美津島明編集「直言の宴」

政治・経済・思想・文化全般をカヴァーした言論を展開します。

『Road of Resistance』について ―――雑誌『ヘドバン』VOL.6より (美津島明)

2015年07月16日 01時59分18秒 | 音楽
『Road of Resistance』について ―――雑誌『ヘドバン』VOL.6より (美津島明)

先日買ってきた『ヘドバン』VOL.6に『BABYMETALの仕掛け人KOBA-METALと振付師MIKIKO-METALのインタヴュー記事が載っていました。ふたりともに、『Road of Resistance』についてけっこう詳しく語っています。とても興味深い内容だったので、みなさまにそれをご紹介します。記事の中身をよく御存じの方にとっては退屈極まりない内容になるのでしょうが、BABYMETALにいささかなりとも興味のある方がみな『ヘドバン』を読んでいるわけではないでしょう。

ちょっとだけ、『Road of Resistance』の概略を述べておきます。この楽曲は、昨年11月8日に行われたロンドン・02ブリクストン・アカデミーのライヴのラストで初披露され、異国の地においてシンガロングで会場がひとつになるという 驚くべき成果を挙げました。また、イギリスの メタルバンド・ドラゴンフォースのサム・トットマンとハーマン・リがギター演奏で参加していることでも話題になりました。

では、二人のインタヴューの中身に触れましょう。

まず、KOBA-METALから。『Road of Resistance』はいつごろから制作をはじめたのかという質問に対して、「原型はかなり以前からありましたが、音源のような曲構成が固まったのは2013年だった」と思うと答えています。2013年から、とは驚きですね。別のインタヴューで、楽曲をひとつ作るのに半年はかける、と答えていますが、『Road of Resistance』の場合、約二年間かけたことになります。KOBAMETALの、この楽曲への思い入れの深さがうかがわれますね。

『Road of Resistance』は“メロスピ”の要素がふんだんに入っていると言われています。“メロスピ”とは、メロディック・スピード・メタルの略語で、ヘヴィメタルのサブジャンルの一つです。これと近いジャンル区分にメロディック・パワー・メタルがあり、こちらは「メロパワ」と略されます。両者の間には厳密な区別はない、とされているようです。ドラゴンフォースは、フィンランドのソナタ・アークティカとともに、当ジャンルの代表格とされています。

そのドラゴンフォースのメンバーが、当楽曲のサポートをしているのです。メロスピやドラゴンフォースの魅力を、KOBA-METALは次のように語っています。「(メロスピの)高速なギターとドラム、そこに乗っかるメロディーなど、褒め言葉として″クサい″と言われる諸々の要素に惹かれます」。「(ドラゴンフォースの魅力を)例えるならば、あの味をもう一度食べたい!と想像して注文した料理がイメージどおりだったときのような、期待の裏切らなさというか。来るべきところに来てほしいサウンドやメロディーがやってくる、″ドラゴンフォース節″とも呼べるオリジナリティがあると感じています」。

ここまで読んでいただいた方のなかで、「ドラゴンフォースって、どんな音楽をやってるのかな」とお思いになられた人も少なからずいらっしゃると思われるので、一曲紹介しておきます。

DragonForce - Through The Fire And Flames (Video)


これを聴くと、『Road of Resistance』がドラゴンフォースのサウンドを強く意識して作られていることが、すぐに分かりますね。また、上記のKOBA-METALの言葉が、ドラゴンフォースの魅力の核心を突くものであることも分かりますね。『Road of Resistance』の曲作りについては、次のように語られています。「サウンド面に関しては、お題を作る際にジュ-タス・プリーストの『ヘリオン』~『エレクトリック・アイ』のような″登場感″溢れるイントロからスタートし、ドラゴンフォースのような高速メロディック・スピードメタルに突入し、シンガロングでオーディエンスと共に涙する・・・というようなイメージができていたので、必然的にアンセム的な楽曲になったのだと思います」。

ここで「アンセム」という言葉が自明のものとして登場しています。もともとは、イギリス国教会での礼拝用合唱曲・賛美歌・頌歌(しょうか。神などを褒め称える歌)を意味する言葉だったのですが、最近のポップミュージックシーンでは、「グループなどを代表する歌・定番の歌・集団などを祝い応援する歌」という意味で使われているようです。

