すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

【映画の見方】強制予約録画のすすめ

2017-02-20 09:53:50 | 映画
知らない映画でも片っぱしから録画すべし

 夜中にテレビで知らない映画をよくやっているが、ああいうのをテキトーに予約録画しておくのはおすすめだ。

 人間は恣意的に選んで映画を観ると、自分の知ってる範囲で好きな映画しか観ないようになる。するとどうしても世界が狭くなる。

 ゆえに知らない映画だろうが片っぱしから強制的にテレビで予約録画し、無理やり観るようにすると思わぬ発見をする。自分は知らない(が才能のある)監督や俳優をザクザク見つけることができる。結果、自分が大きくなる。未知の金脈はまだまだ地中深く眠っているわけだ。

 例えば私の場合、完全な洋画志向だ。だから邦画に関しては致命的に無知である。そこで私はテレビでやっている邦画を手当たり次第に予約録画することにしている。すると、どんどん世界が広がって行く。

 例えば『ウォーターボーイズ』(2001)というタイトル名はもちろん知っていた。だがなんと矢口史靖監督の名前は知らなかった。なぜならあの映画が封切当時は、猫も杓子も話題騒然のバカ騒ぎだったからだ。するとヘソまがりな私は「そんな軽薄な映画なんか、絶対に意地でも観るか」と完全スルーしてしまう。いけないとわかっていながらそうなっちゃう。で、せっかくの重要な新人監督や俳優さんを知らないまま見逃してしまうのだ。

 ところがつい先日たまたまテレビで、夜中に矢口監督の『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』(2014)をやっていたので、何の気なしに予約録画して寝た。で、翌日起きて観てみると、なんと冒頭の30分間を観ただけでとんでもない傑作であることを直感した。

 だがあいにくその日は、どうしても出かけなきゃならない用事がある。しかたなく冒頭の30分を観ただけであわてて外出し、用事を済ませるや帰りに速攻でビデオレンタル屋へ直行した。そして矢口監督の『スウィングガールズ』(2004)、『ハッピーフライト』(2008)の2本をレンタルしてきた。

 なぜって作品冒頭の30分間を観ただけで、「この監督は絶対にハズさない監督だ」ってことが充分確信できたからだ。で、試しに『ハッピーフライト』を観てみると案の定、傑作だった。これでまたひとつ、私の頭の中の「優秀監督リスト」が充実したわけだ。

 こんなふうに人生は勉強の連続である。

 恥ずかしいことに、邦画オンチな私はかたや行定勲監督の傑作『今度は愛妻家』(2010)もまったく知らなかった。これもたまたま夜中にテレビでやっていたのを偶然、予約録画したのだ。そして翌日観てみたら感動しまくり。ワアワア泣いた。

 で、また速攻でビデオレンタル屋へ走り、さみだれ式に行定監督の『ロックンロールミシン』(2002)、『世界の中心で、愛を叫ぶ』(2004、おい、こんな大ヒット作も観てなかったのか?)、『北の零年』(2005)、『クローズド・ノート』(2007)、『ショコラの見た世界』(2007)、『パレード』(2010)など一連の作品をレンタルしてきたのは言うまでもない。これでまたひとつ、賢くなれた。やれやれ。

 てなわけでテレビでやってる知らない映画の強制予約録画、ぜひおすすめします。

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【映画評】矢口史靖監督が仕掛ける『ハッピーフライト』(2008)のからくり
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【映画評】矢口史靖監督が仕掛ける『ハッピーフライト』(2008)のからくり

2017-02-17 17:03:59 | 映画

畳み掛けるギャグ、空港での裏方仕事を精緻に描く

 ミュージシャンズ・ミュージシャンという言葉がある。同業者であるミュージシャンから支持されるミュージシャン、という意味だ。

 彼らは一般消費者からのウケは必ずしもよいとは限らないが、同業の音楽専門家から高く評価される。この映画はちょうどそんな作品である。映画監督と同じように、物語を作る作家など何らかの物作りに従事するプロが「うまいな」と心酔しそうな映画だ。

