すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

世の中を変える。世の中は変わる

2005-07-06 03:04:45 | 社会分析
 更新はお休みしますと言いながら、ひとつだけエントリーを立てることにした。私は今、日本という国を変えようとした男たちの物語を書いている。彼らの話を聞きながら深く共感し、涙をボロボロ流しながら原稿を書いている(いやホントに泣いているのだ)。で、ふるえる心を抑えきれないので、1本だけエントリーを立てることにした。これ読んでキモチ悪いとか思わないでね。まあいいけど。

 さてフリーターと社会の関係については、以前も何度かブログに書いた。1980年代の前半にフリーターという概念が出てきたとき、「これは日本が変わるな」と私は直感した。

 日本は資本主義国家なのに、ある意味、「企業社会主義」みたいないびつな構造になっている。当時はまだガチガチの終身雇用制で、いったんウチに入ったヤツは墓場のめんどうまで見ますよ、てな世の中だった。

 そのかわり企業は人々に隷属を要求し、強いしばりをかけた。で、「社畜」なんていう言葉も生まれた。これって世の中のあり方としておかしいじゃないか? 私はそう思った。

 そんな企業に属すことを放棄するフリーターがふえれば、かならず世の中が変わる。たぶん万単位で、のたれ死ぬヤツが出てくるだろう。だけど社会革命は、大いなる屍の上にしか成り立たない。とはいえたくさんの人が死ぬのをほうってはおけない。私には日本全国のフリーターを救うことはできないが、目の前にいる10人ならなんとかできるはずだ。

 で、当時そんな若い連中を10人、20人引き連れて、ことあるごとにメシを食わせに連れて行った。働いても働いてもどんどん金が出て行く一方だ。だけど金は天下の回り物。いま、自分が使ってる金が人々を救い、そのことで世の中が変わるんならいいやと思った。ここで私が使った金は、いつかめぐりめぐって戻ってくるだろう──こんな考えだからたぶん私は一生、金にはエンがない。

 何を書いてるんだかわけがわからなくなってきたが、とにかく世の中は変わるってことだ。私はこれからも、そのために「自分は何ができるのか?」を考えていきたいと思う。いま、私が書いている男たちがかつて考えたように。

 蛇足だが、私がこの仕事を選んだのも、書くことで世の中を変えられるんじゃないかと思ったからだ。私は財閥の息子じゃないし、さっき書いたみたいに金に対する執着心がない。だから財力で世の中を変えることはできない。だけどちょろちょろとつまらない原稿を書くことなら自分にもできる。そう思ってこの仕事を選んだ。

 ただし「オレこそが世の中を変えるんだ」「オレだけが世の中を変えられるんだ」なんて奢っちゃいけない。それじゃあ、大マスコミと同じだ。だから私は「ちょっとは変えられるかな?」と慎ましく思いながら、今もチマチマ原稿を書いている。

 今日はもう寝るけど、明日からまた書かなきゃいけない。ではもうしばらくの間、失礼します。Good night! みなさん。

 んー、やっぱりキモチ悪いな、この原稿(笑)
コメント (8)    この記事についてブログを書く
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8 コメント

コメント日が  古い順  |   新しい順
「金持ち父さん」 (KM)
2005-07-06 07:27:05
これもまた後ほどでOKです~。



「金は天下の回りもの」、というのは「金持ち父さん」という本では「究極の投資家」の行う行動だという評価がありました。



ほかにも、

>「ちょっとは変えられるかな?」

そんな感じで使命を持ちものを発明して売るのが大事、っぽいような言葉もありました。

ビルゲイツ等もそういう使命を胸に秘め働いてあそこまでおおきくなった、とか。



>「企業社会主義」

「金持ち父さん」では30年以上前に「そんな世の中終わる。今後は自己責任」という言葉を言われていたようです。



>そんな企業に属すことを放棄するフリーターがふえれば

ただ、起業もそういうのを放っておくわけではなく、

派遣アルバイトという業種(ほぼ給与と休暇アルバイト形態で正社員と同じ仕事をさせる)で人を雇い、従順そうな人なら正社員にする、という感じの会社が多いですねぇ。



私はもうすぐ起業します(あとは定款の認証等をする必要ありだがその分の金はキープしている)ので正社員雇用されたくないので、言われた仕事以上はしない、という形で拒否はしておりますが。

