すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

【リオ五輪・総括】一発かまされてもヘコまなかった頼もしいヤツら

2016-08-16 11:20:12 | サッカー
初戦の守備の崩壊がすべてだった

 3試合を通し、「完敗だった」「とてもかなわない」と感じた試合は1試合もなかった。手倉森ジャパンが本来の持てる力さえ発揮できれば、3戦全勝していてもおかしくはなかった。

 とすれば、返す返すも初戦・ナイジェリア戦での敗戦(というより自己崩壊)が悔やまれる。

「守備から入るチーム」があれだけ失点しては勝てない。常に「追いつこう」とギャンブルすることになり、自分たちの土俵で試合ができなくなる。同点にした時点でグッと腰を落とし、コンパクトにじっくり守って相手のスキをうかがう、したたかな試合運びに持ち込めなかったのがすべてだった。中盤でプレスがかからず、あれだけラインがズルズル下がってはどうしようもない。

 もしナイジェリア戦で、相手にボールを持たせ失点せずにカウンターを狙う「自分たちのサッカー」ができていれば、おそらく3戦全勝で日本は突破していただろう。また以前からずっと機能してなかった4-1-4-1にこだわったのも大きな敗因だ。

 ただし初戦であれだけひどい自爆をしながら決してメンタルが落ちず、2戦、3戦と尻上がりに盛り返した点は大いに評価したい。これまでの日本代表なら、あの初戦の敗戦で木っ端微塵にバラバラになっていただろう。だがハデに一発かまされても、あいつらは絶対にヘコまなかった。ああいう打たれ強いメンタルの強さは、従来の日本代表にはまるでなかった。本当に頼もしいヤツらだ。

 このチームがこれで終わりになるのは、日本サッカー界にとって大きな損失だろう。だが同時にこれが蓄積となり、日本のサッカーがまたひとつ強くなったのも事実である。
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日本のサッカー界はマナウスより「温室」だ

2016-07-06 19:46:52 | サッカー
Jリーグは終身雇用制か?

 以下は、英アーセナルに移籍が決まったFW浅野(広島)のコメントだ。

「いつの日か広島に戻ってきて、新しいスタジアムで広島のあたたかいサポーターとともに戦いたい」

 で、広島も「いつでも戻ってこい」と言うんだろう。終身雇用制が保証されてる。ふつうのサラリーマンよりラクな転職だ。ぜんぜんリスクを取ってない。こんなメンタルじゃ移籍したって芽が出ないだろう。

 道理で日本代表はいつまでたってもワールドカップで勝てないわけだ。
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【U-23強化試合】相手にボールを持たせて勝つ 〜日本4-1南アフリカ

2016-07-01 08:51:52 | サッカー
ウラは狙い放題、攻撃陣が爆発

 手倉森ジャパンが、得意の「相手にボールを持たせて勝つサッカー」で快勝した。ブロックを作って待ち受け、ボールを奪ったらムダな手数をかけないシンプルな攻撃が奏功した。ミスも少なく、チャンスをしっかりモノにする決定力は相変わらずだ。チームの雰囲気もいい。

 一方、南アは最前線の選手はプレスにくるが、二列目が連動しておらず中盤にぽっかりスペースができる。そのため日本はプレスの第一陣をかわせば中盤にポイントを作れ、その次のパスでもうウラが狙えた。

 南アは中盤でプレスがかかってないのに無駄に最終ラインが高く、日本はウラのスペースを狙い放題だった。特に浅野は積極的に前へ飛び込むプレイをし、何度もチャンスを作った。

 逆にいえば日本がそれだけ相手を引きつけているからウラにスペースができた、ともいえる。ゲームの立ち上がりはバタバタしたものの、その意味では手倉森監督のゲームプラン通りだっただろう。リオ本番でも、罠を仕掛けて敵の一瞬のスキを突く抜け目ないサッカーで少ないチャンスをモノにしたい。

 選手別では浅野と中島、矢島のほか、室屋と植田が非常に目についた。特にケガ上がりの室屋はこのチームの鍵を握っているといえ、元気に復帰している姿を見られてよかった。本番でもサイドをガンガン突破してほしい。
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【キリンカップ総括】清武のための大会だったが修正点はある