 シンクロナイズド・スイミングに挑む男子生徒達を描いた青春ドラマ『ウォーターボーイズ』(2001)で一世を風靡し、今2月11日からは最新作『サバイバルファミリー』が劇場公開中の矢口史靖監督の手による2008年作品である。出演は田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、ほか。

 この作品は日本からホノルルへと飛び立ちアクシデントに見舞われる飛行機の機内を軸に、その周辺で働く空港管制塔の職員たちや気象予測担当者、整備士など各分野のプロフェッショナルたちが織りなす人間模様を描く。彼らが「たったひとつの目標」を目指し、一致団結して知恵を出し合いゴールのテープを切る。

 とはいえ、よくあるパニック映画などのようにド派手な大事故や出来事が続々起こるわけじゃない。そういうあざとさで勝負する映画ではない。

 ここで描かれる物語はある意味、えらく地味だ。例えば空港には飛行機の写真を撮るマニアたちが張っていたり、鳥が飛行機にぶつかる事故を防ぐ専門職員がいたり。これらの地味な小ストーリー群がモザイク画のように組み合わさり、ため息が出るほど巧妙な仕掛け時計が回って空港の時が刻まれて行く。

 しかも何がすごいってこの映画、事前に空港業務のあれやこれやをものすごく丹念に取材している。で、われわれ一般人がふだん何気なく利用している飛行機の旅の背後には、こんなにもたくさんの裏方さんがいろんな専門業務をこなしてるんですよ、と人間ドラマをまじえて教えてくれる。「ほぉー、空港ってこんな仕組みになってるんだ」と思わず感心させられる。絶え間なく笑いを挟みながら。

 そしてほとほと参るのは、彼らが行う仕事の見せ方がきわめて精緻でディテールが細かいところだ。とんでもなく緻密に計算されたシナリオをもとに、物語の歯車がガッチリかみ合い、テンポよくギャグも絡めて空港業務が演出されて行く。

「この監督、ウマいなぁ」「緻密に計算してやがるなぁ」

 やっかみ半分、そう無意識のうちに唸らされる。

 ゆえにこの映画は物語を作るような仕事をしている人か、それに準じる何らかのモノ作りをするプロへの訴求度が高いはずだ。映画版「ミュージシャンズ・ミュージシャン」というのはそういう意味だ。ネタばれになるから細かくは触れないが、ぶっちゃけ私はこんなにウマく作られた映画を観たのは生まれて初めてである。いやはや。

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【サッカー日本代表】決定力不足が生むポゼッション依存

2017-02-08 07:54:02 | サッカー
長くボールを保持してシュート機会をふやす?

 どうせシュートなんか入らないから、できるだけボール保持する時間を長くし、そのぶんシュートをたくさん打とうーー。これが従来の日本人の考え方だった。

 つまりシュートはどうせ入らない → ならばシュート機会を増やして確率を高めよう、てな数打ちゃ当たるよ方式である。

 だが一方、現代表監督のハリルはポゼッションにこだわらない。とすれば必然的にシュートの決定率を上げる必要がある。つまり「シュートなら2本に1本は入るから、俺らは別にボールを持たなくていいぜ」てなスタイルに変える必要がある。

 となればハリルのサッカーは、日本人がいちばん苦手なシュート決定率の向上を日本人に要求してくる。逆にいえばそこが変わらなければ、ハリルのサッカーは成立しない。

 さていったい、日本人はハリルの要求に応えられるのかか? もし応えられないとすれば、ハリルの考えるサッカーで日本は勝てるのか? いま、国民みんなが固唾を飲んで見守っている。
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【サッカー移籍】スペイン2部を選んだ柴崎岳と「何も選ばなかった」斎藤学

2017-02-01 12:36:18 | サッカー
まず底辺から始めてステップアップを狙え

 この1月31日で冬の移籍市場の門が閉まり、全体情勢がハッキリした。鮮やかなのは、スペイン2部のテネリフェを選んだ柴崎岳と、海外志向したものの「何も選ばず」横浜Mに留まった斎藤学の対比だろう。若い彼らの海外移籍には期待していたが、斎藤にはがっかりだ。

