すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】もはや強化とビジネスモデルは両立しない

2018-04-16 07:13:18 | サッカー日本代表
人気を煽る「興行」と「強化」の深い溝

 スター選手を据え、ホームに格下ばかりを呼んで親善試合では連戦連勝。華やかで攻撃的なパスサッカーとスターシステムにより代表人気を煽り、視聴率を稼ぐ。ただしW杯本大会だけは(そのやり方では当然)勝てない。これが過去の代表のビジネスモデルだった。

 ところがハリルは香川や本田、岡崎を呼ばず、しかも見た目がよく視聴率を稼げるパスサッカーを捨てた。テストマッチでも勝てない。これじゃあビジネスとして成立しないよーー。

 もし巷間いわれているようにハリル解任がこのようなスポンサー筋の影響によるものならば、ここにきて代表の強化とビジネスはもはや両立しないものになってきているといえる。

決勝トーナメントを目指すなら興行では無理だ

 どういうことか?

 まず代表の強化についていえば、ワールドカップでグループリーグ突破を目指すなら、サッカー4流国の日本はどうしても守備的なスタイルを選択せざるをえない。カウンターに弱い日本式パスサッカーでは絶対に勝てない。またスター選手は往々にして攻撃を担うことが多く、守備を固めてW杯で勝つことを優先するならスターも使いにくい。

 テストマッチの位置付けも微妙だ。日本では親善試合といえば「勝つもの」であり、プロレスでいえば悪役レスラー(格下の弱小国)を呼んでチンチンにやっつけ、観衆に快哉を叫ばせるために存在した。少なくともビジネス的には。

 だが本来、テストマッチは新戦力のテストや、新しい戦術を試して効果を確かめ本番に備えるためにある。文字通り「テスト」であり、当然、失敗することは普通にある。勝ち負けに特段の意味はない。逆に「勝つこと」ばかりを優先していてはテストの意味がない。つまり強化と興行が両立しない。

 日本はW杯に出場すること自体はもはや当たり前になり、次なる目標は決勝トーナメント進出に移ってきている。だがグループリーグを突破するための本格的な強化をするなら、上述のように興行としての要素を満たせずビジネスモデルが成立しないーー。日本はそんな曲がり角にきている。

八方丸く収めるには妥協しかないが……

 八方丸く収まるビジネスモデルとしては、目標をあくまでW杯出場までにとどめ、決勝トーナメント進出は目指さない。その上で従来通りスター選手を起用し、華やかで攻撃的なパスサッカーを見せて興行として成立させる、ということになる。

 だが果たしてそれでいいのだろうか?

 理想は「日本式」ではなく「世界基準」のパスサッカーで勝つことだ。そのためには大前提としてまず個の力を養成する必要があるし、ホームではなく厳しいアウェイで強豪国ともテストマッチを戦わなきゃならない。そもそも育成年代から正しいゾーンディフェンスを根付かせる必要もある。

 ただし、そのためには時間がかかる。こうした基盤を作るまでの間は思うように勝てないし、ゆえに興行としてサッカーが成り立たない。ここで問題は無限ループして解決策がなくなってしまう。

 さてあなたはいったい、どう思いますか?

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