RuN RiOt -marukoのお菓子な美術室-

お菓子好き。F1好き。
美術館行くの大好き。
買い物も大好き。
休日に全力で生きるOLの日記(笑)

お家で神品至宝

2014-07-31 21:30:00 | ミュージアムショップのお菓子たち
「台北 國立故宮博物院-神品至宝-」
おもしろかったー!!!!!
(記事はこちら→「その1」、「その2」)

さて、展示の後のお楽しみ。
ミュージアムショップのお話です。笑

いろいろあって迷いましたが厳選して(!?)購入したものたちです。


マスキングテープ 1,200円
故宮博物院のオリジナルデザイン。
3デザイン入っています。
マスキングテープ大好きな私。
旅行で撮影した写真は気に入ったものを現像してアルバム作っているのです。


マスキングテープコレクション。
これまだ一部なのです。
何年か前からコツコツ集めたらこうなりました。
SABONのギフト用の箱は2段入るしかわいいし、使いやすいです。
SABONくれた人、ありがとう。
箱まで大活躍です。笑


水玉コレクション。笑
水玉は合わせやすくて使いやすい。




台湾旅行のアルバムです。
こんな感じ。
たまーに見ると楽しくなります。


台湾っぽい写真を。
先ほどのはケーキばかりで台湾っぽくなかったので。笑
これは折り紙使っています。
100均で模様のかわいいものを買ってくるのです。
最近は100均でもマスキングテープが販売されているので大活躍です。
あと、付箋とかも使えます。

でも、このテープ。
台湾旅行のアルバム制作に使いたかったなぁ……
現在作っているのは両親のアメリカ旅行。。
どこか、、どこか使える、かなぁ……。


神品至宝カレー
700円
レトルトカレーです。
おうちにあると便利ですね。
私はかなりの量を常備しています。


レトルトのカレーとパスタソースの棚。
手前に出してある、ラ・ベットラ落合の「予約でいっぱいの店の生クリームボロネーゼメディチ家風」が一番好き。
レトルトの中で一番おいしいと思う。
他のものより高いけどね。
棚の中は基本的には100円ぐらいのが中心です。
そんな私に700円のレトルトカレーは高級品!!!!!
買った自分が信じられない。。


ご飯炊いた。
カレーも温めた!!
ブルジョワジーな味がする。。。(どんな味だよ!?)
おいしいです。
100円の7倍おいしいか?と聞かれたら分からないけど、おいしい。
白菜と角煮の入ったカレーってどんなカレーだよ、って思ったけど、おいしい。
まろやかだなぁ。。


こんな注意書きもありました。笑
※白菜は翡翠ではありません。
※肉は石ではありません。
うん、知ってる。

あと白菜のかたちの「はくサブレー」なる商品もありましたよ。
1箱1,000円6枚入り。
1日で300箱売れる人気商品だとか。
すごいな……




キティさんです!!
各1,600円
以前に「こうゆう仕事はキティさん」って書いたけど。
(ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展のお土産記事→「marukoを魅了した美術品(グッズ)」)
やっぱりいたよ、キティさん。
白菜になったキティさんと器に入ったキティさん。
白菜にはちゃんと頭にイナゴとキリギリス。
扇には「神品至宝」と。
芸が細かい。

展示のあとも、お家でも楽しめますね!!



ブログランキングよかったらお願いします

台北 國立故宮博物院 - 神品至宝 (その2)

2014-07-30 21:30:00 | 美術
見てきました

東京国立博物館

会期は2014年6月24日から2014年9月15日。

いよいよ日本で公開された台湾故宮の宝たち。
今回の展示は盛りだくさんで1~10の章に分かれています。
その1」を昨日書いたので、今日は「その2」です。
(「その1」はこちら→「台北 國立故宮博物院 - 神品至宝 (その1)」)

《6.中国工芸の精華 - 天と人との競合》
105景徳鎮窯「青花龍文大瓶」
白に鮮やかな青で文様をつけています。
この青はイスラム産のコバルトだそう。
胴にはぐるりと龍が。
力強い形状で目をひきます。

104景徳鎮窯「白磁雲龍文高足杯」
すごくきれい。
白が艶やかです。
小さいのですが、かたちも美しい。
素晴らしいとしか言いようがない。

110景徳鎮窯「豆彩唐子図杯」
童子が凧揚げなどで遊ぶ様子が描かれています。
豆彩とは青花で輪郭を描き、上絵具で彩色を施したもの。
色鮮やかです。

111景徳鎮窯「豆彩波濤天馬文有蓋壺」
緑色の波の上を飛ぶのは青、赤、緑、黄色の馬。
想像したら面白いだけかもしれませんがなかなかかっこいい。
こちらも色鮮やかです。

160景徳鎮窯「豆彩葡萄文瓢形壺」
瓢箪の形の白磁の壷に、葡萄とリスが描かれています。
色彩も美しく、繊細でかわいらしい作品。

134「刺繡九羊啓泰図軸」
ここから刺繍絵が続きます。
これがまた素晴らしいものばかり。
この作品は大きな掛け軸。
全面に刺繍が施されています。
松や竹、梅などの吉祥の木々が映える水辺。
童子や色とりどりの羊などなんともめでたい印象の作品。
とにかく細かく、色も鮮やかで美しい。
光りが当たるとまた違って見えるのでうろうろ前を行ったり来たりして眺めていました。

133「緙絲吉祥喜金剛像軸」
8面の顔、16本の腕、4本の足を持つ吉祥喜金剛。
陰影まで表現されていてその技術に驚くばかり。
キャプションには
"これぞ「超絶技巧」"
ってありました……
三井記念美術館にかぶせましたかね。。笑
(記事はこちら→「超絶技巧!明治工芸の粋 -村田コレクション一挙公開-」)

135「緙絲海屋添籌図軸」
これは絹糸で織られたもの。
この技術は唐時代から行われていたそうですが、技術が最高に達したのは宋時代。
水辺の景色が表現されているのですが、とても変わっています。
波はとがったような不思議な形、空に浮かぶ雲は煙のようにひょろひょろと。
右にある建物には人物、鳳凰や猿もいます。

141「刺繡咸池浴日図軸」
変わった形の岩場、荒れ狂う波、空には真っ赤な太陽。
この作品、波がすごいのです。
絹糸の光沢と質感を活かして今にも動き出しそうな波。
糸だからこそできる表現です。

142-153「刺繡仙人図軸」
これも刺繍絵です。
シリーズもので仙人が1図に1人描かれています。
鶴に乗った仙人などなかなか面白い。

117「玉帯飾」
二重の透かし彫りが美しいもの。
繊細で技術の高さが見て取れます。

118「「天地人」三連玉環」
3つの環が組み合わさった立体のもの。
回転させると平らにすることもできます。
おしゃれ。
天地人は宇宙の万物。
それを3つの環で表しているのだそう。
一番内側の環には太陽と北斗七星が彫られています。
かっこいい。

137「緙絲花鳥図」
こちらも刺繍画。
糸も繊細ですが色も鮮やかで素敵です。

120「花卉堆朱長頸瓶」
漆器の花瓶は珍しいな、と思い。
全面に花が施されています。
花びらのひらっとした感じも表現されています。

126「双龍彫彩漆長方盆」
色漆を重ね、そこに細かい彫りが施されています。
そのため、色が変わって見えるのです。
彫りの繊細さに驚き。

124「七仏堆朱鉢」
七体の仏像が浮き彫りにされている鉢。
変わっています。

127「梅花彫彩漆輪花合子」
真っ赤な梅の花がかわいらしい合子。
色漆を重ね彫ったもの。
梅と氷竹文のデザインが絶妙です。

210,211「永楽大典(梅)」「永楽大典(游)」
明の永楽帝の時代に編纂された百科事典。
全部で22,877巻、11,095冊もあったそうですが、義和団事変などで大半が滅失。
現存しているのは810巻、370冊のみだそう。
残念です。

224「妙法蓮華経」
紺紙に金泥で書写されたもの。
平家納経とか同じようなものは日本にもありますが、こちらのほうが派手というか煌びやか。
色鮮やかで面白いです。

《7.帝王と祭祀 - 古代の玉器と青銅器》
5「鉞」
トルコ石入りまさかり。
実用的ではないような。。

4「蟠龍文盤」
蟠龍とは空に昇れない龍。
見込みにとぐろを巻いた龍が施されています。
これが3000年以上昔のものとは思えない。。

15「龍文玉角杯」
龍が踊るかのようです。
胴部に巻きついています。
ここにあらわされているように、神の使いの龍に導かれ 天界にのぼり仙人になるのが 人々の憧れだったそう。

