工場長の製作日誌

模型製作記録とか辺境の記録とか

ルーマニア鉄道に乗る その2 ティミショアラ(1)

2024-02-13 20:24:24 | 今日の製作所
さて、Arad 15:56 発の Timisoara nord(ティミショアラ北駅)ゆきに乗り換え
ティミショアラには18:00の到着である。
57kmを2時間ほど・・・遅いか速いかはまぁアレだがRは大体こんな速度感である。



通った道中には無人駅というのは無かったように思う。
どんなに小さな駅(軒が崩れているような駅もある)でも駅員さんがいて発車の合図を行っていた。
そんなところも人が動かしている一昔前の鉄道を感じさせる。

ちなみに客車は通路が片側に寄って3人掛けの椅子が向かい合っているタイプ。
コンパートメントっぽいが、通路と座席の間には仕切りは無かった。
・・・3+2の1等車格下げ風のものや4+4のコンパートメントタイプなど、外はパッと見同じだが車内は色々なタイプがあるようだ。

冬のヨーロッパは日が短く、到着の18時には真っ暗
降りて構内踏切(踏切というか通路だが)を抜けると見たかった車両と対面することが出来た。



Clasa77
超古いディーゼルカー。ルーマニアで現役最古の動力車らしい。
1935~1942年にルーマニアのMalaxaというメーカー製。なのでMalaxa900とも呼ばれる。15m級の2軸気動車。それなりの数が生産されており、日本のキハ04的なポジションと思われる。
今使われているものは2016~2020年!に更新されている。
ティミショアラ近辺にしか残っていないようである。
2連と単行の運用があるようで、ちょうど3両見ることが出来た。



運転士と話しているのは自分が乗ってきた列車の車掌さん。



翌日には車窓からすれ違ったので、それなりに運用に入っているようだ。
後述のClasa78同様、客車は余裕がありそうだし、車庫には新型DCのデジロが多く留置されていたので、残っている理由がよく分からないしいつ置き換えになってもおかしくないように思う。
・・・まぁ要員の雇用の問題とか、外国製であるデジロのメンテナンス問題とかあるのかもしれない。デジロも新型に見えるがもうデビューから20年近く経つらしいし。




今日は12月31日
ティミショアラは地域では主要な都市であり、旧市街ではカウントダウンイベントが行われとても賑やか。出店で郷土料理のママリガなどを食す。
治安についてはトランシルバニア地方に関しては悪くないように思えた。
夜の新宿歌舞伎町の方がよっぽど緊張感がある。
※年末年始で悪事も休業だったのかもしれないが。

古い津川洋行の動力化

2023-11-15 19:36:43 | 今日の製作所


気づけば11月もなかば
もう冬がすぐそこです・・・

先回のレールバスに気を良くし、残る手持ちの津川製品2両にも動力を組み込みました。

まずはキハ07
これも当時は唯一(シバサキのキットはありましたが当時の自分は知らなかったし入手不能)の製品で一種憧れの製品でした。
動力化するにはGM動力やKATOのキハ20を使えばそれほど難しくは無いと思いますが、当時は菱枠台車が無かったので工夫が必要でした。
・・・GM旧型気動車動力を延長すれば良いのですが、これも入手困難だったと記憶しています。

今回使用したのが今は亡き三星商店の「自由自在動力ユニット」というもの



今年に入って中古店で見かけて珍しかったので購入したモノ。
説明書を読むとキハ07を動力化するのに使えると明記されており、津川キハ07と同年代くらいに発売されたものと思われます。
ワールドのテンダー動力を片台車駆動にしてそのまま延長した構造になっており、台車の首は振らずに車軸の遊びでカーブを曲がる仕様。なので急カーブは通過不能のようです。







さすがに2軸集電では悲しいので従台車からも集電出来るように加工しました。





床下機器は鉄コレやGMキハ04から適当にそれらしく並べています。

車体はとりあえずそのまま。
・・・加工しだすとキリがないし、そもそも精密なものを求めればマイクロの方が良いでしょうw


続いてはボンネットバス
こちらも津川の旧製品では有名かと思います。
色々ビミョーな所はありますが、Nサイズのボンネットバスとして珍重されていたものです。

これは大昔のNゲージマニュアル(多分)にあったリアル化の記事を真似てフロントガラス周りや通風器を加工しはじめたものの、そのままジャンク箱で十数年の眠りについていたものですw

