遅攻偏重など課題は相変わらず
大幅にスタメンを変えて前回引き分けの雪辱を果たした一戦だった。日本はチームとして、ダイアゴナルな浮き球の中距離パスを意識して使ったのが効果的だった。ワントップに起用され1ゴールを上げた金崎やボランチの柏木、トップ下の清武、左SHの武藤など新戦力が躍動した。
だが攻め込まれ自陣でボールを奪った際、敵はまだ日本陣内に居残りカウンターのチャンス(敵を引きずり出している)にもかかわらずいったん横パスやバックパスをし、遅攻にしてしまう悪いクセが直ってない。ボール奪取後の動き出しの遅さと運動量の少なさも致命的で、ポジティブ・トランシジョンが非常に悪い。
また前回対戦時の反省からSBを使いサイドから攻める意図も感じられたが、相変わらず機能しなかった。ひとことでいえば、フレッシュな新戦力でこのところの沈滞ムードをかろうじて吹き飛ばした試合といえる。
FW金崎が一躍レギュラー候補に
選手別では、しっかりした胸トラから鋭いシュートを決めたFWの金崎が光った。彼はボールの収まりがよくポストにもなれ身長もある。動きもシャープで鋭かった。後半に入るにつれ徐々に消えたが、前半のクオリティを90分間維持できれば有力だ。
また長谷部とボランチ・コンビを組んだ柏木もよく機能した。パスの鋭さや急所のエグり方は柴崎の方が上だが、柏木はやわらかいエンジェル・パスが出せる。特に多用した斜めのパスが有効だった。走りながらプレーできるところも強みで、クロスもいい。ウラを狙うスルーパスもある。魅力的な存在だ。
清武もこのところの香川より明らかにデキがよく、左SHに入った武藤もこのポジションのほうがボールに触る頻度が高くいいチャンスメイクをしていた。
ボールがよく走るピッチも味方に
シンガポールは前回同様リトリートからのカウンター狙いだったが、完全なベタ引きオンリーではなかった。マイボールになると前回より人数をかけて攻めてきたため自陣にスペースができ、日本にとってはやりやすかった。フィジカルで圧倒された先日のイラン戦と比べれば、日本人選手がカラダを入れれば相手はなにもできなくなった。
またボールがよく走るピッチで、日本の速いパスワークがハマったのも幸いした。逆にいえば日本人選手のパスはいかに弱くて遅いかだ。芝の長いピッチでも、この日のようなパススピードで繋げないと勝てない。いつまでもピッチを言い訳にしているわけにも行かない。
このほか修正点としては最終ラインがボールをもったとき、顔を出してやる動きがないこと。前が棒立ちで運動量が少なすぎる。「第3の動き」など夢のまた夢だ。そのため相変わらずバックラインからのビルドアップに手間取るシーンが見られた。また右SBの酒井(宏)はこの日もクロスの質が悪く、サイドからの攻めに課題を残した。
相手とは力の差があり、5~6点は取れた試合だ。ニューフェイスの活躍で雰囲気こそ変わったが、ビルドアップやサイド攻撃不全、少ない運動量、遅攻への偏りなどいつもと変わらぬ課題を積み残した。とはいえ勝ったのはもちろん大きい。次のカンボジア戦(17日)でもスタメンを大幅に入れ替え、ただ勝つだけでなくテストも兼ねた有意義な勝利に期待したい。
大幅にスタメンを変えて前回引き分けの雪辱を果たした一戦だった。日本はチームとして、ダイアゴナルな浮き球の中距離パスを意識して使ったのが効果的だった。ワントップに起用され1ゴールを上げた金崎やボランチの柏木、トップ下の清武、左SHの武藤など新戦力が躍動した。
だが攻め込まれ自陣でボールを奪った際、敵はまだ日本陣内に居残りカウンターのチャンス(敵を引きずり出している)にもかかわらずいったん横パスやバックパスをし、遅攻にしてしまう悪いクセが直ってない。ボール奪取後の動き出しの遅さと運動量の少なさも致命的で、ポジティブ・トランシジョンが非常に悪い。
また前回対戦時の反省からSBを使いサイドから攻める意図も感じられたが、相変わらず機能しなかった。ひとことでいえば、フレッシュな新戦力でこのところの沈滞ムードをかろうじて吹き飛ばした試合といえる。
FW金崎が一躍レギュラー候補に
選手別では、しっかりした胸トラから鋭いシュートを決めたFWの金崎が光った。彼はボールの収まりがよくポストにもなれ身長もある。動きもシャープで鋭かった。後半に入るにつれ徐々に消えたが、前半のクオリティを90分間維持できれば有力だ。
また長谷部とボランチ・コンビを組んだ柏木もよく機能した。パスの鋭さや急所のエグり方は柴崎の方が上だが、柏木はやわらかいエンジェル・パスが出せる。特に多用した斜めのパスが有効だった。走りながらプレーできるところも強みで、クロスもいい。ウラを狙うスルーパスもある。魅力的な存在だ。
清武もこのところの香川より明らかにデキがよく、左SHに入った武藤もこのポジションのほうがボールに触る頻度が高くいいチャンスメイクをしていた。
ボールがよく走るピッチも味方に
シンガポールは前回同様リトリートからのカウンター狙いだったが、完全なベタ引きオンリーではなかった。マイボールになると前回より人数をかけて攻めてきたため自陣にスペースができ、日本にとってはやりやすかった。フィジカルで圧倒された先日のイラン戦と比べれば、日本人選手がカラダを入れれば相手はなにもできなくなった。
またボールがよく走るピッチで、日本の速いパスワークがハマったのも幸いした。逆にいえば日本人選手のパスはいかに弱くて遅いかだ。芝の長いピッチでも、この日のようなパススピードで繋げないと勝てない。いつまでもピッチを言い訳にしているわけにも行かない。
このほか修正点としては最終ラインがボールをもったとき、顔を出してやる動きがないこと。前が棒立ちで運動量が少なすぎる。「第3の動き」など夢のまた夢だ。そのため相変わらずバックラインからのビルドアップに手間取るシーンが見られた。また右SBの酒井(宏)はこの日もクロスの質が悪く、サイドからの攻めに課題を残した。
相手とは力の差があり、5~6点は取れた試合だ。ニューフェイスの活躍で雰囲気こそ変わったが、ビルドアップやサイド攻撃不全、少ない運動量、遅攻への偏りなどいつもと変わらぬ課題を積み残した。とはいえ勝ったのはもちろん大きい。次のカンボジア戦(17日)でもスタメンを大幅に入れ替え、ただ勝つだけでなくテストも兼ねた有意義な勝利に期待したい。