すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【J1 鹿島 王の帰還】なぜ柴崎はスペインで通用しなかったのか?

2023-09-06 09:10:45 | Jリーグ
ひとつは守備を求められたから?

 9月4日、スペイン帰りのあの柴崎岳がついに鹿島アントラーズに合流した。2016年以来、7年ぶりの「帰巣」だ。

 日本人で唯一、レアルマドリーから2点を取った男が帰ってきた。

 なぜ天才・柴崎はスペインで芽が出なかったのか? それはヘタフェ時代に柴崎の頭上をボールが飛び交っていた光景を思い出せばだいたい察しが付く。

 想像だが、ひとつにはまず取ってくれるクラブが最初は下位チームになるから、というのがあるだろう。

 さすがに日本からスペインに行き、いきなりレアルマドリーやバルセロナがオファーをくれるわけがない。まずは「下位より始めよ」ということになる。

ファーストペンギンの苦悩

 特に柴崎の時代は、まだ日本人選手が世界に今ほど実力をアピールできてなかった時代だ。その意味で柴崎は「ファーストペンギン」だった。海外移籍で先頭を切ったのだ。

 だが彼を取ってくれるようなスペインの中小クラブは、マドリーやバルサに対抗するため必然的に守備戦術重視になる。まずは守備に手をかけてこだわる。そういうチームに柴崎はまず入ることになる。

 すると当然、攻撃が最大の持ち味である彼の良さが生きない。

 一方、守備を求めるチームからすれば、「こいつは使えないぞ」となってしまう。

 で、移籍するのだが、結局は次も同様に下位チームだ。またも守備練習が始まり、「こいつは使えない(以下略)」のような構図になる。

 この図式に柴崎は相当、悩んだのではないか?

 そして彼はこの円環構造にハマり込んで抜け出せず、とうとう本領発揮とは行かなかったのではないか? というのがひとつある。

静かにプレイで示すタイプだ

 そのほかの要素はサッカー以外のところだ。考えられるのは環境への適応である。

 柴崎はキャラクター的に、静かにプレイで示すタイプだ。

 スペイン人みたいに賑やかで陽気で大らか、オープンなタイプじゃない。どちらかといえば内にこもるタイプだろう。

 ゆえにスペイン人から見れば、「こいつはいったい何を考えているのかわからない」となったのではないか? そうとでも考えない限り、あの柴崎の「実力が通じなかった」とは思えない。

 それだけコミュニケーションや生活、付き合い、人間交流は大きい問題なのだろう。そう考えるとサッカーの移籍とは本当にむずかしい。

 だが人間にはそれぞれ、自分が「生まれてきた意味」がある。それが柴崎の場合は「スペインでプレイすること」じゃなかった。

 ならば柴崎はスッキリ頭を切り替え、鹿島アントラーズを優勝させることに全精力を注いでほしい。それが自分の「生まれてきた意味だ」と発想を転換してほしい。生まれ変わるのだ。

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