最近の津川のTMC100用動力がL型の形状をしているのに目を付け、これを利用してお手軽に「レールバス」にしてみました。



動力周りにボンネットバスに合わせて床板を作った状態
モーター特性上スローは効きませんが、昔の完全自作動力よりはかなり快調なのでOKとします。



実のところWBが2mmくらい短いのですが、まぁこれもOK(汗



タイヤハウスはプラ板で塞ぎ、ヤスリ掛けに邪魔だった屋上のモールドは一部取り去ってしまいました。





フリーランスに面倒なバスの塗り分けはちょっと…というのと、少し異国風にしてみたかったので単色塗りに
きつめに汚しをしてボロい雰囲気にしています。



ということで手持ちの津川製品の動力化が完了。
たまには気軽に手持ちの製品を弄るのも良いですね。

というか、情景を作るようになって車両に求めるものがだいぶ変わってきた気がしています。
なんというかまぁ上手く言語化できないので今回はこの辺で・・・w

津川洋行の南部縦貫レールバスの動力化

2023-10-23 20:57:17 | 今日の製作所
何をいまさらという感じですがやってみました。



実物が休止になる97年頃に発売、思えばかなり昔の製品になったのかもしれません。
・・・トミックス製品も2002年発売ともう20年以上前なんですね・・・

自分が本格的に模型店に通うようになったのはだいぶ後なのですが、在庫品なのか再販品なのか店頭に並んでいた記憶があります。
・・・そのクオリティーと価格で手は出ませんでしたがw

しかし改めて見ると全体のプロポーションは似てる(やや屋根が薄いか?)し、表記もキチンと入っているし、キハ101と102のナンバーそれぞれ発売している点など結構見どころもありますね。
手作り感というか味わい深い結構印象に残っている製品です。

模型仲間(大先輩ですが)から譲っていただいて何年かジャンク箱に仕舞っていたのですが、思い立って動力化してみました。

動力化の方法はKATOチビ客車動力を使用するのが定番ですが、製品の味を最大限活かすようにわざわざ製品の床板を利用しています。
・・・チビ客車だとおなかのウエイト(現行品はプラですが)が目立って下回りがマッシブな感じになってしまいますしね・・・





使用したのはKATOの小型ボギー動力
モーターと車輪、ウォームギヤを使います。台車上に付いているウォームギヤは軸が抜けるのと、モーターの軸と同じ径なのがポイントです。
床板に穴をあけてウォームとギヤ付き車輪が噛合うようにモーターを固定すれば駆動部はOK

集電は今更普通に作ってもなということで、ボタン電池で動くようにしました。
・・・実は集電装置を作るのが大変というのは結構ありますw
LR44を横から差し込めるような電池ボックスをプラ角材で製作し、接点部分は銅箔テープです。
銅箔テープは自在な形にカットしてそのまま貼付けでき、ハンダもできるので大変重宝します。
横にはON/OFFスイッチも取り付け。小さい汎用品です。
・・・取り付け位置を考えなかったのでスノープラウが邪魔で操作するのにピンセットが必要になってしまいました。



製品は窓ガラスパーツで床板の高さを調整する構造になっています。
これが精度がイマイチすぎてちゃんと嵌らず、腰高になったりしているのですがソレはソレw
モーターを入れると上が干渉してこのパーツは使えない(というか元々上手く嵌らないのですがw)ので、床板は車体に固定の角棒と床板にツメを作って対応しました。





フロントガラスは歪みが酷かったり傷があったりするのですが、一応モールドがあるのでこれも味わいのうちwとしてパーツを切出して上から嵌め込み。まぁこれはこれで良し(汗

車体はディテール!?というレベルなので最低限の色差しと屋上のスミ入れのみ。

ということで製品の味わいを残したままの動力化、完成です。

2軸なので通常なら集電性能に不安がありますが、電池内蔵でレイアウトをゆっくりと快走します。
ぼけ~っとひたすらに眺めていたくなります・・・


小林信夫氏の駅を作る

2023-10-12 20:59:20 | 今日の製作所
本ブログを読まれる方はみなさんご存じかと思いますが
訃報はかなりショックでした。

自分は80年代生まれかつ平成生まれであり、小林氏がTMSに登場した頃はまだ幼児
だったのですが、消防厨房時代には最寄りの図書館にTMSが80年代から揃っており(今にして思えばかなり凄い)、厨房にかけて熟読したものです。
その中でも氏の記事は素材の身近さから「自分でもできそう」と思わせるところがあり、また添えられたイラストの世界へ引き込まれるように熱中しました。
・・・それがGMの箱絵時代からの彼の仕事の魅力なんだと思います。

