海岸防災林の掛川モデル
掛川市は南海トラフ巨大地震で想定される大津波の被害を防ぐため、「
掛川モデル」として海岸防災林の整備を進める。国、県、市と市民、企業の協働が特徴だとしている。今年度内に試験施工で3ヘクタールを完成させて、将来の姿を目に見える形で提案したいという。
市内約10キロの海岸線に、県が想定する最大高14メートルの津波が越えない高さで、幅100メートルほどの防災林を築く計画。県が松枯れが進む海岸防災林の枯損木を伐採・撤去する。市は国土交通省が市内を流れる菊川で進める河道拡幅工事の建設発生土の提供を受けて海岸部をかさ上げし、樹木の植生に適した山土で覆う。
完成後、県が海側に松食い虫に強い抵抗性黒マツを植え、内陸側には市が市民や企業と協力して広葉樹を植えて「
希望の森づくり」を進める。
試験施工は大須賀海岸の海沿い300メートル、奥行き100メートルで進めている。菊川から大型ダンプカー5台がピストン輸送で土を運び、大型重機が整地している。標高13メートルの盛り土とマツの植栽を年度内に終え、その後「希望の森づくり」に取いり組む。事業費は県が約2000万円、市が約6000万円。
(朝日新聞静岡版、2015年01月19日)
関連項目
宮脇昭氏の指導する防潮林と掛川市