「歌詞のテーマはBABYMETALが歩んできた道、そしてこれから歩んでいく道をイメージしていますが、BABYMETALに限らずメタルレジスタンスに参加するすべての人々に『自分を信じて前に進もう』というエールを贈っている楽曲だと思います。BABYMETALのメタルレジスタンスのテーマ曲として、大切な意味を持っている楽曲です」と率直に熱い胸の内を語っているのが、強く印象に残りました。

次に、振り付け師MIKIKO-METALの言葉から。まずは『Road of Resistance』を聴いたときの印象について、率直に「恥ずかしながら、私自身はメタルの知識があまりないのですが、ジャンル(ママ)関係なく『お、ここに来て王道がきたな』と思いました」と語っています。というか、彼女は、つねに率直ですね。私は、彼女の語り口にとても惹かれるものがあります。思っていること、感じ取っていることが、すっと言葉になって出てきているような印象があるからです。独創性にあふれた、感性の鋭いタイプに多い語り方のような気がします。

KOBA-METALからなにかオーダーがあったのかという問いに対しては、「戦国時代の合戦や『レ・ミゼラブル』などの″戦(いくさ)″のイメージに、というリクエストがありました。でも、とにかく″大合唱″推しでしたね。KOBA-METALにはさいたまスーパーアリーナでの大合唱がイメージ出来ていたのだと思います」と答えています。このあたり、KOBA-METALの言葉と符合していますね。

「素人目にもあの速さに振りを付けるのは至難の業なのでは?と思うのですが、実際の難しさはいかがでしたか」という問いに対しては、「速い曲の振り付けは得意なほうなのですが、この曲はさすがに速かったですね。でも、三人に振り付けしたとき、すぐに出来たので驚かされました。大人にはなかなか出来ない速度かもしれないです」と答えています。三人の、ダンスのレベルがさらに高度化していることをうかがわせるコメントですね。

『Road of Resistance』の振り付けに関して、いろいろと具体的なことを言っています。それらを列挙しましょう。「イントロが終わり本編が始まってからの、馬に乗って駆け抜けるような振り付けも衝撃的でした。あれがMIKIKOさんのアイデアだとして、すぐにあの乗馬のような振り付けが思い浮かんだのでしょうか?」との問いに対しては、「テーマを頭に入れてから楽曲を聴いたら、あのイントロが3人が乗馬している音にしか聞こえなくて・・・。あのステップは一番最初に決まりました」と答えています。また、一番意識したのは、「3人が勇敢に″壁″に立ち向かっていく姿が可視化できる」ことであると答えています。

当楽曲を振付けたときの3人の様子については、「速さには驚いていましたが、テーマを先に話してから振り付けたので、イメージがすぐに湧いた様子でしたし、とても楽しそうでした。最近は限界に挑戦するのに燃えているように見えますね」と語っています。最近の3人の変化について、「意識の変化もありますし、吸収力は恐ろしいほど速くなっています。経験値と自信が付いたのはもちろんですが、何より3人がライヴをするのが楽しいんだと思います」と語っているのが、特に印象に残りました。

言い忘れてはいけないことがありました。あの旗振りの場面についてです。MIKKIKO-METALによれば、「確か、いろいろ試してみて決めようと、KOBA-METALさんと相談しながら決めた気がします。3人に試しにやって貰ったら立ち姿が凄く勇敢な雰囲気でテーマにハマっていたので、即採用しました」との由です。

『Road of Resistance』の動画は、一度アップしたことがあります。しかし、以上の言葉を頭の片隅に置いて聴くと、なおいっそう深い味わいがあるのではないかと思うので、ふたたびアップしましょう(しつこくてスミマセン)。私があらためていうのもなんですが、この動画の圧倒的な感じはすごいですね。特に、彼女たちが、赤い橋を渡って突き出た舞台で激しいパーフォーマンスを繰り広げているかたわらに、人々の大きな渦ができている場面を目にしたとき、「ここでは、とんでもないことが起こっている」という実感が腹の底から湧いてきました。現場に参加していなくてもそう感じるのですから、現場にいた人たちの心の中はどうなっていたのでしょうか。


