娘のいない私にとって、ビッケは猫ながらしっかり者の長女のような存在だった。乳がんとわかって手術をしようか迷っていたが、手術の大変さと再発率のことを聞いて、ビッケにとってどうかを一番に考えるとこのまま家で過ごすのが良いだろうと結論を出した。私がメキシコに行く少し前から、コロコロ便だったのが細い便になり、左足が腫れてきていた。「餌も水も受けつけなくなった」とメキシコにメールで知らせを受けて3日後、「今朝死にました」とまたメールで・・・・・。チロの時とはまた違う悲しみでいっぱいになった。癌と早くきずいてやれなかった後悔と、看取ってやれなかった心残りとがあった。猫であれ犬であれ共に暮らせば家族なんだとしみじみ思った。3月15日ビッケは天国に行った。拾った猫なので何月生まれかはっきりわからないが、6月で我が家に来て10年になるところだった。