工場長の製作日誌

模型製作記録とか辺境の記録とか

奈良井宿の木曽森林鉄道

2015-01-31 20:53:15 | 旅行


アールクラフトさんの運材台車を作っていたところ
「木曽のB型客車てどのくらいの大きさなのかな?」
とふと思いまして・・・
今まで何度も見てるんですけどね。

折角なので見に行こうかなと・・・


下伊那には遠山林鉄の客車(同じくB型客車)が2両あるのですが、

・梨元のは朽ち果てた物を復元したもの←どの程度忠実なのか不明
・しらびそ高原のは本物のようだがしらびそへの道は冬季閉鎖

という訳で本家木曽谷を訪ねることに。
といっても、冬季に誰でも見ることができるB型客車って長野県内にあまりないんですよね(笑

ネットで奈良井駅近くにあるという事で権兵衛を越えて一直線!



奈良井宿は穏やかな天気でしたが、時折強めに吹く風で前日の雪が飛ばされて視界がかすみます・・・





林鉄の車両は駅の裏手、観光案内所駐車場の脇に展示されていました。
5トン?DLを先頭に客車と運材台車が置かれています。
・・・まぁ当たり前ですが足元は雪で見えません(笑



このようにボロボロの状態ですが、ここに展示されたのは2013年だそうで、それまではブルーシートを被って線路脇に置いてあったそうです。
(まったく見えませんが)線路はキレイに整備したようなので、これから整備するのでしょうかね?
このままでは危ない気がします。





目的のB型客車はこんな感じ。
どのような経過を辿ったのかわかりませんが、ひょっとすると現役時代のそのままの塗装なのかもしれません。
とすればかなり貴重?
腰板が横木の「助六」タイプです。
助六谷で使われてたから助六なんでしょうか?詳しく知りません。
「安全」の下あたり、どてっぱらに明瞭な補修跡があります。



車内には立ち入れませんがかなり良好な状態で残されています。


奈良井宿はシーズンオフ、加えて天気も良くない予報だったので観光客はほとんど無く、じっくり観察できました。



知りたかった「大きさ」ですが、
全長:4560ミリ
全幅:1850ミリ
全高:2250ミリ (車体部分)
でした。いくつか数値がオカシイですが参考にどうぞ(笑

まぁ、ネットを見ると精巧な図面が載ってたりするんですけどね。
精巧なキットもいくつかのメーカーから発売されていますし特に必要ないと言えば無いし・・・



ためしにキットの運材台車に付いている連結棒を使うと、両台車間隔が殆ど同じになりますので、単純にこれをベースに設計されたと考えていいと思います。



実物もそんな感じになっています。

暖かくなったら他のもいろいろ見てみたいものです。

とりあえずあの大きな湘南顔のDLをじっくり観察できるところを探さねば。

草ヒロ

2015-01-29 22:21:54 | 草ヒロ


数える程すら無い長野県と静岡県をダイレクトに結ぶ車道の沿線
いくつかの山間の集落を縫うように繋いでいます

「日本最後の秘境」というべき集落のひとつにあった三菱360ライトバン(1961~69年)



集落の入り口の火の見櫓の下に置かれています。





森の中で風雨に晒されないためか、錆はそれほど浮いていません。
グリルから晩年のモデルであるのがわかります。
メッキのバンパーとフォグランプが誇らしげです。


周囲の木より低くて役に立つのか分からないヤグラと違い、いまだ物置として現役でした。

123-5を塗り替える

2015-01-25 14:04:09 | 今日の製作所


どんどん作りたいナァと思っている車両が消えていきます・・・
私が宮地岳線を訪問したのは2006年(たぶん)
当時はまだ吊掛駆動の300形も残っていましたね。


さて、わりと人気な鉄コレ20弾
以前製作した身延線とミニエコーに続き、123系シリーズを増やしました。
元々西日本の123系は製作するつもりはなかったのですが、せっかく発売になりましたので・・・(笑



今回作成したのは123-5の宇部線時代。
123系にしては地味な塗装だった羽衣線時代と違い、水色にカモメの模様が描かれた単純ですが印象的な塗装です。

カモメは湘南電車さんのデカールを使用することとし、単色塗替えのみのお手軽加工です。



まずはバラします(屋根はすでに部品を取り付けていますが)。
床板が集電対応になっているのは初めてですかね?

黒い前面の上から水色はちょっと厳しい感じなのでシンナーで塗装剥離。
超音波洗浄機にお湯を入れ、タッパーのシンナープールを浮かべて作業。
この際ちょっと表面が荒れてしまいました・・・
お湯が熱すぎたのが原因かな・・・?モールドに問題は無く、最後に半光沢を吹いて誤魔化しています。

あとはごく普通に塗装→デカール貼りです。
デカールは、寒い時はお湯を使うといいと思います。
乾かす時もドライヤーを使ってやると糊が車体に良く付いて剥がれにくいです。




屋根は基本的に製品のまま。
付属部品を取り付け、ヒューズ箱上面のバリを平らにしてタミヤエナメル塗料ミディアムグレーを塗っています。
パンタはGMのPS16を銀に塗装して碍子より下をカットしました。
この辺は先輩I氏に倣っています。
幌がなぜか銀色に塗装してありますが、登場時は銀色だったのでしょうか?
どう見てもグレーなのでこちらもエナメル塗料で色挿し。



こんな感じで簡単に123系4両目、鉄コレ20弾2両目の整備が終わりました。
屋根周りの加工のみの飯田線に比べれば「工作」っぽいかなと。
カプラーはスカートの関係で簡単に交換できず、とりあえずダミーのままです。


この後、123系シリーズは600番台や末期色などに続くかな?


