工場長の製作日誌

模型製作記録とか辺境の記録とか

北八ヶ岳トロッコ軌道を巡る

2017-05-28 20:22:35 | 旅行


http://www.koumi-kankou.jp/?p=2656

タイトルの通りのトレッキングイベントを知り、以前から見てみたかった渋林用軌道をガイド付きで歩けるとあって参加してみました。
参加してみたところ、半分くらいが地元の方で「小学校の遠足以来だナァ」という感じ。
みんな野鳥が好きだったり山野草が好きだったり、目の付け所が違うメンバーで歩くのはとても新鮮で良いものです。

今回のイベントのスゴい所は、当時トロッコに乗っていた方に付いて歩いて頂けた点。
なんと86歳!
・・・いや流石にかわいそうでしょと思ったのですが、普通に登ってしまうのには驚きましたw
ここに盤台があった、飯場はこの辺りとか、当時は池はこの辺りまであってここは桟橋だったなど、往年の現地を見ながら歩いているような姿が印象的でした。




歩いたのは唐沢橋~しらびそ小屋~渋林道分岐の区間。およそ片道3キロくらい?



唐沢橋手前でレール転用の柵がありワクワクしたのですが、この林道はもっとすごい・・・
多くの区間でレールが存置されているのです。





この軌道の廃止は昭和34年の台風がきっかけでしたが、その後倒木処理などの関係で暫く使用、民間業者が使うような話があったため撤去されることなくうやむやになってしまったものと思われます。



この軌道の特徴はヘアピンカーブ
猛烈な数の九十九折れはどれも小半径で、機関車が走れるような規格ではなさそうです。
(廃止後観光用にそういう話があったらしいが頓挫)



急坂を登りきった所にある緑池湖畔にしらびそ小屋があります。
かつてはここに飯場があり、30人程度が入っていたそう。
・・・当時は池はもっと大きかったとのこと。



小屋前のベンチ下に、1911年の印のあるレールを見つけました。
・・・6㎏レールにも銘が入るんですね。





当時の職員の方の話を聞くと、
レールは4~5mの物を現地でカーブに合わせて曲げた(まず内側のレールを敷く)
枕木は製品のものと、現地で作った丸太状態のものがあった
この軌道では3~4頭の馬を使用していて、上りはトロッコを積み重ねて馬に牽かせて登った
橋などは馬が怖がって通らないが、1頭だけ平気な馬がいたので橋ではそいつに牽かせた
トロッコには「堀田式」と左右にブレーキの付いた「カラサワ式」があるが、多くが堀田式だった
堀田式は片側にしかブレーキが無いのでブレーキ側を重くしないとうまくない
朝登って積み込みをして降りてくるので1日仕事だった
(この付近のチェーンソー導入は遅くて軌道廃止の頃だったので、まぁそんなもんだろう)
飯場には流しの衆が沢山来ていて、九州から来た人なども話をしてくれた
トロッコまでの集材には沢を使う事もあったし、後には集材機でもやった
など、どれも実際作業した方しか話さないだろう貴重な内容でした。


最後に、松原湖観光案内所で現役自体の写真が展示されていました。
・・・今日だけ!という事で実にもったいない。。。





堀田式のトロに乗るドヤ顔の作業員(笑
人力のトロッコはロープ捌きだけで降りて行きます。



台車上で立って一服しているのが、今日ガイドしていただいた方だそうです。


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