工場長の製作日誌

模型製作記録とか辺境の記録とか

善光寺道を行く3(青柳の切り通し)

2017-12-27 06:10:39 | 日記


いよいよ年末
・・・何となくそわそわしますw


さて、善光寺街道紀行の続き
麻績村へ向かいます。



筑北村にある旧坂北村役場の建物。
明治33年築造で、青柳宿の端っこに立っている簡素ながらオシャレな建物です。
・・・こんなのを模型で作ってみたいものです。


筑北村と麻績村の間にはちょっとした峠があり、そこに2つの切り通しがあるとのこと。
青柳宿の緩い坂道を登りきると道は大きく左にカーブし、曲がりきると大切通しが見えてきます。



中々見事な切り通し



新しい案内看板も設置されており、1580年開通、以降3回にわたり改良が施工されたとの事。
これによると、
現在の大切通し  L=27m、W=3.3m、H=6m
1698年の大切通し L=25m、W=2.5m、H=3m ※案内看板より単位換算
という感じ。延長はあまり変わらない?





壁面には明瞭にノミの跡を見てとれます。







こちらが小切り通し
すぐ先に現代の土木構造物、長野自動車道のガードが控えています。
この手の解説板に「旅の安全を祈る」というのは珍しく、洒落ていて思わずニヤリとしました。

・・・この2つの切り通しの間の道の脇にも切り通しのようなものを確認できました。
当初からあったのか、後から作ったのかわかりませんが、今は道から外れて使用されていません。




最後のオマケ。
麻績村聖高原駅前のタクシー屋さん
こういう建物、最高です。

おもいでの京王5000系(GM塗装済キットをつくる)

2017-12-24 16:57:52 | 今日の製作所





私が鉄道趣味に走るきっかけと言える京王5000系
旅客車が消えて20年以上、地方私鉄に譲渡された車両も引退時期に差し掛かっています。

・・・そして今年、京王線に5000系を名乗る電車がまた走りだしました。


さて、そんな5000系の模型と言えばグリーンマックスの塗装済みキット



たまたま一畑の車の引退情報を聞いた日に中古模型店で見かけたので購入。
・・・中学生のころから欲しかったのですが、未塗装の2連ばかり組んでいてこの箱は初めてです。
回送電車かよwというのはありますがカッコいい写真で憧れでした。


この塗装済みキット、最近再生産された物は色を変えたみたい・・・
たまたま店頭に両方あって見比べました。
比べると
・白は新しい版の方が実車に近いように見える
・帯の赤が新しい版は濃すぎて茶色みたい
という感じです。(あくまで個人の感想で私の見た個体についての話)

という事で、旧製品の方をゲットした訳です。


熱が冷めないうちに組立て。
以前入手していた組立済みジャンク4連と合わせて8連を再現します。
・・・なぜ今?というと、今でなきゃ多分もう作らないだろうから。
模型やめるとか言う話ではないけど、この手の長編成はたぶんやりません。


さて、このキット、車体が印刷済みというだけで、目立つクーラーなどのパーツは自分で塗らなくてはなりません。
・・・お手軽に見えて結構難易度高いです。

その中でも前面に付ける貫通路の渡り板・票差し・運転台通風穴カバーが未塗装なのが鬼門!w
なぜ一体成型でないのか?せめて塗ってくれと思います・・・
GM28番を良く混ぜてエアブラシで塗るとまぁまぁな色になってくれます。

車体のクリームはちょっと白すぎるので、クリアにクリアオレンジを混ぜて塗ってみました。
塗ってみたのですが薄すぎてほぼ分からない感じ・・・まぁ失敗よりはいいですかね(汗



同じ要領で前面ガラスにクリアにクリアブルーを混ぜて塗装
熱線吸収ガラス風にしています。
この手の新型車にはおススメの表現です。



沢山並んだクーラー
側面には開口部が4つあるのですが、色挿し出来るようなモールドになっていません。
クーラー1個で8カ所、1両6個のクーラーで・・・というのを塗装はちょっと大変すぎる・・・
という事で、穴の部分に黒いマスキングテープを切って貼りました。
まぁ塗るより楽に実感的になります。

このクーラーは実車が山側に偏位していて(トップの写真でも分かります)、模型でもガイド穴が偏っているのですが、そのまま開けると編成でバラバラな位置に付いてしまうというワナ(説明書に一切解説なしw)があるので注意です。

クーラーの色は、車体色と同じクリームが正しいようですが、私が見た晩年には色あせなどで明らかに違う白っぽい感じ。
模型ではGM21番で塗りましたが、プラの色がクリーム色なので明るすぎました。
白や明灰白色で塗るのが一番イメージに近いかもしれません。



デワに改造された編成は遅くまで車体側面にKTRのマークが残っていましたが、他の編成がどの程度残置されていたのか不明なので今回の8連にはKEIOマークのみとしています。
・・・デワも未塗装で組立途中なのよねw