9「曾姫無卹壺」
海獣の形の取っ手がついた壺。
戦国初期のもので楚恵王の夫人の壺なんだそう。

《8.清朝皇帝の素顔 - 知られざる日常》
196「透彫花卉文玉香薫」
白い玉で作られた香炉。
繊細な透かし彫りが美しい!!
技術の高さに感服です。

194「鰲魚玉花挿」
鰲魚(ごうぎょ)とは龍魚のことだそう。
翡翠の彫り物で今まさに龍に変身せんと跳ね上がる場面が表現されています。
水の跳ね方からもその力強さを感じますが、鱗など細かいところまで丁寧に表現されています。

195「松鶴翠玉挿屏」
こちらは翡翠の板の衝立。
中国では翡翠は古くから幸福や繁栄をもたらすものと信じられたのだそう。
この作品、翡翠の緑も美しいのですが、その細工も美しい。
片面には水面の景色。波立つ様子が表現されています。
もう片面には水辺の楼閣が。

184「文王方鼎」
四本の龍の足をもつ長方形の鼎。
小ぶりでスタイリッシュです。
西周時代の祭器を、明時代に倣古したものだそう。

185「文王玉方鼎」
こちらは玉でできた鼎。
こちらも184と同じく西周時代の祭器を、明時代に倣古したもの。
なお、倣古の元となっている西周時代のものは現在、残っていないのだそう。

186「琺瑯獣面文方鼎」
こちらも倣古のもの。
ここまでされると元のものが残っていないことが残念でなりません。
こちらは七宝Ver.
色鮮やかです。

171-174「暖硯」「五峰山字形筆架」「水盂・勺」「紙鎮」
カラフルな琺瑯でデザインが施されたもの。
豪華な文具たちです。

207「帝鑑図説」
これは明時代の政治家張居正と呂調陽が、幼い皇帝の教育のためにまとめた教科書。
上編には、堯舜から北宋までの歴代君主の模範行動を、下編には、歴代君主の暴虐事例が書かれています。
外側はぼろいのですが、中はかなりきれい。
絵もついているのですが色彩も鮮やか。
字もすべて漢字ですが、楷書でしっかり書かれています。

《9.乾隆帝コレクション - 中国伝統文化の再編》
228「紫檀多宝格」
高さ20cm、縦横25cmの紫檀製の箱。
多宝格という形で古代宇宙の象徴だそう。
ここは展示室自体もこの多宝格の形をしていてさらに楽しめます。
この箱の中には30点もの皇帝の至宝が収められているのだそう。
といってもミニサイズ。
縮図となっているのです。
日用品から指輪までさまざまなものが入っています。
どれも精巧で素晴らしいものとのなっています。

226「シャム金葉表文」
これはシャム(タイ)のタークシン王の使節が乾隆帝に上程した金の文書。
一緒に螺鈿のきれいな漆器がありますが、その容器です。
螺鈿は草花文で細やかで美しい。

169「鍍金宝石象嵌如意」
とても綺麗。
宝石で花を表したりと凝ったものになっています。
中国というより、帝政ロシア時代のもの、って言われた方がしっくりくるぐらい華美。
きらびやかです。

199「「古稀天子之宝」「八徴耄念之宝」玉璽」
玉璽とは皇帝の印のこと。
乾隆帝の長寿の記念に作られたもので、70歳と80歳のものになります。
緑の軟玉製で、側面には皇帝の言葉が。
清朝時代の美術品には、乾隆帝の落款が捺されているものが多いのだそうですが、こうやってつくらせた印をコレクションしていたものに押していたんでしょうね。。

191「澄泥虎符硯」
なんてかわいらしいんだ。。
虎が施されていますが、虎というよりも猫。
これは使っていて癒されそう。

108景徳鎮窯「紅釉僧帽形水注」
艶やかな赤色がとても美しい作品。
名前からもなんとなく分かりますが、これはラマ僧の帽子の形なのだそう。

189「双龍堆朱碗」
漆の小さなお椀。
小さな面に隙間なく龍と瑞雲文が施されています。
下が黒く、龍が浮き出しているようです。
龍の細かいところまで掘り出されていました。

200「「鴛錦雲章」田黄石印」
金より高価な田黄石というものを使っているのだそう。
9つ1セットで上に様々な動物がいます。
守り神的なもの、かな。。

21孫過庭「草書書譜巻」
草書の最高傑作とされるもの。
草書を学ぶ人が常に模範とするものだそう。
とても大きく巾26.5cmの紙が9m続きます。

《10.清朝宮廷工房の名品 - 多文化の交流》
161景徳鎮窯「臙脂紅碗」
見込みは白、外はピンク。
なんとも美しい色の組み合わせ。
シンプルながらにすっとしたスタイルも美しい。
つるりとした感じも素敵です。
これ、欲しいです。

167景徳鎮窯「粉彩透彫雲龍文冠架」
金色が美しい作品。
これは帽子や冠をかけておくためのものだそう。
香を炊くこともあるのだそう。
おしゃれだ。。
透かし彫りに金彩が施されその技術と所有者の権力が伺えます。

154「刺繡西湖図冊」
西湖とは名勝として知られる場所。
刺繍すごいです。
色のグラデーションや刺繍の細やかさで立体的に表現されています。
もともと景色の美しいところ。
さらに美しさが増しています。

156景徳鎮窯「青花竹葉文壺」
竹の葉がとてもバランスよく配置された壺。
菊の花もあり、まさに絶妙の配置。
すっきりと美しいものです。

164景徳鎮窯「青花雲龍唐草文五孔壺」
白に青がきれいな壺。
波の上、唐草と雲が浮かぶ空に、龍が登場しています。
この龍、5つの爪を持っていますが、これは皇帝を象徴するのだそう。
ただ、龍の顔やポーズがなんとなくユニーク。

163「琺瑯彩孔雀文碗」
白い碗に孔雀と白木蓮が描かれたもの。
その鮮やかで神秘的な色が映えます。

165「琺瑯彩墨彩寒江独釣図瓶」
瓶に小舟にのる釣り人を描いた作品。
この絵がとっても絵画的。
ぼかしも入れられています。

166景徳鎮窯「藍地描金粉彩游魚文回転瓶」
青が鮮やかで美しい瓶。
金色の唐草文様も映えます。
真ん中が丸く、そこは4つの回転する部分でできています。
中の部分が回転すると描かれている金魚がくるくると瓶を回ります。
涼しげに泳いでいるかのよう。
なんてすごい。

231「人と熊」
"故宮の癒し系次世代アイドル"
と称されている作品。
こちらもあの白菜と同じように、玉の色の違いをうまく使った作品。
子どもと熊が手と足を合わせ、どちらも上を向いています。
子どもは白、熊は黒の軟玉製。
力くらべか、踊っているようにも見えます。
思っていたよりかなり小さい作品。

すごくすごく楽しかった。
素晴らしい展示でした。

この展示が開催されるまで、様々な問題がありました。
2000年前後には開催の構想が浮上していたという話もあり、実に10年以上の歳月を要したことになります。
決め手となったのは2013年成立の「海外美術品等公開促進法」
国際文化交流の振興の観点から、公開の必要性が高いと文部科学相が指定した海外美術品について、強制執行や仮差し押さえ、仮処分を禁止した法律です。
(詳細はこちら→「台湾、国立故宮博物院の至宝、日本へ」)

日本ではこれまで「外国等に対する我が国の民事裁判権に関する法律」を適用し、海外美術品を日本の裁判権から除外してきました。
ただ、その対象となるのは外国政府などが所有する美術品。
国連に非加盟の台湾には適用できなかったのです。
そして日本も台湾とは正式に国交を結んでいません。
中国当局に差し押さえられる可能性を危惧した台湾側。
この法律では対応できなかったものが「海外美術品等公開促進法」で対応できるようになったのです。
台湾の要望で制定された、とも言えますが、中国側にも一定の配慮が。
「文科相は外相と協議しなければならない」との一文があり、今回の故宮展の開催決定前には外務省が中国側に非公式に打診もしているそうです。
「賛成はしないが、反対もしない」との感触を得て、今日の運びとなるのです。

海外の素晴らしい作品が日本で見れるということはとても素敵なこと。
ただ、国によっては難しいことも。
こういった努力の影で成立した今回の展示。
開催されたことに感謝だし、尽力した人にも感謝。
そして貸し出してくれた故宮博物院にも感謝です。
文化面での交流がいろいろな国とできるといいなぁ。

この後、展示は九州へ行きます。
さすがに九州までは見に行けないのですが。。
ぜひぜひ多くの方に楽しんでほしいな、と思います。



ブログランキングよかったらお願いします

台北 國立故宮博物院 - 神品至宝 (その1)

2014-07-29 21:30:00 | 美術
見てきました

東京国立博物館

会期は2014年6月24日から2014年9月15日。

いよいよいよいよ。
はじまりました。
そして2週間限定であの白菜がやってくる!!!!!

