すちゃらかな日常 松岡美樹

サッカーとネット、音楽、社会問題をすちゃらかな視点で見ます。

【サッカー日本代表】ハリルは日本人の思考を改造する

2016-11-28 08:10:51 | サッカー戦術論
相手に相撲を取らせない

「自分の相撲を取るだけです」

 よく力士は言う。

 相手がどうやってこようがまず自分がある。自分を貫き盲進する。信じて、まっすぐ。負けても潔く。それが日本で尊ばれる精神性だ。あえて戦い方をふたつに分けて考えれば、正々堂々、フェアプレイの精神である。

 だがハリルは真逆だ。相手の相撲を見て考える。敵の良さを消せ、と。相手に相撲を取らせない。相手に力を発揮させないためにはどうすればいいか? それがハリルの思考法だ。戦い方をふたつに分ければ、力士の発想と正反対である。

 ずる賢く、奸計を巡らし敵の寝首を掻く。フェアかどうかなど二の次、三の次。敵を殲滅できればそれでいいーー。

 これは日本人にとってコペルニクス的転回だ。もし今後、日本のサッカーがハリル的なメンタリティを備えて勝ち進むとすれば、まさに革命である。

 そこにあるのは勝利至上主義だ。スタイルに対するこだわりなどない。すべては勝つためにある。
 
「敵を騙して何が悪い? おまえは勝ちたいのか? それとも負けでいいのか?」

「おまえらの文化を変えろ。でなきゃ負けだぞ?」

 ハリルは無垢で善良なる日本人に、価値観の転換を迫っている。もし日本人にこれができたら、明治維新どころじゃない社会改革だ。おもしろいーー。そんなわけで今日も私は、ハリルが進める日本人大改造計画を興味深く見守っている。

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