すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

【ロシアW杯最終予選】ハリル采配がズバリ当たるも消化不良 〜UAE0-2日本

2017-03-25 10:34:43 | サッカー
悪いながらも勝てるのは老獪さか?

 UAEにはこわさがなかった。

 明らかに前回のチームとちがう。日本はそんな不出来な相手に助けられたゲームだった。

 日本は守る時はコンパクトだったが、攻める時はコンパクトじゃなかった。ラインの押し上げが効かず、前線との間が間延びしている時間帯が長かった。また選手が集団としてプレイするときスムーズさがなかった。いかにも急造チームという感じだ。

 ケツを叩かれた形の香川も相変わらず冴えない。特にシステムが4-2-3-1から4-3-3に変化したときインサイドハーフとしてのポジショニングが悪く、機能しなかった。

 もちろん得点シーンはどちらもすばらしかった。いい形、いい時間帯に先制点と追加点が取れ、日本は本調子でないながらも試合をリードできた。悪いながらもペースを握れる。それでも勝てる。これはとても大きいことだ。特にチームの心臓である長谷部不在の試合をしのげたのはデカい。山口蛍がうまくバランスを取った。粘っこい今野もよかったが、年齢的に彼が長谷部とともに本大会で起用されるとは思えないので複雑な心境ではある。

 いずれにしろこの試合の分水嶺は前半20分だった。あのUAEの決定的な1対1をGK川島がもし止めてなかったら(あそこで同点になっていたら)、どう転んだかまったくわからない試合だった。そこは肝に銘じる必要がある。

 ただし勝敗に関しては、ハリルの采配がズバリ当たった。突然ベテランを重視し始めたので何かと思ったが、おそらくスカウティングの結果なのだろう。香川に代えてユーティリティな倉田秋を途中投入し守備を修正したのもお見事。マンツーマン気味の守備もハマった。逆に得点についても監督が抜擢した今野と久保がゴールを取れ、ハリルが選手をよく操った感じだ。

 内容的には楽観できない。だが勝ったのは大きい。ポジティブに考えれば、日本は悪いながらもこうして予選を勝ち抜いて行くのだろう。

 問題は、本大会で「何ができるか?」だ。
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政権交代が起きない日本というシステムの不幸

2017-03-05 19:19:33 | 政治
安倍政権の1強多弱を小選挙区制が補完する

 森友学園問題でさかんに紛糾する日本の政局。だが正直、打倒・安倍政権を掲げて活動する反自民勢力の中にも、「日本会議ではない温和な勢力が、新自由主義でなくケインズ的な政権運営をやってくれれば自民党に投票するのに」という人も多いのではないか?

 ではなぜそんな声は政権交代に結実しないのか?

 ひとことでいえば、現行の小選挙区制度ゆえだ。

2大政党制が定着しない日本の特殊事情

 小選挙区制度下では政治勢力は政党ごとにまとまり、2大政党制が促進されるといわれている。

 だが野党第1党の民進党は、野党共闘をまとめるどころか民進党内ですらまとめ切れない。かつて党首をつとめた小沢一郎氏のような、政権志向の割り切りができない。

 党内民主主義とやらで意見が分裂し、肝心の「自民党と対決する」というベクトルに向かわない。

 結果、何が起きているか? 岩盤のような安倍政権の1強体制だ。自民党は民進党とちがい、権力志向の割り切りができる。小選挙制区度下では政党単位でまとまらなければ肝心の政権が取れない。そうハッキリ理解している。

 すると森友学園疑惑で大激震のこの政局でも、安倍総理以外の対抗馬が安倍体制に異議を唱える、ということがない。政権の外にいる石破茂氏が「奇ッ怪だ」と発言したくらいだ。

 日本会議という政権の芯を軸にまとまり、盤石の結束を見せている。

中選挙区制度下では自民党内にも擬似・政権交代があった

 これがひと昔前の中選挙区制度下でならどうだろうか?