 スペイン2部からスタートする柴崎は本当の意味での挑戦だ。テネリフェが1部に上がれる保証などどこにもないし、今後もっと上のクラブへ移籍できる確証ももちろんない。彼は完全に下から叩き上げて行く覚悟だ。1部に昇格すれば契約延長のオプションがあり、契約期間は6月30日まで。だとすれば時間もチャンスも限られている。

 即戦力を求められる冬の移籍市場で動くのは不利だ、などいろんな考え方はある。だがいずれにしろ柴崎が自らの強い意志で「選んだ」のに対し、何も選ばなかった斎藤はさびしい限りだ。

 斎藤はドイツ2部やオランダ、ベルギー(のほかクロアチアやスペイン)から話があったともいわれるが、希望のクラブ(条件)ではなかった、とされている。噂をもとに判断するのはよくないが、彼は自分を少し高く見積もりすぎではないか?

 昨季J1で10点取ったとかベストイレブンに選出された等、「たかが日本」でのそんな実績など取るに足らない。あれだけシュートを大きくふかす選手がスペインやイングランドの1部ですぐにプレーできるわけがない。フットボールはそんな甘い世界じゃない。(私は彼を叩いているのではなく、すごく期待しているがゆえにこう書いている)

 サッカー4流国の日本からヨーロッパに挑戦する場合、まずベルギーやオランダ、スイスなど(表現は悪いが)2流国、3流国からスタートするのがふつうだ。いきなり希望のクラブでなくても、とにかくヨーロッパへ渡ってしまえばスカウトの目が張り巡らされているし、日本にいるより発掘されるチャンスが高まる。そうやって1歩1歩、階段を上がって行くものだ。

 そう考えると叩き上げの道を選んだ柴崎と、なんだか甘えた日本のお坊ちゃんがわがままを通したような斎藤という対比に見えてしまう。返す返すも残念だ。

 このほか清武はセビージャから古巣セレッソ大阪に戻った。話があったといわれるドイツ行きのテはなかったか? と落胆させられたが、セビージャでベンチを温め続けるよりはいい。

 一方の本田は契約が切れる6月までミランで飼い殺しになる。彼も斎藤と同じく高望みし、プレミアのハル・シティの正式オファーを蹴った。本田があのフィジカル・コンディションのまま、もし日本代表の試合に先発することがあったら私は暴動を起こすつもりだ。

 いずれにしろ1流になる選手と2流で終わる選手との対比が鮮やかな移籍劇だった。
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【サッカー日本代表】ゴールでなくパスをめざす国、ニッポン

2017-01-23 12:25:52 | サッカー
勝てない理由はパスサッカーの神格化にある

 あるメディアが昨年引退したばかりの元日本代表選手について、こんなふうに評していた。

「若いころ天才ドリブラーと言われた彼は、その後、巧みなパスでチャンスを作る玄人好みのスタイルに変身した」(要旨)

 1対1で勝負するサッカーをあたかも未成熟なスタイルであるかのように位置づけ、逆にパスサッカーを一段高いレベルと評価する。ゴールを目指すのでなく、パスがつながるその過程をこそ重視するーー。

 ボールを激しく競り合う「個の戦い」でなく、ショートパスやワンツーが連続して繋がるパスサッカーが「正しい」とされる日本では、メディアの認識もこんなふうに偏っている。ふたこと目には、組織でありパスだ。

 だがテレビカメラを引いてフィールド全景を見れば組織戦術であったとしても、カメラをうんと近寄り局面をアップで見ればサッカーは究極的には1対1だ。

「日本人の個の弱さを組織でカバーするんだ」などといっても、結局、個々の局面における1対1に勝てなければ先に進めない。まず前提として強い個があり、その強い個が集積した結果としての組織戦術でなければ世界に勝てない。

 1対1のデュエルを唱えるハリルが個の重要性を布教し世の中を変えるには、まずパスサッカーを過剰に神格化する日本人の価値観自体を変えて行く必要があるだろう。
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【サッカー日本代表】柴崎岳と斎藤学は海外へ行くべきだ

