見てきました
大倉集古館
会期は2014年1月2日から2014年3月30日。
大倉コレクションの選りすぐりの作品を紹介する「大倉コレクションの精華」も3回目。
(今までのものはこちら→
「大倉コレクションの精華1 -中世・近世の絵画-」
「大倉コレクションの精華2 -近代日本画名品選-」)
今回は工芸品。
「鶴松文様染付花瓶」
白磁に染付で鶴と松と"寿千年"という言葉。
これは大倉喜八郎の長寿祝いではないかとのこと。
喜八郎が大倉邸内に美術館を設け、文化財を公開することをし始めたことを記念するために制作したとか。
めでたいもの尽くしです。
「長生殿蒔絵手箱」
全面に扇の意匠が施された作品。
紐や金具なども扇の形に仕立てたものが使用されています。
細かなところまで揃えて美しく、というところに日本人の美的感覚を感じます。
「能装束 紫地扇面藤紫垣模様長絹」
これは女役が舞うときに上着として用いるもの。
とっても美しい。
紫の地に金糸で扇が施され、白い藤の花が咲いています。
優美な印象です。
「色絵短冊文対香炉」
京焼風の絵付けが施されている香炉。
短冊に菊、四弁花、牡丹などが柔らかい色調で彩っています。
蓋まで美しい作品。
「御家流十組香三十種」
香道の流派、御家法に伝わる組香です。
"古十種"、"中十種"、"新十種"に分けたもの。
惣包みは内の香の名称をイメージさせる美しい絵に飾られています。
その中にはそれぞれの組香に必要な香木が入っているそうです。
富士山、流鏑馬、桜など季節を感じる絵となっていました。
赤塚自得「乾漆飾壺」
丸く美しいフォルムの壺。
こういったの、初めて見ました。
麻布を漆で塗り重ねて形を作るという技法。
乾漆を素地として表面に金粉を用い、赤銅に近い風合い、とのこと。
上部にある花紋蒔絵がシンプルな美しさ。
「平家納経 経箱・経巻」
美しさに定評のある平家納経ですが、こちらは完璧な形で模写した絵巻及び経箱。
手がけたのは古筆、古名画の模写模造の名手、田中親美。
この人が手がけたものを何度も見ていますが、本当に惚れ惚れする仕事っぷりです。
これは大正9年から約5年、当初の技法で完成させたもの。
大倉喜七郎をはじめ、財界人の賛助を得て実現しました。
紙という危弱な材を介する日本美の歴史的名宝を名匠の手で永遠に残そうとした大事業。
その輝きは今も健在。
これからも良い状態で残っていって欲しいと思います。
「籬に葡萄図」
六曲一双の屏風で画面の上下を金と緑で塗り分けるというなんとも大胆な構図。
金地には金雲と金の葡萄。
緑地には緑の籬。
溶け込むような不思議な色彩。
葡萄はぷっくりと膨らみ立体的に見えますが、これは下地に胡粉を盛り上げた上に金を施してあるそう。
狩野探幽「紅白牡丹図」
二幅。
左に白い牡丹。
右に赤い牡丹。
上部には余白がたっぷりとられています。
咲き誇る花をただシンプルに描いた、でも優美さ漂う美しい作品です。
といった感じです。
のんびりたっぷり見てこれました。
名もなき作家の作品が多かったのですが、それでも漂う雰囲気は素晴らしい。
上品な作品が多く、楽しめます。
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大倉集古館
会期は2014年1月2日から2014年3月30日。
大倉コレクションの選りすぐりの作品を紹介する「大倉コレクションの精華」も3回目。
(今までのものはこちら→
「大倉コレクションの精華1 -中世・近世の絵画-」
「大倉コレクションの精華2 -近代日本画名品選-」)
今回は工芸品。
「鶴松文様染付花瓶」
白磁に染付で鶴と松と"寿千年"という言葉。
これは大倉喜八郎の長寿祝いではないかとのこと。
喜八郎が大倉邸内に美術館を設け、文化財を公開することをし始めたことを記念するために制作したとか。
めでたいもの尽くしです。
「長生殿蒔絵手箱」
全面に扇の意匠が施された作品。
紐や金具なども扇の形に仕立てたものが使用されています。
細かなところまで揃えて美しく、というところに日本人の美的感覚を感じます。
「能装束 紫地扇面藤紫垣模様長絹」
これは女役が舞うときに上着として用いるもの。
とっても美しい。
紫の地に金糸で扇が施され、白い藤の花が咲いています。
優美な印象です。
「色絵短冊文対香炉」
京焼風の絵付けが施されている香炉。
短冊に菊、四弁花、牡丹などが柔らかい色調で彩っています。
蓋まで美しい作品。
「御家流十組香三十種」
香道の流派、御家法に伝わる組香です。
"古十種"、"中十種"、"新十種"に分けたもの。
惣包みは内の香の名称をイメージさせる美しい絵に飾られています。
その中にはそれぞれの組香に必要な香木が入っているそうです。
富士山、流鏑馬、桜など季節を感じる絵となっていました。
赤塚自得「乾漆飾壺」
丸く美しいフォルムの壺。
こういったの、初めて見ました。
麻布を漆で塗り重ねて形を作るという技法。
乾漆を素地として表面に金粉を用い、赤銅に近い風合い、とのこと。
上部にある花紋蒔絵がシンプルな美しさ。
「平家納経 経箱・経巻」
美しさに定評のある平家納経ですが、こちらは完璧な形で模写した絵巻及び経箱。
手がけたのは古筆、古名画の模写模造の名手、田中親美。
この人が手がけたものを何度も見ていますが、本当に惚れ惚れする仕事っぷりです。
これは大正9年から約5年、当初の技法で完成させたもの。
大倉喜七郎をはじめ、財界人の賛助を得て実現しました。
紙という危弱な材を介する日本美の歴史的名宝を名匠の手で永遠に残そうとした大事業。
その輝きは今も健在。
これからも良い状態で残っていって欲しいと思います。
「籬に葡萄図」
六曲一双の屏風で画面の上下を金と緑で塗り分けるというなんとも大胆な構図。
金地には金雲と金の葡萄。
緑地には緑の籬。
溶け込むような不思議な色彩。
葡萄はぷっくりと膨らみ立体的に見えますが、これは下地に胡粉を盛り上げた上に金を施してあるそう。
狩野探幽「紅白牡丹図」
二幅。
左に白い牡丹。
右に赤い牡丹。
上部には余白がたっぷりとられています。
咲き誇る花をただシンプルに描いた、でも優美さ漂う美しい作品です。
といった感じです。
のんびりたっぷり見てこれました。
名もなき作家の作品が多かったのですが、それでも漂う雰囲気は素晴らしい。
上品な作品が多く、楽しめます。
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