RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

シャガールのタピスリー展 二つの才能が織りなすシンフォニー

2012-12-17 21:30:00 | 美術
見てきました

渋谷区立松濤美術館

会期は2012年12月11日から2013年1月27日。

今回は"シャガールのタピスリー"
って、タピスリー!??
英語でタピストリーのことでタピスリーはフランス語。
綴織壁掛(つづれおりかべかけ)のことです。
古代エジプトから既に存在し、古代ローマやコプト、ペルシアなどの東方諸国で製作されました。
西欧では、13~14世紀に建築装飾として登場。
聖堂や城館の壁面や柱間を飾ります。
制作地は、フランドルから北フランスにかけて。
アラス、パリ、ブリュッセル、トゥルネ、ヴァランシエンヌ、ドゥエー、リールなどが有名です。
代表作には、ニコラ・バターユ作「アンジェの黙示録」や「貴婦人と一角獣」(パリ、クリュニー美術館)などがあります。
そして来年(2013年)4月24日から7月15日まで、国立新美術館に「貴婦人と一角獣」がやってきます。
これ、6枚の連作でその6枚全てが来るのです!!
今から楽しみじゃ~

ってわけで、今までタピスリーになじみはありませんが。
歴史も長く、作品も豊富。
今回はシャガールのタピスリー。

幻想的な作品を多く描いたシャガール。
そのシャガールが自分の作品をタピスリーにするにあたって、もっとも信頼していたタピスリー作家がイヴェット・コキール=プランス.
作品は壁一面を覆わんとする、、5~6mはありそうなぐらい大きな作品。
今回はタピスリーだけではなく、油彩、版画、ドローイングも展示されていましたが、タピスリーの横にシャガールが描いた作品も展示されていてその再現度にびっくりです。
微妙な色の変化までしっかりと表現されていてまさに絵画を拡大したのではないか、というほどの出来映え。
とにかく圧倒されます。

一番好き、というかぐっときたのは「アルルカン」
317×525(cm)の大作です。
シャガールの作品名は「女性へのオマージュ」
シャガールが亡くなったのは1985年。
この作品の完成は1993年。
シャガールはこの作品を見ていません。
しかし「シャガールがこれを見てくれたなら、きっととても喜んでくれただろう」とのイヴェットの言葉が。
「なぜ怖がるんだ。君は間違えたことなんてないじゃないか。
君は間違えない。僕には分かっている。」
シャガールのこの言葉がいつも思い出された。励ましてくれた。
とのことでした。
これだけ大きな作品を編むとなると"大変"の一言では片付けられない出来事ばかりだったんだろうな~と。
なんだか2人のお互いの仕事に関する信頼関係とプロとしての姿勢を見せられた作品。

他には、原寸大の下絵なども。
色や糸などの指示が細かく書き込まれ、読むのも大変でした。

イヴェットが亡くなったのは2005年。
亡くなる前年までも作品を発表し続けていました。
またシャガールだけではなくパウル・クレーやマックス・エルンストなどの作品も手がけていたそうです。
かっこいいな~

2人のプロが思い描いた世界がしっかりと表現されていて。
幻想的な空間が広がっていました。



ブログランキングよかったらお願いします


最新の画像もっと見る

コメントを投稿