混雑を避けるため、今回は白菜を見に行きませんでした。
台湾行ったときに見たし……
トーハクでどのように展示されているのか気になったけどさ。
見たかったけどさ。
うん、3時間待ちってのは耐えられないのさ。。。

というわけで、白菜の展示が終わったころ、のんびり行ってきました。
うん、正解。
そこまで混んでいなくて、ほぼ快適に見れました。
(一部で団子状になることも。)

今回の展示は盛りだくさんで1~10の章に分かれています。
2回に分けて書きます。
「その1」では1~5を。
「その2」では6~10を。
今日は「その1」です。

今回、文字化けしてしまうかもしれません。。
ごめんなさい。

《1.中国皇帝コレクションの淵源 - 礼のはじまり》
6「散氏盤」
大きな青銅の盤。
内面には文字がぎっしりかかれています。
漢字のように見える文字。
これは他国との領地問題を解決した話が書かれています。
中国の政治史も分かりますが、その書体が個性的で書道史のなかでも重要な位置を占めている作品だそう。
制作されたのは西周時代。
なんと紀元前9~紀元前8世紀!!

180「犠尊」
古代の儀式で使用した青銅製の酒器。
背中から入れ、口から出すという、トリックグラスのようなもの。
動物を模したものですが、ずんぐりむっくりでかわいらしい。

181「犠尊」
180とそっくり。
これは"倣古"というもの。
"倣古"とは古い形にならってつくること。
古代の伝統を復活させ中華の正式な皇帝であることを示すためにこのようなものが作られたそうです。

1(漢)鄭玄注、(唐)賈公彦疏「周礼注疏」
儒家の学ぶべき経典"十三経"の一つ。
古代の官制に関する文献です。
官制以外にも祭礼などの礼についても細かく決められています。

《2.徽宗コレクション - 東洋のルネサンス》
98汝窯「青磁楕円盤」
4つの小さな脚の付いた浅い楕円形の盤。
この形は"水仙盤"と呼ばれ水仙を育てるためのものだったそう。
淡い青色が美しく、つやっとしています。
このあたりに展示されている汝窯とは中国、北宋時代に優れた青磁を焼いた窯。
五名窯の一つとして製陶の中心でもありました。
汝窯の作品は世界にわずか70点ほどしか確認されず、そのうち21点が故宮にあります。

99汝窯「青磁輪花碗」
こちらも淡い青色。
深めのお椀で花の形をしています。
お酒を温めるための温椀と呼ばれる器。
曲線が柔らかく持った感じもよさそう。

100汝窯「青磁槌形瓶」
鳳凰耳、鯱耳瓶の祖形といわれる作品。
つるりとした器肌が美しい。

182「鳥形尊」
鳥の形をした可愛い酒器。
背中から入れ、くちばしから出すという、トリックグラスのようなもの。
金が残っており、かつての姿が偲ばれます。

17王羲之「草書遠宦帖巻」
"書聖"とされる王羲之の作品も。
といっても、これは唐代の精緻な模本とされています。
行楷書による短い書簡で、大雪の後、友人へのご機嫌伺いの書簡。
たくさんの印が押されています。
乾隆帝は本作を殊に珍重し、"天下無双、古今鮮対"と賞賛していたのだそう。

51徽宗「楷書牡丹詩帖頁」
書が続くと苦手意識もあってか食傷気味となっていましたが、これは素敵でした。
北宋の8代皇帝の書。
伸びやかで流麗な文字が美しかった。

52徽宗「渓山秋色図軸」
こちらも北宋8代皇帝。
自らの手による掛け軸です。
水墨画。
手前に湖があり、彼方には山々を臨みます。
緻密に描かれていますが、山の麓が霞むなど空気や遠近も感じる作品。
皇帝ってすごい……

《3.北宋士大夫の書 - 形を超えた魅力》
33蔡襄「草書脚気帖頁」
ここから書が続きます。
北宋時代(11世紀)のもの。
仕事を脚気で休んでいたが治ったのでそろそろ復帰できます。
お返事しなくてごめんなさい。
という内容。。。
のびのびと書かれています。
後世に残すべき素晴らしい書なのかもしれませんが、こういった内容とは。。。
字の上手い人は大変ですなぁ。。

35欧陽脩「楷書集古録跋尾巻」
欧陽脩は北宋の政治家、詩人、文人。
これは古代の金属器や刻まれた文を収録した資料集のようなもの。
書体に力強さを感じます。

79-2趙孟頫「蘇軾像」
趙孟頫は歴代文人人気NO.1なのだそう。
描かれているのは宋の詩人で四大家の一人、蘇軾。
竹の杖をもち、りりしく歩く姿です。

39黄庭堅「草書花気詩帖頁」
黄庭堅は宋の詩人で四大家の一人。
これは王晋卿の度重なる依頼で熱意に負け書いたもの。
そういった経緯からも貴重なものなのだそう。
のびやかです。

48蔡卞「行書雪意帖頁」
蔡卞という人は陰険な人物で兄とも仲が悪く、地方官で終わった人なのだそう。
そうゆうエピソードが後世に残るのも……
よっぽどかの人物だったのでしょう。。。

43米芾「草書論書帖頁(草聖帖)」
この人も宋の詩人で四大家の一人。
この書帖は全9帖ですが、5帖は大阪市立美術館、2帖は故宮、残りの2帖は不明なのだそう。
おもしろいめぐり合わせ。
今、日本にはほぼ揃った状態なんですね。。

《4.南宋宮廷文化のかがやき - 永遠の古典》
68陳居中「文姫帰漢図軸」
文姫は後漢の学者の娘。
董卓の乱で父を失い、自らも侵入した南匈奴に拉致され、左賢王劉豹の妻とさせられます。
2児をもうけますが、父と親しかった曹操の助力で漢に帰国。
描かれているのは文姫が夫や子どもと一緒に自分を迎えにきた漢の使者と会う場面。
漢に帰国するのは文姫のみ。
子どもは文姫にまとわりついています。
母と子の別れの場面。
子どもは泣いています。
彼女は後に、女流詩人として才能を発揮。
この別れの苦しい場面も詩にしました。

69「折檻図軸」
今では"折檻"というと厳しく叱ったり、体罰などを示しますが元は違います。
前漢の成帝の時代、朱雲は成帝の政治に対し厳しく忠告します。
それに怒った成帝は朱雲を宮殿から追い出そうとします。
しかし、朱雲は宮殿の檻につかまり抵抗。
檻はとうとう折れてしまいました。
成帝はその姿を見て反省。
朱雲の忠告を受け入れたとともに、その檻を、諫言を忘れないようにするために修理しないでおきました。
本来は"正当な理由で厳しく忠告する"ことを意味していたんですね。
登場人物の顔もはっきり描かれ、その場面の緊張感が伝わってきます。

55高宗「行書千字文冊」
宮廷の書風伝える作品。
書のないところもにも鳥や草花が描かれ美しい。

102「青磁輪花鉢」103「青磁弦文瓶」
形も色もきれいです。
103は清時代(18世紀)のもので、南宋時代(12~13世紀)に作られた南宋官窯青磁の倣古。
どちらもとても美しく、模倣としても素晴らしい。

62馬麟「暗香疏影図頁」
馬麟は、馬遠の子で、南宋の画家。
南宋時代(13世紀)の作品です。
水面に映る梅が描かれた作品。
繊細で詩情感じます。
小さな作品ですが、とても美しい。

60馬遠「杏花図頁」
62の親となります。
描かれているのは杏の花。
淡い色彩で描かれ、写実的。
甘い香りが漂ってきそうです。

64李嵩「市擔嬰戯図頁」
竹竿を天秤棒にした物売りの男性。
そこに駆け寄る子どもと母親が描かれています。
驚きは物売りの男性が担ぐ品物の数。
とにかく多い。
なんと500以上もの物品が描かれているのだそう。
箒に団扇、お椀に桶に野菜、玩具などなど。
細い線で丁寧に描かれています。