最近では記事を参考にお菓子の空き箱から16番車両を作り始めました。



工法は真似できない部分も多く記事通りではありませんが、イラストや説明は非常に参考になります。
・・・外板と内板を張り合わせてから内板の窓等をカット、というのは私にはどうにも無理です・・・


最後の記事のイラストを見てそのまま製作に取り掛かりました。
終着駅なのか、あるいは長い旅の始発駅なのか・・・



やはり今回もかなりの部分が自己流
エコーの建具を使用することとし、これに合わせて寸法を決めました。
記事の駅舎はもっと大きいようですが、私が作れそうなジオラマに置くにはこのくらいが限度でしょう。



本体は1mmの黄ボール紙に経木を貼り付け。
柱には2mmの角棒を使用します。壁厚調整のため、裏に厚紙を当てました。
経木や柱はあらかじめ塗っておきます。
色は記事に倣っています。



室内も適当に表現。
ところで駅務室の改札すぐ横の部分は普通は窓になっている気がするのですが、小林氏の駅は扉になっている事が多いようです。あんまり見たことが無いような、どちらでもいいような・・・

琴電滝宮駅で気が付いたのですが、小さな駅の場合待合室と駅務室は直接行き来できない場合もあるんですね。



イラストの通り時計塔も設置。
屋根に穴をあけて嵌め込む形にしましたが、ちょっとパズルみたいでこの工作は楽しいものでした。
・・・塔を付けたくなる気持ちがわかる気がします。



トイレも製作
こちらも98年7月号に掲載の記事の図面を利用しました。

屋根もボール紙の波板を使用
トタン波板にしてはデカいけどスレートなんですきっと
海外ではよくあるし、そもそも日本なのかよく分からないしw



塔の屋根には梅桜堂の風見鶏を設置してみました。
紙なので強度的に不安はありますが、一気に楽しい雰囲気になります。
・・・まぁ金属でも引っ掛ければ壊れるかと思いますが



ラッチには犬走工房の製品を設置。
屋根をエナメル塗料で塗装したら完成。

いつかイラストの様な駅のジオラマを作りたいものです。
工作の楽しさを教えてくれた小林信夫さんありがとう。

使用材料
・エコー 窓枠
・梅桜堂 風見鶏
・犬走工房 ラッチ
・黄ボール紙t1、波板
・ティッシュ空箱
・角棒(1mm,2mm)
・経木
・100均の水性ペイント(内装)
・ウェザリングカラー(緑・茶・灰)
・タミヤエナメル(青・汚し用)

GMのクモヤ143

2023-07-24 20:57:04 | 今日の製作所


実車はあまり知らないけど模型は少し気になってる、というのがいくつかあるのですが、これもその一つ
GMのクモヤ143キット。
自分は塗装済キット時代の人間ですが、こちらは未塗装。
塗装済キットは黄色い部分を別パーツとして塗装の便を図っていますが、これは全体が一体になっています。
よほど塗装が難しかったと見え、この製品を塗った作品は悉く・・・w
マァ、青の上から黄色を塗るのは難しいですし、黄色を塗ってから青を塗るにはマスキングが難しいですし・・・しかも当時は筆塗りかスプレーか、とにかく道具もありません。



たまたま中古で塗装済みのを1両入手したのでレストアしてみました。
案の定、筆塗り状態でそのままは厳しかったので塗装剥離。
シンナープールでキレイになりました。

冒頭の通り実車にあまり思い入れはありませんし、手を入れるにも今では良い製品が他にあるので、なるべく手を加えずに再生することとします。



ボディーは塗り分け線のモールドを削った程度
古い製品ですがなかなか良く出来ていると思います。
ライトにレンズを入れると更に良くなるハズ。





動力も付いていた古い文鎮動力そのまま
ほぼ未使用と見えて調子よく走ってくれます。片側のカプラー受けがカットされていたため、鉄コレパーツとKATOカプラーで再生。
スカートは123系用を台車側に取り付けてアゴが外れる仕様にw





塗装はエアブラシで黄色→屋根→青の順に塗装
軽くスミ入れして半光沢コートしています。
荷物扉部分の銀色が多少荒れてしまいましたが、まぁ及第点とは思います。