すちゃらかな日常 松岡美樹

すちゃらかな視点で世の中を見ます。

【サッカー日本代表】ゴールでなくパスをめざす国、ニッポン

2017-01-23 12:25:52 | サッカー
勝てない理由はパスサッカーの神格化にある

 あるメディアが昨年引退したばかりの元日本代表選手について、こんなふうに評していた。

「若いころ天才ドリブラーと言われた彼は、その後、巧みなパスでチャンスを作る玄人好みのスタイルに変身した」(要旨)

 1対1で勝負するサッカーをあたかも未成熟なスタイルであるかのように位置づけ、逆にパスサッカーを一段高いレベルと評価する。ゴールを目指すのでなく、パスがつながるその過程をこそ重視するーー。

 ボールを激しく競り合う「個の戦い」でなく、ショートパスやワンツーが連続して繋がるパスサッカーが「正しい」とされる日本では、メディアの認識もこんなふうに偏っている。ふたこと目には、組織でありパスだ。

 だがテレビカメラを引いてフィールド全景を見れば組織戦術であったとしても、カメラをうんと近寄り局面をアップで見ればサッカーは究極的には1対1だ。

「日本人の個の弱さを組織でカバーするんだ」などといっても、結局、個々の局面における1対1に勝てなければ先に進めない。まず前提として強い個があり、その強い個が集積した結果としての組織戦術でなければ世界に勝てない。

 1対1のデュエルを唱えるハリルが個の重要性を布教し世の中を変えるには、まずパスサッカーを過剰に神格化する日本人の価値観自体を変えて行く必要があるだろう。
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【サッカー日本代表】柴崎岳と斎藤学は海外へ行くべきだ

2017-01-18 09:24:13 | サッカー
「Jリーグ・クオリティ」から脱出せよ

 鹿島アントラーズの柴崎岳と横浜F・マリノスの斎藤学が、海外移籍かどうかで揺れているようだ。

 もし海外へ行ける条件・環境にあるのなら、絶対行ったほうがいい。

 日本人選手はJリーグにいる限り、一生「Jリーグ・クオリティ」で終わってしまう可能性が高い。だが斎藤はシュート精度を高めればもっともっと点が取れるはずだし、柴崎はヨーロッパ・レベルのデュエルを身につければ日本代表にまた選ばれるはずだ。

 柴崎はレアル・マドリードと決勝を戦ったクラブW杯で学んだだろう。上には上がいることを。と同時に自分は将来、「その世界」で通用する可能性があることを。そのためには移籍あるのみだ。

 彼らの浮沈は日本代表の命運を左右する。

 絶対、ヨーロッパへ行くべきだ。
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【サッカー日本代表】どこまでボールを大事にするか?

2017-01-14 07:06:04 | サッカー
ボールロストをこわがるな

 ハリルはポゼッションにまったくこだわらない。逆に本田はポゼッション志向が強い。おもしろい対比だが、結局どちらが正しいか結論を出すことなどできない。ことは正邪でなく、スタイルの違いにすぎないからだ。哲学の違いに結論は出ない。それでもただひとつ、言えることはある。

 それは結局、サッカーはどこかで勝負しなければ始まらない、ということだ。

 パスサッカーが好きな日本人は、とかくポゼッションにこだわりがちだ。ゴールすることでなく「パスをつなぐこと」が自己目的化してしまう。だがポゼッション率を極端に重視し、勝負を避けてばかりいては勝てる試合も勝てない。

 例えばちょっと寄せられ苦しくなっただけで「バックパスしようか?」との思いが頭をもたげる。だが例え安全策を取りバックパスしても、パスの受け手が敵に寄せられていたらピンチを招く。あるいはバックパスの受け手が不十分な体勢だったら結局ボールを失う。しかも、より低いゾーンでのボールロストという「より悪い形」で。

 それなら前にいる自分が少しでも有利な体勢のうちに勝負したほうがいい。逃げのパスをせず勝負に出る局面も作らなければ、相手との競り合いに勝てない。

 パスに逃げる思考がかすめても自分で行くこと。そこでの思い切りが最後はサッカーの勝敗を決める。
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【高校サッカー決勝】サッカーは決定力で決まる 〜青森山田5-0前橋育英

2017-01-10 08:34:05 | サッカー
GKが「ラストパス」を出す未来型サッカー?