BABYMETAL - Road of Resistance - Live in Japan - (Official Video)
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メタル専門雑誌『ヘドバン』のバック・ナンバーを求めて (美津島明)

2015年07月13日 15時04分50秒 | 音楽
メタル専門雑誌『ヘドバン』のバック・ナンバーを求めて (美津島明)


『ヘドバン』創刊号表紙

BABYMETALのことを何度か論じながらも、私はまだ『ヘドバン』を読んだことがありません。それで、昨日仕事で船堀に行った帰りに、いくつか書店に立ち寄って『ヘドバン』を探してみました。『ヘドバン』は、編集長・梅沢直幸氏が、BABYMETALの、メタルとしてのすごさ・素晴らしさを世の中に伝えたくて作った、熱心なBABYMETALファンならだれでも知っている雑誌です。

まず、都営新宿線・神保町駅で降りて、神田の書店街に立ち寄りました。書泉グランデと東京堂には『ヘドバン』は置いてありませんでした。神田はどこにも置いてないのかな、と思って半ばあきらめつつ三省堂に入ってみたところ、あったのですね、最新号の、7月17日発行のVOL.7が。それも、ドンと平積みの状態で。売れてるんでしょうね。しかし、バック・ナンバーは置いてありませんでした。それで、なんとなく最新号ではなくてバック・ナンバーが欲しくなってきたので、古本屋めぐりをしてみました。結論を先に言えば、日曜日なのでシャッターを降ろした古本屋が多かったこともあり、どこにもありませんでした。

しかし、収穫らしきものはありました。アイドル関連の雑誌やDVDやらが山積みされた古本屋の店番をしている若いお兄さんに、『ヘドバン』がないか尋ねてみたところ、彼は「ない」と言ってから、すずらん通りに出て、「今日やってるかどうかわかんないけど、あの王冠みたいな看板の二階の店だったらあるかもしれない」と親切に教えてくれました。結局、その店はシャッターが降りていたので、そこに『ヘドバン』があるのかどうかは確認できませんでした。今度行ってみて、置いていたならお伝えしたしますね。ロック関連の雑誌を専門に扱っている古本屋のようでした。

ちなみに、その親切なお兄さんに『ヘドバン』のことを尋ねているとき、たまたまBABYMETALの『いいね!』のBGMが店内に流れていたので、これはBABYMETALというグループの曲で、このグループのことを扱った特集記事を毎回載せているのが『ヘドバン』なのだという意味のことを言いました。

『ヘドバン』のバック・ナンバーを求めて、私が次に繰り出したのは新宿でした。三越百貨店のジュンク堂ならあるだろうと思ったのですね。ところが、いくら探しても三越が見つからないのです。三越があるはずの場所には、白い箱のお化けのような建物にでかでかと「ビックロ」の文字の浮かぶ、殺風景な芸術的センスゼロのオブジェとしか形容のしようのないものがあるだけでした。私はなにかを決定的に勘違いしているのかもしれないのですが、ひどく暑かったこともあり、どうでもよくなってきて、新宿といえば定番の紀伊国屋書店に行くことにしました。

紀伊国屋書店には、三省堂と同様に、平積みの『ヘドバン』最新号が置いてあり、また、バック・ナンバーも、前号のVOL.6が五、六冊とVOL.4が一冊ありました。さすがは紀伊国屋書店、と見直す思いが湧いてきました。少々迷ったのですが、結局買ったのは、VOL.6でした。これは、という記事があったら、近日中にお伝えいたしますね。

『ヘドバン』が置いてあるところはかならず平積みなんですね。「BABYMETALが一般大衆に知られる日は近い」という実感が湧いてきました。

インターネットで、「なぜBABYMETALなのか。『ヘドバン』編集長・梅沢直幸さんインタビュー」というダヴィンチの特集記事を見つけたので、そのURLをご紹介しておきますね。

http://ddnavi.com/news/225382/

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日韓外交をめぐってのメモ――フェイスブックより (美津島明)

2015年07月11日 21時08分05秒 | 政治
日韓外交をめぐってのメモ――フェイスブックより (美津島明)



世界遺産委員会での、外務省の韓国への対応をめぐって、国政が大揺れしています。不覚にも、日本は大変な問題をしょいこんでしまったものです。報道の推移とともに、私の意見も、部分的に修正が加えられています。その変化を見ていただけると、いささかなりとも、興味を持って読んでいただけるのではないでしょうか。