 自民党はいい意味での派閥単位で政策別に結集し、政権派閥に難が起きたら非主流派勢力が取って代わる、という自民党内における擬似・政権交代が起きていた。つまり冒頭でふれた、「日本会議ではない温和な勢力が、新自由主義でなくケインズ的な政権運営をやれば自民党に投票するのに」という声が政権運営に具現化できた。

 だがいまの小選挙区制度下では、「安倍総理に逆らうなんてとんでもない。安倍一択でまとまろう。でなければ小選挙区制度下では政権が取れない」という原理が働いている。

 民進党がかつての55年体制下の旧社会党のように、政権を目ざさない野党第1党としての「利権」に安住する限り、政党間の政権交代は起きない。結果、自民党政権が永続的に続く。しかも安倍政権のように独裁的な政治体制のまま。最悪のシナリオである。

 果たして日本は、小選挙区制度を続けるべきなのだろうか?

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【サッカー日本代表】Jリーグ開幕、国内組の追い上げは大歓迎だ

2017-02-26 08:13:34 | サッカー
小林悠と斉藤学が気を吐いた

 国内組では本ブログいち押しの2人、小林悠(川崎)と斉藤学(横浜FM)がJリーグ開幕戦で活躍した。

 小林は日本人トップタイの4年連続開幕ゴール、斎藤は決勝弾に絡む2アシストだ。Jリーグに上から目線のハリルをグウの根も出ないようにさせるには、国内組はこういう目に見える結果を積み上げていく必要がある。

 ハリルジャパンは小林のように点の取れるFWを渇望している。また海外移籍を封印した斎藤は移籍の話などスッパリ忘れ、持ち場のJリーグで気を吐いてほしい。

 所属チームで試合に出てもいない名ばかりの海外組が我が物顔の日本代表にとって、イキのいい国内組の追い上げは必須だ。今季、小林と斉藤はハリルの度肝を抜いてほしい。
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【サッカー日本代表】本田の偽9番はおもしろい

2017-02-22 09:48:14 | サッカー
中盤に下がる動きでゾーンにギャップを作る

 考えれば考えるほど、本田は偽9番にぴったりだ。なぜなら彼は展開力と得点力を同時に兼ね備える代表でも珍しいタイプの選手だからである。

 本田はいつのまにか「右サイドの選手だ」ということになっている。だが適性からいえばどう考えてもセンターの選手だ。

 現状、彼は右サイドから真ん中に入り込み、CFやトップ下とポジショニングが被って交通渋滞を起こしがちだ。その意味で本田の偽9番は、彼の起用法における最適解になるかもしれない。すなわち最初っから、彼を真ん中に置いておけば問題ないわけだ。

 状況に応じ偽9番の彼が中盤に下がってゲームメイクし、マーカーの敵CBを前におびき出せば、相手最終ラインにゾーンのギャップができる。そこに後ろの選手が飛び込んでフィニッシュに行ける。また本田の中盤へ下がる動きに敵がライン全体を押し上げれば、スピードのある武藤嘉紀や小林悠、浅野らがライン裏のスペースを狙える。

 逆に敵CBが本田の下がる動きについてこなければ、本田は中盤でフリーになれる。そして彼はゾーンとゾーンの「間」のわずかなスペースさえあれば決定的な仕事ができる選手である。

 彼は決定機にもパニックにならない強いメンタルと、強靭で正確なシュート能力をもっている。もし今後、本田のコンディションが上向くことがあったなら、彼の偽9番は大いにありうる選択肢だろう。(もっとも、ミランで飼い殺しにされている現状では望むべくもないが)

 いずれにしろミランにいるまま試合に出られない状況では、本田は厳しい。プロは試合に出てナンボ。このままではフィジカル・コンディションとゲーム体力がどんどん衰えていく。

 だが彼は老け込むにはまだ早い。別にミランでなくたっていいじゃないか。「ミラン」ブランドなんて関係ない。ほかのクラブで躍動する彼の姿がぜひ見たい。とっととミランに三行半を叩きつけ、新天地でまた牙を磨いてほしい。
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【映画の見方】強制予約録画のすすめ