 高校サッカーの決勝戦は、まったく考えさせられた試合だった。ポイントは3つだ。

 まず試合の立ち上がりは前橋育英がポゼッションしゲームを支配した。だがこの試合はポゼッション率では決まらなかった。これがまず第1点だ。

 では何が試合を決めたのかといえば、青森山田の圧倒的な決定力である。シュートがことごとくワクへ行く。日本代表に爪の垢でも煎じて飲ませたいくらいだった。だが一方の前橋育英はシュートがさっぱりワクへ飛ばない。あまりにも鮮やかな対比である。いくら芸術的にパスをつなごうが、「サッカーはここで決まるんだな」と実感させられた試合だった。

 最後の第3点は、青森山田のGK、広末陸のフィード力である。彼は強く正確なロングボールを蹴れる。下手するとゴールキックがことごとく「ラストパス」になりそうな勢いだった。

 GKにあんなキックが可能だとなると……例えば守備を固めてリスクを犯さずGKにバックパスし、敵ゴール前に上がったロングボールを競ってこぼれ球を詰める、という攻撃が可能になる。戦術も何も関係ない。まさにデュエルだ。単にフィジカルでボールを競り、こぼれたところをゴールに押し込むサッカーになる。確かに効率的だが、果たしてそれでいいのだろうか?

 いろいろと考えさせられた試合だった。
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【サッカー日本代表】「ポゼッションか? カウンターか?」は不毛な二元論だ

2017-01-07 04:22:31 | サッカー
状況に応じて戦い方を変えろ

 日本のサッカー界では「個か? 組織か?」のような不毛な二元論がなされやすいことは、過去に何度か書いてきた。ハリルが代表監督に就任して以来、にわかに湧き起こっている「ポゼッション・サッカーか? カウンター・サッカーか?」という二元論もそのひとつだ。

 ポゼッションサッカーは、日本ではかなり誤解されている。ポゼッションを謳ったザックジャパンの「悪い時のイメージ」が強いからだ。

 例えばポゼッションサッカーを標榜するチームは、悪い時にはついラクをするパターンに陥りがちだ。ボールを持つと、前が空いているのにわざわざバックパスして最終ラインでボールを回す。とにかくいったんバックパスしてからモノを考えるクセがついてしまう。そのほうが体力も温存できるし、なによりラクだからだ。

 かくてゴールすることではなく、ボールを回すこと自体が自己目的化する。で、前にスペースも人もいるのに縦にチャレンジせず、ダラダラと自陣でボールをこねくり回すーー。

 これでは勝てる試合も勝てなくなる。

 だがポゼッションサッカーはそもそも足元の技術がある日本人に向いているし、うまくやれば大きな武器になる。よくいわれるように自分たちがボールを握っている限り失点する可能性はない。前述したような「ラクをするサッカー」に陥りさえしなければ使える戦術だ。

 例えば失点リスクの少ない相手陣内でポゼッションし、ボールを失ったらすぐ敵陣でプレッシングして奪い返す。で、ショートカウンターをかけるーー。

 ハリルジャパンが縦に速い攻めだけでなく、ポゼッション・スタイルとショートカウンターの融合ができるようになれば勝率はグンとアップするはずだ。
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【サッカー日本代表】秘密兵器・FW小林悠を積極的に使うべきだ

2017-01-03 07:21:13 | サッカー
技術とスピード、キレが一級品

 鹿島アントラーズと川崎フロンターレが戦った天皇杯決勝を見て、FW小林悠(川崎)のキレっぷりに驚いた。日本代表におけるプレイとのあまりの落差にビックリしたのだ。

 まあ小林は代表ではロシアW杯最終予選・オーストラリア戦でスタメンを取ったくらいで、あとは試合終了間際に交代出場する程度だからあまりインパクトがないのも当然だ。なんせ代表で同じ右サイドを争うのは本田だから、出場機会が少ないのも仕方ない。

 だが本田は所属チームで試合に出ておらず、もうずっとコンディションが悪い。ならば今年は小林を積極的に使ってもいいのではないか? 右サイドからカットインしてFW的にシュートも期待できる彼は非常に魅力的だからである。

