すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

【ロシアW杯最終予選】ハリルジャパンの敵は「自分」だ

2016-09-17 09:42:52 | サッカー
ミスさえなくせばアジアでは勝てる

 最終予選の行く末を予想するとすれば、おそらく監督が考えるサッカーは実現できないまま、それでもグダグダのポゼッション・サッカーで日本は接戦をものにして行くのだろう。ハリルのサッカー(ハイプレス&ショートカウンター)はアジア相手では噛み合わないのだから仕方ない。

 とすれば問題は予選突破したあとだ。本大会が始まるまでの間に、ハリルのコンセプトを浸透させ具現化しなければならない。それができるかどうかがカギだ。

 だがそんな先のことを考えるのでは鬼が笑う。とりあえずのハードルは最終予選突破である。

 いまの日本の現状は「相手の力が上でかなわない」というのではない。自分たちのミス(決定力不足や守備のミス)で苦戦している。つまり敵は自分だ。逆に考えれば監督が考えるコンセプトは実現できていないが、ミスさえなくせばアジアでは勝てる、ということだ。

 私はサッカーの内容にこだわりたいので「地区予選は結果がすべてだ」論にはくみしないが、予選突破が至上命題であることには変わりない。

 繰り返すが敵は自分だ。「初戦を落とせば突破率0%」などというマスコミの煽りに惑わされず、選手は自分に勝ってほしい。
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【ロシアW杯最終予選】本田のコンディション不良の原因は何か?

2016-09-16 09:40:31 | サッカー
スタメン固定のハリルは柔軟になれ

 本田は最終予選皮切りの2試合、UAE戦とタイ戦で明らかにフィジカル・コンディションがよくなかった。いったいなぜか?

 ひとつには所属チームのミランで試合に出てないこと。もしこれが理由なら、コンディションが戻るまでベンチに置いて待てばいい。そのぶん若手を試せていい。

 だがハリルはこういう発想ができない。

「ハリルは柔軟な監督だ」という触れ込みとは逆に、コンディションがよかろうが悪かろうが「本田=スタメン」という頭で凝り固まっている。少なくとも本田と香川の起用法に関しては、彼は「柔軟」とは真逆だ。だったら日本は「本田、香川と心中するのか?」という話になる。

 前回の記事で「香川と本田を切れ」と書いたのは、厳密には「スタメンから外せ」という意味なのだが、ハリルにはそれができない。ではどうするのか? 監督を替えるしかなくなる。この問題はハリルジャパンの致命傷になりかねないだけに深刻だ。他方、本田のコンディション不良が年齢からくる衰えなのだとしたら、考え込むまでもないだろう。
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【ロシアW杯最終予選】香川と本田を切れ

2016-09-13 10:17:20 | サッカー
「ザックジャパン化」の元を断つ

 ボールホルダーは突っ立ったまま「パスをどこへ出そうか?」とエンエン思案している。周囲の味方は動き出しがまったくなく、フリーランニングせず棒立ちのまま足元へボールを要求する。で、前が詰まったらバックパスしてやり直しーー。

 ハリルジャパンが最終予選で演じているのは、あのザックジャパンを彷彿とさせる鈍行列車みたいなこんなサッカーだ。遅攻の典型。あきらかにハリルが考えているサッカーとちがう。

 全員が前にスペースを見つけ、空いたスペースへ、スペースへと人とボールがスムーズに移動する。で、スピーディかつオートマチックにボールが縦へ運ばれていく。それがハリルの目ざすサッカーだろう。

 ハリルジャパンは過去の練習やミーティングでこの基本を積み上げてきているはずだ。なのに本番になると先祖返りしてザックジャパン化してしまう。

 なぜそうなるのか?