65馮大有「太液荷風図頁」
蓮の葉が池を覆わんとせんばかり。
水鳥が泳いでいきます。
精密で優美な印象です。

75張即之「行書従者来帰帖頁」
とてもきれいです。
料紙が。
水の流れを表しているのかな。
柔らかな印象。

113「荷葉玉杯」
すぼまりかけた蓮の枯葉が表現されています。
くしゃっとした質感など素晴らしい。

114「松蔭図玉山子」
松の木の下に人物が、松の上には鶴がいます。
樹上には鶴。
実用的ではないけど、作りが細やかで観ていて面白い作品。

22「明皇幸蜀図軸」
初期の山水画で世界中探しても十指に満たないのだそう。
そして国宝級の文化財で保存状態もいいことから本来は出品予定になかったそうです。
日本側からの熱いオファーでリスト入りが決まったという作品。
楊貴妃を寵愛した唐の皇帝・玄宗の都落ちを描いた水墨画。
奇妙な形の山々の向こうには雲が巻き上がり、手前の谷には旅人。
この旅人の集団が玄宗たちかな。
755年の安史の乱で皇族らが落ち延びた四川周辺の山々や、玄宗に従った騎馬の男女が描かれています。
日本の大和絵の源流となった作品だそうです。
その色鮮やかさに驚かされます。

23「江帆楼閣図軸」
青緑山水という唐時代の顔料で描かれた作品。
その色の鮮やかさは先ほどと同じく驚きです。
湖畔の楼閣という理想郷のような景色。

25(伝)関同「秋山晩翠図軸」
峻厳な山が連なる景色が圧倒的です。
"華北"はこういった作風なのだそう。

26巨然「蕭翼賺蘭亭図軸」
こちらは"江南"
さきほどより穏やかな印象。
最古の水墨画の一つとされるもの。
蘭亭序を手に入れた故事を描いています。

《5.元代文人の書画 - 理想の文人》
82趙孟頫「調良図頁」
強風の中の人物と馬が描かれています。
毛やひげが風になびき、その強さが伝わってきます。

112「龍文玉盤」
龍の透かし彫りが施された盤。
繊細です。
玉がよく折れないものだなぁ、と感心。
影まで美しい作品でした。

86高克恭「雲横秀嶺図軸」
元末四大家の代表作。
日本では高然暉として知られる元代の画家です。
雄大な山、その手前に雲があり、手前には水辺。
小さな庵もあります。
しっとりとした感じ。

90倪瓚「紫芝山房図軸」
倪瓚は、元末から明初の文人画家で、元末四大家の1人。
最晩年の作。
非常に美しい山水画です。
画面真ん中に大きな空間があり、その感覚も素晴らしい。

93張中「桃花幽鳥図軸」
美術館で展示作品の横にあるもの、キャプション。
今回、この展示のキャプションで何点かおもしろいものがありました。
この作品もその一つ。
"友達いっぱい"
って。。
なんかトーハクの方向転換!?
作品は桃の枝にとまる鳥を描いた掛け軸。
目をひくのは余白にぎっしりと書かれた賛。
この作品に感動した、感銘を受けた、というのは分かりますが、ちょっと多すぎな気も。。
これが"友達いっぱい"の意味なんですね。笑

88呉鎮「漁父図軸」
山に囲まれた静かな水面に舟を浮かべる漁師。
生涯、清貧と孤高の隠遁生活を楽しんだという呉鎮。
漁夫は隠逸の象徴とのことなので、その姿を投影していたのかもしれません。

92王蒙「具区林屋図軸」
目につくのは奇妙な岩肌、朱色の木の葉。
ささくれているような波、でしょうか。
奇妙です。
崖の中腹には家屋があり、中には読書をしている人物が。
そう、これは理想郷を描いたもの。
現実とは離れた世界。
右上に描かれている階段が現実とをつないでいる場所なのです。
そう聞くとこの不思議な景色も、鮮やかな色彩も納得できてしまう。

96冷謙「白岳図軸」
白岳(斉雲山)道教の聖山。
これは登った記念に描かれました。
手前には湖、ねじれ曲がった樹木や変わった山など奇想の世界のようにも。
冷謙は画家ではなかったそうですが、その画力は素晴らしい。

81「元人集錦巻」
文人画集めた巻物。
細やかな筆遣いでどれも美しい。
山水画がほとんどです。

以上になります。
まだまだ素晴らしい作品がいっぱいでしたので続きは「その2」で。




ブログランキングよかったらお願いします

生とうもろこし

2014-07-28 21:30:00 | 食べ物
とうもろこしを買いました。

「八ヶ岳生とうもろこし」
というものです。
生とうもろこし
生で食べられるのです。

7月27日にヒカリエで数量限定で発売されると知り、気になって買いに行きました。
聞いたことはあったけど、実際に食べたことないんだもん。
食べたい!!!!!

試食したらすっごく美味しくて。
この感動を誰かに伝えねば!!
となりました。笑

みずみずしくて、甘い。
すごく美味い。

糖度は約二十度だそう。
これはメロンよりも甘いんだとか。

八ヶ岳のHAMARA FARMというところのです。
標高千メートル、夏でも昼夜の寒暖差は十五度以上あるそうで、それが甘さにつながるのだそう。
2~3日もつとのことなので5本購入。
2本は私用。2本は母親に。その日に会った1本は知り合いに。
運がいいね!!笑
朝に収穫して、渋谷にもってきたんだとか。

渋谷で採れたて野菜。

通販もあるようなので、頼むか迷い中。笑
それぐらい気に入っちゃいました。

1本は生で、1本は加熱しました。

色すっごくきれい。


トマト。
こちらも販売されていました。


色々な種類があるんですね。

私、トマトが苦手なため食べなかったのですが、食べた人曰く。
美味しかったとのこと。

なんだか、とうもろこしですごく素敵な体験ができた気がします。


ブログランキングよかったらお願いします

全国ゆるパイ展 47都道府県の愛すべきご当地パイたち

2014-07-27 21:30:00 | 美術
見てきました

8/ d47 MUSEUM

会期は2014年7月25日から2014年8月3日。

旅行や出張で欠かせないもの。
お土産のお菓子。
ご当地の食材とコラボしたものが欲しくなります。
で、よく見かけるのがパイ。
お土産もののパイで有名なのは静岡県(浜松)のうなぎパイ。
ですが、他の地方にもご当地パイは実は多いのです。
そういったことに気づいてしまったのがこの展示のキュレーターでゆるパイ研究家(!?)の藤井青銅氏。

さて。なぜ、ゆるパイなのか。
饅頭、煎餅といった伝統菓子と違い、"パイ"は日本の風土にとって新参者。
そのため、"こうあらねばならない"というルールがないのです。
ゆえに自由に、勝手気ままに、ご当地食材とコラボしてしまうのです。
いや、食材以外ともコラボしているのです。
そのコンセプトの"ゆるさ"が魅力ともなっているご当地パイ。
そのため、これらを"ゆるパイ"と名付けたそう。

お土産ですから、その土地らしさは重要です。
食べ物ですから、味も重要です。
そして"おもしろい、ウケる"といったインパクトも重要。
これで会話が弾むのですから。
この"ウケる"の部分を重要視したのが、全国各地の愛すべきご当地パイ=ゆるパイ。
そんな"ゆるパイ"を47都道府県から集めた展示です。

というか、こんなにもパイがあるのか……
と驚きです。
私が気になったものを数点あげておきます。

【秋田】はたはたパイ
秋田の冬を代表する魚、はたはた。
はたはたの形に焼き上げ、味付けに"しょっつる"を使用したもの。
これ、食べたことある。
普通のパイでしたよ。

【茨城】水戸納豆パイ
これはインパクトある!!
茨城ってことがすぐに分かるし、「えー、納豆パイって本当に納豆の味なのー。」などと会話が弾むこと間違いなし。
素晴らしいお土産です。

【栃木】レモン牛乳パイ
栃木といえばレモン牛乳。
私がこれを知っているのは栃木出身の友達が教えてくれたから。
そのときから気になっているけどいまだに飲んだことがありません……
まずはレモン牛乳を飲んでみたい。

【埼玉】なまずパイ
埼玉県。
深谷のねぎとか川越の芋とかもあるのに、なまず。
実は埼玉はうなぎも有名なのだそう。
じゃ「うなぎパイ」を作ろう!!
としたら、すでに全国区の「うなぎパイ」(静岡)がある……
といった経緯があったとしても、なぜ、なまずにいったのでしょうか。
淡水魚つながり!??
パイは、なまずの形をしていて、味はチーズ・きなこ・ごま・ アーモンドの4種類。
なまずは入っていないそうです。
うなぎパイには入っているのに!!