2016-06-11 10:04:08 | サッカー
パスが自己目的化する傾向も

 キリンカップはまるで清武のための大会だった。彼はチームの中心になり、結果を出した。だがもちろん修正点もある。

 ややもすると彼はストレートにゴールを目指さず、パス自体が自己目的化するようなところがある。特に香川と組ませると短いダイレクトパスを4~5本交換したあげく、だが「前には進んでない」みたいな現象が起こる。シンプルにプレーせず、むずかしいことをやろうとしてしまう。

 清武はずっと控えの位置づけだったため、ハリルが標榜する「まずタテへパスをつける速い攻め」、「可能ならひとつ飛ばして遠くを狙え」というコンセプトがまだ血肉になってない感じがする。他のメンバーと目的意識が完全には共有できてない。

 もちろん清武レベルならスタメンで何試合かこなすうち擦り合わせはできると思うが、現状ではそこが少し気になった。

 また単なるパッサーで終わるのでなく、みずからも大胆に前へ飛び出しゴールを狙ってほしい。自在に点も取れるトップ下になれば、レギュラーはグンと近づくだろう。

 もうひとり、気になるのは柏木だ。彼は敵のプレッシャーのない状態でなら自由自在にプレイできるが、厳しいプレスを受けると何もできなくなるようなところがある。また相手ボールのとき、強度のある守備ができない。対戦相手が引いてくるアジアレベルでなら通用するが、W杯本大会を考えた場合にはまだまだだ。

 長谷部の相方選びは、ハリルジャパンの浮沈を決める重要課題になりそうである。
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【キリンカップ決勝】「世界レベル」とやれた意義あるゲーム ~日本1-2ボスニア・ヘルツェゴビナ

2016-06-08 08:48:12 | サッカー
後半のガス欠を修正したい

 本田と香川のいない形を試せた意義のある試合だった。結果は「手応えアリ」だ。日本はリズミカルにパスが回り、いいリズムでチャンスを作っていた。両チームのストロング・ポイントが噛み合い、緊迫した好ゲームになった。

 清武は中盤の核となり、短いダイレクトパスを織り交ぜながらゲームを作った。宇佐美はキレまくりだ。独特のリズムをもつドリブルでチャンスを作った。浅野も一瞬の飛び出しでウラへ抜け出す能力を示した。欲をいえばもっとタテに速い鋭い攻めを見たかったが、清武がいるぶん普段のハリルジャパンと違いややポゼッション寄りの展開になっていた。

 ただし日本は後半、ガックリ運動量が落ちる。シリア戦やブルガリア戦でも見られた現象だが、走れなくなったら低めにブロックを作って前から行かない守備をするなどメリハリを利かせたい。ハリルは多発する後半のガス欠を分析し、しっかり修正してほしい。

 フィジカルで完全に負けていたのも大きな課題だ。日本の選手はカラダを入れられるとボールが取れない。この点は一朝一夕には無理だが、例えばフィジカルにはフィジカルで対抗するのでなく、必ず2対1の形を作って組織で行くなど代案を考えるべきだ。簡単に2失点した守備面もゼロから見直す必要がある。

ボスニアは非常にいいチームだった

 ボスニアはカウンターが鋭いシャープなチームだった。中盤のプレスも速く、アタッキングサードでは積極的にクロスを入れてくる。ディフェンスラインはきれいなフラット4で、ボールがオープンか、クローズかによって機敏にラインを上下動する。

 特に目を引いたのはトランジションのよさだ。彼らのディフェンスは寄せが速く、日本の選手はボールを持っていったん後ろを向いてしまうとすぐ囲まれていた。またイーブンなボール(こぼれ球)に対する反応がすごく速く、(ブルガリアなどと違って)非常に意欲的な好チームだった。

 リードされた終盤、日本は何度もチャンスを作って粘ったが、あそこで1点取れるかどうかが、世界を引き寄せる分水嶺になるのだろう。

 選手別では、途中出場の遠藤航は、敵ボールホルダーの背後にぴったり張り付き絶対に振り向かせないタイトなディフェンスが光った。彼はいい縦パスを何本も入れていたし、存在感を示した。また試合後、肝心な場面でシュートを選択できなかった浅野の涙もファインプレイだった。あそこで「悔しがれるかどうか?」がすごく大事だ。若い2人の熱さに打たれた。

 ハリルは本田と香川の穴をうまく埋めながら若い選手を試すトライをした。試合内容だけでなく、選手起用もアグレッシヴな好ゲームだった。
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【キリンカップ分析】厳しいプレスを受ける中でどれくらいやれるか?