 あの天皇杯決勝。小林はチーム唯一の得点を叩き出したが、シュートに行くまでの「仕込み」が秀逸だった。

 後半8分、ゴール前で小林の足元に縦パスが出てきた。小林がトラップすると判断した鹿島のCB昌子は前に出てプレスをかけに行く。それを見た小林はとっさに縦パスをスルーした。すると昌子が前へ出たぶん、鹿島の最終ラインにはSBとCB植田の間にぽっかりスペースができている。つまり小林は昌子を食いつかせ、ゾーンに穴を空けさせたのだ。

 で、小林はスルーした次の瞬間、すかさず体をかわして昌子がもといたゾーンの穴に飛び込む(このとき昌子は前に出たまま完全に取り残されている)。そこへ途中出場した三好がポストプレイからラストパスを出し、受けた小林は矢のようなシュートをゴール左スミに決めた。

 縦パスをトラップすると見せかけて昌子を食いつかせ、スルーするや瞬時に昌子が空けたゾーンのギャップに入り込んだプレーはすばらしかった。絵に描いたようなオフ・ザ・ボールの動きだった。

 このほかにも小林は前半にエウシーニョのポストプレイからビッグチャンスをつかんだが、シュート態勢が微妙に崩れて決められなかった。また後半19分にはカウンターから右サイドを縦に抜け出し、寄せてきた敵DFを切り返しでかわし左足で鋭いシュートを放ったが、ポストを直撃した。小林はこの2つの決定機を決めていればハットトリックを達成し、フロンタ−レの優勝に貢献していただろう。まちがいなくMVPである。

 小林はあの2つを決められるようになれば、日本代表でも本田を蹴落としてレギュラー確定だろう。それだけ可能性のある選手だし、将来性豊かだ。スピードがあり、キレもいい。

 代表の右サイドはもうずっと本田が君臨しているが、コンディションの悪い選手がレギュラー安泰というのはありえない。このさいハリルは右サイド要員をゼロベースで見直し、小林をスタメンで使ってもいいのではないか? サイドもできる攻撃的な武藤と右SB内田もケガから復帰したことだし、今年の日本代表はおもしろくなりそうだ。
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【天皇杯・決勝】熟成する鹿島の「逃げ切り芸」 〜鹿島2-1川崎

2017-01-02 11:03:49 | サッカー
金崎抜きの「飛車落ち」でも鹿島が勝つ

 相手にボールを持たせてカウンターを狙う4-4-2の鹿島アントラーズと、グラウンダーのボールをつなぐポゼッション型3-4-3の川崎フロンターレが天皇杯決勝で激突した。噛み合わ的には理想的な対戦だ。

 鹿島は前半41分に右コーナーキックから、戻りながらの難しいヘディングシュートを左SB山本脩斗が決めて1点先制。すると川崎は後半頭から3バックを4バックに変え追撃態勢に。その川崎は後半8分、FW小林悠が縦パスをスルーすることで鹿島のCB昌子を食いつかせて作った敵ゾーンの穴に自ら入り込み、きれいなシュートを左スミに決めて1点。両者1-1で譲らず延長戦に突入した。熱戦だ。

 すると鹿島は延長前半にゴール前へのロビングから途中出場のファブリシオが決め2-1とリード。これで勝ちパターンに入った鹿島はすかさず自陣に4-4のブロックを固めて試合を殺した。デキは必ずしもよくないながらも、鹿島には「より1歩」強く寄せる粘りのディフェンスがある。リードするや守備を固めて試合を終わらせる鹿島の「逃げ切り芸」が鮮やかに決まった一戦だった。

川崎は前半に2度のビッグチャンスを逃す

 前半、勢いよく攻める川崎を鹿島は受けて立った。川崎は前半に2度のビッグチャンスがあったが決められず、逆に鹿島はセットプレイからしぶとく先制する。攻められながらも結局しっかり点を取るのは鹿島である。実質的にはこの前半で「勝負あった」といえるだろう。

 1点リードした鹿島は後半頭から自陣にブロックを作り、相手を待ち受けるゾーンディフェンスに変える。後半に追いつき1-1とした川崎は、結局は鹿島を引き立たせるための咬ませ犬になってしまった。川崎は前半に2度もあった決定的なチャンスをものにできなかったのが最後まで響いた。あれを決めていれば川崎にも十分勝つチャンスはあった。だが勝負に「タラレバ」はない。

