植物園「 槐松亭 」

バラと蘭とその他もろもろの植物に囲まれ、メダカと野鳥と甲斐犬すみれと暮らす

篆刻印を彫る

2019年11月17日 | 書道
書道に本格的に取り組むようになって3年以上経過しました。小学校三年生の時にお習字教室に半年通って以来、自己流で字を書いていました。会社勤めの頃から、一度きちんと基礎から学びたいと思っており、退職を機に先生に付くことにしたのです。

古来から名筆といわれる古典を摸書する「臨書」を、ほぼ毎日継続して練習しております。


例えばこれは、空海の手になる「風信帖」という書簡の臨書したものです。(へたっぴーですが)
 行草書に分類されますが、オリジナルは国宝で、空海が最澄に宛てた手紙で、日本の書の最高傑作ともいわれる超有名なものです。本当は5通あったのが、盗難やら何かで2通が失われ3通が現存しているとのことです。
 ワタシの臨書は、通算では1年近く取り組んでいるのですが、未熟なため正直その凄さはよくわかっておりません(汗)
 
 この書簡を、縦書きの半切(条幅)に書いて、作品作りをいたしておるさ中であります。よく考えると大それた選択なのですが、まぁいいでしょう。

何十枚かあるいは100枚以上書いて、一番良さそうなものを先生に選んでもらいます。自分ではどれが良く書けているのかあまり区別がつかないのです。そしてそれに、自分の名前をサインして押印します。これを「落款」と言いますね。

このハンコ、これが大事であります。先生に言わせると最後の署名捺印が決め手になるのだそうです。ハンコは、実はほとんど自作、自分で彫るのです。一般に「篆刻印」と呼ばれますが、別に「篆書」でデザインする決まりはなく、絵でも字でも自由に彫って差し支えありません。ただ、このハンコのデザイン・書体は書道のジャンルの一つなので、きちんとした書画を下書きし、古いテイストの印影を醸し出すのが技術であり、作品の評価対象ともなります。名のある書家や画家さんが自署・自作であることの証明にもなっていますね。ワタシ達レベルでは関係ありませんが、それでも朱色の押印があるだけで「らしく」なりますよ。

そのハンコの材料、これを印材といいますが、ほとんどが中国産の青田石・寿山石などとされ、きめが細かく柔らかい(彫り易い)のが基本です。中には非常に希少な黄色い半透明の田黄石というのがあるそうですが見たこともありません。
この印材の持ち手側に飾り彫りをしたものを鈕(ちゅう)と呼びます。これは勿論、書の評価にはなんら関係ありません。単なる趣味です。

これに、逆さ文字を書いて彫りますが、篆刻用印刀を用います。以前、細い箇所を彫るために、ニードルみたいな小道具を使っていたら、「それは邪道よ」と叱られました。印刀一本を自在に駆使して彫るのが本道らしいです。(´・ω・`)

作品作りには欠かせない篆刻印作り、最初は手元が狂って失敗しますが、その時は紙やすりにかけると簡単に削れ、平らになります。しかしあまり何度もやり直すと、だんだん「チビ」て来ますし、時間の無駄ですからやはり細心の注意を払って慎重に掘り進めます。本来はここで、自前の篆刻印を披露するところなのですが、それがどこかに行ってしまって見つからないのです。

というわけで、いくら探しても見つからず仕方なくまた新たに作ることにいたしました。これも書道の練習、やりましょうよ。
どうせ暇だから。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする