マキペディア(発行人・牧野紀之)

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図書館にある電子データの利用

2020年11月15日 | 読者へ
    図書館にある電子データの利用

 文化庁は、図書館にある蔵書の電子データを、利用者のパソコンやスマホに送れるようにする「著作権法の改正」を盛り込んだ報告書をまとめ、来年の通常国会へ提出するとのことです。

 今までは図書館は、蔵書の内容の一部(単行本の場合は半分まで)を紙に複写し、手渡しや郵送で提供することは出来ましたが、この改正では、ファクスやメールでのデータ送信が可能になります。著作者の権利として今までは認められていた「公衆送信権」が弱められ、図書館は許可をとらずにデータを送れるようになります。出版市場にかなりの悪影響が出そうです。対価として、著者や出版社への補償金を義務づけると言っていますが、その金額や支払い対象などはこれから詰めるということです。

 出版の世界にとっては「黒船」と言っていいのではないでしょうか。今後の報道を中止して下さい。
(地方・小出版流通センター通信、第531号、2020年11月16日)

 牧野の感想

 自分の夲が図書館を通して利用されるより、他者の夲を図書館を通して利用する方が多い人間としては、どっちを取るか、難しいです。しかし、やはり、出版界全体の事を優先的に考えるべきだと思います。

 その前に、図書館行政は、投書箱を置いているのに、図書館への意見や質問に返事をよこさない態度を改めるべきです。民主主義の大前提がないのでは話しになりません。