●7月5日(日)「明治遺産 候補地、驚きと落胆「何でこんなことに」(YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150705-00000070-san-soci国が事前交渉での約束を破って、国際会議の場で「明治日本の産業革命遺産」に難癖をつけ、登録の予定日が延期されたという報道を受けて。

これで、日本国民の嫌韓感情や韓国外交に対する不信感が、決定づけられてしまったような気がする。ダメ押しといおうか。この状況は、当分変わらないだろう。韓国の反日は、もはや理性のタガが完全にはずれてしまっているのではないか。「国家の信用」は、国益の核心部分である。それを著しく損ない、まるでテロリズムのような外交を展開してまでも、反日を貫こうとするのは、正気の沙汰ではなかろう。日本は、「君子危うきに近寄らず」のスタンスを貫くよりほかはないだろう。今回は、諸外国の目があるのだから、なにも慌てることはない。もしもこのまま延期になれば、一国民として、とても残念なことではあるが。

●7月6日(月)

「明治日本の産業革命登録遺産」の登録の延期・登録取り消し、という最悪の事態は避けられた。登録の実現は喜ばしいことである。

しかし先ほど、岸田外相が、「『forced to work』は、強制労働を意味しない」というコメントを 発信しているのをテレビで見かけたのは、不穏なものが感じられ、気にかかる。国内向けにはそれで通るのかもしれないが、それを素直に英訳すれば、〈「Forced to work」does not mean so called 「forced to work」.〉とでもなるほかない。 これは、国際社会では、詭弁としか映らないのではなかろうか。つまり、まったく説得力がないのである。

とするならば、韓国は、土壇場の悪質な飛び道具的な仕業で、国際的には、自分たちの主張を通した、勝利した、ということになってはしまわないだろうか。少なくとも韓国は、そう喧伝するにちがいない。その喧伝に、日本側は、妙な説得力を与えてしまったような気がする。

もしも、これが的を射た危惧であるのならば、日本政府は、遺産登録の実現という「虚」を取るために、対韓外交の屈辱的敗北という「実」を甘受したことになってしまうのではなかろうか。となると、登録実現を喜んでばかりもいられなくなってくる。

テレビで見かけただけで、まだ詳細は知らない。しかし、今回の日本政府の措置が、新たな火種にならなければよいが、とは思う。


●7月9日(木)
「世界遺産情報センター、「強制労働はなかった」の立場で情報提供=韓国ネット「日本人にだまされた」「いっそ日本から独立しない方が良かった」
(YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150709-00000074-rcdc-cn

妥当な対応である。しかし、「強制労働があった」と主張する韓国政府の、激しい抗議がありそうな気がする。日本政府には、「この溝は絶対に埋まらない」と肚をくくって対処していただきたい。害務省のへなちょこ連中に足元をすくわれないよう、要注意!

●7月10日(金)
世界遺産登録 「大魚を損した」批判続出 自民総務会、外務省から経緯聴取
(YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150710-00000545-san-pol

小池百合子元防衛相いわく「目の前の小さな魚を追って、大魚(国益)を損することになった」。日本の対外イメージを悪くしたことと、対韓外交において守勢に回ることを余儀なくされてしまった(日本側の主張が、すべて言い訳と詭弁に聞こえてしまう)ことを考えれば、その通りとしか言いようがないが、外務省の一存で、そういうやり方を決めたわけではあるまい。今回の件を外務省に全権委任したとは聞いていないし。要するに、安倍政権の判断ミスこそが問われなければならない。世界遺産登録が決まりさえすれば、下がりかけた支持率がふたたび浮揚するとでも思ったのではないだろうか。もしも、そうではなくて、基本的に外務省の判断ミスなのだとすれば、責任者は、謝罪だけではすまない。降格だけでもすまない。辞職するよりほかはない。この件は、決してあいまいにしてはならない。あいまいにした分だけ、韓国政府にナメられるので。


●7月11日(土)
「『徴用工』説明に自民が政府批判…誤解を拡大」 (YAHOO!ニュース)
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20150710-00050154-yom-pol