2017-02-20 09:53:50 | 映画
知らない映画でも片っぱしから録画すべし

 夜中にテレビで知らない映画をよくやっているが、ああいうのをテキトーに予約録画しておくのはおすすめだ。

 人間は恣意的に選んで映画を観ると、自分の知ってる範囲で好きな映画しか観ないようになる。するとどうしても世界が狭くなる。

 ゆえに知らない映画だろうが片っぱしから強制的にテレビで予約録画し、無理やり観るようにすると思わぬ発見をする。自分は知らない(が才能のある)監督や俳優をザクザク見つけることができる。結果、自分が大きくなる。未知の金脈はまだまだ地中深く眠っているわけだ。

 例えば私の場合、完全な洋画志向だ。だから邦画に関しては致命的に無知である。そこで私はテレビでやっている邦画を手当たり次第に予約録画することにしている。すると、どんどん世界が広がって行く。

 例えば『ウォーターボーイズ』(2001)というタイトル名はもちろん知っていた。だがなんと矢口史靖監督の名前は知らなかった。なぜならあの映画が封切当時は、猫も杓子も話題騒然のバカ騒ぎだったからだ。するとヘソまがりな私は「そんな軽薄な映画なんか、絶対に意地でも観るか」と完全スルーしてしまう。いけないとわかっていながらそうなっちゃう。で、せっかくの重要な新人監督や俳優さんを知らないまま見逃してしまうのだ。

 ところがつい先日たまたまテレビで、夜中に矢口監督の『WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常』(2014)をやっていたので、何の気なしに予約録画して寝た。で、翌日起きて観てみると、なんと冒頭の30分間を観ただけでとんでもない傑作であることを直感した。

 だがあいにくその日は、どうしても出かけなきゃならない用事がある。しかたなく冒頭の30分を観ただけであわてて外出し、用事を済ませるや帰りに速攻でビデオレンタル屋へ直行した。そして矢口監督の『スウィングガールズ』(2004)、『ハッピーフライト』(2008)の2本をレンタルしてきた。

 なぜって作品冒頭の30分間を観ただけで、「この監督は絶対にハズさない監督だ」ってことが充分確信できたからだ。で、試しに『ハッピーフライト』を観てみると案の定、傑作だった。これでまたひとつ、私の頭の中の「優秀監督リスト」が充実したわけだ。

 こんなふうに人生は勉強の連続である。

 恥ずかしいことに、邦画オンチな私はかたや行定勲監督の傑作『今度は愛妻家』(2010)もまったく知らなかった。これもたまたま夜中にテレビでやっていたのを偶然、予約録画したのだ。そして翌日観てみたら感動しまくり。ワアワア泣いた。

 で、また速攻でビデオレンタル屋へ走り、さみだれ式に行定監督の『ロックンロールミシン』(2002)、『世界の中心で、愛を叫ぶ』(2004、おい、こんな大ヒット作も観てなかったのか?)、『北の零年』(2005)、『クローズド・ノート』(2007)、『ショコラの見た世界』(2007)、『パレード』(2010)など一連の作品をレンタルしてきたのは言うまでもない。これでまたひとつ、賢くなれた。やれやれ。

 てなわけでテレビでやってる知らない映画の強制予約録画、ぜひおすすめします。

【関連記事】

【映画評】矢口史靖監督が仕掛ける『ハッピーフライト』(2008)のからくり
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【映画評】矢口史靖監督が仕掛ける『ハッピーフライト』(2008)のからくり

2017-02-17 17:03:59 | 映画

畳み掛けるギャグ、空港での裏方仕事を精緻に描く

 ミュージシャンズ・ミュージシャンという言葉がある。同業者であるミュージシャンから支持されるミュージシャン、という意味だ。

 彼らは一般消費者からのウケは必ずしもよいとは限らないが、同業の音楽専門家から高く評価される。この映画はちょうどそんな作品である。映画監督と同じように、物語を作る作家など何らかの物作りに従事するプロが「うまいな」と心酔しそうな映画だ。

 シンクロナイズド・スイミングに挑む男子生徒達を描いた青春ドラマ『ウォーターボーイズ』(2001)で一世を風靡し、今2月11日からは最新作『サバイバルファミリー』が劇場公開中の矢口史靖監督の手による2008年作品である。出演は田辺誠一、時任三郎、綾瀬はるか、ほか。