 この日、川崎のFW小林は非常にキレており、前半にエウシーニョのポストプレイから小林にビッグチャンスが回ってきたが決められなかった。小林は意味もなくシュート態勢が崩れてしまったが、なぜあそこでしっかり打てないのか? あのシーンには、ゴール前でパニックに陥る日本人選手の決定力不足の原因が隠されているように感じた。小林はこの日、決定機をキッチリ決めていれば3点取れたはずだ。

鹿島は堅守速攻・逃げ切り型の試合運びを完成させた

 立ち上がりに両チームの激しい前プレから始まった試合だったが、川崎に1-1とされた後半途中から、相手ボールになると鹿島は全員が自陣に引いた。川崎がボールを握っているように見えるが、実は鹿島のペースだ。かさにかかって攻める川崎を鹿島は粘り強くいなし、延長前半でとどめを刺した。川崎には、延長前半で失った1点を取り返すメンタルがもう残ってなかった。

 鹿島の2点は、セットプレイと縦ポンのロビングからだ。鮮やかな攻めの形を見せたわけでも何でもない。だがそれでも気がつけば最後にお立ち台に立っているのはアントラーズである。結局、最後は逃げ切りパターンに入った鹿島の横綱相撲で幕を閉じた。

 準決勝に引き続き3バックで試合に入り後半4バックに変えるなど、川崎の風間監督は策に溺れた印象だ。逆に鹿島の石井監督は、お家芸である堅守速攻・逃げ切り型のうまい試合運びを熟成させた。Jリーグ・チャンピオンシップからクラブW杯、天皇杯と、狙ったゲームプラン通りに試合をハメる経験を積んだ鹿島はいま、無敵の「王国」を作りつつある。
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【天皇杯・準決勝】これがJリーグで2位のチームなのか? 〜川崎1-0大宮

2016-12-31 07:35:13 | サッカー
負けた大宮の熱い魂に拍手を

 Jリーグで年間勝ち点2位の川崎フロンターレは、攻めの歯車がまったく噛み合わない。特に前半はマイボールになっても周囲が動き出さず、まるで消化試合のようなありさまだった。「金を返せ」と客が暴動を起こさないのが不思議なくらいだ。

 敵に張り付かれたままオフ・ザ・ボールの動きがない。間受けするためゾーンのギャップへ4歩移動することさえしない。ルーズ・ボールへのアクションも常に大宮アルディージャが先手、先手だ。最終ラインでボールをキープした時も3バックが開かずたがいの距離が近いままなので前への角度を作れず、うまくビルドアップできない。

 一方、負けた大宮はいいところばかりが出た。4-4-2で守備を重視したベーシックなサッカーだが、「勝ちたい」という気持ちを全面に出す。ひとつひとつのプレイに気持ちが入り、ソウルフルで力強かった。そんな大宮が終始ペースを握り、彼らの精力的な守備が川崎をしっかり押さえ込んだ。

 スッポンのように敵に吸い付きパスコースを消す。相手ボールホルダーに1歩でも近く寄せてバランスを崩させる。これを90分間、止まらず続けるのだから川崎はたまらない。

 攻撃面でも、大宮は何度もシュートシーンを作った。全員がよく走り、スペースへ、スペースへと労を惜しまず動いてパスをつなぐ。無骨で美しいサッカーとはいえないが、機動的でガッツのある攻めは迫力があった。

 後半は4バックに変えた川崎がリズムをつかみ攻める頻度が増えたが、それでも大宮は全員が必死で自陣に引いて弾き返す。だが惜しいかな、大宮はあまりにもチャンスを逃しすぎた。決定機を何度も手放すうち、幸運の女神はおずおずと大宮から離れていった。

 そして最後はどん詰まりの後半40分。川崎・中村憲剛の右コーナーキックから谷口彰悟に押し込まれて万事休す。チャンスを生かせないと痛いしっぺ返しがくる、という教訓を絵に描いたような展開だった。大宮は絶対的なストライカーが1人いればおもしろくなりそうなチームだと感じた。

 それにしても前半にあんなみっともない試合をサポーターに見せた川崎はとくと反省してもらいたい。あれではJリーグからお客さんが逃げる一方だ。「これだからJリーグは」などと海外サッカー・マニアに言われないよう、決勝ではしっかり魂を見せてほしい。
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【天皇杯・準決勝】冴え渡るカウンター、受け流す技術 〜鹿島2-0横浜FM