2016-06-06 10:43:35 | サッカー
ノー・プレッシャーならできて当たり前

 ブルガリア戦(7-2)の大勝に世間は沸き返っているが、「ああ、またか」という感じだ。メディアは大見出しで景気のいい記事を書けば売れるから毎回イケイケ・ドンドンになる。そもそもキリンカップという花試合で、日本が相手を内容的に蹂躙した例など枚挙にいとまがない。

 確かに日本のデキはよかったが、あの大勝には隠れたアシスト役がいるのを忘れてはいけない。観光気分のブルガリアだ。

 日本の得点シーンで、ブルガリアがどんな守備をしたか?

 1度切り返されたらあきらめてもう追わない。あと1歩足を出せばカットできるのに棒立ち。自陣ゴール前でシュートがくる寸前なのに足を止めてボーッと眺めているだけ(完全なボールウォッチャー)。そんなシーンのオンパレードだった。

 そもそも日本ボールのとき、彼らの中盤でのプレスはユルユルだった。あれなら去年、親善試合で戦ったイラン代表のほうがはるかに激しかった。あのとき日本はまったく何もできなかった。

 相手のプレッシャーさえなければ、できて当たり前だ。昔とくらべ技術レベルが上がった日本代表はもうトルシエ・ジャパンのころから、プレスさえなければあれぐらいはできていた。

 問題は、相手の厳しいプレスの中でどれくらいやれるか? それがW杯本大会での戦いだ。キリンカップ決勝のボスニア・ヘルツェゴビナ戦では、そこを見たい。
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【キリンカップ】観光気分のブルガリアを撲殺した参考外のゲーム ~日本7-2ブルガリア

2016-06-04 09:55:22 | サッカー
まったく強化にならない試合

 前半、ブルガリアDF陣は「秋葉原へ行ったら何を買うか?」で頭がいっぱいだった。観光気分の彼らは守備がまるでユルく、球際の激しさどころかカバーリングさえサボっていた。なんと彼らは5点取られるまで眠りから覚めない。結局、この日の試合が始まったのはブルガリアが後半に1点取り、本気になってからだった。

 しかも前半の日本は少なくとも2回、観光気分のブルガリアに致命的な決定機を作られた。彼らがまだ寝ていてくれたおかげで失点しなかったが、あれを両方決められていたら試合はどうなっていたかわからない。

 日本は5点取ったあたりで目に見えてメンタルが緩み、その後ミスがらみで2失点したが、きっちり無失点で抑えなければ意味がない。スポンサーがらみとはいえ、あんな弛緩した試合をやっていたのでは強化にならない。アウェイでの真剣勝負が必要だ。

清武は日本の秘密兵器になる

 日本は最終ラインをしっかり押し上げコンパクトにやっていた。連動したプレスの掛け方やマイボール時の距離感もよく、ブルガリアが眺めているだけの守備だったせいもあり気分よく試合を進めた。おかげで柏木はほとんどドフリーでボールを持てやりたい放題。「厳しいプレッシャーの中でどこまでやれるか?」が彼のテーマだけに、楽勝したチームともどもなんの目安にもならない試合だった。

 そんな参考外のゲームではあるが、7点目のPKを呼びこんだスピードあふれる浅野の突破には未来の光を見た。また途中出場の宇佐美が必死で粘り強い守備をやっていたのも印象に残った。「やっと彼にも危機感が芽生えたか」という感じだ。

 そのほか清武の正確無比な七色のパス出しや、香川が3点目で見せた超絶トラップもさすがと思わせた。清武と香川は非常にコンビネーションがよく、案外彼らを同時に組み合わせるテは日本の飛び道具になるかもしれない。
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【トゥーロン総括】いかにボールを持たずに勝つか? ~日本0-1イングランド