2017-01-18 09:24:13 | サッカー
「Jリーグ・クオリティ」から脱出せよ

 鹿島アントラーズの柴崎岳と横浜F・マリノスの斎藤学が、海外移籍かどうかで揺れているようだ。

 もし海外へ行ける条件・環境にあるのなら、絶対行ったほうがいい。

 日本人選手はJリーグにいる限り、一生「Jリーグ・クオリティ」で終わってしまう可能性が高い。だが斎藤はシュート精度を高めればもっともっと点が取れるはずだし、柴崎はヨーロッパ・レベルのデュエルを身につければ日本代表にまた選ばれるはずだ。

 柴崎はレアル・マドリードと決勝を戦ったクラブW杯で学んだだろう。上には上がいることを。と同時に自分は将来、「その世界」で通用する可能性があることを。そのためには移籍あるのみだ。

 彼らの浮沈は日本代表の命運を左右する。

 絶対、ヨーロッパへ行くべきだ。
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【サッカー日本代表】どこまでボールを大事にするか?

2017-01-14 07:06:04 | サッカー
ボールロストをこわがるな

 ハリルはポゼッションにまったくこだわらない。逆に本田はポゼッション志向が強い。おもしろい対比だが、結局どちらが正しいか結論を出すことなどできない。ことは正邪でなく、スタイルの違いにすぎないからだ。哲学の違いに結論は出ない。それでもただひとつ、言えることはある。

 それは結局、サッカーはどこかで勝負しなければ始まらない、ということだ。

 パスサッカーが好きな日本人は、とかくポゼッションにこだわりがちだ。ゴールすることでなく「パスをつなぐこと」が自己目的化してしまう。だがポゼッション率を極端に重視し、勝負を避けてばかりいては勝てる試合も勝てない。

 例えばちょっと寄せられ苦しくなっただけで「バックパスしようか?」との思いが頭をもたげる。だが例え安全策を取りバックパスしても、パスの受け手が敵に寄せられていたらピンチを招く。あるいはバックパスの受け手が不十分な体勢だったら結局ボールを失う。しかも、より低いゾーンでのボールロストという「より悪い形」で。

 それなら前にいる自分が少しでも有利な体勢のうちに勝負したほうがいい。逃げのパスをせず勝負に出る局面も作らなければ、相手との競り合いに勝てない。

 パスに逃げる思考がかすめても自分で行くこと。そこでの思い切りが最後はサッカーの勝敗を決める。
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【高校サッカー決勝】サッカーは決定力で決まる 〜青森山田5-0前橋育英

2017-01-10 08:34:05 | サッカー
GKが「ラストパス」を出す未来型サッカー?

 高校サッカーの決勝戦は、まったく考えさせられた試合だった。ポイントは3つだ。

 まず試合の立ち上がりは前橋育英がポゼッションしゲームを支配した。だがこの試合はポゼッション率では決まらなかった。これがまず第1点だ。

 では何が試合を決めたのかといえば、青森山田の圧倒的な決定力である。シュートがことごとくワクへ行く。日本代表に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだった。だが一方の前橋育英はシュートがさっぱりワクへ飛ばない。あまりにも鮮やかな対比である。いくら芸術的にパスをつなごうが、「サッカーはここで決まるんだな」と実感させられた試合だった。

 最後の第3点は、青森山田のGK、広末陸のフィード力である。彼は強く正確なロングボールを蹴れる。下手するとゴールキックがことごとく「ラストパス」になりそうな勢いだった。

 GKにあんなキックが可能だとなると……例えば守備を固めてリスクを犯さずGKにバックパスし、敵ゴール前に上がったロングボールを競ってこぼれ球を詰める、という攻撃が可能になる。戦術も何も関係ない。まさにデュエルだ。単にフィジカルでボールを競り、こぼれたところをゴールに押し込むサッカーになる。確かに効率的だが、果たしてそれでいいのだろうか?

