工場長の製作日誌

模型製作記録とか辺境の記録とか

別府キハ101をつくる

2017-06-22 07:05:27 | 今日の製作所


いよいよ夏が近づいてきました。

さて、手持ちの鉄コレ同和鉱業を別府鉄道のキハ101にしてみました。

別府のキハ101といえば、ブレーキ管破損防止のために裾が延長された独特の姿をしているイメージですが、晩年になって取り付けられたようです。
そのため登場時は時代とほとんど同じ。
塗替えのみで対応できます。
・・・なお、側面客扉間のみ裾が延長された姿の写真があり、前面はそのままで側面のみ裾延長という時期があったようです。



在庫のうち塗装の程度の良いものは入線時とし、色を剥がさず似せられるか試してみました。
・ナンバーを消去し、別府のインレタ(キッチン製)を貼り付け
・半光沢クリヤに白を若干混ぜて上から塗装
という手法です。
ちょっとムラになりましたがウェザリングでカバー。汗
入線時のピンク系の塗装になりました。
ホントはジャンパ栓の有無や尾灯の形状などが異なるのですが、これは鉄コレも同じなのでまぁ勘弁してください笑

屋根には銀河のタイフォンを取付、ベンチレータと合わせてグレーを筆塗りしています。



床下機器も全体をジャーマングレーで塗装。
エンジンは銀を塗った上からタミヤの墨入れ塗料をペタペタ。いい具合にガンメタっぽくなります。



途中でちょっと浮気をして北陸鉄道から国鉄キハ41000を。
雨樋取付前の原型の姿です。
・・・このキハ41057は昭和24年に廃車となり、同和鉱業キハ301そして別府鉄道キハ101となります。
違う時代の同じ車両を並べる。模型ならではの楽しみ方。


塗替えは調子が出てくると楽しくなって車内も塗ってしまいます。



椅子をマスキングしてマホガニーで塗装。さらにエナメルで3色目を塗っています。
・・・エナメルは流石に意味が無いのであまりお勧めせずw
キハ41057時代は原型の背板が木のものとし、茶色にしています。


さて、改造が必要な晩年仕様へ。





前面にジャンパ栓を付けたり、ライトのレンズ化を行います。
そのあと裾に1×1mmの角棒を貼り付けて裾を延長。
改造はこれだけです。



塗装はGM28番と、写真の塗料を混色して作った朱色。
ライトレンズはグラスファイバーをライターで炙ってレンズ状にしたものを、最後に木工ボンドで接着します。





なかなか良い感じに仕上がりました。
キハ04シリーズはお気に入りなのでまだまだ在庫があり、暇を見て色々作っていくつもりです。

ダイソーケースに地面する

2017-06-11 21:08:47 | 今日の製作所


機は熟したり
と、言うよりは勢いで作ってみました。
Nゲージでは初めてのジオラマ、というか先作は10センチ四方に情景というべきものは岩くらい、という代物なのでほぼ初のジオラマです。
後述の廃車体を含めて10日程で作製しました。

お題は「気動車庫」
車庫はジオラマの題材としては定番
ジオコレの車庫も手持ちにある事だし・・・と選定しました。



配置原案
ベースは300円のダイソーケース
400円の物の方が長くて色々盛り込めそうですが、間延びしてしまいそうで止めました。



線路と車庫を思い切ってカット。
ケースに納めます。
・・・ちょっと写真の構図決めるのに似てる?

手前のスペースに空きがあるので廃車体を配置
IORI工房のニ4044
明治時代の荷物車です。

機関区の裏には廃トラックを置こうかなと思ったのですが、ギチギチになってしまうのでこちらもカット。



ニ4044は倉庫にすべく扉を開けた状態に加工し、床板と角棒の基礎をプラ材で作成しました。




レールを艦底色で着色してから建物の基礎を固定していきます。
ジオコレの基礎もプラモ用セメントでベースに良く付きます。



この地面の主役のひとつ、計量器
GMキハ04のキットに含まれるもので、これで地面を・・・などと大昔から思っていたものです。
脚が左右でつながっているので真ん中を削って整形しています。

いよいよ地面を作製
先作同様に真砂土に焼石膏を混ぜたものを散布し、霧吹きで水を吹いて固定。
霧吹きは100円ショップの醤油用とか化粧品用が便利です。



固まったらMrカラーのウェザリングマスター各色とタミヤの墨入れ塗料をエアブラシで吹いて着色。
・・・この使い方は結構便利。


後は植栽作業
KATOのターフ等を植えていきます。
直に捲いてスポイトでボンド水を置いて固めようとすると、ボンド水が染み込まずに上手く行きません・・・
地面を霧吹きで湿らせてからやると上手く行きました。
建物が紙なんかの場合は要注意です。
・・・廃車体に若干ヒビが入ってしまった。



そんな具合で完成!
もっと手を入れたい箇所はいくつもあるのですが、とりあえず最初の作品という事でこんなもんでしょう(汗




車庫の切断面は黒マジックでw
廃トラックを置く予定だった場所には木と廃材を配置しました。
戦争の忘れ形見の代燃装置が蔦に埋もれています。





ジオラマ真正面に鎮座する廃車体
ジオコレの車庫はディテールが相当甘く、横に据えるとおかしい感じになるので、この場所にしています。
扉付近にドラム缶(GM詰所より)を1つ配置しました。


20m車を置くには手狭ですが、私の大好きなキハ04くらいのサイズまでならお立ち台にちょうどいい地面になりました。
・・・いいのがあれば人形など置いてみたいですね。

佐久のキホハニ56

2017-06-04 07:26:24 | 旅行


前回記事の小海の帰りに佐久、旧中込学校横に保存されているキホハニ56を見てきました。
中込学校は国の重文になっている洋風建築の学校で、その脇の「成知公園」にC56とキホハニ56が保存されています。
・・・奇しくも同じ「56」ですね笑



屋根付きのホームに置かれていて、フェンスのカギは旧中込学校の職員さんが管理しているので状態は非常に良好です。
塗装がだいぶ色あせてはいますが・・・



この車両は敗戦前後のガラス不足の時代の名残でガラスの分割が多い窓が残っているのが非常に貴重です。

・・・特に調べた訳ではないけれど、別府鉄道晩年時点で既に日本最後だったのでは?
普通であれば修繕などで一枚ガラスに戻るのでしょうが、なかなか窓が壊れる事が無かったのでしょうか?
※別府鉄道の他に、広島電鉄にも遅くまで残っていた車があったようです。

社紋はサが9個で「サク」という佐久鉄道の物です。
一応佐久鉄道時代の状態に復元されていますが、外観はバケットの撤去と社紋の取付程度なのではと思われます。
・・・ホームに面した側以外の3面の窓の四隅にはアングル材が取り付けられています。
昔は金網でも張っていたのでしょうか?



中込学校の開館時間なら車内も見学可能
多少埃っぽいですが、破損などは余りなく良い状態で保存されています。
奥の荷物室仕切り(復元)が露骨にベニア材で浮いているのがちょっと残念・・・





機械式気動車の運転台
※ハンドルはブレーキでステアリングではないので注意w



機関部
車体もそうですがペンキが厚く塗られています。





ホーム上には解説板もあり、詳しい経歴が書かれています。






ちなみに、この車両と共に鉄道設備も別府鉄道から譲り受けた模様
はるばる兵庫からやってきた踏切と信号機が、特に縁のない佐久平に立っています。
それでも現役時代の一番長くを兵庫で過ごしたキホハニには大事なお供かもしれません。