 この作品は日本からホノルルへと飛び立ちアクシデントに見舞われる飛行機の機内を軸に、その周辺で働く空港管制塔の職員たちや気象予測担当者、整備士など各分野のプロフェッショナルたちが織りなす人間模様を描く。彼らが「たったひとつの目標」を目指し、一致団結して知恵を出し合いゴールのテープを切る。

 とはいえ、よくあるパニック映画などのようにド派手な大事故や出来事が続々起こるわけじゃない。そういうあざとさで勝負する映画ではない。

 ここで描かれる物語はある意味、えらく地味だ。例えば空港には飛行機の写真を撮るマニアたちが張っていたり、鳥が飛行機にぶつかる事故を防ぐ専門職員がいたり。これらの地味な小ストーリー群がモザイク画のように組み合わさり、ため息が出るほど巧妙な仕掛け時計が回って空港の時が刻まれて行く。

 しかも何がすごいってこの映画、事前に空港業務のあれやこれやをものすごく丹念に取材している。で、われわれ一般人がふだん何気なく利用している飛行機の旅の背後には、こんなにもたくさんの裏方さんがいろんな専門業務をこなしてるんですよ、と人間ドラマをまじえて教えてくれる。「ほぉー、空港ってこんな仕組みになってるんだ」と思わず感心させられる。絶え間なく笑いを挟みながら。

 そしてほとほと参るのは、彼らが行う仕事の見せ方がきわめて精緻でディテールが細かいところだ。とんでもなく緻密に計算されたシナリオをもとに、物語の歯車がガッチリかみ合い、テンポよくギャグも絡めて空港業務が演出されて行く。

「この監督、ウマいなぁ」「緻密に計算してやがるなぁ」

 やっかみ半分、そう無意識のうちに唸らされる。

 ゆえにこの映画は物語を作るような仕事をしている人か、それに準じる何らかのモノ作りをするプロへの訴求度が高いはずだ。映画版「ミュージシャンズ・ミュージシャン」というのはそういう意味だ。ネタばれになるから細かくは触れないが、ぶっちゃけ私はこんなにウマく作られた映画を観たのは生まれて初めてである。いやはや。

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【サッカー日本代表】決定力不足が生むポゼッション依存

2017-02-08 07:54:02 | サッカー
長くボールを保持してシュート機会をふやす?

 どうせシュートなんか入らないから、できるだけボール保持する時間を長くし、そのぶんシュートをたくさん打とうーー。これが従来の日本人の考え方だった。

 つまりシュートはどうせ入らない → ならばシュート機会を増やして確率を高めよう、てな数打ちゃ当たるよ方式である。

 だが一方、現代表監督のハリルはポゼッションにこだわらない。とすれば必然的にシュートの決定率を上げる必要がある。つまり「シュートなら2本に1本は入るから、俺らは別にボールを持たなくていいぜ」てなスタイルに変える必要がある。

 となればハリルのサッカーは、日本人がいちばん苦手なシュート決定率の向上を日本人に要求してくる。逆にいえばそこが変わらなければ、ハリルのサッカーは成立しない。

 さていったい、日本人はハリルの要求に応えられるのかか? もし応えられないとすれば、ハリルの考えるサッカーで日本は勝てるのか? いま、国民みんなが固唾を飲んで見守っている。
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【サッカー移籍】スペイン2部を選んだ柴崎岳と「何も選ばなかった」斎藤学

2017-02-01 12:36:18 | サッカー
まず底辺から始めてステップアップを狙え

 この1月31日で冬の移籍市場の門が閉まり、全体情勢がハッキリした。鮮やかなのは、スペイン2部のテネリフェを選んだ柴崎岳と、海外志向したものの「何も選ばず」横浜Mに留まった斎藤学の対比だろう。若い彼らの海外移籍には期待していたが、斎藤にはがっかりだ。

 スペイン2部からスタートする柴崎は本当の意味での挑戦だ。テネリフェが1部に上がれる保証などどこにもないし、今後もっと上のクラブへ移籍できる確証ももちろんない。彼は完全に下から叩き上げて行く覚悟だ。1部に昇格すれば契約延長のオプションがあり、契約期間は6月30日まで。だとすれば時間もチャンスも限られている。

 即戦力を求められる冬の移籍市場で動くのは不利だ、などいろんな考え方はある。だがいずれにしろ柴崎が自らの強い意志で「選んだ」のに対し、何も選ばなかった斎藤はさびしい限りだ。

 斎藤はドイツ2部やオランダ、ベルギー(のほかクロアチアやスペイン)から話があったともいわれるが、希望のクラブ(条件)ではなかった、とされている。噂をもとに判断するのはよくないが、彼は自分を少し高く見積もりすぎではないか?