 いろいろと考えさせられた試合だった。
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【サッカー日本代表】「ポゼッションか? カウンターか?」は不毛な二元論だ

2017-01-07 04:22:31 | サッカー
状況に応じて戦い方を変えろ

 日本のサッカー界では「個か? 組織か?」のような不毛な二元論がなされやすいことは、過去に何度か書いてきた。ハリルが代表監督に就任して以来、にわかに湧き起こっている「ポゼッション・サッカーか? カウンター・サッカーか?」という二元論もそのひとつだ。

 ポゼッションサッカーは、日本ではかなり誤解されている。ポゼッションを謳ったザックジャパンの「悪い時のイメージ」が強いからだ。

 例えばポゼッションサッカーを標榜するチームは、悪い時にはついラクをするパターンに陥りがちだ。ボールを持つと、前が空いているのにわざわざバックパスして最終ラインでボールを回す。とにかくいったんバックパスしてからモノを考えるクセがついてしまう。そのほうが体力も温存できるし、なによりラクだからだ。

 かくてゴールすることではなく、ボールを回すこと自体が自己目的化する。で、前にスペースも人もいるのに縦にチャレンジせず、ダラダラと自陣でボールをこねくり回すーー。

 これでは勝てる試合も勝てなくなる。

 だがポゼッションサッカーはそもそも足元の技術がある日本人に向いているし、うまくやれば大きな武器になる。よくいわれるように自分たちがボールを握っている限り失点する可能性はない。前述したような「ラクをするサッカー」に陥りさえしなければ使える戦術だ。

 例えば失点リスクの少ない相手陣内でポゼッションし、ボールを失ったらすぐ敵陣でプレッシングして奪い返す。で、ショートカウンターをかけるーー。

 ハリルジャパンが縦に速い攻めだけでなく、ポゼッション・スタイルとショートカウンターの融合ができるようになれば勝率はグンとアップするはずだ。
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【サッカー日本代表】秘密兵器・FW小林悠を積極的に使うべきだ

2017-01-03 07:21:13 | サッカー
技術とスピード、キレが一級品

 鹿島アントラーズと川崎フロンターレが戦った天皇杯決勝を見て、FW小林悠(川崎)のキレっぷりに驚いた。日本代表におけるプレイとのあまりの落差にビックリしたのだ。

 まあ小林は代表ではロシアW杯最終予選・オーストラリア戦でスタメンを取ったくらいで、あとは試合終了間際に交代出場する程度だからあまりインパクトがないのも当然だ。なんせ代表で同じ右サイドを争うのは本田だから、出場機会が少ないのも仕方ない。

 だが本田は所属チームで試合に出ておらず、もうずっとコンディションが悪い。ならば今年は小林を積極的に使ってもいいのではないか? 右サイドからカットインしてFW的にシュートも期待できる彼は非常に魅力的だからである。

 あの天皇杯決勝。小林はチーム唯一の得点を叩き出したが、シュートに行くまでの「仕込み」が秀逸だった。

 後半8分、ゴール前で小林の足元に縦パスが出てきた。小林がトラップすると判断した鹿島のCB昌子は前に出てプレスをかけに行く。それを見た小林はとっさに縦パスをスルーした。すると昌子が前へ出たぶん、鹿島の最終ラインにはSBとCB植田の間にぽっかりスペースができている。つまり小林は昌子を食いつかせ、ゾーンに穴を空けさせたのだ。

 で、小林はスルーした次の瞬間、すかさず体をかわして昌子がもといたゾーンの穴に飛び込む(このとき昌子は前に出たまま完全に取り残されている)。そこへ途中出場した三好がポストプレイからラストパスを出し、受けた小林は矢のようなシュートをゴール左スミに決めた。

 縦パスをトラップすると見せかけて昌子を食いつかせ、スルーするや瞬時に昌子が空けたゾーンのギャップに入り込んだプレーはすばらしかった。絵に描いたようなオフ・ザ・ボールの動きだった。

 このほかにも小林は前半にエウシーニョのポストプレイからビッグチャンスをつかんだが、シュート態勢が微妙に崩れて決められなかった。また後半19分にはカウンターから右サイドを縦に抜け出し、寄せてきた敵DFを切り返しでかわし左足で鋭いシュートを放ったが、ポストを直撃した。小林はこの2つの決定機を決めていればハットトリックを達成し、フロンタ−レの優勝に貢献していただろう。まちがいなくMVPである。

