すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【Jリーグ】強力補強で来季の名古屋は優勝を狙う

2020-12-29 05:47:42 | Jリーグ
柿谷、長澤のビッグ補強で戦力アップ

 マッシモ・フィッカデンティ監督は本気だ。優勝を狙っている。

 元日本代表の柿谷曜一朗、長澤和輝を獲得したフロントからも強いヤル気が伝わってくる。名古屋にはぜひ、川崎フロンターレ一強のJリーグに「革命」を起こしてほしい。

 柿谷はムラっ気がありトランジション(切り替え)に問題はあるが、とにかく瞬間的なプレイのキレ味は一級だ。

 また長澤はハリルジャパンに招集された際に試合で観て、いい選手だったので強く印象に残った。その後、「代表メンバー予想」的な企画で何度も彼の名前を上げたことがある。

 名古屋は戦力的にもゲームモデル的にも、優勝、またはそれに準じる可能性は十分ある。現にJリーグ最終節の広島戦でも、彼らはいいサッカーをやっていた。

ピッチを斜めに横切るサイドチェンジが素晴らしい

 広島戦の名古屋は攻撃時4-2-3-1だった。グラウンダーの低いボールで最終ラインから丁寧にビルドアップする。

 インサイドキックから放たれる強くて速いグラウンダーのパスを基調に、要所でピッチを斜めに横切る大きなサイドチェンジを織り交ぜながら攻める。

 特に試合の立ち上がりに、1本のパスで素晴らしく正確で長いサイドチェンジを立て続けに2度決めたときには驚いた。

 私事で恐縮だが私がまだJリーグを取材していた90年代には、日本人のサイドチェンジといえば2本のパスを使って中央を経由して行うのがふつうだった。日本人はロングボールを正確に蹴れないからだ。

 で、2本のパスが、えっちらおっちら逆サイドに届くころには、相手チームはすっかり守備の陣形を立て直している。

「ヨーロッパの選手みたいに1本の速いパスでサイドチェンジできなければ世界で勝てない」

 そう警鐘を鳴らす記事を何度も書いた記憶がある。それが今のJリーガーは事もなげに1本のロングボールでやってしまうのだ。Jリーグの進歩は著しい。未来は明るい。

縦パスを切りボールをサイドへ誘導する

 一方、彼らは敵のビルドアップ時には4-4-2に変化し、ミドルプレスで前の2枚が敵のCBに圧力をかけて縦パスのコースを切る。で、ボールをサイドに誘導し、サイドでボールを回収する。

 選手別では、ワンプレイ終わると足を止めてしまうマテウスはトランジション(切り替え)の悪さが気になったが、途中出場し最後の「サヨナラゴール」でおいしいところを持って行った前田直輝は素晴らしかった。

 また稲垣、米本の2セントラルMFや最終ラインは守備がよく危なげなかった。オフェンシブな相馬も要所で利いていたし、阿部やGKランゲラックもよかった。

 イタリア人監督らしく、安定した守備をベースに変化のある攻撃で魅せる。Jリーグをあまり見てない私は、ひと目見てすっかりファンになってしまった。

 同じチームが毎年勝つのではリーグ全体が発展しない。来季は必ず川崎フロンターレを倒してほしい。期待している。

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