 ひとつは前回の記事でも分析したように、相手がアジアのチームだから(相手が引くので前にスペースがない)。そしてもうひとつの理由は、良くも悪くも「自分をもって」いる香川と本田が同時にフィールドにいるからだ。彼らがセットになると自動的にザックジャパン化する。世代交代の意味も含め、やはりどうしてもここに手を入れる必要がある。

 システムを変えないなら、香川の代わりに清武をトップ下に入れ、本田の代役には武藤を使う(本当なら本田はボランチで使いたいが)。これだけで人とボールの流れがスムーズになるはずだ。

 前にも書いたがハリルはいつか、あのときカズと北沢を切った岡ちゃんの役回りをすべき時がくる。それが遅いか早いかの違いだけだ(個人的には遅かったと考えている)。

 ハリルは香川と本田をアンタッチャブルな存在にしてしまっているが、最終予選での糞詰まりを直すには荒療治が必要だ。タイ戦で結果を出した原口と浅野も引き続き起用し、若返りを図って「勝負の流れ」を一気につかみたい。
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【ロシアW杯最終予選】ハリルジャパンはなぜうまく行かないのか?

2016-09-09 13:18:26 | サッカー
アジアの予選では過去の積み上げが生きない

 ハリルジャパンはアジア最終予選でなぜ苦戦しているのか?

 ひとことでいえば「サッカーには相手がある」ということだ。日本の志向するサッカーが、相手と噛み合っていない。

 ハリルが金科玉条にしてきたのは、ハイプレスからのショートカウンター。つまり「縦に速いサッカー」はワールドカップの本大会で強豪国とやるとき生きるスタイルだ。

 たとえばドイツやスペインなど強豪国はポゼッションしてくる。これを日本の側からみればどうか?「相手にボールを持たせ」て高い位置からプレスをかける。で、ボールを奪ってショートカウンターをかける、という発想が成り立つ。

 ヨーロッパ至上主義のハリルからみれば、倒すべき相手はドイツやスペインだ。彼にとってはワールドカップの「本大会」でドイツやスペイン相手に勝って初めて「勝った」といえる。それこそがハリルにとっての自己実現である。ゆえに彼は強豪国を倒すための戦術、すなわち「縦に速く」、「前からプレスを」、「ボールを取ったら少ないタッチ数で攻めろ」というコンセプトを組み上げ、選手に注入してきた。

 逆にいえばハリルにとってアジアなどという「世界の辺境」はもともと頭になく、ゆえにアジアの国を倒すための戦術なんぞは考えたくもない、いや眼中になかった。だから監督就任以降、彼がくり返していたのはひたすら対強豪国用の戦術、つまりハイプレスからのショートカウンターだった。

アジアでは「本大会」と正反対の戦い方を要求される

 だがアジアの国々はドイツやスペインと違い、日本をリスペクトして「専守防衛」でくる。日本ボールのときにはリトリートして自陣にブロックを作りじっくり構える。逆にこれを日本の側からみれば、相手がボールを握ろうとしないのだから必然的に日本がポゼッションすることになる。練習と逆だ。

 すると本田や香川の遺伝子に組み込まれた「虫」がうずき出し、ゆっくりボールを横につなぎながら真ん中へ、真ん中へ。ワンツーを使って中央を崩すようなスタイルのサッカーになってしまう。つまり彼らの「虫」を抑え込み、ハリルがいままで準備してきた戦術とまるで正反対のやり方になる。

 ハリルは強豪国相手にボールを持たせ、高い位置でボールを奪い返して少ない手数で速攻カウンターをかけるサッカーを志向している。だがアジアの予選では、逆に日本がボールを「持たされ」、ポゼッション「させられ」、じっくり手数を「かけざるをえず」ボールを握って引いた相手を崩す「遅攻」を強要させられる。

 すなわちアジアではハリルが丹精込めて作ってきた土俵は吹っ飛び、「別の土俵」でサッカーをさせられる。これが、ハリルジャパンが最終予選で苦戦している理由である。

 自分たちのやろうとしているスタイルが相手と噛み合っていないのだ。

打開策はあるか?