2016-12-30 11:36:10 | サッカー
相手の攻めを「いなす」鹿島の独壇場

 SBを高く上げサイドから攻める鹿島アントラーズと、ドリブルからフィニッシュに行く横浜F・マリノスという対照的な対戦になった。鹿島はいずれも得意なカウンターから2ゴールを上げ、守っては横浜FMの波状攻撃を堅い守備で柳のようにサラリと受け流す。終わってみれば2-0と鹿島の「大人の試合運び」が光った試合だった。

 鹿島のシステムはベーシックな4-4-2だ。攻撃時には両SBを高く上げて基点を作る。そのためボールが中盤にあるときは2-2-4-2、ボールが前線に渡ると2-2-2-4のような形になってフィニッシュへ行く。一方のマリノスは4-2-3-1だが、相手ボールになるとリトリートして4-4-2のブロックを組んで守る。攻めはマルティノスと斎藤学が軸になり、主にドリブルからラストパスを出す形だ。

 マリノスはドリブルを交えポゼッションして攻めるが、決定機はあるものの鹿島の堅い守備に弾き返され決めることができない。鹿島はまるで剣の達人のように相手の攻めをサラリといなす。そしてボールを奪うと得意の速攻だ。前半41分にはカウンターから鹿島がチャンスを作り、最後はMF柴崎岳の右からのクロスをFW土居聖真がヘッドで決めて1点目をあげる。

 続く後半28分には、マリノスの致命的なタテへのミスパスをカットした鹿島がまたもカウンターを発動。MF永木亮太のスルーパスが入り、最後は柴崎の右からの折り返しを途中出場のFW鈴木優磨が決めた。

 鹿島はこのようにカウンターのチームだが、ひとくちに「堅守速攻」といっても自陣にべったり引いているわけではない。最終ラインを高く保ち、コンパクトな陣形から全体のゾーンを圧縮してボールを奪う。またワンプレー、ワンプレーの精度が明らかにマリノスより上で、ミスが非常に少ない。

 鹿島の選手はフォームも美しく、プレー時にしっかり腰が入っている。足先だけの軽いプレーが目立つマリノスとは対照的だった。マリノスにもチャンスはあったが、結局は鹿島のゲームプラン通りに進んだ横綱相撲といっていいだろう。

 最後に、個人的に注目しているマリノスの斎藤学について。彼のキレのあるドリブルはJリーグでは通用しているが、問題は世界に出たとき武器になるかどうかだ。彼はこの日、4〜5本のシュートを打ったが決められなかった。鋭いドリブルからラストパスやシュートに行く彼のスタイルは非常に魅力的であり、決定力さえ磨けば日本代表におもしろい選択肢をもたらす選手になりそうだ。
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【サッカー】日本人は「純粋まっすぐ君」から卒業すべきだ

2016-12-28 15:27:15 | サッカー
ズル賢い奴ほど試合運びがうまい

 この年末のサッカー・イベントには、まったく考えさせられた。

 いかにも日本人らしく真っ直ぐ「純粋」に散った浦和レッズ。

 うまい試合運びでチャンピオンシップをしぶとく勝ち残り、クラブW杯でも名を残した鹿島アントラーズ。

 この2チームの対比はあまりにも鮮やかだ。日本人は浦和的なよくいえば「正々堂々」、悪く言えば「純粋まっすぐ君」のメンタリティから卒業し、鹿島のようにズル賢くしぶとく戦えるようにならなければならない。そうでなければいつまでたっても「世界」に手が届かない。
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親父が肺ガンで死ぬらしい

2016-12-27 08:44:05 | 禁煙・タバコ
タバコをやめてもガンで死ぬ

 主治医の計算によると、私の親父は肺ガンで余命0ヵ月らしい。つまりいつ死んでもおかしくない状態だ。すでに吐血している。

 おふくろによると確か親父は30代でタバコを吸い始め、50~60才くらいで禁煙したが遅かった。私は高校1年で吸い始め、10年前にやめたばかりだからヤバイ感じもする。とはいえ今さらジタバタしてもしようがない。