残業の時間は自分の作っているゲーム創りをつづけたいと思っておりますので・・・。



それでは、また~。

------------------

http://left13.jp
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フリーター問題 (KM)
2005-07-06 09:13:18
フリーター問題ですから何度でも書かせていただきます。

当然これも入稿後でOKっす~。



>いったんウチに入ったヤツは墓場のめんどうまで見ますよ、てな世の中だった。

ただ、従順で、あまり物事を考えたくない、という人にとってはこの主従形態が受け入れられているところが多く、

現にフリーターの人の7割が正社員希望という結果も出ているらしいですし。



そりゃあ、安定は楽ですからねぇ。

どれだけ詐取されているかもしらないままであっても。



そもそも教育がバランス取れていないところが多く、こんな風に世の中がフリーター大目に変わってきているのに「みんな一斉にゴール」ってなもんですわ。

「教育で昔に戻したい」ったってそんなもん逆にのたれじぬ人らを量産しているようなものですし、今の子供たちが大きくなったころには就職氷河期の2、30代がトップを占めているわけです。

その人らの慈悲のもち具合によっても変わりますが、慈悲があまりない人たちが多ければ、「新人なのにベテランのような技術」といういびつなものを求められたりするんですよねぇ(苦笑)



ただ、今変わっているのはどちらかといえば後ろ向きなことで変更されていることが多いんですよねぇ。報道では。

「雇用を安くしたい」「忙しい時期だけ雇いたい」等・・・。

「前向き思考」の全部が全部いいとは言いません(「あいつは悪くて俺は悪くない」等自分だけの前向き)が、フリーターで前向きな話が出てこないというのもひとつの問題ともいえそうです。

たとえば確かに正社員を7割が希望という結果はありますが残りの3割はそうではないわけですし、

その両方を映し出さないことには。

まぁ、そういうのを報道しない報道等もあれなのですが(--;
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「うるさい!!」って・・・。 (KM)
2005-07-06 09:46:18
http://blog.livedoor.jp/mumur/archives/27219198.html

変わる、変えるといえば、こういう話も出てきてますねぇ。

「うるさい!!」って・・・。
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Unknown (とくみつ)
2005-07-06 12:02:04
松岡さんが執筆してらっしゃるその本は面白そうですね。 文章から情熱が伝わってきます。



本出たらお知らせください。 買います! 買わせていただきます。
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Unknown (妙訝)
2005-07-08 10:41:36
例えば、「社畜」にはストライキをしてまで戦う…と言うことはできませんからね。

株主が株を売却するように、フリーターは働く会社を自由に選択する。ニートは無給のリスクまで負って国に対しストライキを断行してくれている。



国は彼らを怠け者だと断じ、税の対象にすることでさらに追い立てようとしている。出生率が回復してもこの国の人口減少は進むでしょうね。
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本、楽しみです。 (カオリン)
2005-07-11 08:39:15
「日本を変えようとした男たち」って、どんな内容なんでしょう?興味深々です。

それに、文章から察するに、かなり入れ込まれているようですね。出来が期待できそう、楽しみです。
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Unknown (あざらしサラダ)
2005-07-19 08:03:42
松岡さん、おはようございます。

久しぶりにコメントします、笑。

ここに書かれている本、とても気になります。ぜひ、ブログで詳しく紹介してくださいね。
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お返事、遅くなりました(^^; (松岡美樹@管理人)
2005-08-06 17:51:45
>KMさん



80年代当時には、企業が人件費を浮かすために逆にフリーターを利用するようになるなるなんて想像もつかなかったですね。さすがに転んでもタダでは起きないというか(笑)



フリーターの人の7割が正社員希望、というのも隔世の感があります。これは就職したいけどできないってことですよね。昔は自分の意思でフリーターやってましたからねえ。



>妙訝さん



出生率を回復させるのは並大抵のことじゃない感じがしますね。ニートについては一度も書いてないですが、非常に興味あります。これは書くというより、ぜひ取材して声を聞きたいです。



>とくみつさん、カオリンさん、あざらしサラダさん



まとめレスですみません。このエントリー、なんかこっぱずかしいことを書いてしまいました(^^;<削除したいなあ……みたいな(^^; 発売されたら、あらためて書かせていただきます。ありがとうございます。
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