【東京】EV4型自動券売機型メープルパイ
一番つまらなかったのが東京。
スカイツリーとかそうゆうの、インパクトには欠けるし……
これはパッケージが切符でした。
なんかねー。
難しいのかもしれないけど、もうひとひねり…さんひねりぐらいほしいかな。
東京は全国の、というか世界のおいしいものが食べられるけどさ。
東京土産でパイはなしってことで。

【富山】富山チューリップ便り
なんだかメルヘンチックでかわいらしかったので。
チューリップをモチーフにほんのりと甘い香りのパイだそうで、ピンク色のソースがパイのうずうずに入っていました。

【三重】伊勢海老パイ、松坂牛パイ
三重は高級路線をいくのでしょうか。
インパクトあります。
パッケージも高級なように見えてきました。

【山口】うにパイ、ふくパイ
ふくパイは「福をよぶ」ってかんじでいいなぁ。
どちらも、うに、ふぐが入っています。

【香川】伊予柑パイ、オリーブパイ
我が心のふるさと(!?)香川県。
どちらも名産品ですね。
せっかくだから「うどんパイ」も出してもらわないと。
(すでにあるのかな??)

【佐賀】むつごろう入りパイ 干潟あそび
インパクト大!!!すぎる。
こちらも埼玉のなまずパイと同様むつごろうは入っていませ…えっ!?入ってる!??
どんな味か気になる気になる……

私の出身地【静岡】はうなぎパイとしらすパイが展示されていました。
やっぱりうなぎパイの存在感が違いすぎる。

とってもおもしろい展示でした。
その地域の様々なものが見れて、パイの購入もできちゃいます。
ぜひぜひお気に入りのパイを見つけてみてください。



ブログランキングよかったらお願いします

ネイル

2014-07-26 21:30:00 | ネイル
変えました!
夏らしくネイビーでボーダーだよ。
親指と薬指をフレンチにしてライン。
境目にはパール置きました。
他の指はオレンジ、黄色、青。
この色の組み合わせに迷って迷って。
考えただけで疲れた。。。
付き合ったネイリストさんはもっと疲れたと思う。笑
フレンチの境目にはラメライン。


うん、かわいい。




ブログランキングよかったらお願いします

marukoを魅了した美術品(グッズ)

2014-07-25 21:30:00 | ミュージアムショップのお菓子たち
世田谷美術館で開催中の「華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美」
これらの作品に魅了され、うっとりな私。
(記事はこちら→「その1」「その2」)

展示のあとはグッズですよ。
私はそこでも魅了されました。笑

まずはこちら。

中川政七商店 オリジナルふきん 486円
パリの街とモネが愛した日本の美をイメージしたオリジナル柄のふきん。
私、ハンカチとかふきん大好き。笑
バックには必ずハンカチと小さいハンドタオルを入れていますが、季節や服の色に合わせています。笑
そして見かけると買いたくなるというヤバい病気が……
あと、「大浮世絵展」で購入したティッシュケースにティッシュを入れて持ち歩いています。
(記事はこちら→「江戸土産」)
この3点、重要。
で、ふきんの話ですが。
可愛い柄のふきんは見ると欲しくなってしまうのです。
お家のふきん入れはこんな感じ。

今日からここに仲間入りです。

そしてかわいらしいのがこちら。
リラックマ×《ラ・ジャポネーズ》!オリジナルグッズ

クリアホルダーセット(2枚1セット) 540円
色とりどりのうちわがちりばめられたクリアファイル。
元ネタはもちろん、モネの「ラ・ジャポネーズ」
カミーユ・モネと同じポーズでこちらも見ています。
A4サイズで美術館のチラシがぴったり入ります。


ぬいぐるみ 2,484円
きぇぇぇぇ!!
かわいい!!
振り向いたポーズがかわいい。

こっそりお団子持っているところもかわいらしい。
リラックマの特徴、背中のファスナーは……。

こんな感じ。

こうゆうコラボはキティさんの仕事と思っていましたが。笑
リラックマもかわいくていいなぁ。


ブログランキングよかったらお願いします

ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美 (その2)

2014-07-24 21:30:00 | 美術
見てきました

世田谷美術館

会期は2014年6月28日から2014年9月15日。

今年注目の展示でしょう!!
ボストン美術館が所蔵する「ラ・ジャポネーズ」の修復後世界初公開。
19世紀後半から20世紀初頭、西洋では浮世絵をはじめとする日本美術が大流行。
大胆な構図、鮮やかな色彩は、西洋の美意識に根本的な革命をもたらし、ジャポニスムが生まれました。
今回はボストン美術館所蔵の絵画、写真、工芸など約150点の展示。
西洋の芸術家たちが、日本の美術からどのようなものを受け、新たな美を創造したのかを見ていく展示となります。

2回に分けて書いていきます。
第1章から第3章を「その1
第4章から第5章を「その2」
今日は「その2」です。
(「その1」はこちら→「ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美 (その1)」)

《4.自然》
浮世絵でも多くみられる自然。
これら日本美術からの影響により自然界を参照したモティーフや様式の採用は、19世紀後半から20世紀初頭にかけて興ったいくつかの主な西洋美術の動向を特徴づけるものでもありました。
特に、応用美術や版画、ポスター・デザイン、そして写真といった新しい分野において、その傾向が見られます。
唯美主義の装飾性、アーツ&クラフト運動では身近な品々へ独創的な形象を。
特にアール・ヌーヴォーでは自然から派生した図像の抽象表現に価値を見出していきました。

一雲斎秀氏「蛸に貝図鐔」
金・銀・赤銅などを薄肉彫と据文像嵌によって波とタコと貝を表しています。
タコのくねっとした感じがなかなか生々しい。。
長い足(腕!?)は裏面にまでつながっています。

ゴーハム社「茶入れ」
小さな茶入れ。
表面に施された細工が面白い。
立体で実の付いた茄子。
そこに蝶やコオロギが寄ってきているのです、。
蓋には小さな蛙。
精巧です。

チャールズ・キャリル・コールマン「つつじと林檎の花のある静物」
チャールズ・キャリル・コールマンは唯美主義の画家。
縦に長い掛け軸のような大きさのカンヴァスに描かれたのは東洋陶磁に活けられたつつじと林檎の花。
すっと背の高いつつじと林檎の花が気品に溢れていてとにかく美しい。
背景の丸紋も似合っています。

三代歌川広重「『百猫画譜』より9図」
猫はさまざまな浮世絵に描かれてきました。
この作品は1878(明治11)年に刊行された画文集「百猫画譜」から9図の挿絵頁のみを抜きだし、スクラップ状にしたもの。
猫の様々な形態が描かれています。

エドゥアール・マネ「猫の逢引」
フランスの美術批評家、シャンフルーリの「猫」という書籍のための広告ポスターとして描かれたもの。
手前に猫が2匹。
白猫と黒猫。
その後ろには屋根と煙突が続いていきます。
猫が影もなく平面的です。

歌川国貞「虎」
身をかがめてうなっているかのような体勢の虎。
鋭いつめと牙をたて、躍動感あります。

ポール=エリー・ランソン「密林の虎」
上の国貞の虎を反転させたかのような構図。
アイリスと草木が踊る背景が異国情緒を感じさせます。
虎はアジアを生息地としてヨーロッパには存在しません。
この動物を描くときに参考となったのはこういった浮世絵たちでした。

歌川広重「名所江戸百景 深川洲崎十万坪」
よく見る「名所江戸百景」
その中でも最も奇想でもっとも謎深いとされている作品。
暗い空からは雪が落ち、鷲が空を覆うように翼を広げています。
その眼下には雪景色。
筑波山が遠くに見え、江戸湾の青が美しい。
気になるのは江戸湾に浮かんでいる桶のようなもの……
深川は江戸時代に埋め立てられて発展した場所。
ですが、そのはずれの洲崎は度々水害に襲われたために人が住めるような場所ではなく、荒涼たる風景が広がっていたそう。
なぜ「名所江戸百景」でそのような場所を描いたのか。
なぜ桶?が浮かんでいるのか。
見れば見るほど面白い作品なのです。

フランク・ウェストン・ベンソン「早朝」
横に長い画面。
水面間際に連なって飛ぶ鳥たちが早朝の光を受けています。
この作品、元は円山応挙の屏風に着想を得ているのでは、とのこと。
構図や連なる鳥、黄金色を基調とした画面など共通点がみられるのだそう。
浮世絵だけではなくて、応挙なども海外に知られていたんですね。