 親父は「肺ガンで余命2ヵ月」の診断が下るや治療を拒否し、即座に覚悟を決めた。すでにそれから2ヵ月たったが、痛みを取る治療もまったくしていない。あとは死ぬのを待つばかりだ。

 体感的には、肺ガンにかかるかどうかはタバコを吸った期間はあまり関係ないような気がする。知人の父親は若い時から老いるまで吸っているが健康そのものだし、かと思えばウチの親父みたいに吸った期間はそう長くないのにもう助からない人間もいる。人生いろいろだ。

 この記事を読み、ひとりでも多くの人がタバコをやめてくれたら死んで行く親父も本望だろう、と思い記事を書いた。

 みなさんタバコはやめましょう。

【関連記事】

『タバコをやめて初めてわかったこと』
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【クラブW杯決勝・分析】目覚ましい鹿島の収穫と露呈した課題とは?

2016-12-26 08:33:37 | サッカー
すばらしい鹿島の「修正能力」

 レアル・マドリードを相手に、一時は鹿島が2-1とリードし大健闘したFIFAクラブW杯決勝戦。だいぶ興奮も冷めやり客観的にゲームを観られるようになったので、今回は映像を何度も巻き戻しチェックしながら鹿島の収穫と課題を分析してみよう。

 まず課題という意味で失点シーンを振り返ろう。​前半9分、レアルはDF植田のクリアを拾ったルカ・モドリッチがシュートを放ち、GK曽ヶ端が弾いたところをカリム・ベンゼマが詰めて先制した。

 この1失点めの間接的な原因は、植田のクリアが小さかったためそれを拾われ二次攻撃を受けたことだ。植田のクリアは小さいだけでなく、低く、角度も悪かった。あのように真ん中よりの方向でなくもっとサイドの方へ向け、かつボールを高く上げるクリアをしていれば失点を防げた可能性はある。

 もちろんあの強いクリアをいとも簡単にコントロールし、瞬時に二次攻撃につなげたレアルのレベルが高かったということはいえる。だがおそらくJリーグでなら、あのクリアはふつうに通用し失点していなかった可能性も高い。

 こんなふうにこの試合では「もしJリーグだったら、やられてなかった」というシーンが頻出する。それは裏を返せば鹿島の選手のプレイ感覚が「ふだんのJリーグ=低いレベル」対応だったためにやられた、ということだ。「こういう局面ではこうすべし」というプレイ常識がJリーグレベルだったーー。これは経験の問題であり、彼らがJリーグでプレイする限りつきまとう難題だろう。

 例えばあの1失点め。植田の強いクリアをレアルの​ルカ・モドリッチはとっさに胸でワントラップし、次のタッチでもうシュートに行っている。つまりシュートを想定したファーストタッチを常に考え、ワンタッチ目で次にシュートを打てる場所にボールをキッチリ置いている。しかも味方のパスからでなく、不意に飛んできた敵の強いクリアボールを瞬時にコントロールしているのだ。

 あんなシュートシーンがJリーグにどれだけあるだろうか?(スルーパスをファーストタッチで完璧にコントロールし、2タッチめでシュートしたロナウドの3〜4点めも同じだ)

 例えばJリーグなら、ファーストタッチで失敗しボールを弾くことはよくあるだろう。そして2タッチ目で弾いたボールを小突いてシュートできる場所に置き直し、3タッチめでやっとシュートするーー。

 これだとシュートへ行くまでのタッチ数がひとつ多くなる。つまり守備側にはそれだけ余裕ができる。Jリーグでプレイする選手がみんなそうだと、当然、対応する相手DFも味方も「その感覚」でプレイする。結果、リーグの選手全員が「Jリーグレベル」で終わってしまう。これではいつまでたっても日本のサッカーは進歩しない。

 ただし例え1〜2試合でも「異次元レベル」のチームと試合できれば、その経験をしっかり次に生かすことはできる。実際、鹿島の選手たちは1試合中に見事にそれをやってのけた。そこは大きな収穫である。

 例えば鹿島に2-1とリードされレアルが本気を出した後半のほうが、むしろ鹿島のデキはよかった。それはなぜか? 前半のレアルのプレイぶりを見て、後半に鹿島の選手たちが対応を修正したからだ。