 では日本代表がアジアの壁を突破するには、どうすればいいのか? 決まっている。最終予選の間だけ、手倉森さんが指揮すればいい(いや冗談だ)。

 最終予選を勝ち抜けるのに、特効薬はない。基本に忠実にやるだけだ。

 相手が自陣に引いたら敵が密集する真ん中は避け、サイドを使って攻める。クロスが有効だ。クロスを入れてもし一発で決められなくても、(サッカーは手を使えないスポーツだから)ボールは必ずゴール前でリバウンドする。で、このセカンドボールを詰めればいい。つまりクロスは2度おいしい。

 また同じサイドを使うのでも、事前に「仕込み」をするかどうかで威力が倍増する。たとえばまず真ん中に張っているFWや二列目の味方にクサビのボールを当てる。すると敵のDFは中央へ絞る動きをする。これでサイドが開くので、すぐにボールをサイドへ展開する。すると今度は敵がボールサイドをケアするためにまた重心を移すーー。つまり敵のディフェンスラインをアコーディオンのように、絞らせたり開かせたりさせるわけだ。

 こんなふうにボールが動くたび、敵のDFはその都度ポジショニングを修正し、ボールとマークする相手および自ゴールをそのたび視野に入れ直さなければならない。集中力もすり減る。疲れが倍増する。敵のDFにとって、この揺さぶりがどんなにキツイか? そのうち必ず網の目のどこかに「ほころび」ができるはずだ。そこを狙えばいい。

 では日本代表はどうか? 攻めがまるで単調だ。真ん中を崩したいときには執拗に真ん中ばかり。これでは敵はサイドを捨て、DFを中央に固めておくだけでいい。逆にサイドを使うにせよ、前述のような「仕込み」をやらないからカンタンに弾き返されてしまう。

 結論をいえば、アジアを突破するには「アジア用の戦い方」をすること。当たり前の話だが、ハリルジャパンはこれができていない。10月6日のイラク戦までに頭を切り替え、選手はアジア・バージョンのソフトをインストールしておいてほしい。
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【ロシアW杯最終予選】ゆったり遅攻の「ザックジャパン化」ふたたび 〜タイ0-2日本

2016-09-07 10:17:00 | サッカー
相手が弱ければ勝てる

 相手が弱いから日本が勝った。ただそれだけの試合だった。

 攻めが中央に偏ったUAE戦の反省から、日本は確かにサイドをよく使っていた(このチームは何度「同じ反省」をすれば気がすむのか?)。だがそれ以外はボールの運び方がザックジャパン時代と何も変わりない。ボールを前へ運ぶのにえらく時間をかけている。

 ゆったりとポゼッションし、縦に速く行ける局面でもわざわざいったんボールをバックパスして、ひと休み。すっかりラクをする遅攻サッカーに先祖返りしている。最終ラインから目の覚めるようなグラウンダーの長い縦パスが出るわけでもなし。ディフェンディング・サードから何度も横に繋ぎながら、のんびり前へ押し出していく。

 日本ボールのとき、タイは見ているだけで厳しく寄せてこない。それが結果的に日本の遅攻と噛み合った。かくてエンエンと日本がボールを支配し、もし点が入るとすればそれは日本の得点以外ありえない「共犯関係」が続いた(だって日本がずっとボールを握ってるんだから)。タイは日本より2枚くらい格下で怖さがまったくなく、圧力さえ感じなかった。日本が勝つのは当たり前だ。

 ハリルが監督に就任して以降、「縦に速く」とか「ダイアゴナルなサイドチェンジを」とか、いろんなキーワードが乱れ飛んだ。だがそんなものはすべてスッ飛び、結局はショートパスをゆったり繋ぐザックジャパンになっている。決定力のなさも相変わらずで、あれだけチャンスを作りながら2点に終わった。これで相手がオーストラリアやサウジになったら……先が思いやられる。

本大会ではグループリーグ敗退が関の山だろう

 とはいえ選手別に見ると、何人かの選手は非常にいい働きをした。原口は積極的にボールにからみ、思い切りよく上がるSB酒井高徳とのコンビネーションで左サイドを蹂躙した。原口はネガティヴ・トランジションもよく、相手ボールになった瞬間にすぐ厳しい守備をしていた。すばらしいプレイぶりだった。

 またスタメンで登場したFW浅野も持ち前のスピードを生かし、アグレッシヴに裏のスペースへ走り込んだ。カラダの使い方もずいぶん進化し、マーカーとの間にうまく身をねじ込んでボールをキープしていた。