松本電鉄 新村

2015-01-24 21:46:32 | 旅行


本日は長野市からの帰り道。
普段はバスですが、今回は途中で道草をしたいがために電車にしました。
・・・鉄道はスピード、金額、快適性で負けており「途中下車ができる」「走行中車内をウロウロできる」程度のメリットしかないのが現状です。


久しぶりに松本電鉄に乗車し、新村にある車庫を訪ねてみました。
井の頭3000のモーター音は学生時代を思い出します。
ほとんどの架線柱がコンクリートになっていましたが、北新には今時珍しいゴング式の踏切が残っていました。




新村駅からみた車庫全景。
・・・ハンマーの音と談笑だけが聞えます。

こうしてみるとコンパクトに良くまとまった車庫です。
木造の架線柱や詰所が良い感じです。機関車の置かれた線路に架線が無いのが残念。
県内私鉄では、長野電鉄はやはり規模が大きめ、上田は同規模ですが新しめです。
・・・こういうのを見ると「地面」も作りたくなりますな(笑



ED30。以前は紺色っぽい塗装だったと思いますが、綺麗に塗りなおされて屋外に置かれていました。
イルミネーションが付いています(笑



その奥には不思議な軽トラが・・・トロッコの上に軽トラを載せて、シャフトを繋ぎかえて無理矢理モーターカーに仕立てています。
保存車の奥に置かれているので、もう動くことは無いのでしょう。
・・・Nゲージで再現は、無理かなw

そして松本電鉄で有名なのは青ガエル。
元東急の5000系です。岳南のは解体されてしまいましたので、原形を保っているのは熊本とコレくらいでしょうか?



前回訪問時は松本電鉄色でしたが、最近(と言ってもだいぶ前)東急時代の緑色に戻されたようです。
・・・しかし今回見たかったのはこちら





青ガエルの奥、車庫敷地の隅に2両の木造貨車の車体が置かれています。
ワ1、ワ2という車両らしく、バッファー跡もある大正期の車両です。


車庫の奥に置かれた廃車体・・・「典型的な地方私鉄の風景」ではありますが、実際にこうした風景を見ることができる場所は本当に少なくなったと思います。
小奇麗にまとまってはいますが、松本電鉄新村駅はいろいろな要素が詰まっているいいところです。


紙製小型ガソリンカーの製作1

2015-01-20 22:17:30 | 今日の製作所
年末のこと

紙で仙台市電等の素晴らしい作品群を製作されている方から型紙のデータを頂きました。
コミケなどで頒布されており、目にされた方もいるかもしれません。

頂いたのは最新作、阿南鉄道の2軸ガソリンカー。
KATOのチビ客車動力を使うものです。
・・・シバサキのキットやとて簡を連想させますが、こちらは窓が一段なのでペーパー工作で何とかなりそうです。



なんだそれはというのはこんなのです。(これは成田鉄道の同型車)
雨宮製作所の標準的なガソリンカーで、薄い屋根のかなり角ばった車体が特徴。
ガソリンカーは如何にも薄くて軽そうな雰囲気の車両が多い中、重そうな雰囲気を持っています。
・・・たぶん腰板が長いせいでしょう。

全国の(かなり小規模な)私鉄各社に導入され、おそらく最後まで残ったのは蒲原鉄道でサハ化されたものだと思います。
最近アルモデルからHOのキットが発売されているので、それでご存知の方も多い事でしょう。


さて、キットというか型紙の方はCADデータなので取敢えず印刷。
以前の紙工作にはケント紙を使っていましたが、最近はペーパークラフト用紙がプリンタ用紙コーナーで売られているので素直にそれを使います。



不慮の事故で破棄する事になる場合を考え、いつも多めに作ります。
・・・なんと言っても紙。原価はとても安い。
今回は最新作の阿南鉄道のガソに加え、かなり昔にweb上で公開されていた日車製?のものも同時に製作します。





あとはデザインナイフと定規を使って窓を抜いていくのみ。
最初のうちは結構ミスを連発すると思いますが、これは慣れてコツを掴むしかないかと・・・
とにかく切れ味が悪くなったら刃をすぐ交換しましょう。

それから、紙の印刷面にはクリアー、裏にはサーフェイサーを塗布します。
これは通常切る前に行います。今回は窓を抜いた後にスプレーしてみました(笑
・・・冬は手汗で「スルメ」みたいになる心配は無いのでどっちでも大丈夫そうです。


扉のモールド表現には透明なシールを使います。



図書館の本の表紙に貼ってあるアレです。
私は東急ハンズで購入しましたが、製本材料が置いてあるお店なら購入できそうです。



こんな感じに扉の周りに貼り付け、いらない部分を窓と同じ要領でカット。
紙まで抜かないように注意です。



窓のすべてと扉のモールドが出来たら今度は内板と外板を貼り合わせます。



内板の印刷面にサフを吹き付け、乾かないうちに外板を重ねて接合しました。
・・・かなり荒業です。乾いたら修正不可能なので慎重にやりましょう
ここで1両ロスしました(笑

ただし!実は実家での作業で資材が無かったのでこうなってしまったのでありまして・・・

通常はサフが乾いた後に重ね、窓や隅からシンナーや流し込み接着剤をしみこませれば接着できます。
こちらの工法を推奨しますw






乾いたら前面と側面を切り出し。
内外がうまく接合していない場合は、裾などからシンナーや流し込み接着剤を流して固定しましょう。






あとはプラの板キットと同じ要領。
一両は少しアレンジし、前後の窓を1枚分縮め、荷物台が付くようにしてみました。
このようなアレンジが簡単にできるのは紙ならではでしょう。



側面と前面の接合部が前面に来て目立つので、瞬着を盛りつけて整形しています。
・・・サフが茶色いのは在庫の関係です。


(つづく)