2016-05-30 08:59:46 | サッカー
リオ本番のシミュレーション

 本大会中、いちばんまとまりがよかった試合だった。同時に前後半で意図的に戦い方を変え、リオ本番でのシミュレーションにも役立ったゲームといえるだろう。

 前半の日本はブロックを低く構え、相手を待ち受けるスタイルで来た。「いかにボールを持たずに勝つか?」というサッカーだ。必然的に支配率はイングランドの方が高くなるが、そんな中でも野津田と南野がそれぞれ決定的な形でシュートまで行った。前半のあの少ないチャンスを確実に決めて勝つのが本来の手倉森スタイルだろう。

 かたや後半は中盤にアンカーを置く4-1-2-3も試しながら、ブロックを上げて攻勢に出た。すると日本が主導権を握り、イングランドが受けて立つ形になった。あの後半で攻め切れなかったのが今の日本の現状だ。

 今大会、戦術を具現化する力など足りない点は目立ったが、それでもミスをなくし、チャンスに得点さえできていれば日本は(デキは悪いながら)全勝していてもおかしくはなかった。それくらい勝負というものはどっちに転ぶかわからないものだ。

 一方、大会を通じて選手別では、アグレッシヴにハードワークができるMF喜田と、ミドルが決まれば非常に魅力的なMF野津田、ダイナミックで強さがあるFW富樫が目についた。富樫は強い体幹でしっかりボールキープでき、プレスバックもサボらない。3人とも手倉森監督が考える泥臭いサッカーにマッチした選手といえるだろう。

マナウスでは前半の「相手に持たせるサッカー」をしたい

 さて、では日本はリオ本番にどんなスタイルで臨むべきか? 日本が第2戦までを戦う高温多湿なアマゾンのマナウスは、平均気温32度以上、湿度も軽く80%を越える。運動量の多いサッカーをするには厳しい場所だ。加えて対戦相手との力関係を考えても、特にマナウスではこの日の前半に見せた「相手にボールを持たせるサッカー」で行くのがベターだろう。

 全体にゾーンを低く敷き、相手にボールを持たせながら、敵の一瞬の綻びを見逃さず一気に攻めるしぶといサッカーをしたい。

 もちろん仮にリードされて一定の時間が経てば、この日の後半のようにブロックを上げボールを握って畳み掛けるスタイルに切り替える。その意味では結果が出ないながらも、それなりに本番のシミュレーションができた大会だっといえるだろう。

 残るはフィニッシュにおける「個の力」、つまり決定力だ。一朝一夕には改善できない問題だが、思い出すべきは少ないチャンスをガンガン決めまくったあのアジア最終予選である。戦力自体は「U-23史上最弱」といわれながらも、なぜ日本は最終予選であれほどファインゴールを決め続けられたのか? カギはメンタルにある。

 人間は、「チャンスだ!」と力むとシュートをふかす。逆に心の余裕があれば氷の心臓で冷静に決め切ることができる。そんな決定的な「メンタル力」が出たのがあの最終予選だった。すべてはチームをあやつる手倉森監督のモチベーターとしての手腕だろう。あの勝負師は選手の心を沸き立たせ、持てる力を2倍、3倍にする術を知っている。私はそこに期待している。
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【U-23トゥーロン国際】チャンスの山を築くが辛勝がやっと ~日本2-1ギニア

2016-05-26 08:40:15 | サッカー
もっとハードワークがほしい

 全体のバランスは悪くなかった。相手ボールのときにはしっかりブロックを作れていたし、マイボールになれば最終ラインを押し上げてコンパクトにやれていた。

 問題は、全体的な寄せの甘さと決定力不足だ。

 特にディフェンスのミスから失点したあのシーン。バックラインの裏を狙う山なりのボールを放り込まれ、右SBの際はボールに触らずカラダを入れて味方GKボールにしようとした。だがあそこは自分で先にボールに触り、キープしておけばなんてことはないシーンだった。この大会、際は守備時の状況判断が悪く、失点に直結するミスを繰り返している。