 一方、香川と本田はサエなかった。ともに決定機はあったが決められず、特に香川は消極的でパスを出すことしか頭にない(シュートの発想がない)。香川と本田があのデキなら、清武と武藤をスタメンで使ったほうがよかったのでは? とさえ思えた。ハリルの「年功序列スタメン」も再考が必要だろう。このチーム最大の課題のひとつは世代交代だが、それを促すような起用法に思えない。もちろんアジア最終予選のド本番でリスクは取れないだろうが、ならばここに至る手前の段階でしかるべき手当てをしておくべきだった。

 スタメン陣の年代を考えれば、ぶっちゃけこのチームには「伸びしろ」がない。もしW杯本大会へ行けたとしても、グループリーグ敗退が関の山だろう。
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【ロシアW杯最終予選】審判に盗まれた試合だがデキも悪かった 〜日本1-2UAE

2016-09-02 09:42:18 | サッカー
中央突破にこだわり自滅

 リトリートする相手にうまくハメられた試合だった。日本のボールになるとUAEはスルスル下がって自陣にブロックを作る。日本はその人が密集する真ん中を、細かいパスで無理やりこじ開けようとする。先祖返りの「ザックジャパン化」だ。かくてボールは敵の足に引っかかり、攻めが弾き返される。その繰り返しだった。後半ややマシになったが、前半からもっとサイドを使わないとダメだ。

 また日本の選手はフィジカル・コンディションが悪かった。本田はカラダが重く、香川は運動量が足りない。相手に引かれたとき、ボールホルダーは足を止めてパスの出しどころを探してる。だが味方の選手は敵で混雑するバイタルエリアからゴール前にかけて、全員が突っ立って動こうとせず棒立ちのままボールを眺めているーー。そんなシーンがひんぱんに見られた。

 ボールホルダーとパスの受け手の2人しかプレイに関与していない。第3の動きがない。パスのコースを作り、敵を撹乱する鋭いランニングがほとんどなかった。

「あのシンガポール戦」を見ているかのよう

 選手別では、ボランチに起用された大島はパスが弱く「Jリーグ・クオリティ」だった。寄せも甘く見ているだけでミスも多い。思い切りのよさがまったくない。なぜ起用したのかナゾだ。

 ナゾといえば後半には恒例の「原口ボランチ起用」も飛び出したが、完全なカラ振りに終わった。原口をどうしてもあのポジションで使いたいなら、それ専用のトレーニングが相当必要だ。本番になったら思い出したようにあの位置へ投入するのでは彼本来の持ち味が生きない。ハリルはいったい何を考えているのだろうか?

 それにしてもUAEはしっかりしていた。自陣に引いたときもラインコントロールで陣形をコンパクトに保ち、ボールを奪えば少ないタッチで攻め上がる。「いまファウルされたぞ!」という演技も含めてしたたかだった。それにつられるように審判の笛もUAE寄りになった。

 かたやハリルジャパンは「真ん中フェチ」も直ってなければ、引いた相手を崩せないのも直ってない。このチームは「あの屈辱のシンガポール戦」からまったく進歩してないようだ。先が思いやられる。
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【リオ五輪・総括】一発かまされてもヘコまなかった頼もしいヤツら

2016-08-16 11:20:12 | サッカー
初戦の守備の崩壊がすべてだった

 3試合を通し、「完敗だった」「とてもかなわない」と感じた試合は1試合もなかった。手倉森ジャパンが本来の持てる力さえ発揮できれば、3戦全勝していてもおかしくはなかった。

 とすれば、返す返すも初戦・ナイジェリア戦での敗戦(というより自己崩壊)が悔やまれる。

「守備から入るチーム」があれだけ失点しては勝てない。常に「追いつこう」とギャンブルすることになり、自分たちの土俵で試合ができなくなる。同点にした時点でグッと腰を落とし、コンパクトにじっくり守って相手のスキをうかがう、したたかな試合運びに持ち込めなかったのがすべてだった。中盤でプレスがかからず、あれだけラインがズルズル下がってはどうしようもない。

 もしナイジェリア戦で、相手にボールを持たせ失点せずにカウンターを狙う「自分たちのサッカー」ができていれば、おそらく3戦全勝で日本は突破していただろう。また以前からずっと機能してなかった4-1-4-1にこだわったのも大きな敗因だ。