 昨季J1で10点取ったとかベストイレブンに選出された等、「たかが日本」でのそんな実績など取るに足らない。あれだけシュートを大きくふかす選手がスペインやイングランドの1部ですぐにプレーできるわけがない。フットボールはそんな甘い世界じゃない。(私は彼を叩いているのではなく、すごく期待しているがゆえにこう書いている)

 サッカー4流国の日本からヨーロッパに挑戦する場合、まずベルギーやオランダ、スイスなど(表現は悪いが)2流国、3流国からスタートするのがふつうだ。いきなり希望のクラブでなくても、とにかくヨーロッパへ渡ってしまえばスカウトの目が張り巡らされているし、日本にいるより発掘されるチャンスが高まる。そうやって1歩1歩、階段を上がって行くものだ。

 そう考えると叩き上げの道を選んだ柴崎と、なんだか甘えた日本のお坊ちゃんがわがままを通したような斎藤という対比に見えてしまう。返す返すも残念だ。

 このほか清武はセビージャから古巣セレッソ大阪に戻った。話があったといわれるドイツ行きのテはなかったか? と落胆させられたが、セビージャでベンチを温め続けるよりはいい。

 一方の本田は契約が切れる6月までミランで飼い殺しになる。彼も斎藤と同じく高望みし、プレミアのハル・シティの正式オファーを蹴った。本田があのフィジカル・コンディションのまま、もし日本代表の試合に先発することがあったら私は暴動を起こすつもりだ。

 いずれにしろ1流になる選手と2流で終わる選手との対比が鮮やかな移籍劇だった。
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【サッカー日本代表】ゴールでなくパスをめざす国、ニッポン

2017-01-23 12:25:52 | サッカー
勝てない理由はパスサッカーの神格化にある

 あるメディアが昨年引退したばかりの元日本代表選手について、こんなふうに評していた。

「若いころ天才ドリブラーと言われた彼は、その後、巧みなパスでチャンスを作る玄人好みのスタイルに変身した」(要旨)

 1対1で勝負するサッカーをあたかも未成熟なスタイルであるかのように位置づけ、逆にパスサッカーを一段高いレベルと評価する。ゴールを目指すのでなく、パスがつながるその過程をこそ重視するーー。

 ボールを激しく競り合う「個の戦い」でなく、ショートパスやワンツーが連続して繋がるパスサッカーが「正しい」とされる日本では、メディアの認識もこんなふうに偏っている。ふたこと目には、組織でありパスだ。

 だがテレビカメラを引いてフィールド全景を見れば組織戦術であったとしても、カメラをうんと近寄り局面をアップで見ればサッカーは究極的には1対1だ。

「日本人の個の弱さを組織でカバーするんだ」などといっても、結局、個々の局面における1対1に勝てなければ先に進めない。まず前提として強い個があり、その強い個が集積した結果としての組織戦術でなければ世界に勝てない。

 1対1のデュエルを唱えるハリルが個の重要性を布教し世の中を変えるには、まずパスサッカーを過剰に神格化する日本人の価値観自体を変えて行く必要があるだろう。
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【サッカー日本代表】柴崎岳と斎藤学は海外へ行くべきだ

2017-01-18 09:24:13 | サッカー
「Jリーグ・クオリティ」から脱出せよ

 鹿島アントラーズの柴崎岳と横浜F・マリノスの斎藤学が、海外移籍かどうかで揺れているようだ。

 もし海外へ行ける条件・環境にあるのなら、絶対行ったほうがいい。

 日本人選手はJリーグにいる限り、一生「Jリーグ・クオリティ」で終わってしまう可能性が高い。だが斎藤はシュート精度を高めればもっともっと点が取れるはずだし、柴崎はヨーロッパ・レベルのデュエルを身につければ日本代表にまた選ばれるはずだ。

 柴崎はレアル・マドリードと決勝を戦ったクラブW杯で学んだだろう。上には上がいることを。と同時に自分は将来、「その世界」で通用する可能性があることを。そのためには移籍あるのみだ。

 彼らの浮沈は日本代表の命運を左右する。

 絶対、ヨーロッパへ行くべきだ。
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【サッカー日本代表】どこまでボールを大事にするか?