一応車内も塗装。
子供の自分には一枚ドアの銀色と、かぶり付きの座席が強く印象に残っています。



今回地味に大変だったのがこれ。
分かる人にはわかるだろうけどめっちゃ時間かかりましたw
床下機器の表現は当時なりなので、今時のキットから持ってきて組み合わせるのが正解かもしれません。


今回作成の2編成は16Fと22F
平成時代にこの編成があったのか不明(多分ない)ですが、クーラーの違いがあり賑やかな感じです。
16Fはジャンク品再生で、車体に接着剤が付いていたり酷い出来。
でも光沢塗装すれば目立たないだろうととりあえず作製w
窓ガラスは接着剤の付いていない物をジャンク箱からかき集めて切貼りしています。
・・・完全版をつくるなら23Fがいいかな?



先頭車4両
KATOカプラーと、ヘッドライトはタバサのシールドビームに交換。あとはそのままです。
行き先は急行京王八王子ゆき
・・・シールが足りなかったので中間に来る車の幕は壊れていますw

ちなみに一番右は鉄コレの一畑電車
きっちり作れば、これと比べても遜色は無いと思います。



そんな訳で自分が作った中では最長編成の8連が完成!
・・・幌とか連結間隔とか手入れしたい所は山ほどありますが、飽きそうなのでこれにて(笑
塗装済みだしお手軽モデリング!と思ったのですが、結局3週間・・・今年最後の完成品となりそうです。

善光寺道を行く2(花川原峠の石まんぼう)

2017-12-13 21:32:38 | 日記


善光寺街道の続き

四賀の会田宿は坂の宿場
宿場の中からすでに峠道が始まっています・・・
四賀と坂北の境に位置するのが立峠
善光寺道で最大の難所だったようです。



一番上の立派なお屋敷。
集落は終わり、立峠に向かいます。



途中にあった道標
「左 善光寺近道」とあり、気になるも山止め(入山禁止)の看板が・・・




途中のお堂?付近の馬頭観音
この手の物は地元の方々の素朴な作品が多いのですが、これは非常に立派。
精巧なので一見の価値アリです(その割写真が適当w


ここから立峠は車道を離れて山をほぼ直登!
なので、自転車の私はアッサリ断念・・・車道を登る事にしました。



立峠は自動車の通れない昔ながらの道ですが、東の花川原峠は改良されて林道に
・・・林道にしては自転車をこいで登れる程度の勾配。ヘアピンカーブが連続します。




花川原峠に到着
小さな切通しのある普通の峠です。

私が山に行った時のお約束であるジャムパンを食べながら付近を観察・・・



?「石まんぼう」とは・・・
峠には城址入口とこの石まんぼうと書かれた2本の白い標柱が立っています。
が、特に解説が無いので何の事だかよく分かりません(笑
たぶん切り通しの片側の岩の事だと思うけど・・・「まんぼう」には見えないなと。
ちょっと気になったのでジャムパンを食べつつ裏に回ると・・・



!!!!
これが「まんぼう」
解説が無いので不明ですが、おそらく旧道のトンネルでこれが石まんぼうなのでしょう。

明らかに人工的に掘られたトンネルですが、被りがほとんどありません。
トンネルになっているのは長く見ても4mほど・・・
切り通しにしなかったのが不思議な感じ。



壁面上部に今でいうところの扁額のようなものが掘られています。
・・・達筆すぎて読めませんw
後述の、青柳の切り通しにも同じような意匠のものがあるので、似た時代に掘られたものかも。
・・・とすると明治以前の施工かもしれません。





反対の坂北側
急な九十九折れを登った所にこの隧道が聳えています。
・・・そこそこ急ですが道幅も広く、荷車の通行を考えた設計になっている道です。
おそらく立峠のバイパスとして建設されたのでしょう。



「当県上水内郡」と書かれた落書き?
隧道壁面にはよく見ると無数の落書きが。
「東京」「大阪」「山形県(村ではない!)」などと書かれており、ここに遠方からの通行者があったことが分かります。
年代が分かる記述は読み取れなかったのですが、すべて旧字で墨書きされていることから、少なくとも戦前の物と思います。
・・・まさか「石まんぼう」を見に遥々来たとは思えないwので、たぶんその頃まではメインルートとしてこの道が使われていたんだと。


帰宅後調べると「まんぼう」とは横穴の事で、このトンネルを石まんぼうと呼ぶという事でした。
また立峠付近には炭鉱があり、石炭を索道で輸送した記録がある事から、もしかすると花川原峠を通って輸送した時代もあったのかもしれません。
異様に緩やかな花川原峠もその際の改良なのかも・・・
などなど、まだまだ散策のし甲斐がありそうです。