 小林はあの2つを決められるようになれば、日本代表でも本田を蹴落としてレギュラー確定だろう。それだけ可能性のある選手だし、将来性豊かだ。スピードがあり、キレもいい。

 代表の右サイドはもうずっと本田が君臨しているが、コンディションの悪い選手がレギュラー安泰というのはありえない。このさいハリルは右サイド要員をゼロベースで見直し、小林をスタメンで使ってもいいのではないか? サイドもできる攻撃的な武藤と右SB内田もケガから復帰したことだし、今年の日本代表はおもしろくなりそうだ。
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【天皇杯・決勝】熟成する鹿島の「逃げ切り芸」 〜鹿島2-1川崎

2017-01-02 11:03:49 | サッカー
金崎抜きの「飛車落ち」でも鹿島が勝つ

 相手にボールを持たせてカウンターを狙う4-4-2の鹿島アントラーズと、グラウンダーのボールをつなぐポゼッション型3-4-3の川崎フロンターレが天皇杯決勝で激突した。噛み合わ的には理想的な対戦だ。

 鹿島は前半41分に右コーナーキックから、戻りながらの難しいヘディングシュートを左SB山本脩斗が決めて1点先制。すると川崎は後半頭から3バックを4バックに変え追撃態勢に。その川崎は後半8分、FW小林悠が縦パスをスルーすることで鹿島のCB昌子を食いつかせて作った敵ゾーンの穴に自ら入り込み、きれいなシュートを左スミに決めて1点。両者1-1で譲らず延長戦に突入した。熱戦だ。

 すると鹿島は延長前半にゴール前へのロビングから途中出場のファブリシオが決め2-1とリード。これで勝ちパターンに入った鹿島はすかさず自陣に4-4のブロックを固めて試合を殺した。デキは必ずしもよくないながらも、鹿島には「より1歩」強く寄せる粘りのディフェンスがある。リードするや守備を固めて試合を終わらせる鹿島の「逃げ切り芸」が鮮やかに決まった一戦だった。

川崎は前半に2度のビッグチャンスを逃す

 前半、勢いよく攻める川崎を鹿島は受けて立った。川崎は前半に2度のビッグチャンスがあったが決められず、逆に鹿島はセットプレイからしぶとく先制する。攻められながらも結局しっかり点を取るのは鹿島である。実質的にはこの前半で「勝負あった」といえるだろう。

 1点リードした鹿島は後半頭から自陣にブロックを作り、相手を待ち受けるゾーンディフェンスに変える。後半に追いつき1-1とした川崎は、結局は鹿島を引き立たせるための咬ませ犬になってしまった。川崎は前半に2度もあった決定的なチャンスをものにできなかったのが最後まで響いた。あれを決めていれば川崎にも十分勝つチャンスはあった。だが勝負に「タラレバ」はない。

 この日、川崎のFW小林は非常にキレており、前半にエウシーニョのポストプレイから小林にビッグチャンスが回ってきたが決められなかった。小林は意味もなくシュート態勢が崩れてしまったが、なぜあそこでしっかり打てないのか? あのシーンには、ゴール前でパニックに陥る日本人選手の決定力不足の原因が隠されているように感じた。小林はこの日、決定機をキッチリ決めていれば3点取れたはずだ。

鹿島は堅守速攻・逃げ切り型の試合運びを完成させた

 立ち上がりに両チームの激しい前プレから始まった試合だったが、川崎に1-1とされた後半途中から、相手ボールになると鹿島は全員が自陣に引いた。川崎がボールを握っているように見えるが、実は鹿島のペースだ。かさにかかって攻める川崎を鹿島は粘り強くいなし、延長前半でとどめを刺した。川崎には、延長前半で失った1点を取り返すメンタルがもう残ってなかった。

 鹿島の2点は、セットプレイと縦ポンのロビングからだ。鮮やかな攻めの形を見せたわけでも何でもない。だがそれでも気がつけば最後にお立ち台に立っているのはアントラーズである。結局、最後は逃げ切りパターンに入った鹿島の横綱相撲で幕を閉じた。