「外務省幹部は、国際条約が禁じる「強制労働(forced labor)」と一線を画したと強調した〉。こういう発言を聞くと、どうしようもなく、腹が立ってくる。どうやら外務省は、交渉の現場で、安倍内閣の意向と食い違う判断をし、視野が狭い状態のまま、遺産登録という手柄を立てようとしたようだ。小心者が功を焦ったのだ。見苦しい言い訳などせずに、この際、責任者は腹を切れと言いたい。自民党は、妥協することなく、責任を追及すべきである。自民党には、〈「徴用」は、戦時中の日本国民にとって当然の義務であり、1910年以降、朝鮮半島の人々は合法的に日本国民だったので、彼らもまた日本国民としての当然の義務を果たしただけで、強制労働にはまったくあたらない〉という基本線をキープしていただきたい。以前の繰り返しになるが、「両国の溝は絶対に埋まらない」と肚をくくらなければ、今回の、長引くことになりそうな対韓外交戦は負ける。
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中共にどう対応すべきか、をめぐって――フェイス・ブックより :追加の動画あり (美津島明)

2015年07月10日 00時33分48秒 | 経済
中共にどう対応すべきか、をめぐって――フェイス・ブックより:追加の動画あり(美津島明)



尖閣問題、南沙諸島問題、AIIB問題、そうして株価大暴落、と中共は、次から次に大問題を繰り出してくれます。やれやれですね。

私は、中国問題を考えるときに、「中国」と「中共」とをけっこううるさく区別しようとします。というのは、「中国問題」の多くは実は「中共問題」にほかならない、と気づくことが多いからです。ほかにも理由がないわけではないのですが、いちばん大きな理由はそういうことです。

●七月七日(火) 「防衛白書“中国”巡り了承されず~自民部会」
http://headlines.yahoo.co.jp/videonews/nnn?a=20150707-00000037-nnn-pol自民党部会に出席した議員から、防衛白書の内容をめぐって、中国についての記述を巡り、「違法なガス田開発をしっかり記述すべきだ」、「南シナ海の埋め立てが分かる鮮明な写真を使うべきだ」などの意見が相次ぎ、白書は了承されなかったという記事を目にして・・・

官僚連中の事なかれ主義を打破するには、これくらいやらなくてはいけない。歓迎すべき動きである。

●七月九日(木) 加地俊樹氏「軍事ジャーナル【7月9日号】中国崩壊とお知らせ」
http://melma.com/backnumber_190875_6232878/

中国のバブル崩壊は、いつかは起こるはずのことがいま起こっているだけのことである。なにも騒ぐ必要はない。いま注目すべきは、当論考にあるとおり「崩壊が始まったのは中国の経済であって軍事ではない。もし日米が安全保障上、隙を見せれば、そこに軍事的活路を見出して中国が戦争に打って出る可能性はある」という点である。安保関連法案が可及的すみやかに成立しない場合、中共に「隙を見せ」たことになり、戦争の危険が高まるのである。つまり、安保関連法案を「戦争法案」などと蔑称して、反戦のから騒ぎを演じている連中こそが、むしろ戦争の危険を呼びこんでいるのである。「力の空白は、紛争・戦争を呼びこむ」。これはいくら強調してもしたりないほどである。平和思想が、中二病患者によって担われ続けてきたことが、戦後日本思想の喜悲劇である。

●七月九日(木)「AIIB」は習政権の頼みの綱:急降下する中国経済 高村悟
http://www.huffingtonpost.jp/foresight/aiib_chinese-economy_b_7097508.html

少し前の記事であるが、実に的確にAIIBの本質を突いている。日本が、AIIBに参加したならば、バブル崩壊をきっかけに沈没しかかった中国経済に助け舟を繰り出すことになる。自国に対して軍事的脅威を与えている国に援助を与えるのは、馬鹿がすることだ。中国経済とずぶずぶの関係を持つ経団連や親中派の自公議員たちが、自民党首脳に、中国経済をサポートするよう、おそらくせっついているにちがいないが、自民党は、ここで踏みとどまらなければ、国民を裏切ることになる。敵に塩を贈る国や、カモネギ国家が繁栄したためしはない。


