箱が置かれていますが、壁にアルミホイル貼ってない!!
再現というならそこをやってほしかったなぁぁぁぁ。
キラキラの部屋に立ってみたかった。。
いやまぁ、こんな感じだったんだなって想像はつきやすくなりましたが。

そうそう、先ほど床に段ボールの箱、と書きましたが。
これ、段ボールのようで段ボールではないのです。
これもウォーホルの作品。
「リブロの箱」
「ハインツ・トマトケチャップの箱」
「キャンベル・トマトジュースの箱」
「デルモンテ・ピーチの箱」
段ボールに見えるけど木箱。

またここにはウォーホルがプロデュースを手がけたバンド「ヴェルヴェット・アンダーグラウンド」の映像もありました。

今日はここまで。
明日、後半を書いていきます。



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