 また彼に限らず日本はボールに寄せ切れず、甘さが目立つ。球際の激しさがない。前へ突っ込みボールを競らず、立ち止まって「待って見ている」ようなユルさが漂っている。

「繋ぐこと」自体が目的化している

 一方、攻めてはさんざんチャンスの山を築くが決め切れない。日本はアタッキングサードでボールを繋ぐこと自体が目的化し、シュートで終われないシーンが散見された。

 特にサイドのクロスからのフィニッシュはアジア最終予選で日本の得意形だったが、その後ケガ人の山でクロッサーを欠きサイドから崩せなくなったのが大きい。FW富樫がサイドに流れていい形を作っているが、それとは別に両SBからのクロスがもっとほしい。

 とはいえケガで主力が10人以上いない状態では、結果がなかなかついてこないのはわかっていたことだ。とすればこの大会の目的は単純に勝敗にこだわることではなく、使える選手を見極めることにある。3戦終わってプレスが緩くアグレッシヴさのない鎌田、守備でミスの多い際あたりは生き残りが厳しくなりそうだ。

 なお後半途中から、日本は原川をアンカーにし井手口と大島をインサイドハーフに使った4-1-2-3にシステムを変えた。以前から何度かやる形だが、どうも座りが悪い。やはりU-23日本代表の土手っ腹は遠藤&原川のダブルボランチを軸にした4-4-2、もしくは4-2-3-1のほうがバランスがいい。
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【U-23トゥーロン国際】前を向く意識は強くなった ~日本0-1ポルトガル

2016-05-24 17:31:54 | サッカー
足りないのは決め切る力だ

 パラグアイ戦とくらべ、パススピードの強さは改善された。ビルドアップのモタつきもない。特に後半、日本は強いパスを速いテンポで2~3本繋げばフィニッシュに行ける感じだった。

 初戦とくらべ中途半端な横パスが減り、縦パスが増えて攻撃が活性化した。裏を狙うボールも見られた。ポルトガルはパラグアイと違い、中盤でカラダを当てる厳しい守備をしてこなかったせいもあり、日本は1戦目より伸び伸びしていた。

 あとはとにかく決め切る力だ。

 日本はゴール前でひとつ多く繋ぎすぎる。もうワンテンポ速くシュートに行きたい。また縦への速いカウンターのチャンスなのに、ひとつ横に繋いでしまいチャンスをフイにするシーンもあった(その間に相手は守備体形を整えてしまう)。

 矢島の消え方が心配だ。また野津田にはいいところで決定機が回ってくるが、シュートがことごこくバーを越えてしまう。抑えた打ち方ができてない。とはいえこれも経験だ。大会が終わるころには、ひとまわり大きくなっていることを期待したい。
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【U-23トゥーロン国際】よそ行きのポゼッション・スタイルで自滅 ~日本1-2パラグアイ

2016-05-22 10:19:12 | サッカー
縦への速さを失った日本

 日本はパラグアイにボールを持たされ、まるで鋳型にハメられたかのように「最終ラインからどうビルドアップするか?」の戦いに押し込められた。

 グラウンダーのショートパスで後ろから組み立てようとするが、相手のプレスを怖がり低い位置でバックパスしてはかっさらわれてカウンターを受けた。日本は終始、まるでポゼッション・スタイルのチームであるかのような戦いを強いられ、「他人の相撲」を取って負けた。

 日本の最終ラインがボールを持つと、パラグアイはスッと引いてブロックを作る。こうしてディフェンディングサードで日本にボールを持たせ、日本のボランチにパスが出たところにプレスをかける。このやり方が徹底していた。前へボールを引き出せない日本が苦し紛れでバックパスすると、そこを相手に狙われる。この繰り返しだった。

 後半にFWオナイウが入るとクサビのボールを前に当てる形が実現したが、時すでに遅し。相手に渡った流れを引き戻すのは不可能だった。前でボールを奪って速く攻める手倉森スタイルはすっかり影を潜めた。

相手の注文通りにハマった

 日本はアジア最終予選で見せた、バックラインからのアバウトなロングボールを封印した。この放り込みでいわば狙って相手にいったんボールを渡し、前からのプレスで奪い返してショートカウンターに行くのが日本のスタイルだった。ポゼッションを放棄し堅守速攻に徹するーー。手倉森監督が「割り切り」と表現した戦い方がそれだった。