2017-01-14 07:06:04 | サッカー
ボールロストをこわがるな

 ハリルはポゼッションにまったくこだわらない。逆に本田はポゼッション志向が強い。おもしろい対比だが、結局どちらが正しいか結論を出すことなどできない。ことは正邪でなく、スタイルの違いにすぎないからだ。哲学の違いに結論は出ない。それでもただひとつ、言えることはある。

 それは結局、サッカーはどこかで勝負しなければ始まらない、ということだ。

 パスサッカーが好きな日本人は、とかくポゼッションにこだわりがちだ。ゴールすることでなく「パスをつなぐこと」が自己目的化してしまう。だがポゼッション率を極端に重視し、勝負を避けてばかりいては勝てる試合も勝てない。

 例えばちょっと寄せられ苦しくなっただけで「バックパスしようか?」との思いが頭をもたげる。だが例え安全策を取りバックパスしても、パスの受け手が敵に寄せられていたらピンチを招く。あるいはバックパスの受け手が不十分な体勢だったら結局ボールを失う。しかも、より低いゾーンでのボールロストという「より悪い形」で。

 それなら前にいる自分が少しでも有利な体勢のうちに勝負したほうがいい。逃げのパスをせず勝負に出る局面も作らなければ、相手との競り合いに勝てない。

 パスに逃げる思考がかすめても自分で行くこと。そこでの思い切りが最後はサッカーの勝敗を決める。
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【高校サッカー決勝】サッカーは決定力で決まる 〜青森山田5-0前橋育英

2017-01-10 08:34:05 | サッカー
GKが「ラストパス」を出す未来型サッカー?

 高校サッカーの決勝戦は、まったく考えさせられた試合だった。ポイントは3つだ。

 まず試合の立ち上がりは前橋育英がポゼッションしゲームを支配した。だがこの試合はポゼッション率では決まらなかった。これがまず第1点だ。

 では何が試合を決めたのかといえば、青森山田の圧倒的な決定力である。シュートがことごとくワクへ行く。日本代表に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだった。だが一方の前橋育英はシュートがさっぱりワクへ飛ばない。あまりにも鮮やかな対比である。いくら芸術的にパスをつなごうが、「サッカーはここで決まるんだな」と実感させられた試合だった。

 最後の第3点は、青森山田のGK、広末陸のフィード力である。彼は強く正確なロングボールを蹴れる。下手するとゴールキックがことごとく「ラストパス」になりそうな勢いだった。

 GKにあんなキックが可能だとなると……例えば守備を固めてリスクを犯さずGKにバックパスし、敵ゴール前に上がったロングボールを競ってこぼれ球を詰める、という攻撃が可能になる。戦術も何も関係ない。まさにデュエルだ。単にフィジカルでボールを競り、こぼれたところをゴールに押し込むサッカーになる。確かに効率的だが、果たしてそれでいいのだろうか?

 いろいろと考えさせられた試合だった。
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【サッカー日本代表】「ポゼッションか? カウンターか?」は不毛な二元論だ

2017-01-07 04:22:31 | サッカー
状況に応じて戦い方を変えろ

 日本のサッカー界では「個か? 組織か?」のような不毛な二元論がなされやすいことは、過去に何度か書いてきた。ハリルが代表監督に就任して以来、にわかに湧き起こっている「ポゼッション・サッカーか? カウンター・サッカーか?」という二元論もそのひとつだ。

