見てきました
森アーツセンターギャラリー
2013年3月9日から2013年5月19日。
アルフォンス・ミュシャ(1860-1939)
その華やかで美しく独創的な作風から人気の高いアーティストです
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アール・ヌーヴォーの画家。
「ミュシャ様式」といった自身の名前を冠した様式があるほどの作家です。
日本でも定期的に展示があり、「ミュシャマニア」なんて言葉も。
数々のポスターやカラーリトグラフなど、グラフィックアーティストとしての側面が有名ですね。
今回、ミュシャ財団秘蔵の作品の中から厳選された240点越えの展示です。
楽しみにしてました!!
ミュシャマニアではないけれど、分かりやすく美しい作品に惹かれる
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今回はパリ時代のグラフィック・アーティストとしてのミュシャ、意外と知られていない油彩画家としてのミュシャ、そして、チェコへの帰国後、チェコ人としての彼の生涯と思想にも焦点を当てられているとのことで期待
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今回、長いよ!!
超大作!!(自分で言うよ 笑)
「パレットを持った自画像」
最初にミュシャがお出迎え。
40代の頃の油彩の自画像。
ヒゲもっさ~な男性です。
ミュシャの華やかなリトグラフのイメージからは意外な雰囲気。
ロシアの民族衣装を着たミュシャが下から見上げるような感じで描かれています。
このあたりには娘や息子を描いた作品も。
すっごくかわいらしいです。
息子を描いた作品はこれぐらいしかなかったのですが、将来、きっとかっこよくなったことでしょう
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「別の作家の作品」
ミュシャのアトリエを描いた作品です。
ごっちゃ~としています。
色も多いし物が多い。
モチーフになったものとかもあるのかな。
モデルにポーズをとらせた写真の展示がこのあとにありましたが、ここで撮られたものだそう。
「ジスモンダ」
ミュシャの出世作。
ミュシャといったら必ずこれが出てきます。
当時の人気女優サラ・ベルナールのためのポスターです。
繊細で華麗な雰囲気、字体も独特。
まったくの無名で書物の挿絵などの小さな仕事をこなしていたミュシャ。
このポスターがパリ中に張り出されたところ一夜にしてミュシャは人気アーティストに。
サラは一目見て涙を流すほどこの作品を気に入ったとか。
そしてミュシャと6年の契約を結びます。
ミュシャが手がけたサラのポスターはどれも評判になり、女神サラのアイドルとしてのイメージを作り出し定着化。
と同時に、自身も彫刻家で美術コレクターでもあったサラとの交流を通じてミュシャの芸術の表現も成長したのだとか。
ミュシャにとって転機と成長をもたらしたサラはまさに女神
「ジスモンダ」で一躍人気アーティストになったミュシャは祖国に帰るまでの約25年間をパリで活動します。
ミュシャはサラのポスターを手がけつつ、舞台装飾の仕事をしたり。
企業の製品パッケージなどもしていたそうです。
ココアやクッキーなどの身近なもののパッケージもありました。
また「JOB」というこれまた有名な作品も展示されています。
「ミュシャ石鹸 スミレの箱」
とうとう、ミュシャの名前のついた製品まで。
花に囲まれた女性が描かれていました。
ザ・ミュシャという感じです。
名前や作風から石鹸なんてぴったり!!と思いつつも、現実はおっさんだからな~(笑)
でも、これが販売されていたら買いたい!!
「四季」
四季を擬人化した女性像です。
4枚セットです。
私の一押しは春!!
まっすぐに見つめるその美しさ
![](https://blogimg.goo.ne.jp/img_emoji/benibara.gif)
動けなくなっちゃうよ……
一度見たあとも引き返して見直すぐらい気に入った作品。
華やかな色使いも好きです。
今回図録買いましたが、既に何度も見返しています。
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きれい。
「夢想」
今回のチラシにも使われている作品。
背景は花が円形に描かれていて、そこに女性が描かれています。
華やか。
これは日本語タイトルもうまいよな~。
イメージと一致していて幻想的。
「四芸術」
リトグラフといえば通常は紙に刷るものですが、これはシルクサテンに刷ったもの。
本邦初公開で今回の目玉の一つです。
主要な芸術である「音楽」「詩」「絵画」「ダンス」を擬人化したもの。
4枚1セット。
私の一押しは「詩」
幻想的です。
下絵も一緒に展示されていてその違いなんかも見れてとてもよかったです。
「宝石」
こちらは宝石を擬人化したもの。
ルビー、トパーズ、アメジスト、エメラルドの4つが展示されていました。
一押しは「エメラルド」
ほら5月の誕生石だし。幸運の象徴だし。
アメジストの紫のドレスを着た女性も美しかった。
ミュシャが考えていた芸術とは、目に見える外見的な美しさと、内面的な美しさの調和のとれた世界のことでした。
その傾向は晩年に向かってより強く思い描かれていきます。
パリで成功し華やかな舞台にいても自身の民族、歴史を忘れたことはなかったミュシャ。
第一次大戦の勃発(1914年)とほぼ時を同じくして祖国に帰ります。
長らくハプスブルク帝国の支配下にあった祖国の復興に尽くすように。
貧しく恵まれない人々のためのポスターや、新生チェコの切手、紙幣などのデザインをノーギャラで引き受けたのもその気持ちの表れ。
今回は「パリの夢 モラヴィアの祈り」というサブタイトルが。
そしてパリにいたころから思い描いていた「スラヴ叙事詩」の制作を始めます。
これはスメタナの「我が祖国」から着想。
スラヴ民族の歴史を20年の月日をかけ描いたもの。
「ヤロスロヴァの肖像」
こちらも今回のチラシに使われています。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/5c/08/4e19a0443072bd75f9af2c388e6d59b0.jpg)
ヤロスロヴァはミュシャが46歳のころに生まれた娘。
この作品を描いたとき、ミュシャは70歳ぐらいです。
スラヴの民族衣装を身に付けじっとこちらを見つめています。
目が印象的。
ミュシャ。
華やかなリトグラフで一目でミュシャの作品・作風と分かります。
ただ、後半の作品だけを見ていたらミュシャの作品とは分からないかもしれない。
それぐらい作風の違う力強い作品が並んでいました。
今回のテーマは「あなたの知らないミュシャ」
確かに知らなかったことだらけ。
というか、私がミュシャについて知っていることが少なかった。
フリーメイソンのメンバーだった、ということとかね(笑)
今まで「ミュシャ=アールヌーヴォー」のイメージだけで捉えていた部分が大きかったように思います。
それはもちろんそうなんだけど。
今回は作品数の多さもさることながら、ミュシャのポスター以外の作品、油彩であったり彫刻、写真、舞台衣裳や装置のデザインなど今まで知らなかった側面がかなり見られ、とても興味深くおもしろい展示でした。
アーティストとしてのミュシャだけではなく、人間的な内面まで紹介されていたこともすごくよかった。
ミュシャマニアはもちろん、知らない人でも詳しくなれる。
ミュシャ完全版といった展示です。
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