すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】大迫を生かす2トップ体制を検討せよ

2016-11-08 10:58:18 | サッカー日本代表
もうひとつの選択肢としての4-4-2

 今回代表に呼ばれたケルンの大迫をめぐり、奇妙な議論がある。彼はドイツで2トップの一角をになうFWとしてプレイしている。ハリルも「2トップ用のFWだ」と考えているフシがある。で、「ハリルジャパンはワントップだから大迫は使われないのでは?」などという声を聞く。おかしな話だ。

 代表チームというものは、まず選んだ各選手の特徴や武器がさまざまある。そんな彼らの個性を生かし、それぞれの力を総合的により発揮させるためにシステムというものがある。選手選考を最重視するセレクション型の監督なら、こう考える。彼にとってシステムとは目標を実現するための手段にすぎない。

 だがハリルのようなフィロソフィ型の監督の場合、選手を選ぶより先に、まず自分自身の確固たるサッカー哲学が強く存在する。で、それを自己実現するためのシステムが用意されている。つまり選手ありきで考えるセレクション型の監督とくらべ、システムの持つ意味合いが大きい。まずシステムありきで、あとから鋳型にハメ込むようにシステムに合ったプレイを選手に要求する(たとえそのプレイが選手の持ち味と違っていても)。

 だが大迫の持ち味がチームの武器になると本当に考えるならば、彼を生かすためのシステムを用意すべきではないか? システムに囚われ彼を使わないのでは、何をやっているかわからない。具体的には、2トップの導入も選択肢のひとつとして真剣に検討すべきだろう。

 例えば4-4-2なら4-4の守備ブロックがあらかじめ想定されているため、相手ボールに移行してもスムーズにゾーンディフェンスが行える。またトップ下を置かないため、そのスペースを自由に流動的に使える。

 さらに相手ボールがサイドにあるときMFのラインはディアゴナーレによるL型ポジションを取るため、「サイドでボールを奪ったら逆サイドで攻撃態勢を取るSHにまずサイドチェンジを」というようにカウンター攻撃の型にハメやすい。カウンターをベースにサッカーを考えるハリルのキャラにも合う。

 ハリルジャパンでは4-4-2は採用実績が少ないが、大迫という持ち駒を最大限生かす意味で検討してみる価値はあるのではないか?

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