 ポゼッションサッカーは、日本ではかなり誤解されている。ポゼッションを謳ったザックジャパンの「悪い時のイメージ」が強いからだ。

 例えばポゼッションサッカーを標榜するチームは、悪い時にはついラクをするパターンに陥りがちだ。ボールを持つと、前が空いているのにわざわざバックパスして最終ラインでボールを回す。とにかくいったんバックパスしてからモノを考えるクセがついてしまう。そのほうが体力も温存できるし、なによりラクだからだ。

 かくてゴールすることではなく、ボールを回すこと自体が自己目的化する。で、前にスペースも人もいるのに縦にチャレンジせず、ダラダラと自陣でボールをこねくり回すーー。

 これでは勝てる試合も勝てなくなる。

 だがポゼッションサッカーはそもそも足元の技術がある日本人に向いているし、うまくやれば大きな武器になる。よくいわれるように自分たちがボールを握っている限り失点する可能性はない。前述したような「ラクをするサッカー」に陥りさえしなければ使える戦術だ。

 例えば失点リスクの少ない相手陣内でポゼッションし、ボールを失ったらすぐ敵陣でプレッシングして奪い返す。で、ショートカウンターをかけるーー。

 ハリルジャパンが縦に速い攻めだけでなく、ポゼッション・スタイルとショートカウンターの融合ができるようになれば勝率はグンとアップするはずだ。
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【サッカー日本代表】秘密兵器・FW小林悠を積極的に使うべきだ

2017-01-03 07:21:13 | サッカー
技術とスピード、キレが一級品

 鹿島アントラーズと川崎フロンターレが戦った天皇杯決勝を見て、FW小林悠(川崎)のキレっぷりに驚いた。日本代表におけるプレイとのあまりの落差にビックリしたのだ。

 まあ小林は代表ではロシアW杯最終予選・オーストラリア戦でスタメンを取ったくらいで、あとは試合終了間際に交代出場する程度だからあまりインパクトがないのも当然だ。なんせ代表で同じ右サイドを争うのは本田だから、出場機会が少ないのも仕方ない。

 だが本田は所属チームで試合に出ておらず、もうずっとコンディションが悪い。ならば今年は小林を積極的に使ってもいいのではないか? 右サイドからカットインしてFW的にシュートも期待できる彼は非常に魅力的だからである。

 あの天皇杯決勝。小林はチーム唯一の得点を叩き出したが、シュートに行くまでの「仕込み」が秀逸だった。

 後半8分、ゴール前で小林の足元に縦パスが出てきた。小林がトラップすると判断した鹿島のCB昌子は前に出てプレスをかけに行く。それを見た小林はとっさに縦パスをスルーした。すると昌子が前へ出たぶん、鹿島の最終ラインにはSBとCB植田の間にぽっかりスペースができている。つまり小林は昌子を食いつかせ、ゾーンに穴を空けさせたのだ。

 で、小林はスルーした次の瞬間、すかさず体をかわして昌子がもといたゾーンの穴に飛び込む(このとき昌子は前に出たまま完全に取り残されている)。そこへ途中出場した三好がポストプレイからラストパスを出し、受けた小林は矢のようなシュートをゴール左スミに決めた。

 縦パスをトラップすると見せかけて昌子を食いつかせ、スルーするや瞬時に昌子が空けたゾーンのギャップに入り込んだプレーはすばらしかった。絵に描いたようなオフ・ザ・ボールの動きだった。

 このほかにも小林は前半にエウシーニョのポストプレイからビッグチャンスをつかんだが、シュート態勢が微妙に崩れて決められなかった。また後半19分にはカウンターから右サイドを縦に抜け出し、寄せてきた敵DFを切り返しでかわし左足で鋭いシュートを放ったが、ポストを直撃した。小林はこの2つの決定機を決めていればハットトリックを達成し、フロンタ−レの優勝に貢献していただろう。まちがいなくMVPである。

 小林はあの2つを決められるようになれば、日本代表でも本田を蹴落としてレギュラー確定だろう。それだけ可能性のある選手だし、将来性豊かだ。スピードがあり、キレもいい。