 前半の鹿島はせっかくボールを奪ってもつなげずボールロストを繰り返した。味方のサポートが遅くレアルの速い潰しに遭ったからだ。またレアルという名前に負けプレッシャーからミスを繰り返した。だが後半はそれをキッチリ修正した。

 オフ・ザ・ボールの動きで空いたスペースへ選手が素早く移動してサポートし合いパスをつなぐ鹿島の選手たちの戦術眼はすばらしく、レアルにハッキリ通用していた。前半、なぜ自分たちはボールをキープできなかったのか? この失敗を読み取り、後半にしっかり修正してきた。そんな鹿島の適応能力はすばらしい。

 またピンチが続くと見るや全体のゾーンをやや下げ、待ち受けるディフェンスに切り替え敵の攻撃をしのぐ試合運びのうまさも光った。鹿島のよさは「勝負強さ」とか「伝統の力」などと抽象的に言い表されがちだが……こうした試合巧者ぶりが勝負強さを生む元になるのである。

 おそらく鹿島はもしリーガ・エスパニョーラで1年間試合すれば、ワンシーズン後にはまったく別のチームになっているだろう。1つ1つのプレイが甘いJリーグのぬるま湯体質を脱し、一段高いスペインの水準に合わせて適応したプレイができるようになる可能性が高い。それだけの修正能力がある。(もしかしたら鹿島だけでなくJリーグの他チームにも同じことが可能かもしれない)。

 だが来年彼らがプレイするのはスペインではなくJリーグであり、悪い意味でまた再度「Jリーグレベル」に「適応」してしまうかもしれない。もしそうなったら本当に惜しい。

 負けた鹿島の選手たちは、「いい経験になった」などとは口が裂けても言いたくないだろう。だが負けがいい経験になるというのは、ポジティブに考えれば、失敗から学習し次の機会に生かし修正する「チャンスを得た」ということだ。鹿島の選手たちはこの経験を生かし、来シーズンはぜひ一段高いレベルでプレイしてほしい。
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【クラブW杯決勝】延長戦にもつれ込む壮絶な死闘 〜レアル4-2鹿島

2016-12-19 08:25:25 | サッカー
ジーコが作った魂は生きていた

 FIFAクラブW杯決勝戦。鹿島があのレアル・マドリードを土俵際まで追い詰めた。後半7分には柴崎岳がミドルシュートを叩き込み、2-1とリードすると同時に待ち受けるディフェンスに切り変え勝ちパターンに持ち込んだ。延長前半のロナウドの2発で逃げ切られたが、打たれても打たれても立ち上がり、ファイティングポーズを取り続ける鹿島の姿には胸が熱くなった。

 ハイプレスで試合に入った前半の鹿島はボールを奪うが安定して繋げず、ロストボールが目立った。またクリアが短くトラップは緩く、パスが弱い。ワンプレー、ワンプレーに出る個の技術が甘く、客観的にレベル差をいえばレアルとは当然かなりの開きがあった。だが「勝負」という意味では確実に鹿島に脈があったことも事実だ。

 実際、鹿島は後半7分に柴崎が2点目を取り、2-1として待ち受けるディフェンスに変えたあたりではハッキリ勝ちパターンに入っていた。彼らのゾーンディフェンスはレアルに対し機能し、美しいディアゴナーレが組み上がっていた。ヒリヒリするような緊張感だった。

 そもそも後半45分にファウルを犯したDFセルヒオ・ラモスは本来なら2枚目のイエローカードで退場になるはずであり(だがビデオ判定もなし)、そうなればレアルは延長戦を10人で戦うことになり勝負の行方はまったくわからなかった。延長前半のロナウドの2発もなかったかもしれない。

 ただし鹿島は後半13分、ファウルを取られPKになり2-2の同点とされたが、あそこはファウルでなく技術で止めなければならないのだろう。この種の足りない部分がやはり随所にあり、その意味ではまだまだ研鑽の余地がある。特に手付かずの「個による守備の技術」については日本のチームはこれから身につけて行く必要がある。このほか今後の課題としてはボールスピードの弱さやプレイ強度の不足、サポートの遅さなども目についた。

 一方のレアルは第一にコンディションがあまりよくなく、第二に気を緩めて試合に入ったのが響いて接戦にもつれた、という要素はある。実際、褒められたデキではなかった。特にロナウドは本調子でなかったが、鹿島に逆転されたあとのPKと延長前半に突き放す2発のゴールは「さすが」と感じさせた。

