何度も行ったり来たりしてみても見つからない。確かここだったと思うところは「焼鳥や」になっている。納得いかなくて交番に行って聞いてみたら、去年ぐらいに閉店したようだということだった。区内に転居していれば電話帳に出ているはずだからと、親切に調べてくれたが載っていない。諦めるしかないのかとがっかりした。この夏はスリッパを新調しようと思って、張り切ってお茶の水の「黒岩スリッパ店」に買いに来たのだ。ミューのスリッパはずーとここで買っていた。少し値は張るが、履きやすくて丈夫なのだ。赤いフエルトのスリッパを買ったとき、ベレー帽の残りでフエルトのスリッパを作るのだと教えてもらい、「帽子とスリッパ」の関係にやけに感心したのを覚えている。ベレー帽の需要も減ってきているから、そのうちフエルトのスリッパも作れなくなるとも聞いた。私が上京して、お茶の水の伯母のところに居候してた頃からあったのに、残念でならない。
「ちょっと待って!」と言いたぐらいに月日が過ぎて行く。もう7月。夏ツバキ・ニオイバイカウツギ・オカトラノオ・ヤマアジサイ・ドクダミなど庭では白い花が真っ盛り。今朝はマツモトセンノウのオレンジの花が咲いた。先週、ミミが車にはねられて天国に行ってしまった。暑い日だった。ミミを埋めてやる穴を掘った。汗が流れ息が切れた。穴を掘りながら木を植える時の穴掘りとなんて違うのだろうと思った。コゴミの葉を敷いて、二輪草の花でうずめて、チロの隣に埋めてやった。