 代表の右サイドはもうずっと本田が君臨しているが、コンディションの悪い選手がレギュラー安泰というのはありえない。このさいハリルは右サイド要員をゼロベースで見直し、小林をスタメンで使ってもいいのではないか? サイドもできる攻撃的な武藤と右SB内田もケガから復帰したことだし、今年の日本代表はおもしろくなりそうだ。
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【天皇杯・決勝】熟成する鹿島の「逃げ切り芸」 〜鹿島2-1川崎

2017-01-02 11:03:49 | サッカー
金崎抜きの「飛車落ち」でも鹿島が勝つ

 相手にボールを持たせてカウンターを狙う4-4-2の鹿島アントラーズと、グラウンダーのボールをつなぐポゼッション型3-4-3の川崎フロンターレが天皇杯決勝で激突した。噛み合わ的には理想的な対戦だ。

 鹿島は前半41分に右コーナーキックから、戻りながらの難しいヘディングシュートを左SB山本脩斗が決めて1点先制。すると川崎は後半頭から3バックを4バックに変え追撃態勢に。その川崎は後半8分、FW小林悠が縦パスをスルーすることで鹿島のCB昌子を食いつかせて作った敵ゾーンの穴に自ら入り込み、きれいなシュートを左スミに決めて1点。両者1-1で譲らず延長戦に突入した。熱戦だ。

 すると鹿島は延長前半にゴール前へのロビングから途中出場のファブリシオが決め2-1とリード。これで勝ちパターンに入った鹿島はすかさず自陣に4-4のブロックを固めて試合を殺した。デキは必ずしもよくないながらも、鹿島には「より1歩」強く寄せる粘りのディフェンスがある。リードするや守備を固めて試合を終わらせる鹿島の「逃げ切り芸」が鮮やかに決まった一戦だった。

川崎は前半に2度のビッグチャンスを逃す

 前半、勢いよく攻める川崎を鹿島は受けて立った。川崎は前半に2度のビッグチャンスがあったが決められず、逆に鹿島はセットプレイからしぶとく先制する。攻められながらも結局しっかり点を取るのは鹿島である。実質的にはこの前半で「勝負あった」といえるだろう。

 1点リードした鹿島は後半頭から自陣にブロックを作り、相手を待ち受けるゾーンディフェンスに変える。後半に追いつき1-1とした川崎は、結局は鹿島を引き立たせるための咬ませ犬になってしまった。川崎は前半に2度もあった決定的なチャンスをものにできなかったのが最後まで響いた。あれを決めていれば川崎にも十分勝つチャンスはあった。だが勝負に「タラレバ」はない。

 この日、川崎のFW小林は非常にキレており、前半にエウシーニョのポストプレイから小林にビッグチャンスが回ってきたが決められなかった。小林は意味もなくシュート態勢が崩れてしまったが、なぜあそこでしっかり打てないのか? あのシーンには、ゴール前でパニックに陥る日本人選手の決定力不足の原因が隠されているように感じた。小林はこの日、決定機をキッチリ決めていれば3点取れたはずだ。

鹿島は堅守速攻・逃げ切り型の試合運びを完成させた

 立ち上がりに両チームの激しい前プレから始まった試合だったが、川崎に1-1とされた後半途中から、相手ボールになると鹿島は全員が自陣に引いた。川崎がボールを握っているように見えるが、実は鹿島のペースだ。かさにかかって攻める川崎を鹿島は粘り強くいなし、延長前半でとどめを刺した。川崎には、延長前半で失った1点を取り返すメンタルがもう残ってなかった。

 鹿島の2点は、セットプレイと縦ポンのロビングからだ。鮮やかな攻めの形を見せたわけでも何でもない。だがそれでも気がつけば最後にお立ち台に立っているのはアントラーズである。結局、最後は逃げ切りパターンに入った鹿島の横綱相撲で幕を閉じた。

 準決勝に引き続き3バックで試合に入り後半4バックに変えるなど、川崎の風間監督は策に溺れた印象だ。逆に鹿島の石井監督は、お家芸である堅守速攻・逃げ切り型のうまい試合運びを熟成させた。Jリーグ・チャンピオンシップからクラブW杯、天皇杯と、狙ったゲームプラン通りに試合をハメる経験を積んだ鹿島はいま、無敵の「王国」を作りつつある。
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