 だが今回、おそらく選手の判断で「次へのステップ」を目指そうとしたのだろう。そしてロングボールをお蔵に入れた。

 放り込みをやめたのは「意気やよし」だ。だがそうなると最終ラインからていねいにビルドアップする必要に迫られる。で、味方の足元に出す組み立てのショートパスを敵に狙われた。かくて堅守速攻がお家芸のパラグアイと(悪い意味で)ガッチリ試合がかみ合ってしまった。

 低いゾーンで敵にハメられ、プレスを受けて自陣に火がつく。日本はディフェンディングサードでボールを持たされ、慣れない試合運びに四苦八苦した。相手にすればゲームプラン通り。してやったりの試合だろう。

ロングボールも織り交ぜスペースを作れ

 日本にすれば、そんな相手の狙いを外す必要があった。例えばフィールドの後ろ半分で膠着した局面を打開するには、2~3回に1回は意図的にロングボールを前へ入れることも必要だった。これで相手のバックラインを下げさせ、その手前にスペースを作るのだ。

 これで敵のバイタルエリアが空けば、今度はグラウンダーのパスも通りやすくなる。ロングボールを完全封印し同じパターンのビルドアップを機械のように繰り返すのでなく、相手が押したら引く、引いたら押す。そんな細かな駆け引きがほしかった。

 とはいえCBの植田は時おり早いタイミングでグラウンダーの長い縦パスにチャレンジしていたし、MF原川のチーム操縦術やFW浅野のスピード、決定力も垣間見えた。攻撃面では物足りなかった左SBの亀川も守備では球際で執拗な粘りを見せた。一方、途中出場したFWオナイウは、クサビを受けてはボールロストしていたアジア最終予選の時とはまるで別人のようにボールの収まりがよかった。堅いポストプレーで前線にポイントを作っていた。

 個々に見れば収穫もあった。あとは全体戦術の選び方と駆け引きだ。おそらくこのチームにはまっすぐな人間が揃っているのだろう。まっすぐなやり方が多すぎる。もっと局面に応じ敵の裏をかくズル賢い戦い方を身につけてほしい。
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【U-23強化試合】高まる期待とポゼッション率 ~日本3-0ガーナ

2016-05-12 07:53:34 | サッカー
決定力の高さは相変わらず

 手倉森ジャパンは、観るたびにまったく別の顔を見せてくれる。進歩の証だ。システムこそ手慣れた4-4-2だったが、この日の彼らはアジア最終予選のときよりポゼッション率が高く、1タッチ、2タッチでテンポよくボールを回していた。たがいの距離感がよく、コンパクトだった。

 以前のように何でもタテへ大雑把に蹴り出すのでなく、必要なときにはキープできるようになってきた。精度の高いグラウンダーのパスがさざ波のように連鎖し、非常に効果的だった。チームコンセプトはあくまでショートカウンター狙いではあるが、バリエーションが増えたのは大きい。点差や残り時間、相手のスタイルに応じて使い分けがきくからだ。

 一方、守備に回れば、相手CBがボールをキープするとセンターサークル先端周辺からプレスをかけた。全域でよくプレスが効いており、ブロックもしっかり組めていた。メンバーを変えた後半は攻守両面で失速したが、特に前半は合格点だった。

 ただし相手はA代表とはいえガーナの国内組であり、ブラジルW杯でドイツを苦しめたあのガーナとはまったくの別物だった。アタッキングサードでのアイデアがなく、守備も緩く怖さがまるでなかった。あのクラスなら日本が圧倒できるのも当たり前だ。もっと強い相手でなければ強化にならない、というのが実感だった。

右SB伊東の推進力とクロスの質が目を引いた

 選手別ではなんといっても、1、2点目を叩き込んだ左MF矢島慎也の日だった。非常に冷静に、正確に、彼はボールをゴールにプレゼントした。後半はボランチに回っていたが、やはり矢島はサイドで使って攻撃力を生かしたい選手である。

 3点目を決めたFW富樫敬真も、氷の心臓を見せつけた。前へ出てくる相手GKに対し、その頭上を越える技ありのループシュートを見舞った。得点にからんだプレイ以外でも周りがよく見えており、FWカテゴリーにまたひとつ重要な選択肢ができた。