 準決勝に引き続き3バックで試合に入り後半4バックに変えるなど、川崎の風間監督は策に溺れた印象だ。逆に鹿島の石井監督は、お家芸である堅守速攻・逃げ切り型のうまい試合運びを熟成させた。Jリーグ・チャンピオンシップからクラブW杯、天皇杯と、狙ったゲームプラン通りに試合をハメる経験を積んだ鹿島はいま、無敵の「王国」を作りつつある。
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【天皇杯・準決勝】これがJリーグで2位のチームなのか? 〜川崎1-0大宮

2016-12-31 07:35:13 | サッカー
負けた大宮の熱い魂に拍手を

 Jリーグで年間勝ち点2位の川崎フロンターレは、攻めの歯車がまったく噛み合わない。特に前半はマイボールになっても周囲が動き出さず、まるで消化試合のようなありさまだった。「金を返せ」と客が暴動を起こさないのが不思議なくらいだ。

 敵に張り付かれたままオフ・ザ・ボールの動きがない。間受けするためゾーンのギャップへ4歩移動することさえしない。ルーズ・ボールへのアクションも常に大宮アルディージャが先手、先手だ。最終ラインでボールをキープした時も3バックが開かずたがいの距離が近いままなので前への角度を作れず、うまくビルドアップできない。

 一方、負けた大宮はいいところばかりが出た。4-4-2で守備を重視したベーシックなサッカーだが、「勝ちたい」という気持ちを全面に出す。ひとつひとつのプレイに気持ちが入り、ソウルフルで力強かった。そんな大宮が終始ペースを握り、彼らの精力的な守備が川崎をしっかり押さえ込んだ。

 スッポンのように敵に吸い付きパスコースを消す。相手ボールホルダーに1歩でも近く寄せてバランスを崩させる。これを90分間、止まらず続けるのだから川崎はたまらない。

 攻撃面でも、大宮は何度もシュートシーンを作った。全員がよく走り、スペースへ、スペースへと労を惜しまず動いてパスをつなぐ。無骨で美しいサッカーとはいえないが、機動的でガッツのある攻めは迫力があった。

 後半は4バックに変えた川崎がリズムをつかみ攻める頻度が増えたが、それでも大宮は全員が必死で自陣に引いて弾き返す。だが惜しいかな、大宮はあまりにもチャンスを逃しすぎた。決定機を何度も手放すうち、幸運の女神はおずおずと大宮から離れていった。

 そして最後はどん詰まりの後半40分。川崎・中村憲剛の右コーナーキックから谷口彰悟に押し込まれて万事休す。チャンスを生かせないと痛いしっぺ返しがくる、という教訓を絵に描いたような展開だった。大宮は絶対的なストライカーが1人いればおもしろくなりそうなチームだと感じた。

 それにしても前半にあんなみっともない試合をサポーターに見せた川崎はとくと反省してもらいたい。あれではJリーグからお客さんが逃げる一方だ。「これだからJリーグは」などと海外サッカー・マニアに言われないよう、決勝ではしっかり魂を見せてほしい。
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【天皇杯・準決勝】冴え渡るカウンター、受け流す技術 〜鹿島2-0横浜FM

2016-12-30 11:36:10 | サッカー
相手の攻めを「いなす」鹿島の独壇場

 SBを高く上げサイドから攻める鹿島アントラーズと、ドリブルからフィニッシュに行く横浜F・マリノスという対照的な対戦になった。鹿島はいずれも得意なカウンターから2ゴールを上げ、守っては横浜FMの波状攻撃を堅い守備で柳のようにサラリと受け流す。終わってみれば2-0と鹿島の「大人の試合運び」が光った試合だった。

 鹿島のシステムはベーシックな4-4-2だ。攻撃時には両SBを高く上げて基点を作る。そのためボールが中盤にあるときは2-2-4-2、ボールが前線に渡ると2-2-2-4のような形になってフィニッシュへ行く。一方のマリノスは4-2-3-1だが、相手ボールになるとリトリートして4-4-2のブロックを組んで守る。攻めはマルティノスと斎藤学が軸になり、主にドリブルからラストパスを出す形だ。