●七月九日(木)(オマケ)上海株、上げに転じる 幅広い銘柄に買い、ストップ高続出 日経新聞
http://www.nikkei.com/markets/kaigai/asia.aspx?g=DGXLASFL09HDK_09072015000000中国株価は、今日は上げに転じたようだが、連日乱高下を繰り返している。その結果、先月の12日に売りに転じて以降、上海と深センの株価指数は3分の1も低下している。失われた株式総額はおおよそ30兆円。ギリシャのGDPの約10倍にあたるという。中共政府の介入は、気休めにすぎず、来るべきカタストロフを少しだけ先延ばしにすると同時に、その規模をより大きくするだけのことに終わるだろう。余計なことはしない方がかえってよいのだが。中共がどうあがいても、株価の暴落は行くところまで行き着くよりほかはないだろう。


〔追加分〕

経済評論家・渡邊哲也氏の、チャイナ・バブル崩壊についての論評です。日付に注意していただきたい。6月9日といえば、株価の下落が顕著となる12日の直前です。その時点で、実体経済の動向から、バブル崩壊を半ば「予言」していることになります。ここは、エコノミストとしての彼の勘の鋭さに素直に舌を巻いてもよろしいかと思われます。と同時に、実態経済の悪化によってもたらされた株価の下落が、今後、実体経済にはねかえっていくことが予想される、ということに留意すべきでもあります。中共の支配体制は、国民に豊かさをもたらすことで維持されてきました。その豊かさが、どうやら打撃を受ける事態に発展しそうだということです。とすると、今回のバブル崩壊は、中共の支配体制それ自体をもゆさぶることになりかねない、という判断が成り立ちそうです。バブル崩壊は、中国動乱期の幕開けの不吉なファンファーレなのかもしれません。

支那バブルの崩壊 渡邉哲也
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国境を越えたBABYMETAL現象のキーワードは、「萌え」である(補遺) (美津島明)

2015年07月09日 01時36分24秒 | 音楽
国境を越えたBABYMETAL現象のキーワードは、「萌え」である(補遺) (美津島明)

当シリーズは、私の想定を超えた反響を呼んでいるようです。おかげさまで、当ブログのアクセス数の最高記録を更新しました。またコメント欄にも、BABYMETALへの熱い思いを率直に語る、多くの声をいただいています。当音楽ユニットへの、ファンの思いが、どれほど深くて激しいものであるのかを再認識しました。ヘタなことは言えないな、と思います。私自身、知人から「神バンドがすごいのは認めるけどね」などと言われると、思わず、「あの三人の少女が、 少なくともお前の100万倍はすごいことを認めたうえで言え」という激語が、年甲斐もなくせりあがってくるのですからね。もちろん相手に面と向かっては言いませんよ。あれ?なんだか、いつのまにかメタラーのノリになってきたような・・・

それはそれとして、私は、当論考において口走ったひとことを訂正しなければなりません。それが言いたくて、この文章を書きました。

当シリーズ「その3」で、私は次のように言いました。それは、2008年、小林啓氏がメタル系の仕事からキッズ担当に異動し、気分を腐らせていた(にちがいない)ころのことをめぐってです。

そんな失意の日々のなかで、小林氏はPerfumeのライヴを観て感動し、キッズへの観方を変えます。そうして、自分なりのPerfumeを作ろうとしてできたのが、アニメ番組『絶対可憐チルドレン』の主題歌を歌う 可憐Girl'sでした。

(中略)

忘れてならないのは、MIKIKO氏が、可憐Girl'sの振付を担当していることです。つまり、ここで、小林氏とMIKIKO氏と中元すず香というBABYMETALの核となるトライアングルの三つの頂点が出会っているのです。

この記述に関して、コメント欄に投稿なさったある方から、次のようなご指摘をいただきました。すなわち、「自分は、小林啓氏が仕事として可憐Girl'sプロジェクトに関わったことは一切ないと聞いている。その情報と、筆者の上記の記述とはつじつまがあわない」と。

少し言い訳をさせていただくと、私としても、あてずっぽうで物を言っているわけではなくて、これだったら信用できるという情報ソースを思い定めたうえで、上記のようなことを言ったのではありますが、そういうことにふんぞりかえっているわけにはいかないと思って、その後自分なりにいろいろと調べてみました。