作者不明、日本「型紙 寄せ模様」
型紙とは友禅、ゆかたなどの柄や文様の原版。
様々な文様を集めたものです。
桜や格子模様などとてもおしゃれで素敵です。

ペーター・ベーレンス「睡蓮に蝶」
楕円の中に睡蓮と蝶が描かれています。
中央に白い睡蓮の花。
その周りを睡蓮の葉が取り囲み、蝶が左右対称に2匹配されています。
さらにその周りは水面を漂うあやめの葉に囲まれています。
優美な印象です。

ジスベール・コンバズ ディートリッヒ社「12枚組ポストカード〈四大元素〉より《空気》、《水》、《水》、《火》」
ベルギーの出版社が企画したポストカードのセット。
《空気》は蝶、《水》は滝登りの鯉、もう一つの《水》は高波と月。
《火》は噴火する富士山。
装飾的でとてもおしゃれ。

フランク・ウェストン・ベンソン「銀屏風」
テーブルを覆うのは東洋風の刺繍が施された布。
右側にある壺は中国っぽい印象も。
ガラス皿いっぱいの果物も置かれています。
その後ろには銀屏風。
この銀色がこの作品の色彩を支配しています。

アンリ・マティス「花瓶の花」
とても平面的で不思議な作品。
室内のテーブルの上に置かれた花瓶を描いているのですが、背景と一体となっているかのよう。
花瓶の載せられた小さなテーブルはかろうじて奥行きを感じますが、後ろの窓、壁紙などは一体となっているかのよう。

喜多川歌麿「潮干のつと」
36種類の貝とそれに対応する狂歌を集めた彩色摺絵入りの狂歌本。
上には狂歌、下には様々な貝が描かれています。
様々な貝が描かれたもの。
繊細でとてもきれい。
こういったものも描けるんだなぁ、と。

ジェームズ・アンソール「貝殻のある静物」
東洋風のせんす。
着物の女性描いたカップ。
そして貝殻。
ジェームズ・アンソールの両親は雑貨屋を営んでいました。
そこでは貝殻とともに東洋の工芸品が売られていたため、アンソールにとって身近なものだったのかもしれません。
淡い色彩で優しく描かれています。

ステューベン・ガラス工房 フレデリック・C.カーダー「ブルー・オリーン扇形花瓶」
扇の形をした花瓶。
青い色で、まるで流れる水のよう。
抽象化された蔦と葉のモティーフによる装飾が美しさを増しています。

《5.風景》
自然やその移ろいの中に美を見出す日本人の感覚に魅了されていた西洋の美術家たちに、風景表現における日本の色彩感覚、遠近法、そして光へのアプローチなどは、さらなる発展性を力強く提示するものでした。
ヨーロッパでは形態に合理的な立体感をもたらすために陰影を加えますが、これに対して日本人は色彩の対比を用いたり、形象を反復したり、たとえば富士山など象徴的な場所を描写する際に主要なモティーフとことさらに強調するなどして風景に命を吹き込んでいました。
こうした手法の多くは西洋美術にも取り込まれていくこととなります。

フェリックス・H.ビュオ「かもめのいる港」
ビュオは19世紀後期のフランスにおけるもっとも独創的な版画家の一人。
描かれているのは漁師やボート、かもめで賑わう港の景色。
目を引くのは版の余白。
ここにも船やかもめ、貝などが描かれています。
主体となる画面の完成後、余白に後から別の版を刷り入れているのだそう。
ちょっと幻想的です。

アンリ・ゲラール「日没、オンフルール」
黄色っぽい紙に描かれいてるのはシルエットで表現された船。
水面の動きの表現も素晴らしいです。
陽を描かず、色彩も使わずに、夕日が表現されているとはっきりわかります。

ジェームズ・アボット・マクニール・ホイッスラー「ノクターン」
とても素敵な作品です。
ホイッスラーはジャポニスムを代表するアメリカの画家。
幼少期から父の仕事の関係でサンクトペテルブルグ、ロンドン、ブリストルと外国で育ちます。
1859年に本拠地をパリからロンドンに移してもパリ、ヴェネチアに滞在しました。
日本美術との出会いは60年代と思われます。
展示作品ではないのですが、広重の「名所江戸百景」から想を得たと思われる作品も多数残っています。
この作品はシルエットで描かれた世界。
川には船が浮かび人が一人。
奥には陸地、、建物の影が描かれています。
そこからほんのりもれる明かりも素敵。

ウィリアム・エドワード・ノートン「夜」
霧深い夜の港に停泊する船。
水面には明るい月が反射しています。
ただ、上空にある月自体は描かれておらず、その反射した光から感じ取るのです。
暗い大きな影となった船からはところどころ明かりが漏れ、人の存在を感じます。
幻想的でとても素敵な作品。

ハーマン・ダドリー・マーフィー「アドリア海」
真っ青な海がとても美しい作品。
遠くのほうに小さく船が見えます。
水平線はちょっと曖昧。
あるのは空と海というシンプルさですが、そこがかえって新鮮です。

アーサー・ウェズリー・ダウ「沼地風景」
ここから数点写真です。
写真とジャポニスムとは、となりますが、前衛写真家たちは風景をもっとも主要な題材とした芸術家たち。
ホイッスラーの解釈を通じてジャポニスムを享受していました。
特に浮世絵の大胆な構図が取り入れられたそうです。
この作品は一面沼地を捉えた写真。
静寂が漂います。
青で仕上げられ、浮世絵のベロ藍を連想させます。

アン・W.ブリグマン「聖地」
雄大です。
崖に立つ女性をさらにその上から、まるで鳥の視点からのような作品。

エドワード・ウェストン「花」
写っているのは桜の花。
かわいいくって、ほっこりします。

チャールズ・ハーバート・ウッドベリー「フロリダ海岸沖」
ここからまた絵画です。
描かれているのは波と空のみ。
大きなうねりで勢いがあります。
水の色の変化もきれいに表現されています。

ポール・シニャック「サン=カの港」
点描で描かれているのは砂浜と海、船。
左に大きな空間があり、右には岩肌を覗かせる岬。
これらが形態として単純化されているため、平坦な印象を与えます。

エドヴァルド・ムンク「夏の夜の夢(声)」
連作「生命のフリーズ」の1作。
水面には月の光が長く映りこんでいます。
砂浜には木々のまばらな林があって、白い服の女性が1人こちらを見ています。
少し幽霊なんじゃないかという気もする。。
垂直に立つ木々が妙なリズムを生み出しています。

クロード・モネ「トルーヴィルの海岸」
トルーヴィルの海岸はリゾート地として有名でしばしば描かれた場所ですが、この作品は海岸というよりも海の見える草原といった印象。
真ん中には強い海風に耐えているのか傾いた木。
モネはしばしばその膨大な浮世絵コレクションの中から特定の作品を参照して制作を行ったのだそう。
この作品と構図のとり方が似ている作品が、歌川広重「東海道五拾三次之内 四日市 三重川」
強い風に木はしなり、旅人の笠が飛ばされてしまい必死に追いかけている様子が描かれているものです。
確かに中央に木を持ってきたり、またその木も似たような形で傾いています。

146クロード・モネ「積みわら(日没)」
このあたりの作品は浮世絵と一緒に展示され、その影響を見ることができます。
うーん、これは違うんじゃ、、、といった作品もありますが。。
日本人にはジャポニスムの影響とは思えない作品も西洋の人にはそう見えるのでしょうか。
西洋の人が日本の真似をしても「どこか変」と私たち日本人が感じるように、西洋の人たちもこれらの作品の微妙な違いを感じていたのかな。
それがジャポニスムなのかな、と思いました。
この作品は歌川広重の「東海道五拾三次之内 鞠子 名物茶店」の影響がみられるのだそう。
ちょっと、、びっくり。
鞠子といえばとろろ汁。
旅人が茶店でかっ込む姿が描かれたもの。
この作品は画面右側に大きな積み藁。
茶店の茅葺屋根のかたちと似ているといえば似ています。
夕焼けに染まる空、積み藁の影。
モネの光がいっぱいの作品。

クロード・モネ「睡蓮の池」「睡蓮」
最後です。
やっぱりモネといえばこの作品。
睡蓮の池は太鼓橋、睡蓮は睡蓮の花が咲く池を描いたもの。
その水面は限りなく広がっていくかのような印象を与えます。
水面に移りこむ木々の影など繊細でその力量に感嘆もれる作品。