 いずれにしろ、あまりの興奮で客観的に記事を書ける段階にない。特に柴崎が2点目のミドルシュートを叩き込んだ瞬間には頭に血が上り興奮して涙が出た。2ゴールの柴崎だけでなく神がかりなセービングを連発した曽ヶ端や何度もピンチを救った昌子、インテンシティが高い金崎あたりは明日からすぐ代表レギュラーになってもおかしくないんじゃないか? ハリルはこの試合をどう見たのだろう。それが知りたい。
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【クラブW杯決勝・展望】レアルを前がかりにさせカウンターで仕留める

2016-12-18 08:15:51 | サッカー
カギは0-0のままどこまでやれるか?

 さていよいよFIFAクラブW杯決勝戦。今夜はわくわくモンの鹿島vsレアルの試合だ。鹿島にはぜひとも日本の代表として、拮抗したいい試合をしてもらいたい。そこで試合の展望である。

 レアルにひと泡吹かせるには、いかに相手のバランスを崩すか? がカギだ。この場合のバランスには、2つの要素がある。まずフィールド上における選手の配置という意味でのバランスと、次に心理的なバランスである。これらを崩してしまうのだ。

 鹿島は守備を重視したうまい試合運びが得意だ。準決勝のアトレティコ・ナシオナル戦の後半に見せたようないい守備さえできれば、いかにレアルといえどそう簡単には得点できない。で、0-0のままジリジリするような試合展開に持ち込めれば、必ずレアルに焦りが出てくる。つまり心理的なバランスが崩れる。

「おかしいぞ。俺たちのほうが圧倒的に強いはずなのに点が入らない」

 こうなるとレアルはリスクを冒し、得点を取ろうと前がかりになる。準決勝でアトレティコ・ナシオナルがそうだったように。

 かくてレアルは精神的バランスだけでなく、フィールド上のバランスを自ら崩して攻めてくる。彼らが前がかりになれば、後ろにスペースができる。その形になったら鹿島の得意なカウンターのチャンスだ。彼らはこの形からどうすれば点が取れるか、知りつくしているーー。

 とすればやはり、鹿島がどこまで失点せずに0-0のまま持ちこたえられるか? がポイントになる。それができればジャイアント・キリングもあながち夢じゃない。

 個人的な希望としては、FW鈴木優磨が点を取り、ロナウドが見ている前でロナウドのゴールパフォーマンスをして1-0で鹿島が勝つこと。これが実現したら来年は春から縁起がいいな。
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【クラブW杯】鹿島がうまく試合を殺した 〜鹿島3-0 A・ナシオナル

2016-12-15 10:06:04 | サッカー
ゴールマウスに魔法をかけた11人

 FIFAクラブW杯の準決勝。南米王者のアトレティコ・ナシオナル(コロンビア)に1-0でリードした鹿島は後半、ブロックをやや低くして待ち構える守備で試合を完全に殺した。攻めてはカウンターから追加点を奪って突き放す。前半は降り注ぐ敵シュートの雨あられを耐え、ゴールマウスに魔法をかけた。

 PKからの先制や後半に見せた守備重視のうまい試合運びなど、終わってみれば3-0と鹿島らしい狡猾さが光った。さあ日本チーム史上初の決勝進出。おそらく次はあのレアルだ。ジーコが作った「鹿島魂」をとくと見せてもらおう。

 リードした鹿島ほど強いものはない。後半は敵のパス&シュートコースを巧妙に消し、粘り強い守備からボールを奪うと前がかりになった敵の背後をカウンターで襲う。前半は相手の個人技の前にいつ失点してもおかしくなかったが、後半はまさに鹿島の横綱相撲だった。特に昌子と植田の守備が光った。

 アトレティコは細かくパスをつないでくるポゼッション・タイプだ。最終ラインから丁寧にビルドアップしてくる。特に前半は鹿島ゴール前で彼らの個人技が輝きを放った。だがシュートがバーを叩くなど、何度打ってもゴールに入らない。

 個の力では圧倒的にアトレティコが上。だが鹿島のようにしぶといディフェンスをベースに戦えば日本人でも「世界」に勝てる。鹿島が大きなヒントをくれた一戦だった。
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