 ただし初戦であれだけひどい自爆をしながら決してメンタルが落ちず、2戦、3戦と尻上がりに盛り返した点は大いに評価したい。これまでの日本代表なら、あの初戦の敗戦で木っ端微塵にバラバラになっていただろう。だがハデに一発かまされても、あいつらは絶対にヘコまなかった。ああいう打たれ強いメンタルの強さは、従来の日本代表にはまるでなかった。本当に頼もしいヤツらだ。

 このチームがこれで終わりになるのは、日本サッカー界にとって大きな損失だろう。だが同時にこれが蓄積となり、日本のサッカーがまたひとつ強くなったのも事実である。
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日本のサッカー界はマナウスより「温室」だ

2016-07-06 19:46:52 | サッカー
Jリーグは終身雇用制か?

 以下は、英アーセナルに移籍が決まったFW浅野(広島)のコメントだ。

「いつの日か広島に戻ってきて、新しいスタジアムで広島のあたたかいサポーターとともに戦いたい」

 で、広島も「いつでも戻ってこい」と言うんだろう。終身雇用制が保証されてる。ふつうのサラリーマンよりラクな転職だ。ぜんぜんリスクを取ってない。こんなメンタルじゃ移籍したって芽が出ないだろう。

 道理で日本代表はいつまでたってもワールドカップで勝てないわけだ。
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【U-23強化試合】相手にボールを持たせて勝つ 〜日本4-1南アフリカ

2016-07-01 08:51:52 | サッカー
ウラは狙い放題、攻撃陣が爆発

 手倉森ジャパンが、得意の「相手にボールを持たせて勝つサッカー」で快勝した。ブロックを作って待ち受け、ボールを奪ったらムダな手数をかけないシンプルな攻撃が奏功した。ミスも少なく、チャンスをしっかりモノにする決定力は相変わらずだ。チームの雰囲気もいい。

 一方、南アは最前線の選手はプレスにくるが、二列目が連動しておらず中盤にぽっかりスペースができる。そのため日本はプレスの第一陣をかわせば中盤にポイントを作れ、その次のパスでもうウラが狙えた。

 南アは中盤でプレスがかかってないのに無駄に最終ラインが高く、日本はウラのスペースを狙い放題だった。特に浅野は積極的に前へ飛び込むプレイをし、何度もチャンスを作った。

 逆にいえば日本がそれだけ相手を引きつけているからウラにスペースができた、ともいえる。ゲームの立ち上がりはバタバタしたものの、その意味では手倉森監督のゲームプラン通りだっただろう。リオ本番でも、罠を仕掛けて敵の一瞬のスキを突く抜け目ないサッカーで少ないチャンスをモノにしたい。

 選手別では浅野と中島、矢島のほか、室屋と植田が非常に目についた。特にケガ上がりの室屋はこのチームの鍵を握っているといえ、元気に復帰している姿を見られてよかった。本番でもサイドをガンガン突破してほしい。
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【キリンカップ総括】清武のための大会だったが修正点はある

2016-06-11 10:04:08 | サッカー
パスが自己目的化する傾向も

 キリンカップはまるで清武のための大会だった。彼はチームの中心になり、結果を出した。だがもちろん修正点もある。

 ややもすると彼はストレートにゴールを目指さず、パス自体が自己目的化するようなところがある。特に香川と組ませると短いダイレクトパスを4~5本交換したあげく、だが「前には進んでない」みたいな現象が起こる。シンプルにプレーせず、むずかしいことをやろうとしてしまう。

 清武はずっと控えの位置づけだったため、ハリルが標榜する「まずタテへパスをつける速い攻め」、「可能ならひとつ飛ばして遠くを狙え」というコンセプトがまだ血肉になってない感じがする。他のメンバーと目的意識が完全には共有できてない。

 もちろん清武レベルならスタメンで何試合かこなすうち擦り合わせはできると思うが、現状ではそこが少し気になった。

 また単なるパッサーで終わるのでなく、みずからも大胆に前へ飛び出しゴールを狙ってほしい。自在に点も取れるトップ下になれば、レギュラーはグンと近づくだろう。

 もうひとり、気になるのは柏木だ。彼は敵のプレッシャーのない状態でなら自由自在にプレイできるが、厳しいプレスを受けると何もできなくなるようなところがある。また相手ボールのとき、強度のある守備ができない。対戦相手が引いてくるアジアレベルでなら通用するが、W杯本大会を考えた場合にはまだまだだ。