とても楽しい展示でした。
私好みも多かったし、新しく好きな作家も見つけたりして、収穫の多いものでした。

世田谷美術館、東急田園都市線の用賀駅で下車、徒歩15~20分というアクセスがネックでしたが、この会期中は用賀駅と美術館を結ぶバスが出ています。
100円ですし、直行便でとっても便利!!
暑いけど汗かかずに美術館まで行けちゃいます。
とてもとてもおすすめの展示です。



ブログランキングよかったらお願いします

ボストン美術館 華麗なるジャポニスム展 印象派を魅了した日本の美 (その1)

2014-07-23 21:30:00 | 美術
見てきました

世田谷美術館

会期は2014年6月28日から2014年9月15日。

今年注目の展示でしょう!!
ボストン美術館が所蔵する「ラ・ジャポネーズ」の修復後世界初公開。
19世紀後半から20世紀初頭、西洋では浮世絵をはじめとする日本美術が大流行。
大胆な構図、鮮やかな色彩は、西洋の美意識に根本的な革命をもたらし、ジャポニスムが生まれました。
今回はボストン美術館所蔵の絵画、写真、工芸など約150点の展示。
西洋の芸術家たちが、日本の美術からどのようなものを受け、新たな美を創造したのかを見ていく展示となります。

いや~、楽しみにしていましたとも!!

「来年お会いしましょう」
からチラシを大切に集めていたさ。笑
うきうきで行ってきました!!

2回に分けて書いていきます。
第1章から第3章を「その1」
第4章から第5章を「その2」
今日は「その1」です。

《1.日本趣味》
"ジャポニスム"
西洋諸国において日本への関心、日本の物品の収集、そして西洋美術における日本的な題材や様式の探求
これらを表す言葉として使用されました。
1850年代に日本との貿易が開始されたことにともない、多くの西洋人たちは美術や工芸品を通して、この島国を知ることとなりました。
やがて1870年代までには、"日本"に触れる機会が生み出されました。
日本の品物を扱う専門店や万国博覧会、そしてボストン美術館が開催し強い影響を及ぼすこととなった展示などです。
それは遠く離れた日本に対する人々の関心と急速に広まりつつあった好みに答えるものでした。
歌川広重、葛飾北斎らの浮世絵はその大胆な構図、描写力が新しい手法を模索していた当時の画家たちを強く引きつけました。
また陶芸、七宝、蒔絵などはデザイナーたちの関心の的となります。
それら日本文化の影響はすぐさま西洋美術の表現に見出されるようになりました。

歌川広重「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」
何度も見ているものだし、何度もこのブログで取り上げている作品。
雨の中、身をかがめて急ぐ人が描かれています。
雨は細い線で表現され、強く降っていることがわかります。
広重は欧米のコレクターたちの間で最も人気のある浮世絵師の一人。
フィンセント・ファン・ゴッホも広重の浮世絵を収集していて、この作品を所有。
また模写もしています。
ゴッホは生活が苦しいなかでもコレクションをしていて、死後、手元に残されていた浮世絵は480枚ほど。
すごい。。。

歌川広重「名所江戸百景 浅草田甫酉の町詣」
吉原遊郭の二階と思われる場所から外を見るネコ。
木格子ごしに見えるのは夕暮れの空と富士山。
行列の人々。
ゴッホは480枚ものコレクションがあったと先ほど書きましたが、それに並ぶのかクロード・モネ。
300点近い浮世絵はジヴェルニーのモネ邸を飾り、没後はクロード・モネ美術館となって公開されています。
なお、モネは先ほどの「名所江戸百景 大はしあたけの夕立」も所有していました。

平田就亮「虫図七宝鐔」
刀の鐔。
七宝で舞う蝶や蜻蛉が施されています。
繊細で色の組み合わせも美しい。
蜻蛉はその表情もかわいらしいです。

ブシュロン社 デザイン:ポール・ルグラン「インクスタンド」
日本風モティーフを組み合わせたインクスタンド。
浮世絵や漆工芸、型紙などから引用した図案が施されています。
富士山っぽいもなや女性像、自然風景などがぎっしり。
また、狛犬らしきものがいたり、インクスタンド全体を4匹の亀が支えていたりと見所たっぷり。

伝小川破笠「棕櫚意匠料紙箱」
非対称の棕櫚の文様を、蓋上部から箱の側面へとつながるようにのばしたデザイン。
今見てもおしゃれ。
19世紀の末、アメリカ人画家でステンドグラス作家でもあったジョン・ラファージによって購入されました。
そして1908年、オークションに出品され、ボストン美術館のために岡倉天心が落札しました。

ジュール・フェルディナン・ジャックマール「ファミーユ・アルカイク、日本の磁器(『美術・商工業磁器史』図版1原画)」
柿右衛門を模写したもの。
皿とコップ、水差しが描かれています。
柿右衛門はヨーロッパに大量にもたらされ模した食器もたくさん作られました。
ジャポニスムへの熱狂が伝わってきます。

ウェッジウッド社「クイーンズウェア・プレート一対」
一対のお皿。
当時、ヨーロッパの窯では日本的モティーフをあしらったテーブルウェアをこぞって制作しましたが、このお皿は歌川国員の浮世絵を忠実に写したもの。
皿のふちには紅葉まで描かれています。
日本より日本的なのでは、とも思う。

ジョン・イリングワース・ケイ(またはアーサー・シルヴァー)帰属、シルヴァー・スタジオ「家具用ファブリック」
蓮の花に松、富士山、月。
日本の風景表現を応用したビロード生地。
とてもおしゃれで素敵。
神秘的な感じもします。

ルイ・デュムーラン「京都の鯉のぼり、端午の節句」
京都四条の通りが描かれています。
空には鯉のぼりが悠々と。
ルイ・デュムーランは日本に旅行した経験も、ありますが、この作品はイタリア人写真家、アドルフォ・ファルサリの写真に着想を得たもの。
描かれた風景は写真そっくりですが、写真には鯉のぼりはありません。
この作品の隣には、歌川広重の「名所江戸百景 水道橋駿河台」が展示されていましたが、こういった作品が参考にされたのでしょう。
日本の景色を描くうえで鯉のぼりのような日本的なものが重視されていたことが伺えます。

ヘンリー・ロデリック・ニューマン「日光東照宮外壁」
日光東照宮の外壁を写したもの。
石の質感、木彫の質感まで伝わってきます。
色彩も美しいし、細部まで丁寧に描かれています。
ヘンリー・ロデリック・ニューマンはアメリカの水彩画家。
彼が日本を訪れたとき1897年までには、日光東照宮は重要な観光地として確立していたのだそう。

《2.女性》
20世紀、女性の社会進出が、より活発となり、芸術運動のなかでも存在感を増していきます。
当初、日本趣味は輸入ものの絹製品を身につけ、珍しい品々を買い求めて室内を飾りつけした女性たちの存在と密接に関わり合うものでした。
着物を原型としたドレスや日本的要素を取り入れたデザインが流行します。
こうした衣服を身につけた女性を描くことも。
当時、日本文化は"女性的なもの"ととらえられていたそうです。
それはオペラなどで知られるお菊さんや蝶々夫人といった存在から日本を夢想していたため。
浮世絵の題材としても、美人画など女性に溢れていました。
ここでは、華やかな花魁、母親、娘たち。
様々な女性が展示されています。

溪斎英泉「鯉の滝登り打掛の花魁」
ベロ藍が目にも鮮やかな作品。
こちらに背を向け立つ遊女の打掛には今にも動き出しそうな鯉の図。
あでやかです。

アルフレッド・ステヴァンス「瞑想」
アルフレッド・ステヴァンスは初期ジャポニスムの画家。
緑の花模様の着物を着た女性が描かれいています。
物憂げな表情が美しい作品。

エドマンド・チャールズ・ターベル「夢想(キャサリン・フィン)」
白い服の女性が物思いにふけるかのような表情。
後ろに屏風らしきものがあるけど、これがジャポニスムってことかな。

喜多川歌麿「母子図 たらい遊」
木だらいに水を入れ、魚のおもちゃで遊ぶ子ども。
後ろには母親がいて子どもを支えています。
かわいらしい。

メアリー・スティーヴンソン・カサット「湯浴び」
喜多川歌麿「母子図 たらい遊」の隣にあったもの。
構図は反転していますが、とても似ています。
裸の子どもを抱えて湯に手を入れている母親。
子を思う母の気持ちなどは日本だろうと西洋だろうと通じるものなのでしょう。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「『レスタンプ・オリジナル』第1年次のための表紙」
この作品は三菱一号館美術館で開催された「ロートレック展」でも見ています。
ロートレックの作品への日本の版画の影響は周知のこと。
ロートレックが着物を着ておどけた表情でいる写真もあるぐらい。
『レスタンプ・オリジナル』は出版家アンドレ・マルティが当時の芸術家に依頼してつくった版画集。
その表紙がこの作品。
印刷所の風景です。

