すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【天皇杯・準決勝】これがJリーグで2位のチームなのか? 〜川崎1-0大宮

2016-12-31 07:35:13 | Jリーグ
負けた大宮の熱い魂に拍手を

 Jリーグで年間勝ち点2位の川崎フロンターレは、攻めの歯車がまったく噛み合わない。特に前半はマイボールになっても周囲が動き出さず、まるで消化試合のようなありさまだった。「金を返せ」と客が暴動を起こさないのが不思議なくらいだ。

 敵に張り付かれたままオフ・ザ・ボールの動きがない。間受けするためゾーンのギャップへ4歩移動することさえしない。ルーズ・ボールへのアクションも常に大宮アルディージャが先手、先手だ。最終ラインでボールをキープした時も3バックが開かずたがいの距離が近いままなので前への角度を作れず、うまくビルドアップできない。

 一方、負けた大宮はいいところばかりが出た。4-4-2で守備を重視したベーシックなサッカーだが、「勝ちたい」という気持ちを全面に出す。ひとつひとつのプレイに気持ちが入り、ソウルフルで力強かった。そんな大宮が終始ペースを握り、彼らの精力的な守備が川崎をしっかり押さえ込んだ。

 スッポンのように敵に吸い付きパスコースを消す。相手ボールホルダーに1歩でも近く寄せてバランスを崩させる。これを90分間、止まらず続けるのだから川崎はたまらない。

 攻撃面でも、大宮は何度もシュートシーンを作った。全員がよく走り、スペースへ、スペースへと労を惜しまず動いてパスをつなぐ。無骨で美しいサッカーとはいえないが、機動的でガッツのある攻めは迫力があった。

 後半は4バックに変えた川崎がリズムをつかみ攻める頻度が増えたが、それでも大宮は全員が必死で自陣に引いて弾き返す。だが惜しいかな、大宮はあまりにもチャンスを逃しすぎた。決定機を何度も手放すうち、幸運の女神はおずおずと大宮から離れていった。

 そして最後はどん詰まりの後半40分。川崎・中村憲剛の右コーナーキックから谷口彰悟に押し込まれて万事休す。チャンスを生かせないと痛いしっぺ返しがくる、という教訓を絵に描いたような展開だった。大宮は絶対的なストライカーが1人いればおもしろくなりそうなチームだと感じた。

 それにしても前半にあんなみっともない試合をサポーターに見せた川崎はとくと反省してもらいたい。あれではJリーグからお客さんが逃げる一方だ。「これだからJリーグは」などと海外サッカー・マニアに言われないよう、決勝ではしっかり魂を見せてほしい。
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