そのなかで浮かび上がってきたのは、この件に関する小林氏のはっきりとした言明はないということでした(いや、彼はこのようにはっきりと言っている、という耳寄りな情報をキャッチなさっている方は、どうか教えていただきたい)。

また、私の調査能力の限界を物語っているのでしょうが、可憐Girl'sのプロデューサーが誰なのかも、また小林氏が(かりに仕事上のつながりがなかったとして)可憐Girl'sに所属していたころの中元すず香にじかに接触したのかどうかも、はっきりしたことはついに分かりませんでした。

そうである以上、「自分なりのPerfumeを作ろうとしてできたのが、アニメ番組『絶対可憐チルドレン』の主題歌を歌う 可憐Girl'sでした」という言い方をするのはいまのところ無理がある、というよりほかはない、という結論に至りました。

そのあたりの事情に、ぼんやりとでもふれているのは、管見によれば、小林氏の次のふたつの言葉だけです。

例えば、Perfumeというテクノとアイドルを組み合わせた成功例がある。これを自分が新しく作るならば、アイドルに組み合わせるのはメタル以外にはないと思っていたところ、メインボーカルのSU‐METAL(さくら学院の中元すず香)に出会った。

BABYMETALは、さくら学院の重音部という位置付けだが、企画自体はメインボーカルのSU-METAL(中元すず香)が所属していた可憐Girl'sが09年に解散となった辺りから構想していた。

(異色メタルアイドル「ベビーメタル」はなぜ人気?“仕掛け人”を直撃! 日経トレンディ・ネット 2012年10月31日)

明言はしていませんが、もしも仕事のうえで可憐Girl'sと関わりがあるのなら、こういう言い方にはならないだろう、とは言えるような気がします(もっと前にそのことに気づくべきでした。迂闊でした)。上のふたつをつなげて理解するならば、アイドルとテクノポップを組み合わせたPerfumeという成功例が念頭にあった小林氏が、アイドルとメタルの組み合わせというはっきりとした構想を抱いたのは、SU-METALが、可憐Girl'sの解散によってフリーになった前後である、となります。とするならば、小林氏と中元すず香とMIKIKO氏の出会いはもう少し先、となりますね。

そのように訂正したうえで、BABYMETALの核となる三角形の3つの頂点は、小林啓氏と中元すず香と振付師MIKIKOである、という主張に変わりはないと申し上げておきたいと思います。また、その三角形から、入れ子のような形で、SUとYUIとMOAを頂点とするもうひとつの三角形が浮かび上がってくるということも付け加えておきたいと思います。このふたつの三角形がBABYMETALの神話構造の核を成しているのではないでしょうか。それらが、神バンドによる、超絶演奏と特異なヴィジュアルのサポートによって、深みを増していることはいうまでもありません。

余談ながら、「その1」から「その4」までで、言いそびれたことをふたつ言っておきたいと思います。

ひとつめ。「その4」で、私は、2014年3月1日と2日の武道館ライブで、YUI-METALが舞台から転落したときのMOAMETALの健闘ぶりを強調しましたが、考えてみれば、一心不乱に踊っているときに舞台の2メートル下に転がり落ちたYUI-METALの心理的パニックのはなはだしさと痛さは察するにあまりあります。それを乗り越えて、その数分後に舞台に姿を見せ、「イジメ、ダメ、ゼッタイ」の激しいダンスを最後まで踊り抜いた彼女のプロ根性もまた見上げたものであります。

ふたつめ。「その3」で、SU-METALとともに可憐Girl'sのメンバーだった武藤彩未のことに触れ、「武藤彩未が、なにゆえいまだにブレイクしていないのか、私は不思議でなりません。歌と踊りの才能にめぐまれた、利発で愛くるしい一八歳のアイドル歌手です」と申し上げました。それで、彼女の歌をひとつアップしておきたいと思います。振り付けは、あのMIKIKO氏です。武藤彩未の、見ているものをわくわくさせる、ゆらぐような清潔感のあるコケティが嫌味なくアピールされた出色の振り付けであると、素人ながらに思います。この高水準でも売れないのですから、アイドル戦線の現状は想像を絶した熾烈さなのでしょうね。


武藤彩未 「パラレルワールド」 | Ayami Muto "Parallel World" - Welcome to Japanese Little Red's dream world
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