 長谷部の相方選びは、ハリルジャパンの浮沈を決める重要課題になりそうである。
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【キリンカップ決勝】「世界レベル」とやれた意義あるゲーム ~日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ

2016-06-08 08:48:12 | サッカー
後半のガス欠を修正したい

 本田と香川のいない形を試せた意義のある試合だった。結果は「手応えアリ」だ。日本はリズミカルにパスが回り、いいリズムでチャンスを作っていた。両チームのストロング・ポイントが噛み合い、緊迫した好ゲームになった。

 清武は中盤の核となり、短いダイレクトパスを織り交ぜながらゲームを作った。宇佐美はキレまくりだ。独特のリズムをもつドリブルでチャンスを作った。浅野も一瞬の飛び出しでウラへ抜け出す能力を示した。欲をいえばもっとタテに速い鋭い攻めを見たかったが、清武がいるぶん普段のハリルジャパンと違いややポゼッション寄りの展開になっていた。

 ただし日本は後半、ガックリ運動量が落ちる。シリア戦やブルガリア戦でも見られた現象だが、走れなくなったら低めにブロックを作って前から行かない守備をするなどメリハリを利かせたい。ハリルは多発する後半のガス欠を分析し、しっかり修正してほしい。

 フィジカルで完全に負けていたのも大きな課題だ。日本の選手はカラダを入れられるとボールが取れない。この点は一朝一夕には無理だが、例えばフィジカルにはフィジカルで対抗するのでなく、必ず2対1の形を作って組織で行くなど代案を考えるべきだ。簡単に2失点した守備面もゼロから見直す必要がある。

ボスニアは非常にいいチームだった

 ボスニアはカウンターが鋭いシャープなチームだった。中盤のプレスも速く、アタッキングサードでは積極的にクロスを入れてくる。ディフェンスラインはきれいなフラット4で、ボールがオープンか、クローズかによって機敏にラインを上下動する。

 特に目を引いたのはトランジションのよさだ。彼らのディフェンスは寄せが速く、日本の選手はボールを持っていったん後ろを向いてしまうとすぐ囲まれていた。またイーブンなボール(こぼれ球)に対する反応がすごく速く、(ブルガリアなどと違って)非常に意欲的な好チームだった。

 リードされた終盤、日本は何度もチャンスを作って粘ったが、あそこで1点取れるかどうかが、世界を引き寄せる分水嶺になるのだろう。

 選手別では、途中出場の遠藤航は、敵ボールホルダーの背後にぴったり張り付き絶対に振り向かせないタイトなディフェンスが光った。彼はいい縦パスを何本も入れていたし、存在感を示した。また試合後、肝心な場面でシュートを選択できなかった浅野の涙もファインプレイだった。あそこで「悔しがれるかどうか?」がすごく大事だ。若い2人の熱さに打たれた。

 ハリルは本田と香川の穴をうまく埋めながら若い選手を試すトライをした。試合内容だけでなく、選手起用もアグレッシヴな好ゲームだった。
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【キリンカップ分析】厳しいプレスを受ける中でどれくらいやれるか?

2016-06-06 10:43:35 | サッカー
ノー・プレッシャーならできて当たり前

 ブルガリア戦(7-2)の大勝に世間は沸き返っているが、「ああ、またか」という感じだ。メディアは大見出しで景気のいい記事を書けば売れるから毎回イケイケ・ドンドンになる。そもそもキリンカップという花試合で、日本が相手を内容的に蹂躙した例など枚挙にいとまがない。

 確かに日本のデキはよかったが、あの大勝には隠れたアシスト役がいるのを忘れてはいけない。観光気分のブルガリアだ。

 日本の得点シーンで、ブルガリアがどんな守備をしたか?