ジェームズ・ジャック・ジョゼフ・ティソ「新聞」
モノクロのエッチング。
羽のついた帽子かぶり新聞読む婦人。
ちょっと冷たい印象がありますが、とても美しい。

ピエール=オーギュスト・ルノワール「花飾りのある帽子」
1892年の油彩をもとにしたカラー・リトグラフ。
帽子をかぶった2人の少女が描かれています。
黒髪の少女が小さな少女の帽子に花をつけてあげています。
その柔らかく優しい色彩と表情になごみます。

ポール・ゴーギャン「『ヴォルピーニ連作』より《ブルターニュの楽しみ》」
この作品のどこに日本的要素が?と一瞬迷います。
描かれているのは2人の農婦。
枠の外に犬2匹。
そして平坦化された構図。
これこそが浮世絵の影響なのでしょう。

礒田湖龍斎「雪中美人」
雪の中、傘をさして歩く女性。
傘には雪が積もっています。
しんしんと、静けさが伝わってきます。

ヘレン・ハイド「赤子を背負う母と男児」
縦長の画面に描かれたのは、柳の木の下にいるのは赤ちゃんを背負った母親と男の子。
とても日本的。
横浜美術館で開催された「魅惑のニッポン木版画」でも彼女の作品を見ています。
この作品と同じく、母と子を扱ったもの。
優しい眼差しを感じます。

歌川国貞(三代豊国)・歌川広重「当盛十花撰 夏菊(二代目沢村訥升、初代沢村由次郎)」
暗い背景に大きな菊が鮮やか。
これは菊の花を花火に見たてたもの。
その色彩感覚が素敵。

フィンセント・ファン・ゴッホ「子守唄、ゆりかごを揺らすオーギュスティーヌ・ルーラン夫人」
椅子に座った女性が描かれています。
背景には菊の花模様。
女性の顔など丁寧に描き込まれていますが、背景もしっかりと描かれています。
女性の服などは強い色彩なのですが、柔らかく見えるのはこの背景のおかげなのかも。。

エミール・ベルナール「画家の祖母」
自身の祖母を描いたもの。
この作品を描く少し前にゴッホが企画した浮世絵展を見ていたベルナール。
この作品に見られる単純化などは浮世絵の影響でしょうか。
描かれている祖母は非常に現代的な女性でベルナールが画面になることを両親に反対された際に支えた人物なんだそう。
自身で洗濯屋を経営し、孫のためにアトリエを建ててやりました。
かっこいいぞ!!

ババーニ社「女性用着物、または室内着」
19世紀後半、ジャポニスムは西洋のファッションにも影響を与えました。
ゆったりと身を包むように羽織る衣装は東洋趣味のティー・ガウンやネグリジェとして流行。
"ル・ジャポン"、"ル・キモノ"などと呼ばれました。
東洋風の品々や衣装、香水などを広めるのに一役買ったのがバニーニ社。
友禅染が鮮やかな紫色の振袖。
多色の絹糸、金糸で桜や松、藤などが刺繍されています。
素晴らしいです。

クロード・モネ「ラ・ジャポネーズ(着物をまとうカミーユ・モネ)」
大きい。
思っていたよりもかなり大きくてびっくりしました。
等身大だそう。
モネといえばジャポニスムの画家として名前が出てきますが、この作品は直接的ジャポニスム唯一の作品。
妻のカミーユ・モネがモデルです。
カミーユはもともと黒褐色の髪でしたが、ここではブロンドのかつらをつけ、鮮やかな緋色の着物をまとい、振り返るようにこちらを見ています。
壁と床には団扇が貼られ、床には茣蓙が敷かれています。
着物の裾には刀を手にした武士の刺繍が施されています。
デザインは能の紅葉狩から、と思われます。
とすると、美女の正体に気づいて刀を抜いた瞬間かな。
金糸の刺繍の豪華さが伝わってきます。
これを表現するのは大変でしょう。
モネの力量と観察眼に驚かされます。

《3.シティ・ライフ》
19世紀後半、ヨーロッパ諸国の都市は大規模な変貌を遂げます。
建築様式の変革、産業革命などがあり、新しい都市文化が生まれました。
江戸の大相撲、パリのシャンソン・カフェ……。
都会のエンターテイメントや街角の光景は、洋の東西を超えて画家たちの格好のテーマとなりました。

歌川国貞(三代豊国)「勧進大相撲興行之図」
歌舞伎と並び、江戸庶民の娯楽性として愛されたい相撲。
透視遠近法で描かれ、壮観です。
観客席はぎっしり埋まり、満員御礼です。

アンリ・ド・トゥールーズ=ロートレック「騎手」
フランスにおいて、上流階級のスポーツであった乗馬。
市民の娯楽として競馬が人気を得るようにぬるのは19世紀半ば。
走りゆく馬を後ろから描いた作品。
躍動感あります。

楊洲周延「上野不忍共同競馬会社開業式之図」
日本では馬を競わせる“競馬”が奈良時代から神事として行われていました。
洋式競馬は開国後に居留地に住んだ外国人が横浜で行ったのが始まりとされています。
この作品に描かれているのは日本初の競馬会社・共同経営会社が1884(明治17)年に開催した、上野の不忍池での競馬会。
明治天皇も隣席されたそう。
明治の浮世絵を代表する赤色が印象的。
文明開化の雰囲気です。
空には祝賀の花火も打ち上がり、中に仕掛けられたものがふわふわ浮いています。
タコや牛、魚など。。
こうゆう花火があるんだなぁと知るとともに。
傘を差した洋装の女性もふわふわ浮いています。
彼女は、、、メリー・ポピンズ!?

ジョン・エドガー・プラット「ジャイアント・ストライド」
なんかすごい。
ジャイアント・ストライドとは回転式遊具。
それで遊ぶ子供たちが、描かれていますを
浜辺でくるくる回るジャイアント・ストライドで遊ぶ子供たちは楽しそう。
色彩も明るく面白い作品。

エドガー・ドガ「カフェ・アンバサドゥールのベカ嬢」
カフェ・アンバサドゥールは、パリ随一の人気シャンソン喫茶でマドモワゼル・ベカは人気歌手。
彼女を真ん中から少し左側に配した構図やはっきりとした明暗表現は浮世絵からかな。
影絵みたいで幻想的。
とても素敵です。

フェリックス・エドゥアール・ヴァロットン「版画集『息づく街、パリ』より《にわか雨》」
突然降り出した雨に駆け出す人々。
はっきりとした表現もヴァロットンらしくて。
おしゃれで素敵な作品。

ジョン・スローン「春の花」
花をたくさん積んだ花売りの馬車が雨に濡れた道を行きます。
他にも傘さす婦人が道を歩いています。
色彩も構図もとても素敵。
斜め上から見下ろすような構図ですが、これは画家のアパートから見た光景なんだそう。
ジョン・スローンは、20世紀初頭のニューヨークの生活を多く描いたアメリカの画家。
都会の生活や労働者などを描きました。

以上、「その1」になります。
とても面白い作品だらけ。
有名どころもそうではないものもその力量の高さには驚きです。
「その2」では風景画や工芸品なども登場し、ジャポニスムの広がりを感じることができます。



ブログランキングよかったらお願いします

イタリアンランチ

2014-07-22 21:30:00 | 食べ物
西新宿のちょっと奥まったところでランチしました。
サラダ、パスタ、デザートにドリンクで1200円ぐらい。

サラダはシンプル。
葉っぱにきのことにんじんときゅうりとトマト。
ボリュームあります。


パスタ。
パスタは枝豆の豆豆ぺペロンチーノ。
手前のはライスコロッケです。
パスタかライスコロッケが選べたため、1つずつ頼んでみました。
(2人で食べに行きました)


割るとぎっしり~。

ぺペロンチーノは思っていた程、辛くなく。
麺がもちもちしておいしかった。
コロッケは面白い味でした。
なんの調味料使っているのか、わからなくて。。。
おしゃれでおいしかった~。


デザートは桃のパンナコッタとローズマリーのアイス。
これまたアイスがさわやかでおいしい。

たぶん、また行きます。



ブログランキングよかったらお願いします