峠を降りると現代の「まんぼう」高速の立峠トンネルの脇を通過しました。

                           つづく


善光寺道を行く1(刈谷原峠)

2017-12-10 18:56:48 | 日記


とても久しぶりに鉄道以外の「道」ネタです。

引越し以来ずっと通ってみたかった善光寺道(北国街道西脇往還)を自転車で通行しました。

北国街道西(脇)往還は中仙道の洗馬(塩尻市)から松本市、筑北村、麻績村を経由して長野市善光寺までの街道
善光寺への参詣者の他、長野~松本の物資の輸送路として栄えました。


松本を朝出発し信大のある旭町を通過、北上すると岡田宿
山が迫ります。

・・・話がそれるけど、戦前旭町で生まれた祖母が
「山の方から丸太を積んだ馬車が定期的に下りてきて、主人は近くの飲み屋で飲んだ後馬車の荷台で寝てしまう。それで主人を積んだ馬車は勝手に帰っていく」
という話をしていたけど、それってきっと岡田あたりの人なんだろうなぁ。。。

岡田宿では保福寺峠を通って上田へ抜ける「江戸街道」が分岐します。
・・・というかこちらがメインルートですねきっと。
こちらは現代でいえば国道254号線、三才山トンネルのルートが概ね重なります。



分岐点には道標の石塔があります。

善光寺道は集落はずれのため池を過ぎて更に北上・・・



すると分岐が



左へ逸れて登る道は馬飼峠といって、明治期に新設された荷車を通せる車道とのこと。
「全国初の有料道路」と書かれているが、この前年に静岡県の東海道で金を取って通した峠があるのでコレは誤りと思う。
近世にも通行料の必要な道はあったようですし。
・・・が、翌年という事で非常に貴重!今度通ってみようと思います。

刈谷原峠は急峻、と書いてあるだけあって自転車を押して通るにはキビシイ坂道・・・
が、私が一番訪れたかった場所が!





今となっては特別なんでもない急坂の途中のちょっと開けた場所でした。
ここには「商人石」という伝説上?の石があったようです。

松本の物価が高い時はうず高く積まれ、物価が下がれば低くなる

いかにも商業都市松本らしい言い伝えではないでしょうか?
・・・多分実在していて、実情はケルンのようなもので松本を出た行商人が同業者に向けたメッセージのような形で積んだものではないでしょうか?



・・・無人となった峠道には今は積む人もなく、昔日の旅人が小休止しただろう空間だけが残されています。





道中には馬頭観音などの石仏がたくさん安置されています。
旧街道では特に難所に多く置かれています。

馬頭観音は本来の意味を逸れ、日本では交通の神様として、行き倒れた駄馬の供養として設置されています。


風が強くなりもうすぐ峠!
と思ったら



!!!
まさかの倒木w





丁度ゴール地点がまさかの閉鎖でしたが無事刈谷原峠に到着
視界はゼロですが、ちょっと広い空間があります。

・・・ちなみに、四賀側からは最近(前日?)車が来たようで、雪にタイヤ跡がありました。
ということで、刈谷原峠は倒木が無ければ自動車で通過が可能なようです。



北側斜面という事で雪も残り、お地蔵さんも寒そう。

・・・あとはひたすら降りて松本市四賀(旧四賀村)へ

最後に会田宿にあった面白物件



会田宿入口の道祖神ですが



超細いw

宿場に着いたので今回はここまで。。。    (つづく)

猫屋線の機関車(レビュー)

2017-12-03 16:30:15 | 今日の製作所


発売と聞いて「えっもう?」
と慌てて注文しました猫屋線第3弾の2種類
・・・とりあえず入手ですw

部品を共通化している部分もあって意匠が似ていますが、
DB1はセミセンターキャブ、DB2はL型になっています。
・・・なかなか上手いデザインかと思います。

1番の方は山形交通のDBに似ているなと思ったのですが、キャブの形状など結構異なります。
※後から気づきましたが尾小屋のDLがプロトタイプなのですね。
一方の2番は色がどうにも木曽林鉄に・・・協三DLのようです。



フレームの形状などNo.127が近いイメージです。
・・・キャブの交換キットなど出るのでしょうか?笑




ひとまずDB1を動力化
純正動力でお手軽です。
オマケパーツとしてステップが付いています。


DB2の方はコレを買った理由?でもある林鉄化を検討



乗工社のキャブフォワードと並べると寸法はほぼ同じ、ただしやはりキャブが大きいです。
1/80として考えれば全く問題ないサイズのようです。



パッと出てきた機関車と並べたところ。
・・・サイズは良いけどデッキが気になりますね・・・
思いっきり「板」なので、腕の見せ所でしょうか?





貨車と客車
鉄コレ第1弾っぽくて懐かしい。
客車は以前の再販と思ったんですが、よく見れば窓配置がキハと同じになって長くなっていますね。



・・・つづきはウェザリング?