 1度切り返されたらあきらめてもう追わない。あと1歩足を出せばカットできるのに棒立ち。自陣ゴール前でシュートがくる寸前なのに足を止めてボーッと眺めているだけ(完全なボールウォッチャー)。そんなシーンのオンパレードだった。

 そもそも日本ボールのとき、彼らの中盤でのプレスはユルユルだった。あれなら去年、親善試合で戦ったイラン代表のほうがはるかに激しかった。あのとき日本はまったく何もできなかった。

 相手のプレッシャーさえなければ、できて当たり前だ。昔とくらべ技術レベルが上がった日本代表はもうトルシエ・ジャパンのころから、プレスさえなければあれぐらいはできていた。

 問題は、相手の厳しいプレスの中でどれくらいやれるか? それがW杯本大会での戦いだ。キリンカップ決勝のボスニア・ヘルツェゴビナ戦では、そこを見たい。
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【キリンカップ】観光気分のブルガリアを撲殺した参考外のゲーム ~日本7-2ブルガリア

2016-06-04 09:55:22 | サッカー
まったく強化にならない試合

 前半、ブルガリアDF陣は「秋葉原へ行ったら何を買うか?」で頭がいっぱいだった。観光気分の彼らは守備がまるでユルく、球際の激しさどころかカバーリングさえサボっていた。なんと彼らは5点取られるまで眠りから覚めない。結局、この日の試合が始まったのはブルガリアが後半に1点取り、本気になってからだった。

 しかも前半の日本は少なくとも2回、観光気分のブルガリアに致命的な決定機を作られた。彼らがまだ寝ていてくれたおかげで失点しなかったが、あれを両方決められていたら試合はどうなっていたかわからない。

 日本は5点取ったあたりで目に見えてメンタルが緩み、その後ミスがらみで2失点したが、きっちり無失点で抑えなければ意味がない。スポンサーがらみとはいえ、あんな弛緩した試合をやっていたのでは強化にならない。アウェイでの真剣勝負が必要だ。

清武は日本の秘密兵器になる

 日本は最終ラインをしっかり押し上げコンパクトにやっていた。連動したプレスの掛け方やマイボール時の距離感もよく、ブルガリアが眺めているだけの守備だったせいもあり気分よく試合を進めた。おかげで柏木はほとんどドフリーでボールを持てやりたい放題。「厳しいプレッシャーの中でどこまでやれるか?」が彼のテーマだけに、楽勝したチームともどもなんの目安にもならない試合だった。

 そんな参考外のゲームではあるが、7点目のPKを呼びこんだスピードあふれる浅野の突破には未来の光を見た。また途中出場の宇佐美が必死で粘り強い守備をやっていたのも印象に残った。「やっと彼にも危機感が芽生えたか」という感じだ。

 そのほか清武の正確無比な七色のパス出しや、香川が3点目で見せた超絶トラップもさすがと思わせた。清武と香川は非常にコンビネーションがよく、案外彼らを同時に組み合わせるテは日本の飛び道具になるかもしれない。
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【トゥーロン総括】いかにボールを持たずに勝つか? ~日本0-1イングランド

2016-05-30 08:59:46 | サッカー
リオ本番のシミュレーション

 本大会中、いちばんまとまりがよかった試合だった。同時に前後半で意図的に戦い方を変え、リオ本番でのシミュレーションにも役立ったゲームといえるだろう。

 前半の日本はブロックを低く構え、相手を待ち受けるスタイルで来た。「いかにボールを持たずに勝つか?」というサッカーだ。必然的に支配率はイングランドの方が高くなるが、そんな中でも野津田と南野がそれぞれ決定的な形でシュートまで行った。前半のあの少ないチャンスを確実に決めて勝つのが本来の手倉森スタイルだろう。

 かたや後半は中盤にアンカーを置く4-1-2-3も試しながら、ブロックを上げて攻勢に出た。すると日本が主導権を握り、イングランドが受けて立つ形になった。あの後半で攻め切れなかったのが今の日本の現状だ。

 今大会、戦術を具現化する力など足りない点は目立ったが、それでもミスをなくし、チャンスに得点さえできていれば日本は(デキは悪いながら)全勝していてもおかしくはなかった。それくらい勝負というものはどっちに転ぶかわからないものだ。

