この頃また鉛筆で書くのがはやっているそうで、色々な鉛筆が売り出されているという。私も鉛筆が好きで料理のレシピなどを鉛筆で書いている。なぜ好きなのかは消せるから。消してまた書けるから。人生も消してまた書き直しができたらいいのにと思う。私はどこを消すつもりなのだろう。庭の夏椿の紅葉に見とれながらふとこんなことを考えた。
となりの畑のとうもろこしが、あっという間に刈り取られて風景が変わってしまった。今日は麦をまく準備なのか、トラックターが１日忙しげに働いていた。秋が静かにやって来ている。ツリ花は一番に紅葉するが、もうすっかり葉を落としてしまっている。今年は２年前にもらったウリハダカエデが、綺麗に紅葉している。去年はあまり綺麗ではなかったので、やっとミューに根ずいたんだと思う。水引草も葉が黄色くなってきている。今元気に咲いているのは大文字草、白とピンクがある。秋田の友人が送ってくれた。いま彼女は入院中、早く元気になってほしい。
時々引きこもりといわれている人たちを預かっている。久しぶりに山がよく見えた日の夕方、山を見に行かないと誘ったら、いくと言うので車で出かけた。牧場通りを八ケ岳に向かって走っていくと、谷口牧場のところで八ケ岳の全容がくっきり見えて、雲が美しく夕焼けが始まっていた。清里高原道路に出ると思わず「わぁー」と２人で声をあげた。オレンジ色の雲がキラキラと輝いていた。大橋の駐車場で暫く見ていたが、もっと見たくて夕日を追いかけることにした。レインボーラインを走って大泉の高台に車をとめた。南アルプスが夕日に染まり雲が刻々と色を変えていた。オレンジ色からピンクにピンクにグレーが混ざり最後は灰色の雲になりドラマが終わった。その間中彼女は無言でジーッと雲のドラマを見ていた。こんなことでも彼女の何かになってくれればと思った。
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隣のトウモロコシ畑に突然低い電線の柵が張られた。トウモロコシ畑はキジが子育て中だったり、子猫が顔を出したりで、楽しげだったが、どうしてこんな意地悪をと思った。ナナが散歩の時さわってしまってキャンキャンと泣き喚いていた。この辺りにもイノシシが出るというのでこんな事になったそうだが、今までこんなことはなかった。栗は豊作だが、他の木の実はあまり出来がよくない。庭のアオハダの木も今年はまったく実をつけていない。去年はどうしてと思うほどたくさんなっていたのに。今度の冬が気になる。小鳥や山の動物達の食べ物は大丈夫だろうか。
庭に咲いたというコスモスを近所の人からもらって、ロビーの瓶にいけると周りがパーッと明るくなった。清里の花は色が鮮やかでとても美しい。日中と朝晩の寒暖の差が美しい色にするらしい。ミューの庭もコスモスや秋明菊が咲いてススキと一緒に風にゆれている。改修して広くなったロビーの長いすを、なかなかお客様が利用してくださらなくて頭を悩ましていた。去年アルバイトしてくれた美樹ちゃんが、本を置いたらどうですかと言っていたが、ゆったりとして読みたくなるような本を選んで送ってくれた。そのせいか今年は長いすに
座るお客様が多くあった。