 一方、うしろの選手では、まず2点目をアシストした右SBの伊東幸敏は上がるタイミングと前への推進力、クロスの質がひときわ目を引いた。1試合だけではなんともいえないが、コンスタントにあのレベルのプレイができるなら買いだ。ケガでリハビリ中の右SB室屋も早ければ6月に復帰できるとのことで、このポジションには光が見えてきた。

 またCBの植田直通はすでにリーダーとしての風格を備え、頼もしさを増した。彼は最終予選ではアバウトなロングボールを放り込んでばかりいたが、この日はグラウンダーの縦パスでビルドアップしようという意欲が見えた。パスミスもあったが、将来性でいえば未来のA代表候補だろう。

 最後に、以前からそうだが左SBが大きく見劣りする。なんとか長友にOAで来てもらえないか? という気にさせられた。SBはケガ人続出で大きな補強ポイントだろう。

 さて次は18日から始まるトゥーロン国際大会(フランス)だ。このチームはいったいどこまで伸びるのか、見届けさせてもらおう。
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【リオ五輪サッカー】メンタルが強いFW大久保ならOA大賛成だ

2016-05-08 09:58:18 | サッカー
すでに協会が川崎Fに打診済み

 一部報道によれば、川崎FのFW大久保嘉人がオーバーエイジ(OA)候補に挙がっているようだ。すでに協会がクラブに招集の可能性を打診済みだというから実現性はある。大久保なら大賛成である。

 彼にはJリーグ3年連続得点王の実績がある。点取り屋としては国内ナンバーワンだ。33才という年齢面もあり、A代表のハリルは招集に及び腰。だが今年もうすぐ行われるリオ五輪となれば、年齢問題はネックにならない。なぜなら大久保は今日現在で現役No.1だからだ。

 さらに大久保はメンタルが強く、「気持ち」で奇跡を起こしてきた手倉森ジャパンのチームカラーにぴったり合う。献身性もあるし、前線での守備を重視する手倉森監督のオーダーにも応えてくれるだろう。

 大久保にとっては、ブラジルW杯の借りを返す貴重な機会になる。もしリオで結果を出せば、さすがの頑固なハリルも「Yes」と言わざるをえないかもしれない。おもしろくなってきた。
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【リオ五輪サッカー】湿度80%の地獄に勝て

2016-05-03 09:43:44 | サッカー
ハイプレスは避けガマンのサッカーか?

 U-23日本代表はリオ五輪で、第2戦までを高温多湿なアマゾンのマナウスで戦う。平均気温は30度以上、湿度も軽く80%を越える。とてもサッカーをやるような場所ではない。

 とすればあの3月の強化試合、U-23メキシコ戦でやったようなハイプレスは無理だ。ブロックを低めに構え、相手をおびき寄せてカウンターを狙うような戦いになるだろう。おそらくリオ五輪は日本に限らず、ブラジルW杯のときのように守備的な試合が多くなる。

 マナウスの気候に勝つのは大変だが、それなら味方にすればいい。手倉森ジャパンはガマンくらべなら得意だ。案外、劣悪な気候条件が逆に追い風になり、ガマンのサッカーで勝ち進むかもしれない。

 いよいよ楽しみになってきた。
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【サッカー日本代表】ドルトムントと代表の香川はなぜ別人なのか?

2016-05-02 10:34:07 | サッカー
仲良しクラブのフォローが手厚いドルトムント

 このところドルトムントでプレイする香川に、「2戦連発」「今季9ゴール目!」とやたら景気のいいマスコミの見出しが躍っている。だが問題は、日本代表に戻ったときにもこのパーティーが続くかどうかだ。

 ドルトムントでの香川は周りの選手が香川の弱点をカバーする動きをしてくれ、逆に香川が自分の武器を発揮しやすくなるようなプレイで助けてくれる。だから周囲と相互補完の関係になり活躍できる。ドルトムントでの香川はいわば周りの「仲良しクラブ」によって底上げされている。上げ底だ。

 そうした周囲の手厚いフォローがない日本代表で、果たして活躍できるかどうか? 香川の真価はそこで問われる。
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