 マリノスはドリブルを交えポゼッションして攻めるが、決定機はあるものの鹿島の堅い守備に弾き返され決めることができない。鹿島はまるで剣の達人のように相手の攻めをサラリといなす。そしてボールを奪うと得意の速攻だ。前半41分にはカウンターから鹿島がチャンスを作り、最後はMF柴崎岳の右からのクロスをFW土居聖真がヘッドで決めて1点目をあげる。

 続く後半28分には、マリノスの致命的なタテへのミスパスをカットした鹿島がまたもカウンターを発動。MF永木亮太のスルーパスが入り、最後は柴崎の右からの折り返しを途中出場のFW鈴木優磨が決めた。

 鹿島はこのようにカウンターのチームだが、ひとくちに「堅守速攻」といっても自陣にべったり引いているわけではない。最終ラインを高く保ち、コンパクトな陣形から全体のゾーンを圧縮してボールを奪う。またワンプレー、ワンプレーの精度が明らかにマリノスより上で、ミスが非常に少ない。

 鹿島の選手はフォームも美しく、プレー時にしっかり腰が入っている。足先だけの軽いプレーが目立つマリノスとは対照的だった。マリノスにもチャンスはあったが、結局は鹿島のゲームプラン通りに進んだ横綱相撲といっていいだろう。

 最後に、個人的に注目しているマリノスの斎藤学について。彼のキレのあるドリブルはJリーグでは通用しているが、問題は世界に出たとき武器になるかどうかだ。彼はこの日、4〜5本のシュートを打ったが決められなかった。鋭いドリブルからラストパスやシュートに行く彼のスタイルは非常に魅力的であり、決定力さえ磨けば日本代表におもしろい選択肢をもたらす選手になりそうだ。
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【サッカー】日本人は「純粋まっすぐ君」から卒業すべきだ

2016-12-28 15:27:15 | サッカー
ズル賢い奴ほど試合運びがうまい

 この年末のサッカー・イベントには、まったく考えさせられた。

 いかにも日本人らしく真っ直ぐ「純粋」に散った浦和レッズ。

 うまい試合運びでチャンピオンシップをしぶとく勝ち残り、クラブW杯でも名を残した鹿島アントラーズ。

 この2チームの対比はあまりにも鮮やかだ。日本人は浦和的なよくいえば「正々堂々」、悪く言えば「純粋まっすぐ君」のメンタリティから卒業し、鹿島のようにズル賢くしぶとく戦えるようにならなければならない。そうでなければいつまでたっても「世界」に手が届かない。
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親父が肺ガンで死ぬらしい

2016-12-27 08:44:05 | 禁煙・タバコ
タバコをやめてもガンで死ぬ

 主治医の計算によると、私の親父は肺ガンで余命0ヵ月らしい。つまりいつ死んでもおかしくない状態だ。すでに吐血している。

 おふくろによると確か親父は30代でタバコを吸い始め、50~60才くらいで禁煙したが遅かった。私は高校1年で吸い始め、10年前にやめたばかりだからヤバイ感じもする。とはいえ今さらジタバタしてもしようがない。

 親父は「肺ガンで余命2ヵ月」の診断が下るや治療を拒否し、即座に覚悟を決めた。すでにそれから2ヵ月たったが、痛みを取る治療もまったくしていない。あとは死ぬのを待つばかりだ。

 体感的には、肺ガンにかかるかどうかはタバコを吸った期間はあまり関係ないような気がする。知人の父親は若い時から老いるまで吸っているが健康そのものだし、かと思えばウチの親父みたいに吸った期間はそう長くないのにもう助からない人間もいる。人生いろいろだ。

 この記事を読み、ひとりでも多くの人がタバコをやめてくれたら死んで行く親父も本望だろう、と思い記事を書いた。

 みなさんタバコはやめましょう。

【関連記事】

『タバコをやめて初めてわかったこと』
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