 一方、大会を通じて選手別では、アグレッシヴにハードワークができるMF喜田と、ミドルが決まれば非常に魅力的なMF野津田、ダイナミックで強さがあるFW富樫が目についた。富樫は強い体幹でしっかりボールキープでき、プレスバックもサボらない。3人とも手倉森監督が考える泥臭いサッカーにマッチした選手といえるだろう。

マナウスでは前半の「相手に持たせるサッカー」をしたい

 さて、では日本はリオ本番にどんなスタイルで臨むべきか? 日本が第2戦までを戦う高温多湿なアマゾンのマナウスは、平均気温32度以上、湿度も軽く80%を越える。運動量の多いサッカーをするには厳しい場所だ。加えて対戦相手との力関係を考えても、特にマナウスではこの日の前半に見せた「相手にボールを持たせるサッカー」で行くのがベターだろう。

 全体にゾーンを低く敷き、相手にボールを持たせながら、敵の一瞬の綻びを見逃さず一気に攻めるしぶといサッカーをしたい。

 もちろん仮にリードされて一定の時間が経てば、この日の後半のようにブロックを上げボールを握って畳み掛けるスタイルに切り替える。その意味では結果が出ないながらも、それなりに本番のシミュレーションができた大会だっといえるだろう。

 残るはフィニッシュにおける「個の力」、つまり決定力だ。一朝一夕には改善できない問題だが、思い出すべきは少ないチャンスをガンガン決めまくったあのアジア最終予選である。戦力自体は「U-23史上最弱」といわれながらも、なぜ日本は最終予選であれほどファインゴールを決め続けられたのか? カギはメンタルにある。

 人間は、「チャンスだ!」と力むとシュートをふかす。逆に心の余裕があれば氷の心臓で冷静に決め切ることができる。そんな決定的な「メンタル力」が出たのがあの最終予選だった。すべてはチームをあやつる手倉森監督のモチベーターとしての手腕だろう。あの勝負師は選手の心を沸き立たせ、持てる力を2倍、3倍にする術を知っている。私はそこに期待している。
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【U-23トゥーロン国際】チャンスの山を築くが辛勝がやっと ~日本2-1ギニア

2016-05-26 08:40:15 | サッカー
もっとハードワークがほしい

 全体のバランスは悪くなかった。相手ボールのときにはしっかりブロックを作れていたし、マイボールになれば最終ラインを押し上げてコンパクトにやれていた。

 問題は、全体的な寄せの甘さと決定力不足だ。

 特にディフェンスのミスから失点したあのシーン。バックラインの裏を狙う山なりのボールを放り込まれ、右SBの際はボールに触らずカラダを入れて味方GKボールにしようとした。だがあそこは自分で先にボールに触り、キープしておけばなんてことはないシーンだった。この大会、際は守備時の状況判断が悪く、失点に直結するミスを繰り返している。

 また彼に限らず日本はボールに寄せ切れず、甘さが目立つ。球際の激しさがない。前へ突っ込みボールを競らず、立ち止まって「待って見ている」ようなユルさが漂っている。

「繋ぐこと」自体が目的化している

 一方、攻めてはさんざんチャンスの山を築くが決め切れない。日本はアタッキングサードでボールを繋ぐこと自体が目的化し、シュートで終われないシーンが散見された。

 特にサイドのクロスからのフィニッシュはアジア最終予選で日本の得意形だったが、その後ケガ人の山でクロッサーを欠きサイドから崩せなくなったのが大きい。FW富樫がサイドに流れていい形を作っているが、それとは別に両SBからのクロスがもっとほしい。

 とはいえケガで主力が10人以上いない状態では、結果がなかなかついてこないのはわかっていたことだ。とすればこの大会の目的は単純に勝敗にこだわることではなく、使える選手を見極めることにある。3戦終わってプレスが緩くアグレッシヴさのない鎌田、守備でミスの多い際あたりは生き残りが厳しくなりそうだ。

 なお後半途中から、日本は原川をアンカーにし井手口と大島をインサイドハーフに使った4-1-2-3にシステムを変えた。以前から何度かやる形だが、どうも座りが悪い。やはりU-23日本代表の土手っ腹は遠藤&原川のダブルボランチを軸にした4-4-2、もしくは4-2-3-1のほうがバランスがいい。
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